温故知新 Seymour Duncan SH-1n & SH-1b をレスポールに取付け編
2021-02-27
久し振りにリペアでの更新になります。PC入れ替えやらでバタバタしており更新が滞ってしまいました。
さて、今回はジャパンヴィンテージ期のグレコのレスポールを徹底的に作業させて頂きましたが、
ピックアップが片側のみご臨終でした。
お客様とご相談のうえ、リワインドの費用と載せ替えの費用を天秤に掛け、結果載せ替えにはなりました。

で、何に載せ替えるのか?なのですが…
ここで一番プレッシャーを感じるお言葉(笑)
「お任せします」を頂きました。有難う御座います(笑)
一通りお客様の演奏ジャンルや内容、どの様な音作りなのかをお聞きしましたが、
ピンポイントで「コレや!」的な物は浮かばず、フレットを打ち直す間もずっと悩み続けていました。
古いサンタナやブルースロック的なジャンルでしたので現代的なドンシャリ系ではなく
なるべく無難で汎用性の高い物が良いだろうと。
そして結論として59を2個にしてみようかと。
SH-1nとSH-1bです。

APH系も考えましたが汎用性において無難な物とすればやはりド定番、59かと。
「今更59?」「フロントはまだしもリアも59?」とご意見が聞こえて来そうですが
実は昨年末にストラトのリアに59Jrを載せるご依頼を受け、「お!結構エェやん!」な
感触だったもので。
結果としては今回のレスポールでも59のリアはアリです!
近年のバーストバッカーやカスタムバッカー等の高域が強めのハムよりも57クラシックの方が
使い易く感じる方にはオススメです。

アンプ直やブティック系コンパクトエフェクターで音作りするならやはり高域は強めの方が
ラクではありますが最近のデジタルアンプやプリアンプ類は高域を強める事は結構簡単なのに
豊かな中域の丸さ、倍音の膨らみをドンシャリ系PUで作るとなると何処かに「硬さ」を
感じるのは否めませんし。

セッティング出しで弾いていても「あぁ…この感じな。やっぱ良いよね。」と。
懐かしさを感じつつも数十年に渡る超ロングセラーPUの実力を改めて確認しました。
レスポール弾きの貴方、たまにはお婆ちゃんの家に帰った様なサウンドはいかがですか?
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【臨時休業のお知らせ】
気付いたら無くなってる事が多いGOTOHのトレモロアームトルク調整イモネジ編
2021-01-23
久し振りのブログ更新です。通販リペア常連様より
「最近ブログ更新ありませんが緊急事態宣言出てるので休業ですか?」
とご連絡を頂きました(汗)
思いっ切り通常営業しております!
確かにブログ更新はご無沙汰でしたが。
結構リペアが忙しかったり…まぁ一言で言えばブログネタが無かったって事なのですが(笑)
で、今回は小ネタです。
GOTOHのトレモロ関係ではお馴染みの
気が付いたら無くなってたアームトルク調整イモネジ。
フロイドタイプのGE1996Tからウィルキンソンブランド、510シリーズまでアームホルダーは共通です。




この全長わずか3ミリのイモネジがアームホルダー内の樹脂スリーブを押す事でアームの
回転トルクを微調整出来ます。
ところが緩んでも気付きにくく、気が付いたらどっかいっちゃってた常習犯でもあります。

なので、ご用意しました。
1本50円です。
GOTOHのトレモロをお使いの方は今一度ご確認を。
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本日より2021年始動です。
2021-01-06
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。本日より営業開始です。

関東では緊急事態宣言発出など依然コロナの影響が収まる気配がありませんが、少しでも、ほんの少しでも
音楽業界を始め世の中全てが普通の日常を取り戻せる様に祈っております。
当店でも当然感染対策は行っております。

当ブログを以前よりご覧頂いている方やご来店頂いたお客様はご存知だとは思いますが、
コロナ云々以前より作業時にゴム手袋を着用しています。

最近お客様より「感染対策で手袋してるのですか?」と聞かれる事が有ったのですが
残念ながら違います。
作業時に塗装面や金属パーツに手の脂分が付くと後で拭き取りが面倒ですので。
私は特に脂性ではありませんが基本的に仕事以外は面倒くさがりです(笑)
もしかしたらお客様の中には「オレのギターにウイルスが付着してると思ってるのか?」などと
不快に思われている方もいらっしゃるかもしれないので敢えて今回書いてみました。
コロナのお陰で愛用のニトリルゴム手袋も激品薄だし稀に有っても以前のほぼ倍の値段…
ほんまハラ立つわcovid-19。
本年も当店を宜しくお願いします。
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年末年始休業のお知らせ
2020-12-26
告知が遅くなりましたが下記日程にて休業致します。12月28日 年内最終営業日←通常営業
12月29日〜1月5日 休業
1月6日〜 通常営業
休業期間内のお問い合わせ、新年のご来店予約はメール、FBページメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com
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マイナーチェンジ版フルモードサスティナー編
2020-12-07
以前マイナーチェンジ版のサスティナーキット入荷のご案内をアップしましたが取り付けやモデファイを何本か作業してみてこの新型基板の特性が何となく見えてきま
した。

調整時に使用する半固定トリムは視覚的に確認したいので基板裏面からハンダ面へ移設。
半固定トリムも普段多用している物へ交換しています。

当店の人気モデファイメニューであるドライバーへのLED埋め込みも従来通り作業可
能です。

画像はありませんがダンカンJB(TB-4含む)での駆動、センターピックアップ用
音量調整トリムの追加など今まで通りのモデファイは可能です。
基本スペックに大きな変更は無さそうですので。
ただしスイッチは昇圧トランスの高さの関係で脚の長いタイプへ変更されているので
従来型のスイッチを使うにはトランスもハンダ面への移設が必要かと。
ちなみによくお問い合わせ頂く従来型の黒のスイッチですが既にメーカー廃版なので
スイッチのカラー変更はお受け出来ません。また当店在庫も既に完売しております。
基板からスイッチを外しての取り付けはまだ施工事例が無いのでどの程度影響が出る
のは不明です。

肝心のサスティナーの効き具合ですが、従来型に比べ少し大人しい?とも感じますが
効きの良いポジションと効きの弱めのポジションでの差異幅が縮んだ様に思えます。
何だろう…表現が難しいですが上品?上質?になった感じ。
実使用=演奏時の扱いは良くなったと感じます。
ただ、従来型と結構変わったなと感じるのはスタンダードモード。
ミックスモードやサスティナーライトと同じまでは言わないまでも倍音(ハーモニクス)
の被りが強めです。
リアTB-4でパワフルに駆動するセッティングでの巻き弦では
「ん?ミックスモードだったっけ?」と
スイッチ方向を確認する場面もありました。
とは言え基板の製造クオリティーは著しく良くなっているので個人的には満足です。
まぁほぼ期待してないけど今後の安定供給に期待かな(笑)
現在先日の入荷キットは使い切りましたが別ルートより手配したキットが1セットだけ
御座います。インストールをご検討の方はお問い合わせ下さい。
以前基板取り付けスペースの確保が難しいギターに限り、フロントプリアンプ部が別体と
なった小型基板で対応してきたケースがありましたが小型基板は入手出来なくなりましたので
これまでブログで紹介してきた取り付け事例と同じギターでも今後は対応出来ないケースも
御座います。予めご了承下さい。
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【臨時休業のお知らせ】
2020-11-17
18日(水)は臨時休業とさせて頂きます頂きます。19日(木)は通常営業致します。
19日以降のご来店予約、お問い合わせはメール、FBメッセンジャーでお願いします。
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今年はサスティナー関連のご依頼が多いです。EDWARDS フォレストタイプ・フェルNTG?・フェルARS編
2020-10-31
今年は本当にサスティナー関連の作業依頼が多いです。コロナの影響?なのかは分かりませんが…
まずはエドワーズ版のフォレスト。
お客様がネットでご購入された赤箱サスティナーキットを使用してのインストールです。
赤箱新品で作業するのもさすがに今回が最後かな?

