【シルバーウイーク期間の営業について】
2023-09-13
シルバーウイーク期間は下記の営業になります。16日(土) 臨時休業
17日(日) 日曜定休
18日(祝) 祝日休業
19日(火)~22日(金) 通常営業
23日(祝) 営業します!
24日(日) 日曜定休
23日祝日のご来店予約お待ちしております。

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YAMAHA PACIFICA 912J を徹底的にレストア!マイケル リー ファーキンス は今どうしてるんだろ?編
2023-09-09
今回は懐かしのYAMAHAパシフィカを徹底的に作業させて頂きました。PACIFICA 912J 90年代、パシフィカシリーズの初期モデルだったと記憶しています。

個人的にパシフィカと言えば真っ先に頭に浮かぶのはサラスではなくマイケル リー ファーキンス。
シュラプネル界でもシュレッド系のみならず、カントリーやブルースの匂いがする
変わり種スーパーギタリストでしたね。かなり聴きました。
今回作業中のBGMはコイツ↓で決まりです。
この先RGXを作業する機会があれば、その時はチャーリー セクストン聴きます(笑)

全体的に美品なのですが、ピックガードビスが汎用ビスに交換されていたりするので、
この辺りはあるべき姿に戻してやろうと思います。

早速分解。
「Killerかよ!」ってツッコミたくなりますが、ピックガード外さないと
ネックが外せません。

ちなみにピックアップ類はデフォでディマジオ。
フロントセンターは何故HS-2をチョイスしたのだろうか…

で、ネック外しました。
ネックジョイントスクリューはヘッド側がアルミ貫通で木ネジのメイプル止め。
エンド側が鍋ネジでアルミプレート止め。

ワーモス製ネックのはずなので、アルミ外せば何かしらワーモス印あるかな?と思いましたが
スッピンでした。

フレットは弦下えぐれ減り、フレットエッジは滑り台状態で弦落ち祭り仕様なので
打ち換えます。

「さてさてロッドはどの程度効くかな?」って感じですが、レンチが差し込めません。
レンチが落とし込みザグリの角に当たってしまいます。

ボール頭なら何とか回せますが、ロッド側の六角ナメるのが怖いので、

レンチの先端をグラインダーで削って専用レンチを作りました。
完成時はお客様にお渡しします。

で、とりあえずフレット抜きましたが…
側面の塗装が割れるのは仕方ないですが、フレット溝内のカビが凄い。

フレットソーで溝を少し切り込んでカビを除去。
指板表面側のカビは指板修正で落とせるでしょう。
割れた塗装面はフレット打ってからタッチアップで埋めます。

分解時から気になっていたのが、この大きな打コン。

上側から見ても分かる凹み具合。

側面だけの問題ならフレット打ってからのタッチアップで埋めますが、指板表面側は
指板修正で仕上げたいので先に手を打ちます。

デザインカッターで完全に浮いている塗膜のみをカット、木部に入り込んだ汚れを
取り除きます。

エポキシ樹脂充填。
硬化の段階で痩せてしまうので、合計3回盛りました。
つまり指板修正作業着工は3日間先送りになりました。

ようやくフレット打ち開始。
使用フレットはJESCAR#57110。

フレット周りの作業完了。

あの大きな打コンも綺麗に修復出来ました。

指板表面側から見ても凹みは無くなりました。
これにてネック側の作業完了。

お次はボディー側。
まずは適当且つ雑な導電塗料を塗り直す。

ピックガード裏面のアースシートへの導電が雑過ぎて気に入らない。

アセトンでぴゅっと拭き取って、

銅箔テープを貼る。

ザグリに塗る導電塗料と塗り繋げる。

裏面コントロール部も塗る。
こちらはパネルの落とし込みザグリが浅めで、塗る前からパネルが浮き気味だったので
厚みが出てしまう銅箔テープを貼らずに導電塗料で接続部を作る。

電気系を含む本組み込みに入る前にトレモロスプリングハンガーに手を入れる。
ここまで劣化しているならいつもはGOTOHの新品ハンガーに交換しているが、

高さが低いんですよ。
左が純正、右がGOTOH新品。

仕方ないので純正をカッツカツに掃除研磨して、アース線取り直して組み込み。

ネック付けたら下ごしらえ完了。
普段ならネック付けるのは最後なので何か変な感じ。

ピックガード側もモジャモジャしたディマジオの線が汚らしいので整理します。
剥き出し線は短絡したらイヤなので収縮チューブで絶縁します。

何気にレバースイッチ外したら取り付け部割れてるし…
アロン系接着剤塗った跡が有ったので誰かしら割ってしまったリペアマンが証拠隠滅を
図ったのか?
そもそもこのABS樹脂系素材は普通のアロンでは止まらない。
かと言って樹脂素材専用接着剤は持ち合わせていないし、何よりも高価。

で、修復完了。
修復方法は両手作業なので画像を撮影する事が出来ませんでしたが、
割れ箇所を縦断する方向でハンダこての先でなぞり、溶かして接合しました。
ブラックジャックの顔の縫いキズの横方向をハンダで溶かし付けるって言えば
分かりますかね?(笑)

HS-2の剥き出し線を収縮チューブで覆い、レバースイッチ配線を全てやり直し完了。

ポット類の配線もやり直してパネル裏面にアルミテープ貼り付け。
ジャックは新品へ交換。

ようやくトレモロ載せたらセッティングに入れますが…

まぁ一筋縄ではいかないよね。
GOTOHのノーマルスプリング=SPではトレモロセッティング出そうとすると
ハンガー固定ビスがネックジョイントのアルミプレートに当たる。
なのでパワースプリング=PSPでハンガービスの締め込みを浅くする作戦。

既に長年当たり続けてアルミが削れています…

そんなこんなでようやくトレモロのセッティング出たら今度はネック角が変…
またまたピックガード外してネック外したらアルミプレートとネックの接合部に
逆アングルに角度が付いていたので、間に0.5ミリのシム挟んで角度を修正。

毎度の事ながらヤマハのロックナット高調整機構は最高!

中々に苦労しましたが遂に完成!

外したパーツ類と共に専用レンチをお客様へお渡し。

これにて90年代のパシフィカ再生完了。
また何十年も頑張ってくれるはず。

知らない人も機会があればマイケル リー ファーキンス聴いてみて下さい。
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グレコッチ Silver Jet スペースコントロールブリッジでチューニングを安定させてみる編
2023-08-19
残暑お見舞い申し上げます。久々のブログ更新はグレッチです。
ラメラメのシルバージェット!
お預かり時、お見積りの為に既に分解しておりますが。

ブリッジの木台が両面テープで固定されていたので、外せるかお客様の目の前で
作業しておりました。

日本製グレッチ。神田商会がライセンス生産していた通称グレコッチです。
残念ながら神田商会の代理店契約は2021年に終了、現在はフェンダー取り扱い
みたいですね。

今回はこのシルバージェットを徹底的に作業します!
グレッチやモズライト…この0フレット仕様は普通のナット製作と違って
ちょいと面倒ではあります。

いつも通り指板修正。

フレット打って、すり合わせ途中からが普通のギターと異なる段取りです。
とりあえず弦が張れてチューニング出来るところまで仮組み。

ナットも作り直しますが、仮組みなので元ナットを使用。

ナットの溝の深さ代わりに0フレットをヤスリで削って開放弦の高さ調整。
ぶっちゃけ普通にナット作ってる方が遙かにラクです…

0フレットの設定が決まればお次はブリッジ。
お預かり時はナッシュビルタイプへ交換されていましたが、
今後はビブラートを使いたいとの事なので、チューニングの安定性を重視して
純正=元々のスペースコントロールブリッジで組み上げます。

