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90年製FENDEDR/J ST-65?にミッドブーストサーキットをインストール&フルレストア編

 2024-02-10
今年最初のリペアブログ更新になります。
今更ながら本年も当店を宜しくお願いします。

今回は90年製のフェンジャパ、ST-65と思われしブラッキーにミッドブースト回路をインストールします。
出来るだけ本家ブースター付きモデルに近く、そして多少工夫を凝らして取り付けてみたいと思います。

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お預かり時、既にお客様DIYにてレースセンサーが搭載されています。
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こちらがお客様お持ち込みのミッドブーストサーキット。
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まずは全分解。
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ブースター回路収納部ザグリ加工。
今年は暖冬のおかげで作業場のシャッター開けての作業が苦痛ではなく助かってます。
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ザグリ完了。
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もちろん電池ザグリも加工。
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ザグリ加工箇所の木部むき出しがイヤだったので、黒に筆塗り。
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電池収納部も。
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ボディー側の木工加工が一段落したのでフレット交換。
使用フレットはクラプトンリスペクトよりも実用性、耐久性重視で
もはや当店レストアではお約束のJESCAR#55090。
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ネックが仕上がったらお次はピックガード側。
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ますはピックガード本体をクリーニング。
ビス穴の落とし込みに染みついたサビを出来るだけ除去する。
新しく取り付けるビスになるべくサビを移さない様に。
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レースセンサーはリアだけ年式が異なるのかロゴが異なる。
ピックアップマウントクッションゴムはかなり劣化。
当店での作業時、なるべくゴムは使いません。劣化しにくいスプリングへ変更します。
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さて、付属の回路図をっと。
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2連ポットの部分の回路図がちょっと分かりにくいかな。
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回路以外の配線完了。
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回路から出ているへにゃへにゃバッテリースナップは耐久性が乏しいので使わない。
しっかりしたスナップへ交換。
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基板からの配線をまとめておく。
これをやらなければピックガードを取り付ける際に配線が挟まって面倒になるので。
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回路関係の配線も完了。
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ピックガードを付ける前に回路収納部の底にウレタンを敷く。
基板の揺れ止め、衝撃からの保護の為。
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ウレタン表面と配線経路ザグリ底面がツライチで自己満足(笑)
もちろんそうなる様にザグリの深さを計算していたのだけれど。
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さて、ブースターキットには何故かトーンノブ1個だけが付属していたが、
1個だけ新しいノブ付けても違和感あるので3個全新品に交換します。
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ピックガードマウント完了。
電気関係の動作チェックもOK!
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電池収納部にもウレタンを貼って電池のガタ付きを防止。
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ブリッジアースもこの引き回しならトレモロスプリングに干渉する事は無いでしょう。
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今度はシンクロトレモロをレストア。
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中々のサビ具合。
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サドルは再利用せずにゴトーの新品プレスサドルへ交換する。
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オクターブビスの強烈なサビは当然サドルからビスを緩め取る事は出来ず。
なので頭を食い切りでカットして元サドル取り外し。
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ここまでのサビになるとビスだけの交換は不可能で、サドル丸ごとの交換になります。
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新しいサドル取り付け完了。

本来ならトレモロごと載せ替えたいが、10.8ミリピッチの所謂シンクロは
残念ながらゴトーから一般販売されていない。
アームホルダーが付いている510シリーズならラインナップしているが、
ホルダー収納部のザグリ加工が必要になるし、見た目も純然たるフェンダーストラトから
離れてしまう。
なのでベースプレートは流用必須。
可能な限りサビを取って磨き上げてから新品サドル取り付け。
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シンクロトレモロ取り付け完了。
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いよいよネック付けてナット製作だ…と思いきやネックジョイントプレートの
裏面に結構なサビが付着。画像でも分かるがボディー側の塗装にもサビ跡が
移っている。
プレート裏のサビが完全には取り切れなかったので、今後のサビ進行を防ぐべく、
プレートとボディー間にクッションプレートを追加。
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ここまで来れば、ここまで来ないとナット製作に取りかかれない。
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ナット制作後、ブリッジを確認。弦高もセットアップ。
6弦と1弦のサドル高さ調整イモネジが突き出し過ぎている。
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短いビスへ交換。
これでブリッジミュートの際の手触りも問題無いはず。
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組み込みや諸々調整が終わるまではテスト用電池を付けていました。
完成の儀式?として新品電池へ交換。
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ミッドブーストのインストールだけではなく、良いストラトに生まれ変わらせる
事が出来たと思います。
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ミッドブーストと言うだけにブースター機能の使い勝手に苦労されているお客様が
多いのですが、この回路のミソはTBXコントロールになります。
TBXも可変域が広いので一筋縄ではいきませんが。
個人的にはTBXが5~6=センタークリックよりちょい上げ、
トーン=ブーストが1~2、3弱ぐらいが好みですね。
もちろんピックアップやアンプにもよりますが。
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現在リペアが混雑しており、納期面でお客様へご迷惑お掛けしております。
確定申告の準備そっちのけで作業を進めておりますので何卒ご容赦願います。
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【臨時休業のお知らせ】

 2024-01-31
2月2日(金)は臨時休業とさせて頂きます。
来店予約、お問い合わせはメールかFacebookメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty/com
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年末年始休業のお知らせ

 2023-12-26
年末年始は下記日程を休業とさせて頂きます。

12月29日~1月4日 休業

新年は5日より営業いたします。

休業期間中のお問い合わせ、来店予約はメールにてお願いします。
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木目が素晴らしいFR-150Sのサスティナーモデファイ。旧型ドライバーなのにめっちゃ動いた編

 2023-12-02
久々にサスティナー関連でブログ更新です。

今回はFR-150Sを作業させて頂きました。
1994年頃のフラッグシップモデルです。
これまで150Sは結構な本数を作業してきましたが、ここまで木目が出ている物は珍しい!

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カタログスペックではネックとボディートップがカーリーメイプル、
ボディーバックはホンジュラスマホガニー。
ホンマホは既に入手出来ませんが現代でこのスペックのギターを作るとなると
お値段や如何に…
まぁ安くとも50万ぐらいにはなるでしょうね。いや、50万越えるかな。
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ネックグリップもトラ目!
もう一度言いますがここまで木目の出た150Sは見た事が無い。
ボディーにしろネックにしろ木地着色で色物にしたら凄い派手なFRが出来そう。
リフィニッシュで木地着色は無理ですが。
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タケウチ製トレモロのFRT-5PRO搭載。
ゴールドの色味も残っているし茶サビも無いのでコンディションは良好。
聞けばお客様が入手後に少し磨いたそうです。
ゴールドは色味を落とさずに研磨するのが難しいので中々上手く出来ているかと。
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コントロールパネルを開けてみた。
配線がボヨヨォ~ンと飛び出すギミック(笑)
今回も組み込み時は配線美を目指します!
配線美って良い響きと思うのはワシだけ?
ちなみに鉄道の廃線跡のサイクリングも好きなので廃線美って言葉も使います。
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どうやらジャックに接触不良が有ったのか、ジャックから接点復活材を
吹き込まれている模様。
ザグリ壁面の導電塗料が接点復活材と反応して溶けている。
手が触れると黒くなるので、こういうのは見過ごせない。
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まずはサクッとフレット交換。
使用フレットはJESCAR #55090。
今回はサスティナーネタなのでレストア関係は省略。
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ようやくボディー側、サスティナー関連の作業に入ります。
サスティナードライバーは旧ロゴで、1~2弦のセンターヨークも分離、
そしてセンターヨーク突き出し量も6弦側と同じなので、元より1~2弦の駆動、
特にハーモニクスモードでのローフレットが厳しい。
その旨お客様へ説明した上で出来る限りの駆動向上を目指す事に。
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まずは全分解。
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とりあえず溶けた導電塗料を何とかしておこう。
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溶けてベタ付きが出ている箇所周辺をアセトンで拭き取る。
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ボディー表面、ポット・スイッチ穴をマスキング。
先日DIYで導電塗料を塗ってポット穴からボディー表面に導電塗料が染み出して
塗装面の導電塗料除去をご依頼頂いたT様、今後はこの様にマスキングして下さい。
マスキング貼ってからポット・スイッチ穴周辺を指で押してマスキングを密着させる
事もお忘れ無く。
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とっとと導電塗料塗っちまうか…の直前に思い出した。
パネル開ける際にパネルビスが斜めになっていて不細工だった事を。
ついでなのでビス穴埋め木して開け直し。
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導電塗料塗布完了。
パネル裏にも接点復活材が付いている様なので、
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アルミテープを貼る。
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いよいよ本題のサスティナー周りに着工すべく、作業段取りを考えながら
ボディーを眺めていると、今度はピッチシフトキャビティー底面のウレタン劣化が
気になり出す。加水分解で溶け出しているようだ。指で触れると少しベタベタする。
早よサスティナーやれよ…と自分に言い聞かせながら、
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ベタベタになったウレタンを剥がす。
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貼り直し。
もうこれ以上は寄り道しないぞ!
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今回のモデファイでは駆動状態の向上が主題なので、リアPUはド定番、
ダンカンTB-4へ交換。
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ボディー直止めなので、真ん中の取り付けビス穴を拡大加工。
更にTBならではのマウントフットの3つ穴を利用して、
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ピックアップザグリのフット部底面にビスを当ててピックアップの傾きを抑え、
場合によっては意図的に傾斜角を付けられる様にビス追加。
ビスはM2.6で、シャーシーはタップ切ってネジ切りしています。
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シャーシーの加工が終わったのでピックアップ本体の改造。
分解して磁極を変更。
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組み上げたらパラフィン風呂にドボン。
これにてTB-4の改造作業完了。
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ボリュームポット、タップ制御のスイッチポット、レバースイッチは特に不具合も
無かったので流用予定だったが…
流用予定だったので元配線のハンダも綺麗に除去したが…
何故かトーンを兼ねたスイッチポットが250kΩ。トーンのコンデンサーも473…
スイッチポットはマスターボリュームとして使う予定だったので流石に500Kにしたい。
結局ポット類はBOURNS、CTSへ交換する事に。
配線外す時に気付いていれば少し手間を省けたのだが。
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お次は基板改造
・駆動ゲインアップ
・リアPU音色フィルター数値変更
・サスティーンボリュームフルアップ固定化
・フロント&センターPU用ゲイン調整トリム追加
今回パワーアンプは元よりモトローラー製オペアンプが載っていたので
オペアンプは交換せず。
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純正状態でリアPUはウレタンスポンジでアソビを軽減されていましたが、
(画像ザグリ底面の四角い跡はウレタンの貼り跡です)
ウレタンは劣化するのでスプリングでピックアップ裏面を支える。
このスプリングとは別にマウントビスには高さ調整用スプリングを入れます。
そしてシャーシーのフット部に追加したビスをザグリ底面に当てて固定力強化。
サスティナーギターにおいてリアPUの固定、ボビン上面の弦に対する角度は
重要ですので。
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組み込み完了!
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今回何が影響しているのかは分かりませんが、旧型ドライバーにも関わらず、
サスティナーの駆動はかなり強力に仕上がりました。
もちろん立ち上がりも速い。
鬼門であるはずの1弦ローフレットも楽勝。
1弦解放でさえ弦振幅させながらスタンダード⇔ハーモニクスの切り替えが出来る。
これは現行ドライバー搭載で、駆動条件の良いギターでなければ中々出来ない。
ドライバー直下にアクティブPUの載ったFR-150S、120S、85Sでここまで動かせた
事は無かったです。
何でだろ? 運なのかな? 
特別な事はせず、いつも通りに当店なりのモデファイを行っただけですが。
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サスティナーの新規取り付けもお問い合わせ頂く事が御座いますが、
未だサスティナーキットは次回入荷未定です。
お問い合わせ頂いたにも関わらず、お力になれず申し訳ありません。