元のコントロールパネルがボディー端超絶ギリギリ…

既にジャックのサイドザグリまでクラック入ってるので…
新規にザグリ拡大、拡大コントロールパネルの製作を断念。

なので純正パネル内に全てを収めるべくパネル際ギリギリのザグリを掘って。

基板からはスイッチ類を外す⇒有線で繋ぐ。

狭いエリアにゴチャゴチャと組み込み。

ちなみに基板はスイッチ類を外しただけではなく実はフロント用プリアンプセクションを基板ごとカット。
純正状態の基板と比較すると上部3分の1ぐらいがカットした部分。
昇圧トランスのみ再利用し、プリアンプ本体はセンターPU用を使用するパターン。

せっかくここまでやったなら純正パネルが反っていて安物チックなのが気に入らないのでパネル作り直し。

ドライバーへ埋め込んだ青色LEDはサスティナーON時のみ点灯。

当初お客様との打ち合わせではサスティーンボリュームは基板上でフルアップ固定、
トーンは不要との事だったのでポット穴1個はダミー化する予定でしたがそれはそれで
面白くないのでキルスイッチを取り付け。
押した状態で音出力がカットされます。
後述のギターにも付けていますが最近はキルポットよりもこちらのスイッチを付ける方が多いかも。

完成!

さて、お次はフェルナンデスのNTG?
おそらく足立祐二モデルだと思われますが赤ってラインナップしてたっけ??

ギター側はボディー、ネック、ペグ、ピックガードぐらいで他のパーツ類はお客様が準備された
物をお持込み頂きました。
サスティナー基板、ドライバーも中古品です。
何度も書いてますが中古サスティナーは組み上げるまで正常に機能するか分からない。
つまり工賃が発生してからでなければ使い物になるかが分からない。
中古流用はそのリスクを承諾して頂いたお客様のみ作業させて頂いております。

リア用のTB-4も中古が故に線が鬼短い…

極性変更で分解したついでに元から線材を引き直す。
これが実はかなり大変(面倒)な作業ではある。

必要十分な長さの線材で組み上げてロウ浸けも完了。

組み込み完了。
だが今回の本当の試練はココから始まる。

ドライバー直下にフロントPUとしてダンカンSHR=ホットレイルを設置。
当然磁力干渉が発生し、サスティナーの動作に影響が出る。
実に5パターンの位相変更、配線パターン変更、その都度の基板改造を経て一番良い結果が
出る組み方を模索する。
言うまでもなくとんでもない時間が掛かる…

一番手前の半固定トリムはSHRの音量調整用に設置。

ミニスイッチはリアPUのダイレクトスイッチ。
リアPUのみ基板を通過せずに出力可能。
フロントのSHRやサスティナーONはダイレクトスイッチを解除しなければなりません。
メリットとしてはプリアンプを通過しない素のリアPUの音色を出力、万が一電池が切れても
基板をバイパスする事で演奏続行が可能になります。

いやー何とかサスティナーも合格点の駆動状態にもってこれましたが
この類は毎回大変です。
最悪の場合はSHR外してダミーPUカバーにしても良しとして頂けるお客様のみ対応可能です。
しかし今年は偉大なギタリストの訃報が続きますね…ご冥福をお祈りいたします。

そしてお次は既に何本も徹底的に作業系サスティナーギターを組ませて頂いている常連様よりご依頼。
フェルのARSにモンスタートーンが付いた本○毅チックな1本。
こちらもサスティナー関連は中古ユニットをお持込みです。

まずは減ったフレットから着手。
お預かり時より薄々気付いてはいましたが…

指板が染められております。
本○毅っぽく=エボニーっぽくと言う事なのでしょうが。

画像で見る以上に指板表面が荒れています。
薄い表皮が剥がれ出している感じと言えば伝わるでしょうか。

更に「ん?」な形状のテンションガイドが付いていましたが外して分かりました。
元のビス、折れてます。

手始め?にアセトンで軽く拭き取ってみたら顔料は取れそうです。

結構綺麗に拭き取れました。指板側面はツヤ消し塗装が施されているので木部の荒れは
無さそうです。

指板修正に取り掛かります。

製造時のプレーナー(自動カンナ機)の刃傷に染料が入り込んでいます。

指板を真っ直ぐにする事は勿論ですが染料も全て除去出来ました。
今回の指板表面の荒れ具合を見て決断致しました。
以前ブログに書いた事もありましたがリペアメニューとして指板染色を今後は受付を止めます。
やはり時間が経つと指板はこうも荒れるのを見てしまうとやるべき作業ではないと思いましたので。

フレット打ちも完了。

やっぱりココが気になる。
許せないと言うか(笑)

ナメたビスの頭に穴を開けて抜き取るエキストラクターを使ってスマートに抜けたらラッキー
とか思ったけど。
やっぱり無理でした。そもそもエキストラクターの用途は違うし。

なので折れたビスに直接ドリルビットで穴を開けてビスを削り切ってしまいます。
激細ビットから徐々に太くしていく工程4回。結構時間が掛かりましたが除去完了。

最後は傷口全体の入るサイズで穴を開けて

埋め木。

簡易タッチアップ。

さて、気付けばこんな所にもトラップが(笑)
2点支持ブリッジが載っていたがスタッドは6穴シンクロのまま。
要らない穴は埋めてしまいますかね。
まぁまずはサスティナー用のザグリ加工です。

秋も深まってきたのでこの手の作業はやりやすくなってきました。
夏場は削った木くずが全て汗ダクの体にひっついてきますから。

不要なスタッド穴を埋めて必要な穴はスタッドサイズに合わせて空け直し。

そして組み込みへ。
ピックアップはダンカンSSL-4です。
今のところラージポールピースでサスティナーと相性の良いシングルコイルはコレぐらいしか
見付かっていないです。モンスタートーンは正直ちょっと厳しいです…

コントロール周りはこんな感じ。
お持ち込まれたサスティナー基板は2H仕様だったので3シングルだとプリアンプが1つ足りません。
なので「いつか使う事があるかもしれない箱」から小型別体プリアンプの不具合品を探してきて
オペアンプから何から交換して復旧させて使用。(画像最下部のウレタンでくるまれた部分)
フロント用昇圧トランスは問題無く流用出来ました。

で、サスティナーも良い感じに組めたんですけどね。
重要な事を忘れておりました。
完成時の画像を撮り忘れ…
無理言ってお客様から画像を頂きました。
(お手数お掛けして申し訳ありませんでした)

コントロールはネック側から
・キルスイッチ
・ローカットフィルター(ハイパスフィルター)コントロール
・マスターボリューム
です。
指板の染色は除去しましたがローカットコントロールで本○毅チックさを表現致しました。
こちらもお客様との打ち合わせ時はダミー化予定でしたが個人的な気まぐれで
組みました(笑)

このお客様はこれまで数本キルポットを組ませて頂きましたがキルポットは確かに
面白いんですけどね。耐久性が…
なので今回はポットとキル機能を別体化しようと。
スイッチ自体もフェルナンデス社が使っていた様なストロークの短い物が見付からずに
まだまだ試行錯誤中ではありますがこのスイッチなら耐久性には問題無さそうです。

そして今も数本サスティナー関連の作業をご依頼頂いております。
本当に今年は何でこんなにサスティナー多いのかね???
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Washburn N4 フルレストアついでに自分好みへモデファイ編
2020-10-10
今回は当ブログでも登場回数の多いN4です。国産アルダーボディーのよく弾き込まれたN4を徹底的に作業させて頂きました。

まぁこの手のギターお約束でフレットの摩耗が激しい。
早速フレットを抜いて打ち換えからスタートです。

これまたお約束?なのですがエボニー指板に浅いクラックが入っています。
指板表面に汚れや埃が付着していると中々気付きにくいのですが。

フレットを抜いた際のチップ修正作業時にエポキシ樹脂を流し込みます。

指板修正中。
さほど酷いクセは無いネックでしたが低めの弦高設定を狙いたいのでネックのストレート出し
はきっちり仕上げます。

フレット打ち完了。
ずっと秋晴れのお天気が続いていたのでココまではスムーズに進行してきましたが
秋雨予報に変わったのでネック周りの作業は中断。
ケースに仕舞って天気の回復待ちにします。