まずは肝心の木台。
両面テープを剥がしてから、

ボディーのアーチ形状に合わせて修正します。
セミアコやフルアコでお馴染みの木台、チューニング時や強く弾いた際に
ズルッとズレませんか?
ズレる場合はボディートップの形状と木台接触面の形状が合っていない事が多い。

近年のゴダンの様に木台がグラフテック系樹脂製の場合は形状どころか
成形時のバリが残っていたりとボディーと密着さえしていない物も多いです。

まずはボディー表面、ブリッジ設置場所周辺にマスキングフィルムを貼る。

マスキングフィルムの上にペーパー貼って、

スタッドを取っ手にして木台を左右に動かして研磨。
ボディートップの形状に合う様に修正します。
これをやるだけで木台ズルリがかなり改善されます。
木台を両面テープで固定する、しないは別としてお勧めの調整作業になります。

さて、ここからはクリーニング作業開始。
全体的にタバコのヤニ汚れが酷いです。
ボディーはワックス掛け。
ヤニ落としに特化したクリーナーを使っても良いのですが、後々にワックス掛けて
ツヤも出したいので段取り端折って、いきなりワックスです。

たまにお客様から聞かれる
「パーツ類のクリーニング方法」
大体ヤニ類や流れ出したグリスの付着でパーツ類やパネル類にベタつきが出て
不快な場合が多い様です。
当店では金属パットにパーツ並べて呉のフォーミングクリーナーをブッ掛けます。
ワコーズのマルチフォーミングクリーナーでもOKですが、ワコーズはお高い(笑)
呉でも効果は十分です。

吹き付けるとすぐに汚れが浮いてきます。

ノブ側面のローレットは歯ブラシも併用すればキレイになります。

ウエスで拭き取りしてクリーニング完了。

ビグスビーのフエルトは剥がれたので貼り直します。

このフォーミングクリーナーはプラスチックにも使えるのでエスカッションや
ピックガードもOK!

もちろんコントロールパネルも大丈夫。

分解時から気になっていたリアPUのエスカッション角のクラック。
おそらくビスの締め過ぎか経年劣化によるクラックですが、まだ完全には
割れていない。

裏面にもクラックが貫通しているので完全に割れる前に先手を打っておきます。

厚さ0.08ミリの薄手ダクトテープを全面に貼り、デザインカッターで余剰箇所を
カット。
クラック部だけに貼るとボディーにマウントして横から見ると貼り場所が目立つので
全面に貼ってしまいます。

ナットも新規に無漂白牛骨で製作。
純正ナットは弦溝が細いスリット状ですが、製作ナットの弦溝は
最低限の弦の位置保持は出来ますがかなり太め=弦との接触を限りなく減らしています。
可能な限り弦滑りを良くしてビブラート使用時のチューニングキープが狙いです。

ここまで来れば完成間近。
オクターブピッチが合う場所に木台を調整してから位置をマーキング。

お客様のご希望で両面テープでブリッジ木台を固定します。
使用する両面テープは薄手で一般的な物。
ここで強力両面テープを使うと、何かで剥がす際に大変な苦労を強いられます。
また両面テープは強力な物を使っても、まさに今みたいな気温が体温越える様な
状況が続くと簡単にズレてしまいます。
なので薄手であれば普通の両面テープで構わないと思います。
この固定は弦交換等の際に木台がポロリと外れる事を防ぐ意味合いで、
木台の位置をしっかり固定する意図ではありません。

さあ後はピックガード付ければ完成!なのですが、
ピックガードの浮かしゴムが千切れている。

シングルコイルピックアップのマウント用ゴムチューブを代用している物を
よく見掛けますが、ゴムは劣化が避けられないので使いません。
塩ビのパイプを使います。

千切れたゴムの高さをノギスで測って同じ高さにパイプをカット。

取付けた状態を横から見ればこんな感じです。
ゴムとは違い劣化しないので経年変化も無問題。

弦を引っ張りまくってからチューニング、そしてまた弦を引っ張りまくって
チューニング。
その繰り返しでビブラートを普通に使う程度なら、チューニングの狂いは
±10~15セントに抑える事が出来ました。
弦をしっかり伸ばすのは重要ですが、ナット溝を太くしている事がかなり効いています。

グレッチって面白い?表情豊か?なギターでして、ブリッジ変えるとキャラクターが
ガラッと変わります。
スペースコントロールの様にチューニングキープの為にサドルが回転する類いの
ブリッジだと音が拡がる箱物色が強くなり、ナッシュビルタイプを載せれば
ビブラート使用時にはチューニングが狂いまくりますが音質は少しソリッドな
ニュアンスになり、音の立ち上がりも早くなります。
好みや使用用途で多少ではありますが、キャラ変出来るのは面白いですね。

6120系をはじめグレッチも多く作業しておりますので、
グレッチ・グレコッチ問わずに(笑) 何かの際はお問い合わせ下さい。

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臨時休業のお知らせ
2023-08-14
明日15日(火)は台風接近の為、臨時休業とさせて頂きます。大きな被害が出なければ良いのですが。
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【お盆期間の営業について】
2023-08-05
お盆期間の営業は下記になります。10日(木) 定休日
11日(祝) 祝日定休
12日(土) 通常営業
13日(日) 定休日
14日(月)~通常営業
ご来店予約、お問い合わせお待ちしております。
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サスティナーの取付け、移植をお考えの方へお願い。PEAVEY WOLFGANGへサスティナー移植編
2023-07-15
久し振りのサスティナーネタです。最近サスティナー関連のご相談が増えてきましたが、
相変わらずサスティナーキットは幻の一品な状況です。
※中古のサスティナーキットでの取付け、サスティナーギターから別のギターへの移植を
ご検討されている方は本ブログ、長文の本編はすっ飛ばして頂いて構わないのですが、
最終部だけはしっかりお読み下さい。お願いします。
さて、今回はPEAVEYウルフガングにFERNANDES FR-JPCのサスティナーユニットを
移植させて頂きました。

2000年代前半のウルフガング。フラットトップで今まで何本も取付けしてきたので
特に苦労する事は無いと思っていたのですが…

FERNANDESの日本製をアピールしたJPCシリーズ。
サスティナードライバーにサビや劣化も見られず、基板のコンディションも良好。
動作チェックも問題無し。最終型のフルモードなのでドナーとしては申し分なし。

早速ウルフガングの分解に入るもいきなり驚いた!
ネック角の為のシムが厚手のサンドペーパー…

しかも1弦側と6弦側で厚みが違う…(ーー;)

画像では分かり難いですが、ボディー側バスウッドにも深い凹みが…
これは最後の組み込みで苦労する事が確定。
大きい作業の初っぱなからいずれ苦労する事が確定すると結構精神的ダメージは大きい…

まずは減っていたフレットを打ち換え。
連日暑くて暑くて作業ペースが上がらない。
ちなみに当店1階の木工作業スペースはエアコンなんて有りません。
( ↑ 仮にエアコン設置しても木クズや埃を吸い込みまくって即故障でしょう)
10年以上掃除していない死にかけの扇風機だけが頼りです。
実は死にかけ扇風機がミソでして、風量の強い元気な扇風機だとサンドペーパー類が
吹っ飛んでしまうので死にかけ扇風機がベストです(笑)

フレット周りの作業はいつも通りなので省略。
ボディー側が今回の主役です。
ポットやトグルスイッチ本体からパネル裏面まで導通が確保されているものの、
導電塗料は塗られていない。