今回の様なモデファイ作業は常時受け付けておりますので
お問い合わせお待ちしております。

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超美品!ROLAND G-707をレストアする編

 2023-11-25
今回は数年ぶりにROLAND G-707を作業させて頂きました。
知る人ぞ知るBTの今井氏が使用。後のフェルナンデス社スタビライザーの原型と
なったモデルです。

画像では伝わりにくいですが、驚くべき美品です。
塗装面に目立つ打コンが無いどころかキズさえも無い。
残念ながらギターシンセ音源ユニットは欠品との事。
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金属パーツにも目立つサビや腐食は無い。
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ボディー裏もバックル跡等無く綺麗です。
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今回はフレット交換、ジャック&トグルスイッチの交換を作業させて頂きます。
まずは一番の特徴であるスタビライザーを外すところから分解スタート!
ヘッド表面がスタビライザーの一部になっているのでペグを外す必要が有ります。
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ボディー側はスタビライザー根元のビス3本で固定されています。
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スタビライザー取り外し完了。
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ボディーとスタビライザーはハードケースで保管。
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ヘッド裏のシリアルプレート。
保護ビニールも付いた状態ですがサビ等が見られません。
作業時にダメージを入れるわけにはいかないので取り外します。
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ようやくネック単体の状態になりました。
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フレットは時代背景もありますが、元より低めのビンテージタイプ。
そしてエッジがかなり斜めにカットされているので弦落ちし易いです。
いつものJESCAR #55090でモダンな仕様にモデファイします。
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はい。フレット交換完了(笑)
いや、フレット作業中の画像が何故か消えてしまってました…
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エッジを立たせぎみですが、フレット端は1本1本面取りしているので
ポジションチェンジでも手に不快感は伝わりません。
もちろんエッジが立っているので弦落ちも改善しています。
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お次はボディー側。
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まずはトグルスイッチをミニトグルスイッチへ交換します。
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交換前、純正状態でのスイッチ軸の可動方向をマスキングしておき、ミニトグルも
同じ方向に取り付けます。
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そしてジャック交換、毎回苦労?するG-707のジャック交換。
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何が苦労するかって、G-707に限らずこの時代のジャパンビンテージのジャック穴に
スイッチクラフトは入らない。
ジャック穴を拡大する必要が有ります。
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ギターシンセの出力アウトユニットを外してコントロールパネル取り外し。
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外見では目立つサビや腐食はありませんが、パネル裏面にはサビが出ていました。
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ワイヤーブラシで擦りますが、あまり状況変わらず…
地金まで浸食したサビは除去が難しいです。
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それではジャック穴を拡大します。
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拡大完了。
これでスイッチクラフトのジャックが使用出来る様に。
今回はパネルが薄かったのであまり時間は掛かりませんでしたが、
金属製の分厚いジャックプレートだと作業後に手首の筋がおかしくなってる事も。
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基板マウントのポット類には接点復活材を吹き込みます。
トーンに少しガリがありましたが、無事取れました。
そもそも交換出来るポットが入手困難なので、なるべくは純正を継続使用したい
ところでもあります。
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さぁワックス掛けて組み込むか?ってところで発見…
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フロントのエスカッションが割れてます。
プラスチックの経年劣化でしょうね。
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はいはい、リアも割れてますね…
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リアのエスカッションにはギタシンで必要?なのか謎のポッチンが付いている。
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ポッチン裏面には基板から配線が繋がっている。
音源も無いしお客様はギタシンとしては使う予定は無いとの事でしたが、
レストア作業でもあるので純正状態はキープしたいところ。
新しいエスカッションに位置出ししてポッチンの穴を開けます。
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エスカッション交換完了。
いよいよ組み込みに進めます。
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スタビライザーを付ける前にスタビとボディー間に挟まれていたウレタン?ゴム?の
デカいガスケットリングが劣化していたのでポリメイトでケアしておきます。
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同じく1弦側の太もも滑り止めも劣化していましたが、こちらはツヤが出ると
機能的に困るのでツヤ出しはやめておきました。
スタインバーガーみたいにパタンと開く滑り止めなら使いやすいかも。
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シリアルプレートを付けてからネックをジョイント。
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ネックジョイントプレートとボディー間にはクッションプレートを挟み込んで
プレートのボディーめり込み対策とします。
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実は分解時より気付いていましたが、ブリッジサドルを固定するビス=
オクターブピッチを調整するビスがかなりサビていました。
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CRC等を吹いてもビスは全く回る気配無し。
ここで力勝負に出て無理にビスを回そうとすると、茶サビの出ている黒いビスは
必ずと言って良いほど折れます。
しかも一番折れて欲しくないサドルの面イチで簡単に折れます。
サドルの中に折れたビスが残るとサドルの体積が小さいので固定して抜き取りは
難しく、つまりサドルが使えなくなってしまう可能性があります。
なのでここは妥協。本当はオクターブピッチもきっちり調整したいのですが
泣く泣く妥協です。
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組み込み完了!
サドルビスやパネル裏にサビはありましたが、
コレクターズコンディションどころか博物館レベルの美品でした。
今後これほどのG-707に出会う事は無いでしょう。
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このG-707が仕上がった頃、たまたまフェル社のTEJ BTモデルも作業していました。
そして入ってきたのが櫻井氏の訃報…
ご冥福をお祈りいたします。
残念な事に今年はミュージシャンの訃報が続きますね。
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いよいよ秋が深まると言うか一気に冬の気配が近付いてきました。
皆様ご自愛下さい。

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ネジ山が潰れたピックアップマウントを修復する編

 2023-11-11
今回はビス穴のネジ切りが潰れて高さ調整が出来なくなったピックアップの脚を
復活させます。

ネジ切りが潰れた場合だけではなく、直止め仕様に改造されているピックアップを
エスカッションマウント、ピックガードマウントへ復活させる場合にも有効だと思います。

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今までネジ切りが潰れたりビスの緩い場合、大体は他の作業で分解した際に気付いたりと
「まぁついでに手を打っておくか」的にサービスで作業していたので
六角ナットをハンダ付けしたり、裏面にスピードナットをあてがったり
U型クリップナットを挟み込んだりと応急的な処置をしてきましたが、
いずれも耐久性は無かった。
今回は耐久性も追求し、確実な修理を目指します。

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まずはボビンとシャーシーを分離。
平行四辺形の少し特殊なピックアップです。

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用意したのは2ミリ厚の真鍮板。

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マウントフットに合わせた形状にカット、ざっくり成型します。
切り出した真鍮板をマウントフットにハンダ付けして、新たにビス穴を開ける作戦です。

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ピックアップのシャーシーも真鍮なので、おそらくハンダ付けは問題無いとは
思いますが、しっかり固定したいのでフラックスを使用します。

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真鍮の場合は5倍希釈が必要なので、

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低くカットした紙コップに少量出して水で希釈。

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綿棒で薄くフラックスを塗ってからハンダ付け。
何が難しいってシャーシーと真鍮板の位置合わせをキープしての固定が一番難しい。

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ハンダの盛りが汚いですが、後で成型するので問題なし。

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金属ヤスリで整形。
ハンダは柔らかいので成型はさほど苦労しません。
ただし際を攻め過ぎるとハンダ面が無くなって真鍮板が剥がれてしまうので
元のフットと同じ大きさ、形状には出来ません。少し大きめになります。

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新たなビス穴を開ける。

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工具で真鍮板をこじってみて固定力を確認してみました。
全く取れる気配は無いので問題無さそうです。




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2.6ミリのタップでネジ切りします。
インチサイズの場合でもこの修復には2.6Φ、もしくは3Φとします。
インチのマウントスクリューの太さは約2.4ミリなので耐久性を考えれば
少し太めのビスを使いたいので。

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無事ビス穴復活です!

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逆側の作業に入ります。

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2回目にもなるとコツを得るのでスムーズに作業出来ました。

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しっかりビスが効いてます。

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お次はこれまで施工したピックアップの相方、今度はミニハムです。

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U型クリップナットに合わないビスを無理矢理入れていた為かビスのネジ切りも
完全に潰れてしまっています。

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そもそも薄いステンレスのシャーシーで、ネジ切りは無し。
直止め専用のミニハムなのか?