したがってネック側が終わっていませんが先にボディー側を着工。
今回のお客様はヌーノリスペクトではなく弾きやすいギターとしてN4を弾いていらっしゃるので
ピックアップもヌーノルールから離れます。
お客様がチョイスされたのはフロントがダンカンAPH、リアはTBのカスタムカスタムです。
純正フロントの59は今でも十分「アリ」なのですがリアのビルローレンスL500は
正直現代の音作り感覚で言えば扱い難い…

シャーラー製フロイドタイプのトレモロもアームホルダーにクラックが入っているので
ホルダーを交換します。

まずはリアPU。L500は専用エスカッションなので汎用のエスカッションに交換する必要が
あります。

元穴を埋め木して新しいエスカッションに合わせて穴開け。

導電塗料塗って有線でアーシング。

先日DIY派のお客様からアースラグの取り付けが難しい箇所(ザグリ)の結線について
ご質問頂いたのでちょっと書いてみます。

アースラグが取り付け難い場合はその箇所に付けるパーツで工夫します。
今回はミニトグルスイッチを付けるのでその座金ワッシャーにアース線を結線。
純正は一般的なトグルスイッチですが耐久性、操作性ではミニトグルの方がお勧めです。
小指でパシッとPU切り替えするなら断然ミニトグルです。
接点がボックス内封入ですので端子劣化の接触不良もほぼ起きませんし。

で、一段落したのでボディーを眺めながら休憩していると剥き出しのピッチシフトキャビティーが
ムカついてくる(笑)
詳しくは前回アップの長編サスティナーブログを見て下さい。

ウレタンシート貼りました。
もちろんヌーノリスペクトな作業の時は貼りません。本人貼ってないはずなので。

さて、ウレタン貼ってスッキリしたところで(笑)フロイドの作業に入ります。
アームホルダー交換する前に全体のクリーニングをと歯ブラシ(毛は柔らかめ)でゴシゴシ。

ゴシゴシしている内に奥の細かい汚れにイラッときて気付けば全分解(笑)
しかし結果的には全分解して良かった!

何故なら1個のサドルのストリングタイテンブロック底の板が無くなっている事に気付けたから。
この小さくて薄い真鍮板が無くなっていると弦を外す際、ブロックを緩め過ぎるとブロックが
ポロッと奥深くに脱落します。
「あーそうそう!ブロック落ちるわ!」って思ったそこの貴方、底板有るか確認してみて下さい。

更にブロック1個に亀裂が入っている事にも気付けました。
本当に全分解しておいて良かった!

ブロックは交換するとして問題は底板さんです。
この底板だけでパーツ販売しているのは見た事がありません。
よしんば有ったとしてもシャーラー製フロイド系は時期によって微妙に仕上げが変わるので
汎用性は無いでしょう。
なので作っちゃいます。
0.3ミリのアルミ板を適当にカットしてから、

ちまちまヤスリで削って成形していきます。

ドンピシャよりも僅かに大き目のサイズになったら圧入。
純正の真鍮板も圧入されているだけですが(だから簡単に外れる)保険で少しだけ
瞬間接着剤を流し込んでおきます。

アームホルダーも交換してフロイド周りは一件落着!

そうこうしている内に天候が回復したのでフレットの側面成形、すり合わせ等の
残った作業を終わらせる。

指板のクラックも傷跡は残るがきっちり埋める事が出来ました。

で、パーツ組み付けてる時に新たな問題に気付く。
裏止めのロックナット固定スクリューが表面へ少し飛び出している。

キャップを乗せて確認するとやはり少し干渉している。
これではいくらキャップを締めこんでも弦をきっちりロックする事は出来ない。

原因は経年劣化でスクリュー底面部のメイプルが押し潰されて肉厚が少し薄くなってしまった事。
要はビスの表面突き出し量を少し短くすれば良いのだがビスの頭をグラインダーで削ったりすると
切削面からサビが発生してしまう。
通常(フロイド純正状態)なら画像の座金ワッシャーに加えて平ワッシャーも挟まっているはずなのだが
今回のN4は座金ワッシャーのみ。

なので座金ワッシャーを1枚追加してロックナット表面へのビス突き出し量を減らします。

良い感じ。これならクランプに干渉する事は無い。

ついでに気になっていたテンションバーの固定ビス。
頭のプラス穴が崩れている。

GOTOH製ビスへ交換。
残念ながらフロイドローズは時期によってテンションバーの落とし込みにGOTOHのビスが
入らない事が有るので全てのフロイド純正テンションバーに通用する訳ではないのですが。

電機系の組み込みも完了。
余談ながら国産N4はUSAとピックアップからスイッチ、ポットへの配線経路が違う。
USAはピックアップからトグルスイッチザグリ内でスイッチへ結線、スイッチからポット=
コントロールザグリへは出力線のみ。
国産はピックアップ線をコントロールザグリ内で別ケーブルへ結線、別ケーブルが
トグルスイッチザグリへ繋がっている。
国産パターンの方がノイズが少なく感じるのだが…特にリアがL500のままの場合は。
ポットにピックアップのアースを直接落とす方が良いのかもしれない。

完成!
一見キラーのファシストに見えるのは気のせい気のせい…

いやぁーピックアップ良いですよ!
クセの少ないアルダーボディーって事もあるでしょうがカスタムカスタムはカスタム(SH-5)
の中高域の独特の曇りが少ないしそれでいてカスタムの細かくて心地良い歪みはキープ出来ている。
APHは59よりもツヤが有るのでフロントのロングトーンも気持ち良い。
レスポールに付けた時よりもツヤ感と倍音の拡がりを感じる気がする。

一番拘った全体のセッティングも狙った感じに組み上げられました。
N4の最大の特徴である弾き易さを活かし切れたかと。
気負う事無く疲れる事無く長い時間弾いていられる感じ。
お客様から頂いた「いやー弾いてて楽しいっす!」の感想が嬉しかったです。
それこそが狙っていた着地点だったので。
N4使ってて音作りに苦労されている方、ヌーノみたいに!と歪ませまくったら
グシャグシャの歪みになってしまう方、フロント使うソロはもっとシングルコイルの様な
くぐもった感じの音が欲しい方、
ヌーノリスペクトこそ正義!でなければ一度ピックアップを交換してみる事をお勧めします。
【追記】
偉大なるカリスマが旅立たれてしまいました。
エディーが居なければ今日のHR/HMギタースタイルは確立されていなかったでしょう。
R.I.P Edward Van Halen
安らかに。そして有難う。

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タブーだらけの内容でサスティナーを組み上げる。EDWARDS版ホライズン編
2020-10-03
久し振りにサスティナーの作業ネタでブログアップです。これまで当店ではサスティナー基板からスイッチ類を外して移設したり、ドライバー直下にパッシブピックアップを
配置したりとフェルナンデス社ではタブーとされている内容での作業実例を当ブログで紹介してきました。
それをご覧頂いたお客様やショップ様が「あぁこんな事も出来るんだ」とお考えになったのか
実際に作業し、トラブルが発生したところでご相談頂く事も多い。
なので今回は「こんな事も出来ますよ」ではなく「こんなに大変なんですよ」的に書いてみようかと。
ただしこれまでのブログ同様、具体的な基板改造箇所、内容等は伏せさせて頂きます。

お預り時の状態。エドワーズ版、スルーネックのホライズンタイプ。
お客様がDIY作業を施して頓挫してしまった状態です。
ご希望としては元のコントロールレイアウトを活かし、新たなスイッチ類を追加せずにサスティナーを
搭載したいとの事。
画像には写っていませんがサスティナー基板からは既にスイッチ類が取り外され、
フロント用の昇圧トランスも破損してしまったとの事。