まぁザグリ加工が終われば全て塗りますけどね。

最初の山場はサスティナー基板の位置決め。
過去に取付けてきたウルフガングの位置データを確認する。

ボディーにマスキングフィルムを貼って過去データの位置にスイッチを置いてみる。
と言うか「何も指定が無ければ」スイッチ置く前にとっととスイッチ穴開けてしまうのですが。

今回はですね、「なるべく本人機に近付ける」べく参考資料をお預かりしているのですよ。

木目は違えどカラーは同じ。
本人機=資料機はおそらく18V仕様なのでバッテリーボックスの大きさが違いますけど。

難儀なのがスイッチの位置。上の画像のチェリーサンバーストと見比べれば
分かりますがボディーエンド側に位置してる。

画像の説明分にも書いている。

なので「それっぽい」位置へスイッチ位置を変更する。
画像ではモード切替スイッチがトレモロの後端ラインと横並びに見える。

そしてスイッチ中心線はボリュームノブに少し掛かるぐらいか。

実際にスイッチを置いてみるとこんな感じ。
スイッチの存在感が強すぎてイマイチ分かり難いので、

六角ナットを置いてみる。
そもそも資料はギターをスタンドに置いて上方向から撮影しているので
レンズ収差もあるだろうし、あまり資料画像に固執しても意味が無いのかもしれない。

スイッチ位置が決まったので、スイッチ径より細いビットでスイッチ穴を貫通で開ける。

そこに全パーツを外した裸基板を置けば基板位置が決まる。

基板ザグリ開始。
右上に写っている自家用車の窓を暑さ対策で少し開けていたのを忘れていた…
言うまでもなく車内はバスウッドのおがくず祭りになった…

基板ザグリを終える前にスイッチ穴を本番サイズで開ける。

実際にスイッチをあてがってみる。
エディー仕様はスイッチの爪有りワッシャーを付けないのでスイッチの表側への
突き出し量はザグリ深さを計画的に決める必要がある。
もちろんスイッチ基部でも多少の微調整は可能だが、やはりザグリの深さでビシッと
決めたい。

基板ザグリ終了。
この後、バッテリーボックスザグリ掘っている時に
車の窓が少し空いている事に気付く。
時既に遅し。。

車の窓を閉めたら今度はボディー表面、フロントのサスティナードライバー用ザグリを
加工。

ドライバーを直止めすると純正状態では深さが足りないので。
↓ の画像はドライバーサイズで掘り下げていますが最終的には全体を掘り下げます。
トグルスイッチからの出力線がこのフロントザグリを通過するので。

さて、今回一番の山場、コントロールパネルの新規製作に着工。
お客様との打ち合わせ時はバッテリーボックスの大きさも違うし、資料画像も詳細が
見えない。そしてコントロール上側=サスティナー取付け前のコントロールパネルの
形状も違う。等々でパネル形状は妥協してお任せ頂く事になっていた。
でも資料まで用意して頂いたし…どうせ作るならねぇ~アンタって感じで。

こんな感じじゃね? パネル治具完成。
上部=ネック側はほぼ純正形状で円みを帯びていて下部=エンド側の外線は直線ぎみ。
見難い資料を見ながら手作業切削を繰り返しての造形なのでバチクソ時間が掛かりました…

今度はパネルの落とし込みザグリ用の治具を作る。
ルーターで掘るのでパネル外周より3ミリ、全周では6ミリ大きい治具が必要。

アクリル3ミリ板にパネルを両面テープで貼り付けて3ミリ厚の板を挟みながら
外周を千枚通しでけがく。

けがいたラインを抜く。
これがめちゃめちゃ大変な作業なんですけどね。

試し掘りしながらパネルとの相性を調整。

パネル落とし込みザグリ加工完了。

パネル落とし込みザグリの切り口は角が立っているので、衣服等が引っ掛からない様に
少し切り口を面取りして丸める。

衣服に触れる可能性ゼロのバッテリーボックスザグリも施工してる時点で
暑さに頭をヤラれている。

ビス穴も面取り。
これはビスを入れた際の塗装浮き対策。
画像は有りませんが表面のサスティナースイッチ穴ももちろん面取りしてます。

パネル治具を嵌めてビス穴位置をマーキング。

治具にビス穴開けたら本番パネルを黒ツヤ消し1Pで切削。
後ほどお客様にも希望を確認したがサスティナー基板LED覗き穴は無しで。
そう言えば随分昔に作業した本人仕様もLED穴は無しにしてた記憶が蘇る。

サスティナードライバーの耳の部分を削って加工してザグリに入るか確認。

各ザグリに導電塗料を塗る。


導電塗料とパネル裏シールド面との通電は、銅箔テープを貼って、

ザグリ側の銅箔テープに導電塗料を上塗りしてザグリとテープの導通を確保。
これにてザグリ加工諸々が終了。
毎回ここまで来たら全行程の半分を越えた気がする。

いよいよ組み込みの為の各パーツ加工。
まずはPEAVEY純正リアPUを分解して磁極変更。

組み上げてロウ浸け。

トグルスイッチ配線を引いた上でドライバー取付け。

ボリュームポットは新品カスタムCTSを分解してグリス入れ替え。
スムーズポット化します。

さて、基板改造に入ります。
前にブログを読んで頂いたお客様から「何で半固定抵抗交換するんですか?」と
聞かれた事があります。

この真っ白の半固定抵抗、フルとゼロの時は規定の抵抗値出ているのですが、
中間域でガクッっと大きく抵抗値が変化する事が多いのです。
つまりサスティナーの駆動ゲインなど微調整が必要な重要箇所では役不足だと思っています。
また回転させるツマミの部分に少しガタが有るのも気に入りません。接触不良の原因にも
なりますし。なので主要部の半固定抵抗は信用出来る物へ交換しています。
過去には間違った半固定付いてた時も有りましたし(笑)
ゲインアップ改造や音色フィルターも変更して基板完成。
ここから先は実際にサスティナーを駆動させての調整作業になります。

さぁ、コレや…
いよいよコレを何とかせにゃならん…

まずは凹みの酷い部分に0.5ミリのスペーサーを入れてみる。
それでも当然フラットにはならない。
そこで不本意ながらスペーサーに貼る両面テープの枚数、厚みを色々試して
なるべくフラットになる様にする。
何せ1弦側と6弦側の凹みの深さが異なるのが気に入らない。

そこそこ妥協点に達したところで、本当に意味のあるスペーサー=ネック角確保の
為の0.5ミリを追加。
実はこの作業、画像こそ無いものの、完成まで何度も違うパターンを試す事になる。

配線組み込み完了。

パネル裏のシールド完了。

トレモロスプリングは資料に習って真っ直ぐ2本掛け。
09-46半音下げ指定なので可能だったってのもありますが。

一通り組み上げてサスティナー起動可能状態になりました。
今までかなりの本数組んでいるのでサスティナーの設定はすんなり完了。

エディー物のお約束。指板Rとフロイドサドル高が合わない永遠のテーマに着手。
これこそがネックの仕込みが決まらないと設定が決まらない。
ネック角を3パターン試して妥協点を決めたところで挑むもサドル高も3パターンで
悩む。実寸よりも弾いてて一番違和感の少ないサドル高パターンを採用。

Dチューナーも設定して完成!
資料画像にはDチューナーが付いていないが付いている物は調整すべし。

補足事項としてはお約束ながらトグルスイッチは上ポジションでリアPU。

爪有りワッシャー無し、六角ナットのみで固定のサスティナースイッチ。

バッテリースナップはへなちょこスナップ流用ではなく、信用出来るスナップへ変更。

完成!