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今回も真鍮板とフットの固定に苦労します…

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シャーシーがステンレスなのでハンダが乗り難い。
フラックスをしっかり塗ってから位置固定の意味合いで最初は角だけを止める。
しっかり固定出来てから面を止める感じです。

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両側貼り付け完了。

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こちらも2.6Φ仕様で仕上げました。

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さて、先に施工したピックアップの組み上げに入ります。
線材が劣化していたので4芯ケーブルを交換します。

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組み込み完了。

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元の外周アセテートテープが劣化していたので、ボビン=コイル保護の目的で
しっかり巻き直しておきます。

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ミニハムと共にロウ浸け。

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ギターへ組み込んで作業完了!
ギター本体はギブソンのナイトホークでした。

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今回の作業はピックアップを全分解する必要があるので=全分解してシャーシーだけに
しないと真鍮板がしっかり位置合わせ出来ないので中々手間の掛かる作業ですが、
耐久性も確保出来るビス穴修復としては今の所この方法がベストだとは思います。

耐久性を求めてステンレス板でも試してみましたが、同じ加工は1ミリ厚の薄いステンでしか
無理でした。ビス穴を開ける際にステンレス板がたわんでしまう。
また1ミリ厚だとネジ切りの耐久性が無いので却下としました。
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【臨時休業のお知らせ】

 2023-11-01
下記日程で臨時休業とさせて頂きます。
期間中のお問い合わせ、来店予約はメール、Facebookメッセンジャーでお願いします。
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3日(祝) 祝日定休日
4日(土) 臨時休業
5日(日) 定休日
6日(月) 臨時休業

7日(火)より通常営業です。
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安い物には訳がある…ダダリオの偽物編

 2023-10-21
今回はダダリオの偽物のご紹介です(笑)

事の発端はリペア依頼時にお客様が持ち込まれたこのダダリオ。
リバースヘッド=6弦が一番遠いギターだったのですが、何も疑わずに弦を張ろうとしたら
何と6弦の巻き線がペグまで届かない!
ファイヤーバードにもダダリオ張った事は有るが足りなかった事は無かった。
はぁ??な感じではあったが、同時に「このダダリオ…変かも。」とも思った。

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普段当店ではダダリオ正規代理店であるキョーリツコーポレーションより1箱10セット入り
(↓画像右側)を仕入れて使用している。
なのでこの10セット弦を張ってみると当たり前だが6弦は問題なく張れた。
ここで確実に偽物と断定。
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本物と偽物を比較すべく、新たに1セット用意した。
(画像中央下)
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右が本物、左が偽物。以降同じ並びで進めます。
本ブログの為に先のお客様より未開封偽物を1セットお持ち頂きました!
よく見比べると背景の解像度が違う。
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まずパッケージの厚み、紙質が違う。
偽物はへにゃへにゃした感じで薄く、如何にも安いパッケージな感じ。
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パッケージ裏面比較。
偽物は旧パッケージをコピーしているのかデザインが少し違う。
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開封。
ビニールパッケージのデザインは全く異なる。
偽物にはQRコードが付いているが、自分のスマホでは読み取れなかった。
他のスマホでも読み取れなかったのでQRの誘導先サイト自体が存在していないのか?
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偽物のビニールパッケージは指が透けてしまう。
そしてシャカシャカした手触り。
6弦が短い事に気付くまでは「あーダダリオさんパッケージ変わったのね」ぐらいにしか
違和感は感じていなかった。
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本物は指も透ける事無くしっとりとした手触りで厚みのあるビニール。
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弦自体を比較していく。
最初に偽物を張ったギターはフロイド系トレモロだったのでいきなり全弦ボールエンドを
切ってしまったが、プレーン弦の巻き癖が酷かったのを覚えている。
「これ、ハズレのダダリオ?こんな巻き癖でオクターブちゃんと取れるかな…」みたいな。
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比較すればボールエンドの質感が違ったり、偽物の巻き弦が妙にツルツルしていたりと
明らかに相違点は見付かるが、偽物だけを手に取っていると怪しさを感じないところが
危険である。
現に6弦が足りていれば=普通のギターに張っていれば自分も気付かなかったかも
しれない。まぁチューニングして実音出したりオクターブ取ったら気付いたかも
しれないが。
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偽物に気付いた際にゴミ箱漁って何とか見つけ出した6弦ボールエンドの比較。
偽物の方が色が濃い。
画像では伝わらないがボールエンドの質感も本物の方がきっちり作られている感じ。
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そして大きさ、形状も違う。
偽物はボールエンドがイナシャーブロックにめり込みやすいシンクロトレモロだと
弦交換の際にボールエンドが抜けにくいかもしれない。
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そしてこれが決定的な違い。
画像では分かりにくいかもしれないが、巻き弦の芯線が偽物は銀、本物は真鍮色!
つまり細かい所まで見なくともビニールパッケージ開けて
巻き弦の芯線が銀色だと偽物確定。
da14.jpg

今回の件は発覚当初よりキョーリツコーポレーションの担当者に報告してましたが
キョーリツ側でも偽物が流通している事は把握しており、しかも本国サイトの
真偽判定?が出来るページを教えて頂いた。
https://www.daddario.com/play-real

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パッケージのシリアルナンバーを入するっぽい。
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とりあえず自分で購入した本物(のはず)のシリアルを入力してみる。
da17.png

あれっ?
これって偽物って事??
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次に偽物のシリアルを…
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表示変わらず。
さては自分で購入した本物と思われしブツも偽物なのか??
弦自体は明らかに偽物よりしっかりしているぞ??
da20.png

最後に紛うこと無き本物、正規代理店経由の10セット弦のシリアルを入力。
表示変わらず。あかんがな(笑)
そもそもこのシリアル入力はダダリオサイトにポイントを貯めるポイ活が目的っぽいので
わざわざアカウントを作って再チャレンジしようとしたが、今度はアカウント登録ページが
まともに機能しない。スマホで試すも結果は同じ。
モヤモヤしてきてこのページも偽物ちゃうか?と疑うほどに(笑)
検索した過去記事でもこのページで真偽判定出来ているみたいなので自分のPC設定等に
問題があるのかもしれないが。
da21.png

少し前にエリクサーの偽物は話題にもなりましたが、エリクサーみたいに高額弦なら
偽物作る悪いヤツも出てくるだろう。
まさかダダリオで出てくるとはね…
「ダダリオ 偽物」で検索してみたら被害者続出の様で、やはり相当数が出回っているようだ。
今回のお客様との共通項はネット通販での購入。
メルカリ・ヤフオク・フリマアプリが特にやばい。
まぁそもそも平均価格より明らかに安い物は避けるべきだろう。

やっかいなのは偽物なのに弦としては普通に使えるって事。
今回のお客様も数セットまとめ買いして、こちらから指摘するまで違和感無く使っていたとの事。
ひょっとしたら「普通に使えるなら安くて良いじゃん」と考える方もいるかもしれない。
だが購入者がいる限りは偽物商売は無くならないだろう。
弦も値上がりが激しい昨今、少しでも安い物を探すのは理解出来るし、アパレルなんざ偽物が
身近に有って当然みたいな風潮で、我々も偽物慣れしてきている事が怖い…

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【シルバーウイーク期間の営業について】

 2023-09-13
シルバーウイーク期間は下記の営業になります。

16日(土) 臨時休業
17日(日) 日曜定休
18日(祝) 祝日休業

19日(火)~22日(金) 通常営業

23日(祝) 営業します!
24日(日) 日曜定休

23日祝日のご来店予約お待ちしております。

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YAMAHA PACIFICA 912J を徹底的にレストア!マイケル リー ファーキンス は今どうしてるんだろ?編

 2023-09-09
今回は懐かしのYAMAHAパシフィカを徹底的に作業させて頂きました。
PACIFICA 912J 90年代、パシフィカシリーズの初期モデルだったと記憶しています。

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個人的にパシフィカと言えば真っ先に頭に浮かぶのはサラスではなくマイケル リー ファーキンス。
シュラプネル界でもシュレッド系のみならず、カントリーやブルースの匂いがする
変わり種スーパーギタリストでしたね。かなり聴きました。
今回作業中のBGMはコイツ↓で決まりです。
この先RGXを作業する機会があれば、その時はチャーリー セクストン聴きます(笑)

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全体的に美品なのですが、ピックガードビスが汎用ビスに交換されていたりするので、
この辺りはあるべき姿に戻してやろうと思います。

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早速分解。
「Killerかよ!」ってツッコミたくなりますが、ピックガード外さないと
ネックが外せません。

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ちなみにピックアップ類はデフォでディマジオ。
フロントセンターは何故HS-2をチョイスしたのだろうか…

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で、ネック外しました。
ネックジョイントスクリューはヘッド側がアルミ貫通で木ネジのメイプル止め。
エンド側が鍋ネジでアルミプレート止め。

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ワーモス製ネックのはずなので、アルミ外せば何かしらワーモス印あるかな?と思いましたが
スッピンでした。

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フレットは弦下えぐれ減り、フレットエッジは滑り台状態で弦落ち祭り仕様なので
打ち換えます。

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「さてさてロッドはどの程度効くかな?」って感じですが、レンチが差し込めません。
レンチが落とし込みザグリの角に当たってしまいます。

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ボール頭なら何とか回せますが、ロッド側の六角ナメるのが怖いので、

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レンチの先端をグラインダーで削って専用レンチを作りました。
完成時はお客様にお渡しします。

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で、とりあえずフレット抜きましたが…
側面の塗装が割れるのは仕方ないですが、フレット溝内のカビが凄い。

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フレットソーで溝を少し切り込んでカビを除去。
指板表面側のカビは指板修正で落とせるでしょう。
割れた塗装面はフレット打ってからタッチアップで埋めます。


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分解時から気になっていたのが、この大きな打コン。

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上側から見ても分かる凹み具合。

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側面だけの問題ならフレット打ってからのタッチアップで埋めますが、指板表面側は
指板修正で仕上げたいので先に手を打ちます。

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デザインカッターで完全に浮いている塗膜のみをカット、木部に入り込んだ汚れを
取り除きます。

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エポキシ樹脂充填。
硬化の段階で痩せてしまうので、合計3回盛りました。
つまり指板修正作業着工は3日間先送りになりました。

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ようやくフレット打ち開始。
使用フレットはJESCAR#57110。

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フレット周りの作業完了。

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あの大きな打コンも綺麗に修復出来ました。

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指板表面側から見ても凹みは無くなりました。
これにてネック側の作業完了。

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お次はボディー側。
まずは適当且つ雑な導電塗料を塗り直す。