フロントにはフルモード用ドライバーではなく、サスティナーライト用のハムバッカータイプが
載せられています。
リアはダンカンTB4かな。

裏面はこんな感じ。
※ギター雑誌やネットでギター改造の際、キズ防止のマスキング施工を一般的なマスキングテープを
貼りまくっている画像を見ますが基本的にお勧め出来ません。
ラッカーやツヤ消しですと確実にテープ跡が残ります。

まずは全バラシ。
マスキングテープ跡は非常に浅かったのでバフ掛け+ワックスで消す事が出来ました。


一般ユーザーがここまでザグリを掘るのは大変だったろうなぁ…
後ほどお聞きしたのですがザグリ箇所にはニスを塗られたそうです。

まず自分が悩んだのはこの基板収納ザグリとトレモロザグリの近接状態。
これではコントロールパネルの落とし込み部=パネル設置部の確保がかなり難しい。
個人的に変なプライドでココは絶対に貫通させたくない!と心に誓う(笑)
自分が一から作業する場合、おおよその基板ザグリの位置を決めてから蓋=パネルの
位置、形状から着工します。基板ザグリの位置関係はパネル内に収まれば良いわけで。
その面で今回は逆行する難しさも追加と言える。

新規にコントロールパネルを制作するにもポット類が収まるネック側は基本的に新たな加工は必要無いので
純正パネルをお預かりし、前部はそのパネルを元にして新規のパネル形状を検討します。
が、

純正パネルの落とし込み量(深さ)がかなり深く、見た目で気になるレベルだったので…

悩みましたがワンオフのオリジナル形状を制作する事にしました。
まずはちょっとでもラク?する為に既存のザグリ・パネル冶具をあてがってみる。
やはり範囲、形状共に参考に出来そうな物は無い。
いつも通り神様はラクさせてはくれないらしい(笑)

意を決してパネル形状デザインに入る。
ボディーにはエアブラシ塗装等で使われる「マスキングフィルム」を貼ります。
マスキングテープに比べれば粘着力が弱いですがラッカー塗装では跡が残ってしまいます。
したがってラッカー塗装にザグリ加工等でどうしても貼る必要がある場合は作業時のみ、
出来るだけ短時間しか貼らない様にしています。

トレモロザグリとの境界線にはフィルムの上にマスキングテープを貼って
デッドラインを設定。
必要箇所を覆い、形状もなるべく普通に見える様にパネル形状、ザグリ冶具形状を書き出します。

デザインが決まればアクリルクリアー板を両面テープで貼り付けて形状を写します。

ザグリ用冶具を制作、そのうえでパネル元型を制作。
試し掘りしてパネル元型を微調整。
この作業だけでほぼ丸1日掛かってしまいました。

ザグリ冶具を作るのはさほど時間が掛かりませんがパネル元型が大変。
僅かに大き目に削り出し、試し掘りのザグリに合わせて微調整していきます。
あまりにカッチリ嵌る様に作るとパネルの脱着が難しかったり、最悪は壁面の
塗装浮き、剥がれの原因にもなります。
ザグリ箇所の切り立った塗装角も僅かに丸めて面取りしますがパネルのサイズ感も重要。
大体は角のRの部分にワザと隙間を少し作って爪の先端ぐらいがパネルに引っ掛かる様にしています。

パネル落とし込みザグリ加工完了。

これでコントロール部を覆うパネル問題は解決したものの、どうしてもお客様施工の
ザグリが気になる。
形状や壁面底面の凹凸は勿論だが塗られたニスが気になる。
後に塗る導電塗料が食い付く様に粗めのペーパーで剥がすつもりではいたが
その作業の大変さを考えたらゾッとする。
幸いトレモロザグリとのデッドラインにはまだ僅かに余白がある。

なので慎重に位置決めして新たに基板収納ザグリを施工。
少しニスが残ったがこれぐらいならペーパーで落とせるレベル。

バッテリーボックス収納ザグリも掘ってボディー裏面のザグリ加工は終了。

次にボディー表面、フロントのフルモードサスティナードライバー収納スペースを加工。

スルーネック&アーチドトップ。つまりフロント周りのザグリ加工が困難になる条件が全て揃っています(笑)
物凄い嵩上げ&慎重な冶具水平出し、確実な冶具固定が必要。

パネル元型をあてがってビス位置を決め、パネル、ボディー共にビス穴を開ける。

ボディーのビス穴を開けてた時に「やっちまった」事に気付く。
後ろ角のビス位置が見た目に違和感の無い位置だとジャック部に貫通する。
ボール盤のビットを下していて急に軽くなる抵抗感…
夕闇迫る作業場で「あぁ…」と一人天を仰ぐ(疲)

まずはパネルのビス位置変更。
マスキングテープを貼っている箇所がやっちまった穴の位置。

やっちまったビス穴を埋め木するついでに純正パネルのビス穴も埋め木。

新しいビス位置は勿論ジャック穴と干渉しない(笑)

続いて導電塗料を塗る。
ピックアップザグリに塗ってからコントロール部施工前にポット穴をマスキングテープで塞ぐ。

コントロールも塗布完了。
これにてボディー側の木工加工が終了。

と、思いきや、
最初からずっと気になっていた、ピックアップザグリに導電塗料を塗っていて我慢出来なくなった
トレモロのピッチシフトキャビティー。
昭和世代のソロイスト大好きHR/HMオサーンとしては「ソロイストのピッチシフトキャビティーには
何らかの緩衝材を貼るべし」と思い込んでいるのでこの塗装剥き出し水砥ぎバフ無し塗りっぱなし状態が許せない。

なのでウレタンシートを貼る。
弱めの両面テープで貼っているのでもしお客様は気に入らなければ簡単に剥がせる。

さて、前置きが超絶長くなってしまいましたがサスティナーの組み込みに入ります。
実はボディー側を着工する前にお預かりしたサスティナー基板を別のサスティナーギターへ
組み込んで動作チェックを行っておりました。
スイッチや昇圧トランスを外す際に基板のプリントパターンが数か所剥がれていましたが
剥がれの常連箇所を修復してテストしたら正常作動しました。
その確認後、今回の組み込みスペックに合わせて改造。
仮組みでの動作チェックではサスティナーも駆動条件が厳しいながら何とか合格ラインで一安心。
いつもはこの仮組みから困難な作業が始まるのですが。
今回神様はザグリ周りでの苦労を見ててくれたのかな?(笑)
…なんて甘い妄想だったのですが…

で、仮組み時に気になったのがトレモロスプリングハンガービスのズレ。
コントロールパネルとの兼ね合いでお客様に今後トレモロスプリングのバックパネルを付けるか否かを
事前確認したところ、付ける事は無いとの事。
つまりこの歪んだトレモロスプリングが常時見える事になる。

スレの酷い1弦側のビス穴を埋め木。そして空け直し。
おそらく元穴は現行フロイドローズ付属の大陸製の香りが色濃いメッキが施されていない
怪しげなハンガーのビスピッチだと思う。
それでいて付けられたハンガーはビス穴ピッチの合わない国産汎用サイズだったが為に
ビスを斜めに入れて乗り切るつもりだったかと予想。

ハンガーも常用するGOTOH製に比べれば金属の肉厚が薄いのでついでに交換。
(左が純正、右がGOTOH製)

と、ここまでは順調だったのですが…
基板上の通電LEDの高さ=出っ張りを少し低くしようと、そしてフロントPUの音色コンデンサーの
値を変更と普段なら何でも無い作業を行ったら、
サスティナーの悪魔が突如現れた。
どうって事無い作業しただけで突然正常に駆動しなくなってしまった。
はいはい。また基板のプリントパターンが何処か剥がれたのですね?
探して直せば良いんですよね?
なんて思いつつ不具合箇所をテスター当てながら探す事…
数時間…気付けばほぼ半日…
決定的な不具合箇所が見付からない。
とりあえず正常駆動する様にはなったけど基板に指で軽く圧力を掛けるとダメ。