正直見本資料有りレプリカ作成はもうやりたくない(ーー;)
まぁ勝手に拘って自爆したのは自分なので
お客様が喜んでくれたらそれでチャラなんですが。

<サスティナー移植、中古キットでの取付けをご検討されている方へ>
これまで基本的に中古キットでの取付けはお断りしてきましたが、新品のサスティナーキットが入手困難な現況を鑑みて
条件付きにはなりますが、中古キットでの取付けを受け付けます。但し下記注意事項をご確認、ご理解お願いします。
①サスティナーは世代や機種によって機能が異なります。お持ち込み頂いたサスティナーが取付けを希望しているギターに
合わない場合が御座います。手配購入前にご相談頂ければ適合可否をある程度はアドバイス出来ますが、
購入後に関して当店は一切関知致しません。
↑ 実はこのパターンはかなり多いです。取付け意欲満々でお越し頂き、「いや、この基板は合わないですよ」とお伝え
したら落ち込まれたり、気分を害する方がいらっしゃいますが、申し訳有りませんがこちらとしては「知らんがな」です。
一見サスティナードライバーと基板が有れば何とでもなる様に見えますが、実際はかなり細分化されています。
古いモデルに至ってはサスティナーOFF時にフロントドライバーはPUとして機能しません。
せめて素材を購入する前に、
・取付けを検討しているギターの詳細
・購入を検討しているサスティナー素材の状況=販売先ページ、オークションのURL等
・おおまかなご予算
をお伝え下さい。
②サスティナーキットは実際に駆動出来る状態にまで組み上げなければ正常作動品かの判定が出来ません。
↑ 今回の様に動作チェックのうえ、移植が一番無難なのですが、オークション等での
「○○から外したサスティナーです。外すまでは正常に機能していました。」の文言は信用しないで下さい。
オークション出品者、フリマ出展者の商品説明文を信用するかは自己責任になります。
そもそも楽器屋の店員でさえサスティナーの正常な駆動状態を分かっていないのが現状です。
まぁ今や超マイナーなアイテムだから仕方ないんですけどね。
作業前に動作チェックが出来ない場合は、一通りの取付け作業工賃が発生した後に追加費用が必要になるかもしれません。
本来正式なお見積りをご提示してからは追加工賃を頂くのは不本意ではありますが、ご了承…と言うか予め追加費用発生の
リスクを承知して頂きます。
最悪の場合は一通り取付けた後に「やれる事は全てやりましたがダメでした」になるかもしれません。
それでも作業工賃は頂く事になります。
③取付けよりも修理の方が遙かに大変です。
↑ 当たり前なのですが、サスティナー基板の故障箇所を探り出すのはかなりの時間と労力を要します。
下手すれば修理工賃が取付け工賃を上回るかもしれません。
また、修理に必要な交換パーツの手持ちもかなり減ってきました。今後は救えないサスティナーも増えると考えております。
これまで当店はサスティナー関連を(株)大阪フェルナンデスより仕入れておりましたが、ご存知の通り、大阪フェルナンデスは
倒産しました。(株)フェルナンデスとは取引が御座いませんので今後純正パーツの入手はほぼ絶望的です。
④取付けギターに問題が有る場合は作業をお受け致しません。
↑ サスティナー関連とは言えど、完成時はギターとして全体のクオリティーを重視します。
例えばサスティナーの取り付けには問題が無くとも、ネックに問題が有る場合など、見積もり時に
完成後、ギターとして正常に使えないと判断した場合は作業をお断りさせて頂きます。ご了承下さい。
⑤2年ほど前からフェルナンデス社が取付けを行っている新型サスティナー、一部楽器店が専売している
マイナーチェンジ版?サスティナー、サスティナーライトの作業はお受けしておりません。
新型に関しては見た事さえ有りませんので様々なお問い合わせは頂きますが諸作業受付不可で
お願い致します。
「このギターにサスティナー付けてコントロールはこうしてあぁして…ついでにコレも付けてアレも交換して…
よぉーし!材料はオークションで見付けた!!」
この時間は物凄く楽しいし、ワクワクしますよね。めっちゃ分かります。
でもお金を使う前に相談して下さい。
私は皆さんのワクワクを落胆ではなく喜びに繋げたいだけなのです。
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梅雨時の徹底的レストア作業を徹底的にご紹介。GIBSON '83 LP-CUSTOM編
2023-07-01
今回は83年製レスポールカスタムを徹底的にレストア作業させて頂きました。今までも徹底的シリーズはブログアップしていますが、実は毎回全ての作業内容は書いておりません。
長文になり過ぎるので端折っている内容も多いのですが、
今回は全部詳細に書いたらどれぐらいになる?実験です(笑)
画像123枚の長編になります。梅雨の暇時にでもお読み下さい。
5月後半にお預かりしたレスポールカスタムですが、リペアが混雑している状況でしたので、
着工出来たのは梅雨の足音が聞こえだしてきた頃でした。
梅雨時は湿度が急激に上昇するので、指板修正を伴うフレット交換や木部が剥き出しになる
ザグリ加工などは雨天や湿度の高い日は避けています。
したがって作業ペースは落ちてしまいます。
アラフィフ世代がこの黄ばんだ白カスを見るとどうしてもランディーローズを
思い浮かべますね。ランディーは確か74年製だったと記憶しておりますが。

画像では分かり難いですが塗装面にはウェザーチェックが多いものの、
ゴールドパーツはしっかりと金色味が残っており、比較的良いコンディションです。
まぁこの頃のメッキが分厚くて頑丈だと言うのもありますが。

この頃特有のペグが搭載されています。
ノブ=ツマミにレバー式のギミックが有り、

レバーを引き起こすと、

ペグトルクの調整ビスが出て来ます。
おそらくはサビ防止?な意味合いで格納式にしたんですかね?

ボディー側のパーツ類のコンディションも年式を考えれば悪くはありません。

エスカッションが曲がってしまっているのはギブソンあるあるですが、エスカッションを
固定しているビスは頭が完全にサビているので交換予定。
全体の雰囲気を崩したくないので基本的にゴールドパーツは交換しない方向で進めます。

でもパネル類、ピックガードを固定しているゴールドのビスは+のドライバー差し込み口が
サビて崩れだしているので交換します。

ネックグリップは塗装が変質して部分的に少しベタ付きがあります。
コンパウンドを使うほどではありませんが、研磨して手触りを改善したいところです。

コントロールはノイズ対策でアースでボックス化する為のカバーに覆われています。

カバーを取った状態。

見難いですがポットデートは83年。
ごってり載せられたハンダはオリジナルだと思われます。

早速分解の為にピックアップの配線から外していきます。
ごってりハンダはひたすらハンダこてを当て続けても中々溶けません。
溶ける前に熱が伝わってポットをダメにしてしまう可能性も有ります。
なので新しいハンダを少し被せて広範囲に熱が伝わる様にすれば溶けやすくなります。

アース線取り外し完了。

ピックアップを外した状態。
NEW PAFですね。
ピックアップに対してピックアップカバーが妙に深いのもNEW PAF期の特徴です。
どうやらカバーを一度外された様でカバーのハンダ付けが汚いので
ここはやり直したいところ。

リアのエスカッションの変形が気になり出す…
お預かり時は曲がってはいるが機能的には問題無いので現状のまま流用と打ち合わせて
ましたが、明るい色のボディーに対色の黒が曲がっていると目立つんですよねぇ…