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ピックガード裏面のアースシートへの導電が雑過ぎて気に入らない。

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アセトンでぴゅっと拭き取って、

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銅箔テープを貼る。

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ザグリに塗る導電塗料と塗り繋げる。

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裏面コントロール部も塗る。
こちらはパネルの落とし込みザグリが浅めで、塗る前からパネルが浮き気味だったので
厚みが出てしまう銅箔テープを貼らずに導電塗料で接続部を作る。

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電気系を含む本組み込みに入る前にトレモロスプリングハンガーに手を入れる。
ここまで劣化しているならいつもはGOTOHの新品ハンガーに交換しているが、

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高さが低いんですよ。
左が純正、右がGOTOH新品。

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仕方ないので純正をカッツカツに掃除研磨して、アース線取り直して組み込み。

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ネック付けたら下ごしらえ完了。
普段ならネック付けるのは最後なので何か変な感じ。

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ピックガード側もモジャモジャしたディマジオの線が汚らしいので整理します。
剥き出し線は短絡したらイヤなので収縮チューブで絶縁します。

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何気にレバースイッチ外したら取り付け部割れてるし…
アロン系接着剤塗った跡が有ったので誰かしら割ってしまったリペアマンが証拠隠滅を
図ったのか?
そもそもこのABS樹脂系素材は普通のアロンでは止まらない。
かと言って樹脂素材専用接着剤は持ち合わせていないし、何よりも高価。

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で、修復完了。
修復方法は両手作業なので画像を撮影する事が出来ませんでしたが、
割れ箇所を縦断する方向でハンダこての先でなぞり、溶かして接合しました。
ブラックジャックの顔の縫いキズの横方向をハンダで溶かし付けるって言えば
分かりますかね?(笑)

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HS-2の剥き出し線を収縮チューブで覆い、レバースイッチ配線を全てやり直し完了。

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ポット類の配線もやり直してパネル裏面にアルミテープ貼り付け。
ジャックは新品へ交換。

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ようやくトレモロ載せたらセッティングに入れますが…

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まぁ一筋縄ではいかないよね。
GOTOHのノーマルスプリング=SPではトレモロセッティング出そうとすると
ハンガー固定ビスがネックジョイントのアルミプレートに当たる。
なのでパワースプリング=PSPでハンガービスの締め込みを浅くする作戦。

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既に長年当たり続けてアルミが削れています…

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そんなこんなでようやくトレモロのセッティング出たら今度はネック角が変…
またまたピックガード外してネック外したらアルミプレートとネックの接合部に
逆アングルに角度が付いていたので、間に0.5ミリのシム挟んで角度を修正。

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毎度の事ながらヤマハのロックナット高調整機構は最高!

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中々に苦労しましたが遂に完成!

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外したパーツ類と共に専用レンチをお客様へお渡し。

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これにて90年代のパシフィカ再生完了。
また何十年も頑張ってくれるはず。

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知らない人も機会があればマイケル リー ファーキンス聴いてみて下さい。


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グレコッチ Silver Jet スペースコントロールブリッジでチューニングを安定させてみる編

 2023-08-19
残暑お見舞い申し上げます。

久々のブログ更新はグレッチです。
ラメラメのシルバージェット!
お預かり時、お見積りの為に既に分解しておりますが。

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ブリッジの木台が両面テープで固定されていたので、外せるかお客様の目の前で
作業しておりました。
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日本製グレッチ。神田商会がライセンス生産していた通称グレコッチです。
残念ながら神田商会の代理店契約は2021年に終了、現在はフェンダー取り扱い
みたいですね。
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今回はこのシルバージェットを徹底的に作業します!
グレッチやモズライト…この0フレット仕様は普通のナット製作と違って
ちょいと面倒ではあります。
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いつも通り指板修正。
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フレット打って、すり合わせ途中からが普通のギターと異なる段取りです。
とりあえず弦が張れてチューニング出来るところまで仮組み。
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ナットも作り直しますが、仮組みなので元ナットを使用。
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ナットの溝の深さ代わりに0フレットをヤスリで削って開放弦の高さ調整。
ぶっちゃけ普通にナット作ってる方が遙かにラクです…
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0フレットの設定が決まればお次はブリッジ。
お預かり時はナッシュビルタイプへ交換されていましたが、
今後はビブラートを使いたいとの事なので、チューニングの安定性を重視して
純正=元々のスペースコントロールブリッジで組み上げます。
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まずは肝心の木台。
両面テープを剥がしてから、
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ボディーのアーチ形状に合わせて修正します。
セミアコやフルアコでお馴染みの木台、チューニング時や強く弾いた際に
ズルッとズレませんか?
ズレる場合はボディートップの形状と木台接触面の形状が合っていない事が多い。
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近年のゴダンの様に木台がグラフテック系樹脂製の場合は形状どころか
成形時のバリが残っていたりとボディーと密着さえしていない物も多いです。
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まずはボディー表面、ブリッジ設置場所周辺にマスキングフィルムを貼る。
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マスキングフィルムの上にペーパー貼って、
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スタッドを取っ手にして木台を左右に動かして研磨。
ボディートップの形状に合う様に修正します。
これをやるだけで木台ズルリがかなり改善されます。
木台を両面テープで固定する、しないは別としてお勧めの調整作業になります。
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さて、ここからはクリーニング作業開始。
全体的にタバコのヤニ汚れが酷いです。
ボディーはワックス掛け。
ヤニ落としに特化したクリーナーを使っても良いのですが、後々にワックス掛けて
ツヤも出したいので段取り端折って、いきなりワックスです。
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たまにお客様から聞かれる
「パーツ類のクリーニング方法」
大体ヤニ類や流れ出したグリスの付着でパーツ類やパネル類にベタつきが出て
不快な場合が多い様です。
当店では金属パットにパーツ並べて呉のフォーミングクリーナーをブッ掛けます。
ワコーズのマルチフォーミングクリーナーでもOKですが、ワコーズはお高い(笑)
呉でも効果は十分です。
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吹き付けるとすぐに汚れが浮いてきます。
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ノブ側面のローレットは歯ブラシも併用すればキレイになります。
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ウエスで拭き取りしてクリーニング完了。
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ビグスビーのフエルトは剥がれたので貼り直します。
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このフォーミングクリーナーはプラスチックにも使えるのでエスカッションや
ピックガードもOK!
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もちろんコントロールパネルも大丈夫。
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分解時から気になっていたリアPUのエスカッション角のクラック。
おそらくビスの締め過ぎか経年劣化によるクラックですが、まだ完全には
割れていない。
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裏面にもクラックが貫通しているので完全に割れる前に先手を打っておきます。
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厚さ0.08ミリの薄手ダクトテープを全面に貼り、デザインカッターで余剰箇所を
カット。
クラック部だけに貼るとボディーにマウントして横から見ると貼り場所が目立つので
全面に貼ってしまいます。
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ナットも新規に無漂白牛骨で製作。
純正ナットは弦溝が細いスリット状ですが、製作ナットの弦溝は
最低限の弦の位置保持は出来ますがかなり太め=弦との接触を限りなく減らしています。
可能な限り弦滑りを良くしてビブラート使用時のチューニングキープが狙いです。
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ここまで来れば完成間近。
オクターブピッチが合う場所に木台を調整してから位置をマーキング。
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お客様のご希望で両面テープでブリッジ木台を固定します。
使用する両面テープは薄手で一般的な物。
ここで強力両面テープを使うと、何かで剥がす際に大変な苦労を強いられます。
また両面テープは強力な物を使っても、まさに今みたいな気温が体温越える様な
状況が続くと簡単にズレてしまいます。
なので薄手であれば普通の両面テープで構わないと思います。
この固定は弦交換等の際に木台がポロリと外れる事を防ぐ意味合いで、
木台の位置をしっかり固定する意図ではありません。
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さあ後はピックガード付ければ完成!なのですが、
ピックガードの浮かしゴムが千切れている。
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シングルコイルピックアップのマウント用ゴムチューブを代用している物を
よく見掛けますが、ゴムは劣化が避けられないので使いません。
塩ビのパイプを使います。
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千切れたゴムの高さをノギスで測って同じ高さにパイプをカット。
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取付けた状態を横から見ればこんな感じです。
ゴムとは違い劣化しないので経年変化も無問題。
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弦を引っ張りまくってからチューニング、そしてまた弦を引っ張りまくって
チューニング。
その繰り返しでビブラートを普通に使う程度なら、チューニングの狂いは
±10~15セントに抑える事が出来ました。
弦をしっかり伸ばすのは重要ですが、ナット溝を太くしている事がかなり効いています。
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グレッチって面白い?表情豊か?なギターでして、ブリッジ変えるとキャラクターが
ガラッと変わります。
スペースコントロールの様にチューニングキープの為にサドルが回転する類いの
ブリッジだと音が拡がる箱物色が強くなり、ナッシュビルタイプを載せれば
ビブラート使用時にはチューニングが狂いまくりますが音質は少しソリッドな
ニュアンスになり、音の立ち上がりも早くなります。
好みや使用用途で多少ではありますが、キャラ変出来るのは面白いですね。
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6120系をはじめグレッチも多く作業しておりますので、
グレッチ・グレコッチ問わずに(笑) 何かの際はお問い合わせ下さい。
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臨時休業のお知らせ

 2023-08-14
明日15日(火)は台風接近の為、臨時休業とさせて頂きます。

大きな被害が出なければ良いのですが。
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【お盆期間の営業について】

 2023-08-05
お盆期間の営業は下記になります。

10日(木) 定休日
11日(祝) 祝日定休
12日(土) 通常営業
13日(日) 定休日
14日(月)~通常営業

ご来店予約、お問い合わせお待ちしております。
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サスティナーの取付け、移植をお考えの方へお願い。PEAVEY WOLFGANGへサスティナー移植編

 2023-07-15
久し振りのサスティナーネタです。

最近サスティナー関連のご相談が増えてきましたが、
相変わらずサスティナーキットは幻の一品な状況です。

※中古のサスティナーキットでの取付け、サスティナーギターから別のギターへの移植を
ご検討されている方は本ブログ、長文の本編はすっ飛ばして頂いて構わないのですが、
最終部だけはしっかりお読み下さい。お願いします。