で、現実的に考えた。
このまま終わりの見えない剥がれ探しを続けて、運良く全ての問題個所が見付かって修理出来ても
また別の箇所でトラブルが出る可能性もある。
お客様へ納品してからだと大変だ。
結局無駄な宝探しを何時間も続けるのはヤメて当店在庫のテスト用基板を同スペックで
組み上げる。この方が時間の使い方は有意義だ。
組み上げ完了。まぁそりゃぁ問題無く動きますわな(笑)

つまり基板からスイッチや昇圧トランスを外すタブーを犯す事は
この類の突然現れる症状にも向き合う覚悟が必要だと言う事。
今回は1枚だけ残っていたテスト用基板と言う救世主に救われたが
メーカーは基本的に基板だけ、ドライバーだけと言ったバラでの販売は行っていない。
したがって今や貴重なサスティナーキット自体を無駄にしてしまう可能性も有る。
改造する前にそのリスクをよく考えて欲しい。

トレモロハンガービスもこんな感じ。
歪みが無くなってスッキリした。誰が?⇒俺が。(笑)
これなら常時見えていても気にならないでしょう。

パネル元型より黒のツヤ消し1Pで本番パネルを製作。
この冶具類は後ほどお客様名も記入して保管します。

本番パネル取り付け。
ボディー裏面から面位置少しマイナスの高さで狙い通り。

ようやく完成!

これが全体像です。

1VOL、3ミニトグルスイッチのレイアウト。
ボリュームの並びはサスティナーのON/OFF、モード切り替えスイッチ。
ボディー端がサスティナーOFF時のピックアップセレクター。
ボリュームポットはキルポット。

リアPUは元から付いていたダンカンTB。
一度分解して磁極を入れ替えてから組み上げ、ロウ浸け済み。
配線レイアウト=基板への入力経路は4パターン試して一番駆動の良いパターンを採用。

サスティナードライバー下には59Jr。
サスティナーOFF時、フロントPUとして機能するのはこの59Jrです。
このレイアウトでサスティナーをしっかりと駆動させるには基板の信号経路を改造する必要があります。
ただ付けただけ、配線しただけではサスティナーONで発振=高周波ピーピーノイズ祭りです。

ドライバーには桜カラーのLEDを埋め込み。
サスティナーON時のみ点灯。

ロードテストで電池が無くなるまでサスティナー起動で放置、それでも問題が発生しないかの
耐久テストです。
問題無かったので最終セットアップに入ります。
肝心のサスティナー駆動は一番動きが鈍い1弦のハーモニクスモードのローフレット近辺も駆動OK。
電圧の減っていない新品に近い電池なら1弦解放ハーモニクスモードもかろうじてOK。
お客様からお預かりしていた弦に張り替えるのですがこれまた気になっていたテンションバーの
ビス。近年のフロイド付属はコレですがトレモロスプリングハンガー同様、見慣れた類のメッキが施されていない。
ホームセンターで売ってる「ユニクロメッキ」仕上げと同じ物。
なのでGOTOH製ビスへ交換。
実際にリペア作業をさせて頂いた事があるのですがこのビス、柔らかいのか簡単に+のネジ穴が崩れます。
弦交換の際は外す事も多いので耐久性を考えれば要交換です。

仕上げで張った弦はお客様お持込みのダダリオNYXL。
毎度の事ながらNYXLはサスティナーの食い付きが良く、言い方が難しいのですがサスティナーの効きが少し弱い
「節」みたいな箇所が無くなるか症状が軽減されます。

NYXLでオクターブピッチ等をチェックしてようやく最終セットアップが完了。
基板のパターン剥がれと格闘しまくりでしたが良い感じで仕上がったかと思います。

おそらくこのブログを見てでも自分でやってみよう、この仕様で馴染みのリペアショップへ依頼しようと
お考えの方は出るでしょう。
この仕様でサスティナーを正常駆動させるのは決して簡単では有りません。
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Godin MULTIAC STEEL ブリッジアース施工編
2020-09-26
少し前の事なのですが職業ギタリストのGodin MULTIACのブリッジアース加工を作業させて頂きました。お預かり時はブリッジピンをブラス製へ交換され、各弦に導通が出る様へ銅箔テープをブリッジ表面に貼る
等かなり工夫されていました。
職業ギタリストでなくともブリッジアースが取られていないエレアコのノイズの問題は明らかなのに
何でメーカーは手を打たないのか不思議。
確かにダイレクトボックスで信号変換してPAへ送れば気にはならなくなるかもしれませんが
皆がそんな環境で弾いているわけではありませんし。

で、ブリッジ裏側へアースプレートを現物合わせで制作して取り付けなのですが…
普段施工機会の多いアコギにPUが付いた物と違い、ブリッジピン間にピッチが少し狭いんですね。
要は普段使っているプレート制作用の冶具が使えない。
そしてブリッジ直後にLRバッグスのPUが付いているので貼りつけ面積も限られる。
こんな時はアルミテープや銅箔テープの様に形状変更に融通が効く素材で作ればラクなのですが
弦交換を繰り返し、常にボールエンドを押しつけるとテープ素材は簡単に破れてしまいます。
やはり作業するには耐久性を求めたいので多少面倒でしたが0.5ミリのステンレス板で
アースプレートを制作。

取り付け完了の図。
使用したステンレス板は裏面に最初から両面テープ的な物が貼られていましたが粘着力が弱そうだったので
強力両面テープでしっかり固定。
アース配線はすぐお隣のLRバッグスの出力線へ繋ぐ事も考えましたがハンダ付けの際の熱で
LRバッグスのホット線ビニール被膜が溶けて短絡するとマズイ。
ボリュームポットの背中はポットを外して取り出せばハンダ付け可能ですが内部配線材が
配線クリップでガッチリ固定されていたのでポットを外す作業自体を断念。
結局ジャックまで引っ張ってアーシング完了です。

ブログに書く事は少ないですがエレアコのブリッジアース作業はご依頼頂く機会が多いです。
残念ながらナイロン弦(ガット弦)はこの手法は使えませんがアースのノイズでお悩みの場合は
一度ご相談下さい。
まだまだ演奏環境は厳しく、演者やそれに携わる皆様はご苦労されているかと思います。
1日も早く元の環境に戻る事を私も望んでおります。
がんばりましょう!耐えましょう!
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サスティナーキット入荷のお知らせ
2020-09-24
約2年半ぶりにサスティナーキットが2セットのみですが入荷しました!
簡易包装になり基板も半固定トリムの位置が変わっていたりフロント用昇圧トランスの
取り付け面が変更されていますが従来型と大きな仕様変更は無さそうです。
(まだ時間を掛けてチェックはしていませんが)
ただハンダ面の基板プリントパターンはしっかりした感じですし個人的には品質は明らかに
向上していると感じています。

尚、今回よりON /OFF、モード切り替えスイッチが従来の黒からクローム=銀色へ変更となっております。
黒のスイッチは既にメーカー廃版ですのでスイッチの色変更はお受け出来ません。

キット価格は定価35000円に消費税加算で38500円になります。
取り付け工賃はギターや仕様によって異なるのでお問い合わせ下さい。
当店の性格上、取り付け前提での販売とさせて頂きます。
キット購入のみは申し訳ありませんがご遠慮願います。
もちろん次回入荷未定で御座います(笑)
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【臨時休業のご案内】
2020-09-17
下記日程にて遅めの夏季休業とさせて頂きます。9月18日(金)~22日(火)
期間中のお問い合わせ、ご来店予約はメール、Facebookメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com

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【お盆期間営業のご案内】
2020-08-07
【お盆期間営業のご案内】8日(土) 通常営業
9日・10日 日曜祝日定休
11日・12日 通常営業
13日(木) 定休日
14日・15日 通常営業
16日(日) 定休日
暑い日が続きますが皆様ご自愛下さい。