トグルスイッチも配線を全て外して余計なハンダを除去。
後ほど組み込み前に接点をクリーニングします。
余談ですが、この頃のCTSポットやスイッチクラフト製品は本当に耐久性が高い。
近年物とは似て非なる物。

ボディー側全分解完了。
ポット類はフレット交換の妨げにはならない位置なので外しません。

ペグはマスキングテープ貼ってナンバリング。
たまにこの状態のペグを見たお客さんから「何でメモってるんですか?」と聞かれますが
単純に元の場所にペグを戻す為。
オーナーなら「○弦は少しツマミが曲がっていて×弦は回転トルクが硬めなんだよね」
みたいな感覚があるじゃないですか。それを元の状態でお返ししたいので。
もちろん回転トルクは必要と判断すれば調整しますけど。

ゴールドのメッキの施されていない、おそらく真鍮製のペグ固定ビスは流石に劣化している。
ペグ固定ビスは交換決定。

ボディー側をクリアファイルでマスキング。

ぺったんこフレットの打ち換えに着工します。

ポジションマークが痩せたのか、ポジマークと指板に隙間があるので
フレット溝のチップ修正時にエポキシ充填で対処します。

エボニーは毎回フレット抜く時が一番気疲れします。
何せローズとは違って材質が硬いが故にチップが出まくるので。
とは言え裏技使うので昔よりは大分マシになりましたが。

指板修正開始。
ここからが天気予報とにらめっこの始まり。

上と同じ様な画像に見えますが間に2日挟んでいます。
いよいよ梅雨入りを実感。まだ湿度の上昇は少なかった頃なのでそれほど作業ペースに
影響は出ていませんが。
それでも指板修正には10日ほど掛かりました。

ちなみにフレット溝の横に入ったキズに見える線。
これはフレットを「プレス機」で入れた跡になります。

工場をはじめ、この様にプレス機の類いでフレットを入れる事は一般的ではありますが、
必要以上にフレットを押し込むと指板が凹み、上の画像の様にキズ状に跡が残ります。
特に力が加わりやすい真ん中周辺のキズが深い。
フレットサイズ=横幅を変更しなければ目立ちにくくはなりますが、凹みは意外と
広範囲で、同じサイズのフレットを打っても跡が気になる場合もあります。
自分はこのプレス跡が嫌なので、これまでもこの先もプラハンマーの手打ちで
フレットを打ちます。

凹み跡が無くなるまで指板修正で削れば良いのでは?と思われるかもしれませんが、
当たり前の話、指板は必要最小限しか削りたくないし、削り過ぎてサイドポジマークが
指板表面から見えてしまう激ダサな結果は防ぎたい。
指板最終段階で指板角を少し丸めて手当たりを良くしたいのでサイドポジのギリギリまで
指板を削りたくない。指板修正時は指板を真っ直ぐに修正する事を第一に考えていますが
第二に常にサイドポジマークと指板角の幅をチェックしています。
指板にクセが残ろうとも指板表面からサイドポジが見えないギリギリの線が指板修正の
限界点と考えています。

指板修正が完了したのでフレット打ちに入ります。

バインディングの厚みより少し広めに工具でフレットタングをカット。

工具でカットしただけではタングが少し残ってしまうので、

ヤスリで仕上げる。

肝心なところがピンボケしてますがタングの跡を完全に無くします。

フレット打ち完了。
使用フレットはJESCAR #55090。

現時点でプレス跡はこんな感じに残ります。
元フレットに比べ55090の幅は少し狭いので仕方ないです。
高さは元フレットよりも十分に高いので演奏性、耐久性を考えれば
フレット幅&高さ>プレス跡になります。

フレットの余剰端を削って仕上げますが、最終段階では約30センチ長のアルミ角材に
ペーパーを貼り付けてきっちりストレート出しをします。
ネック反りを見極める時にフレットラインがガタガタだったりストレートが出ていないのは
美しくない。
が、この作業こそ明るい太陽光下でやりたいんです…
電灯類の一方向から来る光では陰が出来やすいのでストレートが出ているか判断しにくい。
作業時は曇天&夕方だったので作業を断念。

で、太陽光が無くとも進められる作業を。
ピックアップ周りに着工します。
そもそもピックアップは抵抗値も正常なので何も手を入れる必要は有りませんが
やはりこの雑なピックアップカバーの取付けハンダが気に入らない。

雑とは言えピックアップカバーとピックアップシャーシー間のハンダは
除去が中々に大変です。
ポット背中のピックアップアース線と同じですが、ハンダを長時間当て続けるのは
御法度になります。
まずは切れ味の良い小型ニッパーで摘まみ切れるハンダを千切り取る。

ピックアップカバーとシャーシー間のハンダは大型カッターで根気よくカット。
力を入れ過ぎずに何度も何度も刃を入れる。
切れ味が落ちればカッターの刃をカット。
最終的にハンダが切り離される時に「ぱくんっ!」と僅かではあるが心地良い感触が
伝わる(笑)

カバー取り外し完了。

今度はピックアップ、カバー共に残留ハンダを更に除去。
ニッパーで取れる所は削り取る。

お次はハンダ吸い取り網。
溶け出したヤニは冷えて固まる前に綿棒でこそぎ取る。

除去完了。

カバーの内側の方が難しい…

カバー内側も整ったので再取付けに取り掛かりたいが、

カバー内側の青カビが気になる。

ワイヤーブラシで取れるだけクリーニング。

今度はカバー表面のザラ付き、粉吹きが気になる。
個人的にはこのザラ付きや粉吹きを指で触れると黒板を引っ掻いた時に近い不快感を
感じる。なので取ります!

とは言え、相手はゴールドメッキ。コンパウンドや研磨剤を使えば一撃でニッケル化
してしまう。
こんな時は別の用途で使用済み=目の細かくなった3Mスポンジ研磨材、MICROFINEを
使う。直線的に磨くのではなく、出来るだけ力を入れず細かく円を描く様に研磨する。
そして深追いは厳禁。

嫌なザラ付きは取れて光沢が出て来た。

そして今度はピックアップのアジャスタブルポールピースのサビ。
いっそ新品のアジャスタブルポールピースへ交換と言う手もあるが、そうすると
カバーのメッキと質感が合わない。

なのでポールピースを抜き出してワイヤーブラシで研磨。
メッキが剥がれ、地金まで浸食したサビは取れないが浮いているサビを取るだけでも
サビの侵食ペースは落とせるはずだ。

ようやくピックアップカバーとピックアップの合体準備完了。

まずはピックアップシャーシーに予備ハンダを載せる。

そのままカバーを嵌める。
しっかりカバー底面までピックアップを入れる事が重要。

シャーシー側の予備ハンダが当たる位置にマジックでマーキング。

カバーを外してマーキング位置に予備ハンダを載せる。
予備ハンダが終わればマジックをアセトンで拭き取る。

カバーを嵌めてシャーシー側とカバー側の予備ハンダ同士を溶かし合わせて

取付け完了。
このやり方だと、べちゃーっと大量のハンダを流し込まなくともしっかり固定出来ます。
そしてハンダこてを当てる時間も短く出来るのでピックアップへの熱伝導リスクも低減。

フロント、リア共に完成。

研磨したのでゴールドメッキの透明感??が復活!