さて、今回はPEAVEYウルフガングにFERNANDES FR-JPCのサスティナーユニットを
移植させて頂きました。

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2000年代前半のウルフガング。フラットトップで今まで何本も取付けしてきたので
特に苦労する事は無いと思っていたのですが…
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FERNANDESの日本製をアピールしたJPCシリーズ。
サスティナードライバーにサビや劣化も見られず、基板のコンディションも良好。
動作チェックも問題無し。最終型のフルモードなのでドナーとしては申し分なし。
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早速ウルフガングの分解に入るもいきなり驚いた!
ネック角の為のシムが厚手のサンドペーパー…
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しかも1弦側と6弦側で厚みが違う…(ーー;)
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画像では分かり難いですが、ボディー側バスウッドにも深い凹みが…
これは最後の組み込みで苦労する事が確定。
大きい作業の初っぱなからいずれ苦労する事が確定すると結構精神的ダメージは大きい…
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まずは減っていたフレットを打ち換え。
連日暑くて暑くて作業ペースが上がらない。
ちなみに当店1階の木工作業スペースはエアコンなんて有りません。
( ↑ 仮にエアコン設置しても木クズや埃を吸い込みまくって即故障でしょう)
10年以上掃除していない死にかけの扇風機だけが頼りです。
実は死にかけ扇風機がミソでして、風量の強い元気な扇風機だとサンドペーパー類が
吹っ飛んでしまうので死にかけ扇風機がベストです(笑)
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フレット周りの作業はいつも通りなので省略。
ボディー側が今回の主役です。
ポットやトグルスイッチ本体からパネル裏面まで導通が確保されているものの、
導電塗料は塗られていない。
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まぁザグリ加工が終われば全て塗りますけどね。
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最初の山場はサスティナー基板の位置決め。
過去に取付けてきたウルフガングの位置データを確認する。
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ボディーにマスキングフィルムを貼って過去データの位置にスイッチを置いてみる。
と言うか「何も指定が無ければ」スイッチ置く前にとっととスイッチ穴開けてしまうのですが。
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今回はですね、「なるべく本人機に近付ける」べく参考資料をお預かりしているのですよ。
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木目は違えどカラーは同じ。
本人機=資料機はおそらく18V仕様なのでバッテリーボックスの大きさが違いますけど。
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難儀なのがスイッチの位置。上の画像のチェリーサンバーストと見比べれば
分かりますがボディーエンド側に位置してる。
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画像の説明分にも書いている。
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なので「それっぽい」位置へスイッチ位置を変更する。
画像ではモード切替スイッチがトレモロの後端ラインと横並びに見える。
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そしてスイッチ中心線はボリュームノブに少し掛かるぐらいか。
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実際にスイッチを置いてみるとこんな感じ。
スイッチの存在感が強すぎてイマイチ分かり難いので、
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六角ナットを置いてみる。
そもそも資料はギターをスタンドに置いて上方向から撮影しているので
レンズ収差もあるだろうし、あまり資料画像に固執しても意味が無いのかもしれない。
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スイッチ位置が決まったので、スイッチ径より細いビットでスイッチ穴を貫通で開ける。
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そこに全パーツを外した裸基板を置けば基板位置が決まる。
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基板ザグリ開始。
右上に写っている自家用車の窓を暑さ対策で少し開けていたのを忘れていた…
言うまでもなく車内はバスウッドのおがくず祭りになった…
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基板ザグリを終える前にスイッチ穴を本番サイズで開ける。
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実際にスイッチをあてがってみる。
エディー仕様はスイッチの爪有りワッシャーを付けないのでスイッチの表側への
突き出し量はザグリ深さを計画的に決める必要がある。
もちろんスイッチ基部でも多少の微調整は可能だが、やはりザグリの深さでビシッと
決めたい。
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基板ザグリ終了。
この後、バッテリーボックスザグリ掘っている時に
車の窓が少し空いている事に気付く。
時既に遅し。。
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車の窓を閉めたら今度はボディー表面、フロントのサスティナードライバー用ザグリを
加工。
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ドライバーを直止めすると純正状態では深さが足りないので。
↓ の画像はドライバーサイズで掘り下げていますが最終的には全体を掘り下げます。
トグルスイッチからの出力線がこのフロントザグリを通過するので。
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さて、今回一番の山場、コントロールパネルの新規製作に着工。
お客様との打ち合わせ時はバッテリーボックスの大きさも違うし、資料画像も詳細が
見えない。そしてコントロール上側=サスティナー取付け前のコントロールパネルの
形状も違う。等々でパネル形状は妥協してお任せ頂く事になっていた。
でも資料まで用意して頂いたし…どうせ作るならねぇ~アンタって感じで。
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こんな感じじゃね? パネル治具完成。
上部=ネック側はほぼ純正形状で円みを帯びていて下部=エンド側の外線は直線ぎみ。
見難い資料を見ながら手作業切削を繰り返しての造形なのでバチクソ時間が掛かりました…
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今度はパネルの落とし込みザグリ用の治具を作る。
ルーターで掘るのでパネル外周より3ミリ、全周では6ミリ大きい治具が必要。
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アクリル3ミリ板にパネルを両面テープで貼り付けて3ミリ厚の板を挟みながら
外周を千枚通しでけがく。
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けがいたラインを抜く。
これがめちゃめちゃ大変な作業なんですけどね。
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試し掘りしながらパネルとの相性を調整。
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パネル落とし込みザグリ加工完了。
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パネル落とし込みザグリの切り口は角が立っているので、衣服等が引っ掛からない様に
少し切り口を面取りして丸める。
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衣服に触れる可能性ゼロのバッテリーボックスザグリも施工してる時点で
暑さに頭をヤラれている。
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ビス穴も面取り。
これはビスを入れた際の塗装浮き対策。
画像は有りませんが表面のサスティナースイッチ穴ももちろん面取りしてます。
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パネル治具を嵌めてビス穴位置をマーキング。
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治具にビス穴開けたら本番パネルを黒ツヤ消し1Pで切削。
後ほどお客様にも希望を確認したがサスティナー基板LED覗き穴は無しで。
そう言えば随分昔に作業した本人仕様もLED穴は無しにしてた記憶が蘇る。
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サスティナードライバーの耳の部分を削って加工してザグリに入るか確認。
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各ザグリに導電塗料を塗る。
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導電塗料とパネル裏シールド面との通電は、銅箔テープを貼って、
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ザグリ側の銅箔テープに導電塗料を上塗りしてザグリとテープの導通を確保。
これにてザグリ加工諸々が終了。
毎回ここまで来たら全行程の半分を越えた気がする。
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いよいよ組み込みの為の各パーツ加工。
まずはPEAVEY純正リアPUを分解して磁極変更。
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組み上げてロウ浸け。
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トグルスイッチ配線を引いた上でドライバー取付け。
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ボリュームポットは新品カスタムCTSを分解してグリス入れ替え。
スムーズポット化します。
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さて、基板改造に入ります。
前にブログを読んで頂いたお客様から「何で半固定抵抗交換するんですか?」と
聞かれた事があります。
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この真っ白の半固定抵抗、フルとゼロの時は規定の抵抗値出ているのですが、
中間域でガクッっと大きく抵抗値が変化する事が多いのです。
つまりサスティナーの駆動ゲインなど微調整が必要な重要箇所では役不足だと思っています。
また回転させるツマミの部分に少しガタが有るのも気に入りません。接触不良の原因にも
なりますし。なので主要部の半固定抵抗は信用出来る物へ交換しています。
過去には間違った半固定付いてた時も有りましたし(笑)
ゲインアップ改造や音色フィルターも変更して基板完成。
ここから先は実際にサスティナーを駆動させての調整作業になります。
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さぁ、コレや…
いよいよコレを何とかせにゃならん…
wg51.jpg

まずは凹みの酷い部分に0.5ミリのスペーサーを入れてみる。
それでも当然フラットにはならない。
そこで不本意ながらスペーサーに貼る両面テープの枚数、厚みを色々試して
なるべくフラットになる様にする。
何せ1弦側と6弦側の凹みの深さが異なるのが気に入らない。
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そこそこ妥協点に達したところで、本当に意味のあるスペーサー=ネック角確保の
為の0.5ミリを追加。
実はこの作業、画像こそ無いものの、完成まで何度も違うパターンを試す事になる。
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配線組み込み完了。
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パネル裏のシールド完了。
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トレモロスプリングは資料に習って真っ直ぐ2本掛け。
09-46半音下げ指定なので可能だったってのもありますが。
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一通り組み上げてサスティナー起動可能状態になりました。
今までかなりの本数組んでいるのでサスティナーの設定はすんなり完了。
wg57.jpg

エディー物のお約束。指板Rとフロイドサドル高が合わない永遠のテーマに着手。
これこそがネックの仕込みが決まらないと設定が決まらない。
ネック角を3パターン試して妥協点を決めたところで挑むもサドル高も3パターンで
悩む。実寸よりも弾いてて一番違和感の少ないサドル高パターンを採用。
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Dチューナーも設定して完成!
資料画像にはDチューナーが付いていないが付いている物は調整すべし。
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補足事項としてはお約束ながらトグルスイッチは上ポジションでリアPU。
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爪有りワッシャー無し、六角ナットのみで固定のサスティナースイッチ。
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バッテリースナップはへなちょこスナップ流用ではなく、信用出来るスナップへ変更。
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完成!
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正直見本資料有りレプリカ作成はもうやりたくない(ーー;)
まぁ勝手に拘って自爆したのは自分なので
お客様が喜んでくれたらそれでチャラなんですが。
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<サスティナー移植、中古キットでの取付けをご検討されている方へ>

これまで基本的に中古キットでの取付けはお断りしてきましたが、新品のサスティナーキットが入手困難な現況を鑑みて
条件付きにはなりますが、中古キットでの取付けを受け付けます。但し下記注意事項をご確認、ご理解お願いします。

①サスティナーは世代や機種によって機能が異なります。お持ち込み頂いたサスティナーが取付けを希望しているギターに
合わない場合が御座います。手配購入前にご相談頂ければ適合可否をある程度はアドバイス出来ますが、
購入後に関して当店は一切関知致しません。