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かなりレアなFGZ-1200Sをフルレストア!唯一のCD-100Hドライバー搭載機編
2020-07-16
まずは臨時休業のお知らせです。18日(土)は所用により臨時休業とさせて頂きます。
来週は連休ですが
23日、24日は祝日休業、25日(土)は通常営業、26日(日)は定休日です。
さて、今回はその生産数が少ないが故に近年は目にする機会がほとんどない
レアなサスティナーギター、FGZ-1200Sを作業させて頂きました。

お客様は長年使用されており、フレットの摩耗等この度は徹底的にメンテナンスを
お考えとの事でしたのでご期待の応えるべく「気になる所は全て手を入れる」コンセプトで
作業させて頂きました。

自分の記憶ではこのプロパー製品としてはFGZ-1200Sにしか搭載されていない
CD-100Hドライバー!
CD-100のハムバッカールックス版みたいな派生ドライバーです。

まずはネックに着手。
少し波打っていたので徹底的に指板修正します。
ちょうど梅雨時なので湿度との戦いでした…
でも久々にインディアナローズ指板に感激!
まさかFGZで出会えるとは。
指板修正に入ってすぐに「ん?この削り粉の色、質は??…」
防塵マスクを外してダイレクトに匂いを嗅いでみる。
「あーコレコレ!この鼻の奥にズンッと突き刺さる刺激臭!インディアナさんご無沙汰!」
ってな感じで鼻かんだら紫の鼻水出るまで嗅いでやりました。(←変態か)

フレット打ち完了!
純正フレットと同じサイズではなく現代風にアップデートすべくJESCAR#55090をチョイス。

さて、ボディー側へ進みます。

ボリュームとトーンはCTSにするのでポット穴を拡大してから

導電塗料塗って有線でアーシング。

導電塗料終わって次の段取りを考えながら眺めていたら
ピッチシフトキャビティー底面のウレタン劣化がどうにも気に入らなくなってくる。
トレモロ載ったらあまり見えないので気にならない箇所ではあるのですが…
ま、このウレタン張り替えてもお客さんは気付かないかもしれないが徹底的レストアなので
張り替えるか。そんなに時間も掛からないだろうし~~

って思い剥がしだすと…
ウレタンが劣化により粘土化していてかなり苦労する…
だいたい毎回そうなのよね、余計なお世話的作業に入ると何かしらのトラップが潜んでいる(笑)

張り替え完了!
あースッキリした。

で、サスティナー基板もゲインアップやら音色変更、バッテリースナップはCLIFF化等のお約束
フルチューンで組み込み完了。
すると今度は保護ビニールの固着跡が汚いコントロールパネルが許せなくなってくる(笑)
で、削り出しで作りました。

裏面にはアーシング用のテープ貼って。

サスティナー駆動はパワー感、レスポンス共にかなり良い感じで組めました!

リアPUはダンカンTB-4です。
画像はありませんがPU本体を一度分解して位相反転、組み上げてロウ浸けしています。
当ブログを見てなのかユーザー様自身や他店様がダンカン付けてモード反転、発振止まらず等の
ご相談を頂く機会もありますがやる事やらないとダンカンもディマジオもサスティナーは正常に
作動しません。

で、このCD-100Hですが上にも書きましたが当時のフルモードサスティナー用ドライバー最新版で
あったCD-100をハムバッカーケーシングの真ん中に設置した物になります。
ドライバー自体の基本構造はCD-100と同じです。
サスティナーの駆動条件ではドライバーの中心~リアPUの中心までの距離が重要になりますが
このFGZ-1200Sは100ミリ確保出来ているので問題ありません。
個人的なデータとしては90ミリより短くなると危険水域突入です。
したがって駆動条件面でCD-100Hはミディアムスケールや24Fギターに載らなかったと。
結果的にこのFGZ単発で姿を消してしまいました。
HIDEモデルのMGみたいにダミーPUカバーとの組み合わせよりはスッキリしたルックスなので
残念ですね。

徹底的にこれからも長く弾ける様にフルレストアする。気になった所は全て手を入れる。
なのでトレモロスプリングハンガー&スプリング、劣化していたビス類全てに至るまで交換させて
頂きました。
本音を言えばタケウチ製トレモロも交換したいのですが現状大きな問題を抱えていない事、
タケウチ社が廃業してからかなりの時間が経過しており交換本体、交換パーツが入手不可なのが残念…

大きな問題を抱えていないとは書きましたが3弦サドルは弦ロック機能は果たしていますが
弦ロックブロック裏側は割れていました。
タケウチ製トレモロは某オークションでたまにコンディションの良い物も出品されているので
お使いのギターに搭載されているなら機会が有れば、値段の折り合いがつけば入手される
事をお勧めします。
今回のお客様もお引き渡し時にこの画像を見て頂き状況をご説明させて頂いた後、
将来の交換用として同型トレモロを入手されたとの事です。

久しぶりのサスティナー関係でしたが依然としてサスティナーキットの入荷予定は未定です。
今回の様なレストア作業、ゲインアップ等のモデファイ作業は常時受付しております。
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YAMAHA RM-PROⅡ ロッキンマジックプロⅡのアームホルダーをフロイド化する編
2020-07-04
今回はかなりのマニアックネタです。興味の無い方には申し訳ない。
往年のヤマハのトレモロ、ロッキンマジックプロⅡです。

作り込みから判断するに今は亡きタケウチ製か某大陸製かと。
時代背景を考えればたぶんタケウチかな?

ご依頼頂いたのはアームバーのガタ付きを何とかして欲しいとの事。
トレモロ自体の他社載せ換えもお考えでしたがTRS系のタケウチ然り現行フロイドやゴトーへの
載せ換えは容易ではありません。
出来ない訳ではありませんがピッチシフトキャビティーの形状違い等、見た目に問題も出るので
余程の場合で無ければ基本的には現状トレモロのメンテナンス等で乗り切りたいところ。
今回はベースプレートの形状は問題無いもののスタッド周辺の寸法等で問題が有り、
載せ換えはこのトレモロが本当に駄目になった時と言う事になりました。

まずはアームホルダー部を分解。
ブラスのスリーブ筒への締め付け=押し付けでアームバーの回転トルクを調整する仕組みだが
軽金属のスリーブは経年劣化で開いたり摩耗してしまうとテンションを掛けてもトルクは変動しなくなる。

アームバー先端は板バネでカチッと固定されるがココは回転トルクには関係ない。

したがって普段よりこの手のアームバーのトラブル時には現行フロイドローズのバーとホルダーに
載せ換えている。
が、
今回はホルダー部がサスティーンブロックと一体型。
まぁタケウチ製は大体こんな構造なんですが。

サスティーンブロック自体それほど硬い金属ではないので既にブッタ切り構想で
どこをどう切るか、どう切れば強度にも影響無く加工出来るかを思案中。

まずは分解。

このトレモロはファインチューナー作動時、サドルを押し上げる為の板*ばねネプレートが無い構造だが
代わりにブロック直下に小さなスプリングが入っているので分解時は要注意である。
何年か前に常連様よりこのスプリングだけを手配して欲しいと言われ、バネ屋さんをハシゴした
事を思い出す。

しかしヤマハと良いアイバニーズと言いメーカーオリジナル系トレモロはパーツ点数が多い。

製造コストもかなりだったでしょうね。

このプレートを止めているビスの何本かはプラスの溝が崩れている。
普段表には出ない部分なので製造時の組み込み方かと。
組み込み時には別のビスに交換予定。
見えない場所ですが個人的にこういうのは嫌いなので(笑)

ようやく主役に辿り着く。

サドルは完全分解せずともこのパーツ点数!

さて、どこでカットしようか…

カット位置決定。

いきなり金ノコ入れると位置ズレするので取っ掛かり位置は目立てヤスリで少し削る。

さぁ長い旅路の始まり(笑)

とは言えブラス製らしくあまり苦労はせずにノコギリ作業は進む。

けど…ある程度ノコ刃が深く入る様になると抵抗が大きくなる。
なので久しぶりの機械油登場。

綿棒に染み込ませて必要な溝の中だけに流し込む。

あと少し…あともうちょい…

小一時間掛かってカット完了!