まぁレスポールカスタムなので歪ませて弾くのは間違い無いだろう←思い込み?
ピックアップカバーの共振による発振対策でロウ浸けも作業する。

十分に冷めてからアジャスタブルポールピースの溝に入ったロウ=パラフィンを
爪楊枝で掻き出して完成。

ちなみに各工程でしつこいぐらいに直流抵抗値を測っています。
今回の作業では可能性は低いですが、何かしらで断線でもされたらまた全分解する
事になるので。

ちなみにピックアップカバーの表面に残ったパラフィンを無理に拭き取ろうとゴシゴシ
やるとメッキが薄くなってしまいます。
そんな時はステッカー剥がしで一拭き。
大昔は良いお値段のスキー&スノボのワックスリムーバーを使ってました(笑)
勿体ない事してたな~。何だったら灯油でも代用出来るのに。

結局ここまでやって曲がったエスカッションにマウントするのは
どうにも我慢出来なかった…
新品純正エスカッションを手配。
最近になってようやく輸入パーツの流通が改善してきたかも。

フレット端のストレート出し、フレットのすり合わせも完了。
この時点でボディー全面、ネックグリップ面、ヘッド、全ての塗装面を
ワックス掛けする。
ネックグリップのベタ付きも除去完了!

指板にオイル入れたらプレス跡はこんな感じ。
プレス跡が分かり易い様に照明強く当てて撮影してますが
意識して見なければ気にならない程度です。

新品のペグビスでペグ取付け。
ペグもピックアップカバーと同様に研磨済み。

さて、配線周りの組み込みに入る前にトグルスイッチの接点をクリーニング。
近年のスイッチクラフト製トグルスイッチの耐久性はイマイチだがこの頃は頑丈。
少しだけガリ的な接触不良が有る程度。
ですので交換は不要ですが接点には手を入れます。

薄めのナットファイル=ナットの溝を切るヤスリに#800~#1000程度の
耐水ペーパーを当てて施工回路側の端子をオープンにする。

端子の内側・外側両面にペーパーを当てる。
力を入れずに軽~く擦る程度で十分です。

次に赤ちゃん綿棒の先端をラジオペンチで薄く潰す。

綿棒に接点復活材を吹いて端子に軽く擦り付けて接点クリーニング完了。

トグルスイッチから配線組み込みに入りますが、この純正ケーブルを使いたくない…

被膜は耐熱性能も十分なしっかりしたシールドケーブルなのですが、芯線が硬い。
そして酸化しやすい。
結果として折れ切れしてる事が多いんですよね。
特に裸のアース線が。

ケーブルが露出していて何かの拍子に引っ張って劣化した芯線が千切れる…なんて
事は有り得ない箇所だけど一応交換。
使用するのはピックアップに使われる4芯シールドケーブル。

ジャックも純正のボックス化されたスイッチクラフトは交換。
4芯ケーブルからシャーシーのターミナルを経由せずに新品ジャックに直接出力。

さて、ピックアップ載せるか…な所で手直し事案発生。
元々のエスカッションは全て短いエスカッションビスで取付けられていたが、
取り寄せた純正エスカッションセットに付属するビスは長短のセット。
長いビスが付く所はビス穴の深さを掘り下げる必要がある。

しかもフロントはビス穴が楕円に変形しているしビスが緩い箇所も有る。

リアに至っては2個穴の空いている箇所が有る。
なので全てのビス穴を埋め木して空け直し。

ようやくピックアップのマウント完了。

ピックアップも配線し、後はアースカバー付けたら終わりだゼェ~
…と思いつつ、ずっと感じていた違和感を思い出す…

そう。普通のギブソンレスポールには必ず穴が空いている箇所に穴が無い。
1弦側テールピースアンカーから取られているはずのブリッジアース線が無い。

とか言ってギブソンさん上手い事やってアース取ってるんじゃね?
なんて事は絶対に無いのにテスター当てて幻のブリッジアースが短絡していないか
試す(笑) と言うかこんな無駄な事してる時点で疲れている自分に気付く。
もちろんアースのアの字も無いので
仕方ないがブリッジアースを新規に取る。

セオリー通りなら1弦側テールピースアンカーを抜いてアース線穴を加工ですが
アンカー表面には塗装欠けが見える。
これは絶対抜いてはいけないアンカーだ…抜けば塗装のダメージが拡がるのは確実。

まぁそもそも配線カバーにはピックアップやトグルスイッチからの配線経路用の
スリットは有るが、

ブリッジアース経路用のスリットは無い。
つまり最初からブリッジアースを取る気は無いのだろう。
勿論このままだとしっかり弦をミュートしようがブリッジミュートしようが
ジージーやかましくて使い物にはならない。
こんな配線をボックス化してまでノイズ対策に気を使っている風に見えて何で?って感じ。
って事でブリッジアース施工に入ります。
もちろんテールピースアンカーからはアースは取りません。

まずは1弦側、ブリッジスタッドアンカーを抜く。
純正スタッドを入れても作業は出来るが、それではスタッドに工具キズが付いてしまう。
インチ縛りだらけのギブソンですが、ブリッジスタッドのネジサイズはミリのM5です。
普段はアコギのブリッジ貼り直しで使うM5の丸頭を入れて各方向からアンカーを
揺らし抜く。

抜けました。

現行のナッシュビルブリッジスタッドアンカーに比べると木部に入る部分が短い。

ホームセンターまで一っ走りしてアンカー穴の径、深さに合うステンレス製の
押しバネを買ってきた。

リアPUザグリからアンカーへ繋がる穴を開ける。

アース線をリアPUザグリ側よりアンカー穴へ通す。

スプリングへアース線を捻り止めてからハンダ付け。

収縮チューブで保護。

リアPUザグリ側よりアース線を引っ張ってスプリングをアンカー穴へ
引き入れる。

アンカー打ち込み。
これでスプリングは常時アンカーへ押し当てられ確実にアースが落ちる。

念の為アース線とアンカーの導通をチェック。

ポット背中にアース線をハンダ付け。
これにて配線作業が本当に完了。

カバーを付ける。

新品のパネルビスでコントロールパネル、トグルスイッチパネルを取付け。

これにてボディー側の組み込み作業は完了。

チューニング可能=音が出る状態になったのでナットの製作開始。
使用するのは無漂白牛骨ナットのブランク。
ここから削り出してナットを製作します。

ナットのアウトラインが出来た所で弦を張る準備に入る。
硬めだったり柔らかめのペグは全ペグを回しまくれる状態でトルク調整。

何気にボディー側面のピックガードブラケットの取付けビス穴が緩かったので
埋め木+空け直し。

ピックガード固定完了。
仮弦を張ってナットの弦溝を切る。

ナットも仕上げ工程を経て完成。
ここからは仕上げのセットアップ作業に入ります。

当たり前ですがトラスロッド調整を行う。
ロッドカバーの下に隠れた不要なビス穴。
以前違うロッドカバーが付けられていたのだろう。
カバーを付ければ見えない所ではあるが気になる。
お客様が自分でロッド調整する場合、他のリペアショップ等がロッド調整する場合に
「へぇ~トーンガレージは見えないビス穴は放置するんだ…」と思われるのがイヤ。
と言うか他店作業済みで同じ状況を自分が見れば
「あ、処置するの面倒くさがったな?まぁ分かるけど」なんて思うだろう。

なので弦外して埋め木。

黒の塗料で埋め木を隠蔽!

気が済んだ。スッキリした(笑)

そして遂に完成!