↑ 実はこのパターンはかなり多いです。取付け意欲満々でお越し頂き、「いや、この基板は合わないですよ」とお伝え
したら落ち込まれたり、気分を害する方がいらっしゃいますが、申し訳有りませんがこちらとしては「知らんがな」です。
一見サスティナードライバーと基板が有れば何とでもなる様に見えますが、実際はかなり細分化されています。
古いモデルに至ってはサスティナーOFF時にフロントドライバーはPUとして機能しません。

せめて素材を購入する前に、
・取付けを検討しているギターの詳細
・購入を検討しているサスティナー素材の状況=販売先ページ、オークションのURL等
・おおまかなご予算
をお伝え下さい。


②サスティナーキットは実際に駆動出来る状態にまで組み上げなければ正常作動品かの判定が出来ません。

今回の様に動作チェックのうえ、移植が一番無難なのですが、オークション等での
「○○から外したサスティナーです。外すまでは正常に機能していました。」の文言は信用しないで下さい。
オークション出品者、フリマ出展者の商品説明文を信用するかは自己責任になります。
そもそも楽器屋の店員でさえサスティナーの正常な駆動状態を分かっていないのが現状です。
まぁ今や超マイナーなアイテムだから仕方ないんですけどね。
作業前に動作チェックが出来ない場合は、一通りの取付け作業工賃が発生した後に追加費用が必要になるかもしれません。
本来正式なお見積りをご提示してからは追加工賃を頂くのは不本意ではありますが、ご了承…と言うか予め追加費用発生の
リスクを承知して頂きます。
最悪の場合は一通り取付けた後に「やれる事は全てやりましたがダメでした」になるかもしれません。
それでも作業工賃は頂く事になります。


③取付けよりも修理の方が遙かに大変です。

↑ 当たり前なのですが、サスティナー基板の故障箇所を探り出すのはかなりの時間と労力を要します。
下手すれば修理工賃が取付け工賃を上回るかもしれません。
また、修理に必要な交換パーツの手持ちもかなり減ってきました。今後は救えないサスティナーも増えると考えております。
これまで当店はサスティナー関連を(株)大阪フェルナンデスより仕入れておりましたが、ご存知の通り、大阪フェルナンデスは
倒産しました。(株)フェルナンデスとは取引が御座いませんので今後純正パーツの入手はほぼ絶望的です。


④取付けギターに問題が有る場合は作業をお受け致しません。

↑ サスティナー関連とは言えど、完成時はギターとして全体のクオリティーを重視します。
例えばサスティナーの取り付けには問題が無くとも、ネックに問題が有る場合など、見積もり時に
完成後、ギターとして正常に使えないと判断した場合は作業をお断りさせて頂きます。ご了承下さい。


⑤2年ほど前からフェルナンデス社が取付けを行っている新型サスティナー、一部楽器店が専売している
マイナーチェンジ版?サスティナー、サスティナーライトの作業はお受けしておりません。
新型に関しては見た事さえ有りませんので様々なお問い合わせは頂きますが諸作業受付不可で
お願い致します。


「このギターにサスティナー付けてコントロールはこうしてあぁして…ついでにコレも付けてアレも交換して…
よぉーし!材料はオークションで見付けた!!」
この時間は物凄く楽しいし、ワクワクしますよね。めっちゃ分かります。
でもお金を使う前に相談して下さい。
私は皆さんのワクワクを落胆ではなく喜びに繋げたいだけなのです。

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梅雨時の徹底的レストア作業を徹底的にご紹介。GIBSON '83 LP-CUSTOM編

 2023-07-01
今回は83年製レスポールカスタムを徹底的にレストア作業させて頂きました。
今までも徹底的シリーズはブログアップしていますが、実は毎回全ての作業内容は書いておりません。
長文になり過ぎるので端折っている内容も多いのですが、
今回は全部詳細に書いたらどれぐらいになる?実験です(笑)
画像123枚の長編になります。梅雨の暇時にでもお読み下さい。

5月後半にお預かりしたレスポールカスタムですが、リペアが混雑している状況でしたので、
着工出来たのは梅雨の足音が聞こえだしてきた頃でした。
梅雨時は湿度が急激に上昇するので、指板修正を伴うフレット交換や木部が剥き出しになる
ザグリ加工などは雨天や湿度の高い日は避けています。
したがって作業ペースは落ちてしまいます。

アラフィフ世代がこの黄ばんだ白カスを見るとどうしてもランディーローズを
思い浮かべますね。ランディーは確か74年製だったと記憶しておりますが。

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画像では分かり難いですが塗装面にはウェザーチェックが多いものの、
ゴールドパーツはしっかりと金色味が残っており、比較的良いコンディションです。
まぁこの頃のメッキが分厚くて頑丈だと言うのもありますが。
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この頃特有のペグが搭載されています。
ノブ=ツマミにレバー式のギミックが有り、
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レバーを引き起こすと、
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ペグトルクの調整ビスが出て来ます。
おそらくはサビ防止?な意味合いで格納式にしたんですかね?
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ボディー側のパーツ類のコンディションも年式を考えれば悪くはありません。
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エスカッションが曲がってしまっているのはギブソンあるあるですが、エスカッションを
固定しているビスは頭が完全にサビているので交換予定。
全体の雰囲気を崩したくないので基本的にゴールドパーツは交換しない方向で進めます。
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でもパネル類、ピックガードを固定しているゴールドのビスは+のドライバー差し込み口が
サビて崩れだしているので交換します。
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ネックグリップは塗装が変質して部分的に少しベタ付きがあります。
コンパウンドを使うほどではありませんが、研磨して手触りを改善したいところです。
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コントロールはノイズ対策でアースでボックス化する為のカバーに覆われています。
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カバーを取った状態。
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見難いですがポットデートは83年。
ごってり載せられたハンダはオリジナルだと思われます。
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早速分解の為にピックアップの配線から外していきます。
ごってりハンダはひたすらハンダこてを当て続けても中々溶けません。
溶ける前に熱が伝わってポットをダメにしてしまう可能性も有ります。
なので新しいハンダを少し被せて広範囲に熱が伝わる様にすれば溶けやすくなります。
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アース線取り外し完了。
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ピックアップを外した状態。
NEW PAFですね。
ピックアップに対してピックアップカバーが妙に深いのもNEW PAF期の特徴です。
どうやらカバーを一度外された様でカバーのハンダ付けが汚いので
ここはやり直したいところ。
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リアのエスカッションの変形が気になり出す…
お預かり時は曲がってはいるが機能的には問題無いので現状のまま流用と打ち合わせて
ましたが、明るい色のボディーに対色の黒が曲がっていると目立つんですよねぇ…
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トグルスイッチも配線を全て外して余計なハンダを除去。
後ほど組み込み前に接点をクリーニングします。
余談ですが、この頃のCTSポットやスイッチクラフト製品は本当に耐久性が高い。
近年物とは似て非なる物。
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ボディー側全分解完了。
ポット類はフレット交換の妨げにはならない位置なので外しません。
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ペグはマスキングテープ貼ってナンバリング。
たまにこの状態のペグを見たお客さんから「何でメモってるんですか?」と聞かれますが
単純に元の場所にペグを戻す為。
オーナーなら「○弦は少しツマミが曲がっていて×弦は回転トルクが硬めなんだよね」
みたいな感覚があるじゃないですか。それを元の状態でお返ししたいので。
もちろん回転トルクは必要と判断すれば調整しますけど。
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ゴールドのメッキの施されていない、おそらく真鍮製のペグ固定ビスは流石に劣化している。
ペグ固定ビスは交換決定。
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ボディー側をクリアファイルでマスキング。
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ぺったんこフレットの打ち換えに着工します。
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ポジションマークが痩せたのか、ポジマークと指板に隙間があるので
フレット溝のチップ修正時にエポキシ充填で対処します。
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エボニーは毎回フレット抜く時が一番気疲れします。
何せローズとは違って材質が硬いが故にチップが出まくるので。
とは言え裏技使うので昔よりは大分マシになりましたが。
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指板修正開始。
ここからが天気予報とにらめっこの始まり。
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上と同じ様な画像に見えますが間に2日挟んでいます。
いよいよ梅雨入りを実感。まだ湿度の上昇は少なかった頃なのでそれほど作業ペースに
影響は出ていませんが。
それでも指板修正には10日ほど掛かりました。
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ちなみにフレット溝の横に入ったキズに見える線。
これはフレットを「プレス機」で入れた跡になります。
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工場をはじめ、この様にプレス機の類いでフレットを入れる事は一般的ではありますが、
必要以上にフレットを押し込むと指板が凹み、上の画像の様にキズ状に跡が残ります。
特に力が加わりやすい真ん中周辺のキズが深い。
フレットサイズ=横幅を変更しなければ目立ちにくくはなりますが、凹みは意外と
広範囲で、同じサイズのフレットを打っても跡が気になる場合もあります。
自分はこのプレス跡が嫌なので、これまでもこの先もプラハンマーの手打ちで
フレットを打ちます。