サスティーンブロックが一段落したのでベースプレート側へ。
まずは在庫のクロームのアームバー一式をあてがってみる。
ベースプレートの穴に対してフロイドのホルダーの方が少し細い…
しっかり締め付けても空回りしてしまう…

試しにノルトロックを使ってみるが強い力でバーを回すと滑る…

色々試した結果、M8の座金ワッシャーが一番良いと判断。

サスティーンブロックとの位置感も絶妙なクリアランスでクリア!

が、端lっこだけ僅かに飛び出すので座金ワッシャーを少し削る。

ホルダーの件が片付いたので本組み込み開始。
M3の平頭ステンレスビスを買ってきた!

組み込み完了!
既に発注済みのフロイドアームゴールド一式が中々来ない(笑)

ゴールド一式が来ないとホルダーも完全に新品へ交換したいのでギターへ組めない。

やっと入荷。
組み込み完了!

アームの回転トルクのバッチリ!

ギター本体は5~6年前に徹底的に作業させて頂いたKK-1でした。
今回はフロントPUの換装も含めて作業させて頂きました。
以前作業させて頂いたギターが大切に使われているのを見るとやっぱり嬉しいですね。
指板にオイル入れたり現状のフレットに合わせてオクターブ取ったりしながら考えるのは
また数年後に会いましょう!みたいな。

これを書いている今日7月4日、今朝方の九州豪雨で甚大な被害が出ない事をお祈りしております。
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FENDER JAPAN ST72-R.Blackmore こだわりと個性の詰め込まれたストラトを徹底的に作業した編
2020-06-13
自粛ムードが少し和らいだ?と思った瞬間に梅雨入りしましたね…梅雨入り前ギリギリに何とか近年モノ数本のフレット交換を終えて一安心なトーンガレージです。
このブログを書き終え、来週からは梅雨の湿度なんざ関係ナシのヴィンテージ物を作業します。
近年モノは指板修正時に湿度や乾燥で木が動く物が多いですがヴィンテージは個体差はあれど
削ってる最中に雨が降り出そうが雪が降るほど冷え込もうがほぼ動きませんので。
さて今回はセンターレス2シングルのストラト…
クオーターパウンドではなくレースセンサー…

ローズ指板にスキャロップ、

イングヴェイと違い掘り込みが不均等なスキャロップ、

そしてストラトなのにセットネック!

そう。ブラックモア御大モデルを徹底的に作業させて頂きました!!
いやぁ~中々に難儀しましたよ(笑)

まずはフレット周りから着工。
セットネックなのでレスポール等と同じくクリアファイル改でマスキング。
実はここに至るまでに一苦労ありまして。
トラスロッドが締め切りいっぱい、それでいて少し順反りだったのでビュレット抜いて専用スペーサーを
削り出しで製作、スペーサー挿入で何とか締め方向に少しだけ余裕を持たせる事が出来ました。
故に本格的な作業着工が可能になったワケです。
ロッド締め切りで何ともならないネックならどんなリペアも施す意味は無いので。

で、指板修正。
当たり前だが指板修正で指板を削ればスキャロップの形状が崩れるわけでして。

指板のストレートを確保したらスキャロップ形状を整えます。
丸棒にサンドペーパー貼って深さとフレット根元の形状修正。
6弦側から1弦側へ向かうにつれ深く、ヘッド側からボディー側へ向けて深く…
イングヴェイと違ってかなり難しい作業です。

スキャロップ形状修正が終われば研磨キズを消すべくスポンジ研磨剤で研磨。
研磨しているうちに自分が入れた研磨キズと生産時のキズが入り乱れて
終わりの無い戦いが始まる。
結局は全てのキズを消すよりはスキャロップの形状を崩さない事を重点に仕上げるのですが。

ようやく指板修正終了。
普段の数倍時間が掛かりましたが(笑)

フレット打ち完了!

すり合わせを終えて指板にオイルを入れたらネック周りは終了。
…なのですがオイル入れたらスキャロップの研磨キズが数カ所どうしても気になったので
結局再研磨しちゃうと言う…

何とか特徴的なスキャロップ形状は維持したまま仕上げる事が出来ました。

さて、ここからはボディー側へ着手します。
まずは導電塗料塗布。

ブリッジは酷いサビ等は出ていませんでしたがそこそこ劣化しているので全分解して
クリーニング。

サドルの弦高調整イモネジ、6本のスタッド全て交換。
サドルのイモネジは最終調整が終わらなければ適正な長さが見えないので暫定で
純正同長のビスを取り付け。
スタッド1本が極端にサビていたのでその箇所のみサビ除去の意味合いでスタッド穴拡大⇒
埋め木⇒空け直し作業を行う。

お次は電気系。
お客様お持込みのレースセンサーへの換装、ポット類は全てCTS=スムーズポットへ交換。
レバースイッチは信頼のVLX。

作業前の状態。

組み込み完了。
ここだけの話、VLXレバースイッチをボォーっと生きていた自分はうっかり5段を手配していた(笑)
なので発注やり直しの都合、上の画像からココに至るまで2日を要した(笑)

ピックガード付けて音が出る様になってからナット製作。
純正同様のデルリン素材では高域が丸いのでお客様と打ち合わせのうえ無漂白牛骨で。

ちなみにペグは元からロック式。

この埋め込み式ストラップピンやロック式ペグ、不均等スキャロップ、セットネック…
本当にリッチーのこだわりが詰め込まれたストラトですね。

セットアップで弾いてみて改めて感じるけどスキャロップはイングヴェイモデルよりこちらの方が
弾き易い…と言うか違和感が少ないと言うか…

こっちの方が理にかなってるんでしょうね。たぶん。
加工はかなり大変ですけど。

弦高が決まったらサドルのイモネジの長さを最適化。
一般的なプレスサドルより70年代ブロックサドルの方がイモネジの突き出しが気になり易いので
余計な突き出しを無くならせるだけで快適にミュート出来ます。

やはり出音も普通のストラトと違う。
音の拡がりが抑えられつつも立ち上がりの速さ、普通のストラトには無いソリッドな高域。
以前フェンダーカスタムショップ製のスルーだったかセットネックだったかのストラトを作業したが
レスポールチックにボディーがメイプルトップのマホバックだったのでサウンド的にはストラトから
遠ざかっていた。
それだけにアルダーでセットネックのこのストラトは新鮮且つストラトの範疇を越えていない。
個人的にはリッチー云々抜きにしてアリだとは思っている。

このブログを書くにあたってBlackmoreのつづりが黒に「人を~憎むぅ~弱さを~みた~」のモアで
スペルが合っているかを確かめるべく「リッチー…」でヤフー検索したら変換候補が
リッチーブラックモア、リッチーサンボラ、リッチーコッツェンの順だった(笑)
リッチーから始まる名前の著名人はギタリスト以外に居ないのか?
はたまた自分のヤフー検索だからこの変換候補なのか??
つーか全員使用ギターが個性的なリッチーさん達ですやん。全員フェンダー使いやし(笑)

鉄キャップアームなれど長さが普通。
ロングアームってまだ入手出来るのだろうか??
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Rickenbacker325 リッケンバッカーのPU高さ調整スペーサーを削り出しで製作する編
2020-05-23
久々のブログ更新になります。緊急事態宣言は解除されましたが当面の間は接客時マスク着用、窓全開を維持するつもりです。
今回はリッケンの325の12弦を作業させて頂きました。
フルメンテナンスでのご依頼でしたがペグの修理や曇ってしまった塗装面など結果的には割と大掛かりな
作業となってしまいました。
そんな中でもセッティングで重要なPUの高さ調整に関わる純正クッションスポンジを何とかしてみよう!の
ご紹介。

ピックアップ下にはクッションスポンジが挟まれてはいます。
PU固定ビスの締め込み量によってこのスポンジが潰れ、PUの高さを調整(調整ってほど調整幅は無い)
する構造ですが…