と、思いきや1弦側バインディング下の塗装欠けが気になる。
劣化した塗装がポロポロ落ちている感じの塗装欠けなので欠けた傷口周辺にだけ
硬化後白残りしにくいアロンアルファを流し込んで被害拡大防止策を施す。
2弦や巻き弦の芯線にアロンアルファを小さく一滴付けて、そぉ~っと塗装断面に
近付ける。この作業だけで2時間ほど掛かる。本当に老眼泣かせの作業…
照明ガンガン老眼鏡+ハズキルーペのマクロ作業。終われば強烈に肩こりしてる。

一応完成したが、お客様の引き取りまで毎日ネックの変化をチェック。
ちなみにオクターブピッチ調整の仕上げは完成翌日以降に弦がしっかり馴染んでから
行います。
そして外したパーツ類をパッキング。
外したパーツは全てお客様へ返却します。

今回はギグバッグでお預かりしましたが、お約束のチャック破損。
引き手ツマミが無いとチャックはかなり開閉しにくい。

ロックタイ2本で応急処置します。
使用するロックタイは幅が2ミリ程度、長さ10センチ以内のおそらくロックタイでは
一番小さいサイズ。

1本で引き手ツマミが有ったであろう場所にループを作り、

そのループにもう1本通してからループにする。

最初のループをしっかり締め込んでから2本目をつまみやすいループサイズにして
余剰分をカットすれば完成。
おそらく持続性は低いだろうが応急処置的には使えると思います。

最近はしっかりした作りのギグバッグも高くなってきましたね。
商品数も多いので何を買うべきか悩むでしょう。せめてゆっくり悩む時間を
このロックタイ応急処置でしのげれば。

お引き取りの直前にもネック反り、オクターブピッチ、最終セットアップ時との
鳴りの変化が無いか等のチェック、自分の往生際の悪い性格がイヤになります。

ここまで長編お付き合い頂き有難う御座いました。
当店のフレット交換=レストア作業の工賃は他店と比べれば決して安くは無いでしょう。
しかしながら今回の事例では新品エスカッション代金、埋め木やPUカバー付け直し、
ロウ浸けの工賃は頂いておりません。
お預かり時、お見積り時の作業内容打ち合わせを終えてからの追加作業はお客様の希望では
なく、自分の拘りですので。
ですので高額な工賃にはなりますが、主作業以外にも私が問題と判定した箇所には手を入れる
「お任せ工賃」とお考え頂ければ幸いです。
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【臨時休業のお知らせ】
2023-06-13
6月17日(土)は臨時休業となります。何卒ご了承下さい。
19日以降のご来店予約、お問い合わせはメール・Facebookメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com
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(面倒ですが)たまにはトレモロを分解清掃してみませんか?重要なビスが緩んでますよ編
2023-06-03
ついに梅雨入りしましたね。しかも初っぱなから台風付きの大雨…除湿対策のご質問を頂く事も増えてきました。
弾かない時はケースに仕舞い、中に湿度調整剤を入れるぐらいしかアドバイス出来ないのですが。
今回は前回の61STのトレモロメンテナンスのお話です。
大掛かりなメンテナンスの際はトレモロの分解清掃も行っておりますが、
サドルを外してサビや汚れを掃除する以外にも重要なチェック作業が有ります。
まぁ数年前にも同じ様なブログを書いているのですが改めて。

まずはサドルを外す。

真っ先に重要チェックポイント!
ベースプレートとサスティーンブロックを留めている3本のビス。
これが緩んでいる事が非常に多いです。

今回はボディーからトレモロを外す段階で「おいおい!」ってぐらい緩んでました。
緩んでなければ通常ベースプレートとサスティーンブロックはしっかり密着していますが、

今回はガッコガコに動き、ガッツリ隙間が開くぐらいに緩んでました。
普段アームをよく使われる方は特に注意が必要です。

しっかり締め付けてから清掃、サビ&汚れ取り研磨を行ったサドルを組み付け。
固定ビスのサビは中々取れない。

このメンテナンスは四六時中作業する必要はありませんが、1年~数年に一度、
中古ギターを購入したなら最初のセッティング作業に含めて下さい。
言うまでも無くサドルを脱着するのでオクターブピッチ調整が必要になります。
なので面倒な作業にはなりますが。

今回ほどビスが緩み、ベースプレートとサスティーンブロックにガタが出ている事は珍しいですが、
だいたいの場合は時計で言えば10分~20分ぐらい締め付けられる程度緩んでいます。
ベースプレートは弦に引っ張られ、サスティーンブロックはトレモロスプリングに引っ張られる。
つまり互いに逆方向へ引っ張られ続ける事がビス緩みの原因ではあるのですが。
今回の様に酷く緩んだままでアームを使うとアームバーの根元を痛める事に繋がります。
普段アームをよく使う方は一度チェックしてみて下さい。
シンクロだけではなくフロイド系でも同様です。
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人は何故時間が無い時に限って余計な事をしてしまうのか?Fender C/S '61ST NOS編
2023-05-13
人は何故時間が無い時に限って余計な事をしてしまうのか?そんなん俺だけ?
みたいなお話でブログ更新です。
普段よりGW、お盆、年末年始など、大型連休前には出来るだけ多くのリペア品を仕上げ、
連休期間前にお客様へお渡しする事を心がけております。
時は4月後半、まさにGW前に如何に多くのリペアを仕上げるか。毎日作業段取りを
組み直しながら時間との戦いが続いておりました。
そんな中、常連様よりご依頼頂いたカスタムショップのストラトのフレット打ち換えを作業。
おそらくこのストラトが連休前仕上げ品のラストになるかな?なんて考えながら。

指板修正も大詰め、指板のクセを取り終えたら仕上げ作業の前に指板の角を少し
丸める作業を行います。
これは指板修正で指板表面を削ると、指板角が立ち、このまま仕上げると
グリップした時に指板の角の当たりが痛く感じる為です。
その作業に入る手前で既に30分ほど手を止めて悩んでおりました。

と言うのも、↓ の画像の通り1弦側8F横に巨大な打コンが有るからです。
お預かり時、常連様からこの打コンの件は何もお聞きしておりません。
言い方が悪いかもしれませんが、今回の常連様は細かい事はあまり気にされない方なので、
後日お引き取りの時にこの打コンの件をお話ししても、「あぁ…そう言えば凹んでましたねぇ~」
ぐらいのニュアンス。

でもね、自分は気になって仕方ないんですよ。
人差し指の爪ぐらいの幅が有って深さも結構な凹み。
これがグリップした時、ポジションチェンジの際に気にならないわけがない。

指板の真上から見ても凹みが分かるぐらいです。

結局悶々としてるうちに日が落ちてしまい、この日の木工作業場での作業は終了。
(基本的に指板修正やフレット打ちなどは日光の差す時間にしか行いません)
作業机の上のネックを眺めながら角丸め作業に入るべきかまだ悩んでいる(笑)

やはり打コンとしては大きい。
熱と水分を使って凹みを膨らませるにも凹みが大き過ぎる。
やるなら埋めるしかない。
しかしアクリル樹脂やウレタンで埋めるには凹みが大きく深い…

気が付けば凹み周辺を研磨していた。
凹み部分の汚れを出来るだけ除去して樹脂が導管に入り込みやすくする為に。
あーやるさ、やりますよ。悶々としたまま次の工程に進むのは納得出来ないので。

凹み周辺をマスキングしてからエポキシ樹脂を充填。
エポキシを選択した時点で24時間の硬化時間をどう使うか段取り組み直し。

翌日の夕方、しっかり硬化したので研磨開始!