2_202307011402436da.jpg

凹み跡が無くなるまで指板修正で削れば良いのでは?と思われるかもしれませんが、
当たり前の話、指板は必要最小限しか削りたくないし、削り過ぎてサイドポジマークが
指板表面から見えてしまう激ダサな結果は防ぎたい。
指板最終段階で指板角を少し丸めて手当たりを良くしたいのでサイドポジのギリギリまで
指板を削りたくない。指板修正時は指板を真っ直ぐに修正する事を第一に考えていますが
第二に常にサイドポジマークと指板角の幅をチェックしています。
指板にクセが残ろうとも指板表面からサイドポジが見えないギリギリの線が指板修正の
限界点と考えています。
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指板修正が完了したのでフレット打ちに入ります。
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バインディングの厚みより少し広めに工具でフレットタングをカット。
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工具でカットしただけではタングが少し残ってしまうので、
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ヤスリで仕上げる。
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肝心なところがピンボケしてますがタングの跡を完全に無くします。
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フレット打ち完了。
使用フレットはJESCAR #55090。
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現時点でプレス跡はこんな感じに残ります。
元フレットに比べ55090の幅は少し狭いので仕方ないです。
高さは元フレットよりも十分に高いので演奏性、耐久性を考えれば
フレット幅&高さ>プレス跡になります。
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フレットの余剰端を削って仕上げますが、最終段階では約30センチ長のアルミ角材に
ペーパーを貼り付けてきっちりストレート出しをします。
ネック反りを見極める時にフレットラインがガタガタだったりストレートが出ていないのは
美しくない。
が、この作業こそ明るい太陽光下でやりたいんです…
電灯類の一方向から来る光では陰が出来やすいのでストレートが出ているか判断しにくい。
作業時は曇天&夕方だったので作業を断念。
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で、太陽光が無くとも進められる作業を。
ピックアップ周りに着工します。
そもそもピックアップは抵抗値も正常なので何も手を入れる必要は有りませんが
やはりこの雑なピックアップカバーの取付けハンダが気に入らない。
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雑とは言えピックアップカバーとピックアップシャーシー間のハンダは
除去が中々に大変です。
ポット背中のピックアップアース線と同じですが、ハンダを長時間当て続けるのは
御法度になります。
まずは切れ味の良い小型ニッパーで摘まみ切れるハンダを千切り取る。
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ピックアップカバーとシャーシー間のハンダは大型カッターで根気よくカット。
力を入れ過ぎずに何度も何度も刃を入れる。
切れ味が落ちればカッターの刃をカット。
最終的にハンダが切り離される時に「ぱくんっ!」と僅かではあるが心地良い感触が
伝わる(笑)
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カバー取り外し完了。
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今度はピックアップ、カバー共に残留ハンダを更に除去。
ニッパーで取れる所は削り取る。
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お次はハンダ吸い取り網。
溶け出したヤニは冷えて固まる前に綿棒でこそぎ取る。
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除去完了。
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カバーの内側の方が難しい…
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カバー内側も整ったので再取付けに取り掛かりたいが、
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カバー内側の青カビが気になる。
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ワイヤーブラシで取れるだけクリーニング。
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今度はカバー表面のザラ付き、粉吹きが気になる。
個人的にはこのザラ付きや粉吹きを指で触れると黒板を引っ掻いた時に近い不快感を
感じる。なので取ります!
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とは言え、相手はゴールドメッキ。コンパウンドや研磨剤を使えば一撃でニッケル化
してしまう。
こんな時は別の用途で使用済み=目の細かくなった3Mスポンジ研磨材、MICROFINEを
使う。直線的に磨くのではなく、出来るだけ力を入れず細かく円を描く様に研磨する。
そして深追いは厳禁。
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嫌なザラ付きは取れて光沢が出て来た。
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そして今度はピックアップのアジャスタブルポールピースのサビ。
いっそ新品のアジャスタブルポールピースへ交換と言う手もあるが、そうすると
カバーのメッキと質感が合わない。
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なのでポールピースを抜き出してワイヤーブラシで研磨。
メッキが剥がれ、地金まで浸食したサビは取れないが浮いているサビを取るだけでも
サビの侵食ペースは落とせるはずだ。
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ようやくピックアップカバーとピックアップの合体準備完了。
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まずはピックアップシャーシーに予備ハンダを載せる。
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そのままカバーを嵌める。
しっかりカバー底面までピックアップを入れる事が重要。
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シャーシー側の予備ハンダが当たる位置にマジックでマーキング。
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カバーを外してマーキング位置に予備ハンダを載せる。
予備ハンダが終わればマジックをアセトンで拭き取る。
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カバーを嵌めてシャーシー側とカバー側の予備ハンダ同士を溶かし合わせて
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取付け完了。
このやり方だと、べちゃーっと大量のハンダを流し込まなくともしっかり固定出来ます。
そしてハンダこてを当てる時間も短く出来るのでピックアップへの熱伝導リスクも低減。
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フロント、リア共に完成。
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研磨したのでゴールドメッキの透明感??が復活!
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まぁレスポールカスタムなので歪ませて弾くのは間違い無いだろう←思い込み?
ピックアップカバーの共振による発振対策でロウ浸けも作業する。
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十分に冷めてからアジャスタブルポールピースの溝に入ったロウ=パラフィンを
爪楊枝で掻き出して完成。
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ちなみに各工程でしつこいぐらいに直流抵抗値を測っています。
今回の作業では可能性は低いですが、何かしらで断線でもされたらまた全分解する
事になるので。
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ちなみにピックアップカバーの表面に残ったパラフィンを無理に拭き取ろうとゴシゴシ
やるとメッキが薄くなってしまいます。
そんな時はステッカー剥がしで一拭き。
大昔は良いお値段のスキー&スノボのワックスリムーバーを使ってました(笑)
勿体ない事してたな~。何だったら灯油でも代用出来るのに。
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結局ここまでやって曲がったエスカッションにマウントするのは
どうにも我慢出来なかった…
新品純正エスカッションを手配。
最近になってようやく輸入パーツの流通が改善してきたかも。
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フレット端のストレート出し、フレットのすり合わせも完了。
この時点でボディー全面、ネックグリップ面、ヘッド、全ての塗装面を
ワックス掛けする。
ネックグリップのベタ付きも除去完了!
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指板にオイル入れたらプレス跡はこんな感じ。
プレス跡が分かり易い様に照明強く当てて撮影してますが
意識して見なければ気にならない程度です。
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新品のペグビスでペグ取付け。
ペグもピックアップカバーと同様に研磨済み。
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さて、配線周りの組み込みに入る前にトグルスイッチの接点をクリーニング。
近年のスイッチクラフト製トグルスイッチの耐久性はイマイチだがこの頃は頑丈。
少しだけガリ的な接触不良が有る程度。
ですので交換は不要ですが接点には手を入れます。
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薄めのナットファイル=ナットの溝を切るヤスリに#800~#1000程度の
耐水ペーパーを当てて施工回路側の端子をオープンにする。
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端子の内側・外側両面にペーパーを当てる。
力を入れずに軽~く擦る程度で十分です。
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次に赤ちゃん綿棒の先端をラジオペンチで薄く潰す。
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綿棒に接点復活材を吹いて端子に軽く擦り付けて接点クリーニング完了。
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トグルスイッチから配線組み込みに入りますが、この純正ケーブルを使いたくない…
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被膜は耐熱性能も十分なしっかりしたシールドケーブルなのですが、芯線が硬い。
そして酸化しやすい。
結果として折れ切れしてる事が多いんですよね。
特に裸のアース線が。
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ケーブルが露出していて何かの拍子に引っ張って劣化した芯線が千切れる…なんて
事は有り得ない箇所だけど一応交換。
使用するのはピックアップに使われる4芯シールドケーブル。
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ジャックも純正のボックス化されたスイッチクラフトは交換。
4芯ケーブルからシャーシーのターミナルを経由せずに新品ジャックに直接出力。
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さて、ピックアップ載せるか…な所で手直し事案発生。
元々のエスカッションは全て短いエスカッションビスで取付けられていたが、
取り寄せた純正エスカッションセットに付属するビスは長短のセット。
長いビスが付く所はビス穴の深さを掘り下げる必要がある。
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しかもフロントはビス穴が楕円に変形しているしビスが緩い箇所も有る。
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リアに至っては2個穴の空いている箇所が有る。
なので全てのビス穴を埋め木して空け直し。
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ようやくピックアップのマウント完了。
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ピックアップも配線し、後はアースカバー付けたら終わりだゼェ~
…と思いつつ、ずっと感じていた違和感を思い出す…
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そう。普通のギブソンレスポールには必ず穴が空いている箇所に穴が無い。
1弦側テールピースアンカーから取られているはずのブリッジアース線が無い。
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とか言ってギブソンさん上手い事やってアース取ってるんじゃね?
なんて事は絶対に無いのにテスター当てて幻のブリッジアースが短絡していないか
試す(笑) と言うかこんな無駄な事してる時点で疲れている自分に気付く。

もちろんアースのアの字も無いので
仕方ないがブリッジアースを新規に取る。
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セオリー通りなら1弦側テールピースアンカーを抜いてアース線穴を加工ですが
アンカー表面には塗装欠けが見える。
これは絶対抜いてはいけないアンカーだ…抜けば塗装のダメージが拡がるのは確実。
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まぁそもそも配線カバーにはピックアップやトグルスイッチからの配線経路用の
スリットは有るが、
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ブリッジアース経路用のスリットは無い。
つまり最初からブリッジアースを取る気は無いのだろう。
勿論このままだとしっかり弦をミュートしようがブリッジミュートしようが
ジージーやかましくて使い物にはならない。
こんな配線をボックス化してまでノイズ対策に気を使っている風に見えて何で?って感じ。