ウレタン系?スポンジなので当然へしゃげてきてしまいます。

とりあえずボディーがら剥がす。
塗装と固着している部分もあるのでかなり慎重に剥がしました。

こんな感じでピックアップの圧力でへしゃげた部分がお分かり頂けるかと。

当然同じ様な素材のスポンジへ交換するつもりはありません。
まずはピックアップのシャーシーを外します。

シャーシーと同形状の治具をアクリルで削り出し。

治具を元に黒1P=厚み2ミリのピックガード材で大量削り出し(笑)
こんだけ有れば足りるやろ?的な。
このスペーサーの枚数調整でPUの高さを決めます。

ピックアップのシャーシーと接する1枚は固定ビスがラッピングスクリューなので同サイズで
タップ切りします。

組み込み前。

アースラグをシャーシーと六角ナットに挟み込む形でアースが取られていましたが
六角ナット代わりのスペーサーとシャーシーの間に1ヶ所だけ隙間が空くのは美しくないので
銅箔テープを使ってシャーシー取り付け前にアースを確保。

ピックアップの組み込み完了。

ピックガー材なのでへしゃげる事は無いし塗装へダメージを与える事も無い。

数パターン試してフロント1枚、リア2枚は一番音量バランスが良かったです。
元々12弦なのでピックアップを上げてパワーを稼ぐジャンルのギターでもないですし。

そしてリッケンお約束の上下2段のピックガード。
毎回コレの固定には悩まされます。
ストラップピン用のクッションが挟まれている事もあればゴムチューブをカットした物を
ビスに巻いている事もある。
今回はストラップピン用クッションでしたがそのままだと白のピックガードから透けて見えるので
1クッション追加します。ナイロンワッシャーです。
そのままだとツルツル滑って3箇所の取り付けが大変なので薄い両面テープで位置止め。

これにストラップクッションで透けて見える事は防げたかと。

実は塗装のクリーニングにかなり苦労しました…
長年ハードケースの中で眠っていた為か塗装表面はザラつきさえ感じる程の劣化具合。
バフ掛けでは塗装の焼き付きのリスクが有ったのでチネチ手作業で仕上げました。
ギター磨き過ぎて筋肉痛になるとは思いもしなかった(笑)

そうそう。
最近のブログでジャックの六角ナット締め付けを書きましたがリッケンはジャックプレートが
落とし込み仕様なので普通の#13六角ソケットは使えません。
なので当店はリッケン用に改造した六角ソケットを常備しています…って言うてもリッケンほとんど来ないけど(笑)

リッケン325の12弦は弦張りが大変です。
1~3弦側は副弦から張るのがコツと言えばコツなのかも。

緊急事態宣言解除翌日の昨日から突然車の量が増えましたね。
いよいよ経済活動再開の兆し?なのでしょうか。
通勤退勤の両方でコンビニに寄りますが朝も夕方もマスク無しでお買いものされている方が…
自分は宣言解除になったからと言っていきなりノンマスクお買い物までの根性無いわ(笑)
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連休期間休業のご案内
2020-05-02
遅くなりましたが連休期間休業のご案内です。明日3日(日)~6日(水)まで休業とさせて頂きます。
7日(木)より通常営業です。
ご来店予約、お問い合わせお待ちしております。
休業期間中はメールにてご連絡願います。
tonegarage@nifty.com

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シャーラーストラップロック現行品、「S-LOCKS」のストラップ側取り付けに一工夫してみた編
2020-04-18
遂に緊急事態宣言も全国規模になってしまいましたね…新規のお問い合わせもめっきり減ってしまいした。
今のところ5月の連休以降はド暇になりそうな予感…
ま、ずっと出来なかった木工作業場の掃除や整理でもするか?
なんてお気楽な事を考えてはおりますが我々みたいな極小個人事業主はどうしたらエェんですかね?
「明けない夜は無い。だから今は耐えよ。」みたいな事も言われてますが
このままでは夜中のうちに死んじゃう事業主も多いぞ?きっと。
ま、愚痴っても仕方ないんですけどね。
さて、今回はストラップロックの定番、シャーラーのSロックについて書いてみます。
数本のストラップ側取り付けのご依頼頂きました。


S-LOCKSなる新型にモデルチェンジして有る程度時間が経ち、ようやく最近新型も目にする
機会が増えてはきました。
画像左が従来型、右がS-LOCKS。
ストラップ表側の締め付けパーツが異なります。
新型はワッシャー無しで締め付けパーツが大型化、厚みも増しています。
個人的には旧型の六角ナットでの締め付けの方が確実性が高いとは思うのですが…

また本体の高さも異なっています。
左従来型、右Sロック。
高さ=飛び出し量がある分だけギターに付けたままの状態だと型抜きハードケースに入らない、
ギグバックの底に穴が空いた…等等の事情から未だに従来型の方が人気が高いのも事実では
ありますが、大前提としてはケースに仕舞う時はストラップは外しましょう。面倒だけど。

さて、ギター本体側はギターによってはビス穴のサイズ変更等が必要になる事もあり、
普段より取り付け作業をお受けする機会が多いのですが
お問い合わせ時に「ストラップ側もお持ち頂ければ加工しますよ」とは説明させて頂いております。
ん?加工?と思われる方もいらっしゃるでしょうしご自分で作業してストラップ側の取り付けに
苦労された方ならご理解し易いかと。
ストラップの元穴だと従来型、新型問わずにロック本体はきっちり入りません。
ねじ込んで入れても捲れ上がった部分が邪魔をしてしっかりロック本体を確実に締め付けられません。
そして締め付けが緩いとギターに付けての使用時に簡単に緩んできます。コレはかなり危険!
旧型で気が付けば締め付け六角ナットが外れて抜けちゃったなんて経験された方もいらっしゃるはず。
一番多いのはロック本体とストラップの角度が変わってたりですかね。本体とストラップの「滑り」が原因ですが。
なのでまずは革用ポンチでストラップ穴を拡大します。

ポンチをあてがって金槌でガンガン、刃先の当たる角度を微妙に変えつつガンガン叩きます。
「あぁ何だ、コレだけか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
そんな方はホームセンターで#12の革ポンチを買ってきて試してみて下さい。
騒音苦情が来るか「ん?どっかリフォームか工事してる?」ぐらいの打撃音出ますので(笑)
ちなみに薄い合成皮革や人口皮革ならさほど苦労しませんが厚みが有ったり本革だと
1穴開けるだけで一苦労です。2穴で金槌握る握力が失われて手がプルプルしてきます(笑)

左が加工前。右が加工後。

で、穴開けが終われば取り付けなんですけどね。
(ココからは分かり易い様に明るい色のストラップで)
ストラップ裏側はロック本体の面積でしか締め付けの圧力を受ける事が出来ません。
締め付けトルクにもよりますがこの狭い面積も使用時の緩みに繋がります。
本体側にも小さな突起は有るのですがオマケみたいな物で滑り止め効果はほぼ期待出来ません。

で、今回も普通に締め付けしてたんですけど…
ふと目に入ったのが机の上に転がっていたCTSポットサイズの座金ワッシャー!
コイツのギザギザならストラップにしっかり食い付いてロック本体との滑りを止められるかも?
なんて思った訳ですよ。
ロック本体の小さな突起も座金ワッシャーとの滑り止めになら役に立つかな?と。

ロック本体に入れてみたらジャストサイズ!!
机の上が散らかってたからこそ降臨したナイスアイデア(笑)

左が座金ワッシャー有り、右は普通の締め付け。

今後ストラップ側取り付け時には座金ワッシャーはマストアイテムにしようかと。

こんな工夫はしてみたもののS-LOCKSは締め付けトルクに自信が持てません…
一応緩み止めに小さなマイナス頭ビスが締め付け垂直方向へ入れられてはいますが
そのビスの締め付けがメガネの緩みに使う様な精密ドライバーなのでしっかり力を掛けて
締め付け出来ないので…
ココはやっぱり旧型の六角ナットの方が確実かな。
楽しみにしていた5月連休の温泉三昧計画も全て白紙。
STAY HOME SAVE MONEY…何して時間使お…
いっそ仕事しよかな…
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