って事でブリッジアース施工に入ります。
もちろんテールピースアンカーからはアースは取りません。
lp88.jpg

まずは1弦側、ブリッジスタッドアンカーを抜く。
純正スタッドを入れても作業は出来るが、それではスタッドに工具キズが付いてしまう。
インチ縛りだらけのギブソンですが、ブリッジスタッドのネジサイズはミリのM5です。
普段はアコギのブリッジ貼り直しで使うM5の丸頭を入れて各方向からアンカーを
揺らし抜く。
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抜けました。
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現行のナッシュビルブリッジスタッドアンカーに比べると木部に入る部分が短い。
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ホームセンターまで一っ走りしてアンカー穴の径、深さに合うステンレス製の
押しバネを買ってきた。
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リアPUザグリからアンカーへ繋がる穴を開ける。
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アース線をリアPUザグリ側よりアンカー穴へ通す。
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スプリングへアース線を捻り止めてからハンダ付け。
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収縮チューブで保護。
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リアPUザグリ側よりアース線を引っ張ってスプリングをアンカー穴へ
引き入れる。
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アンカー打ち込み。
これでスプリングは常時アンカーへ押し当てられ確実にアースが落ちる。
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念の為アース線とアンカーの導通をチェック。
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ポット背中にアース線をハンダ付け。
これにて配線作業が本当に完了。
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カバーを付ける。
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新品のパネルビスでコントロールパネル、トグルスイッチパネルを取付け。
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これにてボディー側の組み込み作業は完了。
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チューニング可能=音が出る状態になったのでナットの製作開始。
使用するのは無漂白牛骨ナットのブランク。
ここから削り出してナットを製作します。
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ナットのアウトラインが出来た所で弦を張る準備に入る。
硬めだったり柔らかめのペグは全ペグを回しまくれる状態でトルク調整。
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何気にボディー側面のピックガードブラケットの取付けビス穴が緩かったので
埋め木+空け直し。
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ピックガード固定完了。
仮弦を張ってナットの弦溝を切る。
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ナットも仕上げ工程を経て完成。
ここからは仕上げのセットアップ作業に入ります。
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当たり前ですがトラスロッド調整を行う。
ロッドカバーの下に隠れた不要なビス穴。
以前違うロッドカバーが付けられていたのだろう。
カバーを付ければ見えない所ではあるが気になる。
お客様が自分でロッド調整する場合、他のリペアショップ等がロッド調整する場合に
「へぇ~トーンガレージは見えないビス穴は放置するんだ…」と思われるのがイヤ。
と言うか他店作業済みで同じ状況を自分が見れば
「あ、処置するの面倒くさがったな?まぁ分かるけど」なんて思うだろう。
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なので弦外して埋め木。
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黒の塗料で埋め木を隠蔽!
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気が済んだ。スッキリした(笑)
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そして遂に完成!
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と、思いきや1弦側バインディング下の塗装欠けが気になる。
劣化した塗装がポロポロ落ちている感じの塗装欠けなので欠けた傷口周辺にだけ
硬化後白残りしにくいアロンアルファを流し込んで被害拡大防止策を施す。
2弦や巻き弦の芯線にアロンアルファを小さく一滴付けて、そぉ~っと塗装断面に
近付ける。この作業だけで2時間ほど掛かる。本当に老眼泣かせの作業…
照明ガンガン老眼鏡+ハズキルーペのマクロ作業。終われば強烈に肩こりしてる。
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一応完成したが、お客様の引き取りまで毎日ネックの変化をチェック。
ちなみにオクターブピッチ調整の仕上げは完成翌日以降に弦がしっかり馴染んでから
行います。
そして外したパーツ類をパッキング。
外したパーツは全てお客様へ返却します。
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今回はギグバッグでお預かりしましたが、お約束のチャック破損。
引き手ツマミが無いとチャックはかなり開閉しにくい。
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ロックタイ2本で応急処置します。
使用するロックタイは幅が2ミリ程度、長さ10センチ以内のおそらくロックタイでは
一番小さいサイズ。
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1本で引き手ツマミが有ったであろう場所にループを作り、
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そのループにもう1本通してからループにする。
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最初のループをしっかり締め込んでから2本目をつまみやすいループサイズにして
余剰分をカットすれば完成。
おそらく持続性は低いだろうが応急処置的には使えると思います。
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最近はしっかりした作りのギグバッグも高くなってきましたね。
商品数も多いので何を買うべきか悩むでしょう。せめてゆっくり悩む時間を
このロックタイ応急処置でしのげれば。
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お引き取りの直前にもネック反り、オクターブピッチ、最終セットアップ時との
鳴りの変化が無いか等のチェック、自分の往生際の悪い性格がイヤになります。
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ここまで長編お付き合い頂き有難う御座いました。

当店のフレット交換=レストア作業の工賃は他店と比べれば決して安くは無いでしょう。
しかしながら今回の事例では新品エスカッション代金、埋め木やPUカバー付け直し、
ロウ浸けの工賃は頂いておりません。
お預かり時、お見積り時の作業内容打ち合わせを終えてからの追加作業はお客様の希望では
なく、自分の拘りですので。
ですので高額な工賃にはなりますが、主作業以外にも私が問題と判定した箇所には手を入れる
「お任せ工賃」とお考え頂ければ幸いです。


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【臨時休業のお知らせ】

 2023-06-13
6月17日(土)は臨時休業となります。
何卒ご了承下さい。

19日以降のご来店予約、お問い合わせはメール・Facebookメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com
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(面倒ですが)たまにはトレモロを分解清掃してみませんか?重要なビスが緩んでますよ編

 2023-06-03
ついに梅雨入りしましたね。しかも初っぱなから台風付きの大雨…
除湿対策のご質問を頂く事も増えてきました。
弾かない時はケースに仕舞い、中に湿度調整剤を入れるぐらいしかアドバイス出来ないのですが。

今回は前回の61STのトレモロメンテナンスのお話です。

大掛かりなメンテナンスの際はトレモロの分解清掃も行っておりますが、
サドルを外してサビや汚れを掃除する以外にも重要なチェック作業が有ります。


まぁ数年前にも同じ様なブログを書いているのですが改めて。

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まずはサドルを外す。
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真っ先に重要チェックポイント!
ベースプレートとサスティーンブロックを留めている3本のビス。
これが緩んでいる事が非常に多いです。
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今回はボディーからトレモロを外す段階で「おいおい!」ってぐらい緩んでました。
緩んでなければ通常ベースプレートとサスティーンブロックはしっかり密着していますが、
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今回はガッコガコに動き、ガッツリ隙間が開くぐらいに緩んでました。
普段アームをよく使われる方は特に注意が必要です。
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しっかり締め付けてから清掃、サビ&汚れ取り研磨を行ったサドルを組み付け。
固定ビスのサビは中々取れない。
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このメンテナンスは四六時中作業する必要はありませんが、1年~数年に一度、
中古ギターを購入したなら最初のセッティング作業に含めて下さい。
言うまでも無くサドルを脱着するのでオクターブピッチ調整が必要になります。
なので面倒な作業にはなりますが。
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今回ほどビスが緩み、ベースプレートとサスティーンブロックにガタが出ている事は珍しいですが、
だいたいの場合は時計で言えば10分~20分ぐらい締め付けられる程度緩んでいます。

ベースプレートは弦に引っ張られ、サスティーンブロックはトレモロスプリングに引っ張られる。
つまり互いに逆方向へ引っ張られ続ける事がビス緩みの原因ではあるのですが。

今回の様に酷く緩んだままでアームを使うとアームバーの根元を痛める事に繋がります。
普段アームをよく使う方は一度チェックしてみて下さい。
シンクロだけではなくフロイド系でも同様です。

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人は何故時間が無い時に限って余計な事をしてしまうのか?Fender C/S '61ST NOS編

 2023-05-13
人は何故時間が無い時に限って余計な事をしてしまうのか?
そんなん俺だけ?
みたいなお話でブログ更新です。

普段よりGW、お盆、年末年始など、大型連休前には出来るだけ多くのリペア品を仕上げ、
連休期間前にお客様へお渡しする事を心がけております。

時は4月後半、まさにGW前に如何に多くのリペアを仕上げるか。毎日作業段取りを
組み直しながら時間との戦いが続いておりました。

そんな中、常連様よりご依頼頂いたカスタムショップのストラトのフレット打ち換えを作業。
おそらくこのストラトが連休前仕上げ品のラストになるかな?なんて考えながら。

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指板修正も大詰め、指板のクセを取り終えたら仕上げ作業の前に指板の角を少し
丸める作業を行います。
これは指板修正で指板表面を削ると、指板角が立ち、このまま仕上げると
グリップした時に指板の角の当たりが痛く感じる為です。
その作業に入る手前で既に30分ほど手を止めて悩んでおりました。

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と言うのも、↓ の画像の通り1弦側8F横に巨大な打コンが有るからです。
お預かり時、常連様からこの打コンの件は何もお聞きしておりません。
言い方が悪いかもしれませんが、今回の常連様は細かい事はあまり気にされない方なので、
後日お引き取りの時にこの打コンの件をお話ししても、「あぁ…そう言えば凹んでましたねぇ~」
ぐらいのニュアンス。

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でもね、自分は気になって仕方ないんですよ。
人差し指の爪ぐらいの幅が有って深さも結構な凹み。
これがグリップした時、ポジションチェンジの際に気にならないわけがない。

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指板の真上から見ても凹みが分かるぐらいです。

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結局悶々としてるうちに日が落ちてしまい、この日の木工作業場での作業は終了。
(基本的に指板修正やフレット打ちなどは日光の差す時間にしか行いません)
作業机の上のネックを眺めながら角丸め作業に入るべきかまだ悩んでいる(笑)

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やはり打コンとしては大きい。
熱と水分を使って凹みを膨らませるにも凹みが大き過ぎる。
やるなら埋めるしかない。
しかしアクリル樹脂やウレタンで埋めるには凹みが大きく深い…

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気が付けば凹み周辺を研磨していた。
凹み部分の汚れを出来るだけ除去して樹脂が導管に入り込みやすくする為に。
あーやるさ、やりますよ。悶々としたまま次の工程に進むのは納得出来ないので。

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凹み周辺をマスキングしてからエポキシ樹脂を充填。
エポキシを選択した時点で24時間の硬化時間をどう使うか段取り組み直し。
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翌日の夕方、しっかり硬化したので研磨開始!
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NOSのストラトなのにレリック?と思える状態なので打コン周辺の塗装への
ダメージはあまり気にせず研磨を進めます。
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研磨完了!
指でなぞっても凹みは分からなくなりました。
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翌朝、心置きなく指板角の丸め作業に入ります。
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フレット打ちも完了。

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当たり前ですが指板上部から見ても凹みは分からなくなりました。
このアングルなら指板の角を丸めたのがお分かり頂けるのではないでしょうか?
ほんの少し丸めるだけですが、プレイ時には効果をお分かり頂けるはずです。
ちなみにこの作業はバインディングの入ったネックでも行っています。


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5月1日、無事完成。
結局常連様へのお渡しは連休明けになってしまいましたが。
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もちろん今回の打コン修復は完全に自分の自己満足の為に勝手に施工したので工賃は請求しません。
つまり連休前の時間が無い時に自己満足の為だけに時間を浪費したというお話でした(笑)




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【連休期間の営業に関して】

 2023-04-26
連休期間の営業、休業は下記になります。

29日(祝) 臨時営業 ご来店予約は早めにご連絡お願いします。
30日(日) 定休日
1日・2日 通常営業
3日~7日 休業
8日~ 通常営業

休業期間中のお問い合わせ、連休明けの来店予約はメール、FBメッセンジャーでお願いします。
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【臨時休業のお知らせ】

 2023-03-31
明日4月1日(土)は臨時休業とさせて頂きます。
何卒ご了承下さい。
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