NOSのストラトなのにレリック?と思える状態なので打コン周辺の塗装への
ダメージはあまり気にせず研磨を進めます。

研磨完了!
指でなぞっても凹みは分からなくなりました。

翌朝、心置きなく指板角の丸め作業に入ります。

フレット打ちも完了。

当たり前ですが指板上部から見ても凹みは分からなくなりました。
このアングルなら指板の角を丸めたのがお分かり頂けるのではないでしょうか?
ほんの少し丸めるだけですが、プレイ時には効果をお分かり頂けるはずです。
ちなみにこの作業はバインディングの入ったネックでも行っています。

5月1日、無事完成。
結局常連様へのお渡しは連休明けになってしまいましたが。

もちろん今回の打コン修復は完全に自分の自己満足の為に勝手に施工したので工賃は請求しません。
つまり連休前の時間が無い時に自己満足の為だけに時間を浪費したというお話でした(笑)
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【連休期間の営業に関して】
2023-04-26
連休期間の営業、休業は下記になります。29日(祝) 臨時営業 ご来店予約は早めにご連絡お願いします。
30日(日) 定休日
1日・2日 通常営業
3日~7日 休業
8日~ 通常営業
休業期間中のお問い合わせ、連休明けの来店予約はメール、FBメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com
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【臨時休業のお知らせ】
M.MAN EVH マジックアーム取付け編&従来型Floydrose/Schallerアーム一式を使用した作業受注中止のお知らせ
2023-03-18
今回は初期型のミュージックマンEVHにマジックアームを取付けます。
純正のアームはトレモロ裏面よりネジ止めなのでアームバー脱着が不便。

そして純正スクリューは緩みに気付かなければ簡単に紛失してしまう。
このスクリューも純正ではありません。
ですのでアームバー、アームホルダー一式をマジックアームへ換装します。

ミュージックマンEVHのトレモロはGOTOH1996TのOEM品なので
使用するマジックアームもゴトー対応品をお客様に手配して頂きました。

アイバニーズ、ゴトー対応品ですね。
アイバニーズはマジックアームへ交換する必要って有るのかな?

まずはトレモロ取り外し。

ホルダー一式を外していきます。


マジックアームのホルダーを差し入れてみる。
割とクリアランスが広い。

緩み止めに座金ワッシャーを入れようとするが、

固定六角ナットのネジ切りに座金ワッシャーが当たる!

仕方ないので座金ワッシャー挟み込みは諦めて六角ナットをしっかり締め込みます。

アームバー固定パーツを取付けて、

完成!

組み込み完了!

これでアームバーの脱着が容易になりました。

ここからは別件なのですが、数年前にブログアップしたヤマハのロッキンマジック
トレモロのアームホルダー部を切削加工して、フロイド/シャーラーのアームホルダー
を移植する作業は今もお問い合わせ、受注が多いリペアメニューです。
今回も同件のご依頼を頂きましたが…
お客様にご用意頂いたシャーラー製アーム一式。もちろん新品。
EMGのステッカーは販売店管理シールを隠す為に置いています。

何故かアーム根元のサムナットが完全に外れるまで緩めてもホルダーからバーが
抜けない!!
こんな経験は初めてなので「はぁ??」って感じ。

最近マイナーチェンジで変更になったのか以前は円筒形の固定筒を
別体の六角スクリューで締め込んでホルダーをトレモロベースプレートへ固定していたが、
今は円筒形の筒そのものに六角レンチの差し込み穴が有る。

フルパワーでアームバーを抜こうとするも全く動く気配が無かった。
抜く方向だけではなく回転方向にも全く動かない。
固着してる? 何故?
途方に暮れてホルダー固定筒に六角レンチ入れて締め込み方向に回してみた。
(緩める方向に回しても当たり前の話、固定筒が緩むだけ)

ヌヌヌ…と固着が緩んで、
抜けた!!
!? サビ??

マジか?
マジで目を疑った。
もう一度書くがこのアーム一式は新品開封直後である。

どうやらバー先端部=ホルダー挿入部のみメッキが施されていないか剥がされている。
そして地金にサビ発生。サビはサムナット内側に当たるピンまでも侵している。
バー先端部、ホルダー内部に油が塗布されてはいるが、その油も濃いラー油状態。

もちろんホルダーの筒内部もサビサビ。

新品と言えど当然これは使い物にならない。
おそらくアームバーとホルダーのガタ付き・アソビを改善すべく、ホルダー内径を細めに
マイナーチェンジ、するとバーが入らなかった。なのでバー側も細くした…
みたいな流れだったのかなと推測。

お客様へ現状を報告させて頂き、お手数をお掛けしましたがマジックアームの
フロイドローズ用を手配して頂きました。

純正アームホルダー部を切削加工したロッキンマジックに付くには付きましたが、

固定六角ナットと1弦サドル固定部にほぼ隙間がありません。
薄いメモ紙がかろうじて入る程度。
この隙間が六角ナットをしっかり締め込めるかの要でもあります。

したがってトレモロ側の個体差によってはホルダーをしっかり締め付けられない
可能性が御座います。
今回はマジックアームで無事に対応出来ましたが、今後ロッキンマジックの
アームホルダー一式交換作業はマジックアームをご用意頂いたとしても
受付中止とさせて頂きます。

現在フロイド/シャーラーのアーム一式は今回サビていた従来型のマイナーチェンジ版と
新型の「プッシュイン」タイプが有る様です。
プッシュインタイプはまだ施工した事が無いので、どの程度の精度を持っているのか
分かりません。
とりあえず今後は従来型のマイナーチェンジ版=今回サビていたSchaller/Floydrose純正
アーム一式と同型を使用した作業の全てを受付中止とさせて頂きます。
何卒ご了承下さい。
ホルダー固定筒を別体の六角スクリューで締め込むマイチェン前の物をご用意頂ければ
今まで通りの作業は可能です。
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Burnyレスポールカスタムを徹底的にレストアする編
2023-02-25
今回は懐かしいレスポールカスタムを作業させて頂きました。FERNANDESのギブソン系サブブランド、バーニーのレスポールカスタム。
品番はおそらくRLC-80で黄金期のフェルナンデスの定番商品です。

ペグを含め全てのゴールドパーツが劣化しているので金属パーツ全交換、
徹底的にレストア、いや純正以上のクオリティーを目指して作業開始です。

まずはフレット。弦下のフレット減りのみならず指板まで結構削れています。

作業に没頭してて指板修正時の画像を撮り忘れました…
気が付けばフレット打ち完了の状態。
使用フレットはいつものJESCAR#55090です。

お次はボディー側。
まずはピックアップザグリ内にこびりついたメンツェルナワックスを除去します。

そして導電塗料塗布。

コントロールザグリも導電塗料塗布。
そしてパネル裏にシールディング加工。
画像はありませんがトグルスイッチザグリにも導電塗料塗ってます。

お客様にピックアップ選択はお任せ頂いたので少し考えましたが、
ド定番の安定感とトレンドのミックスでフロントは59、
リアは59カスタムハイブリッドをチョイス。

配線完了。

ちなみにポット類は全て入れ替えました。
本当はCTSのミリ規格シャフトでノブ類は流用したかったのですが、現在もCTSの
超品薄状況が続いており、何とか入手出来たのはインチシャフトだったので
ノブもインチ対応品へ交換しました。

ブリッジ、テールピースもGOTOH新品へ交換。
ビス類、ピックガードブラケットも新品です。

ジャックプレートは割れていたので今後の耐久性も考慮して金属製へ交換。
ジャックは勿論スイッチクラフト。

無漂白牛骨でナットを製作して完成!

重量感のしっかりとした目の詰まったマホガニーなので
これぞレスポールカスタム!なサウンドを堪能できます。
良い鳴りのレスポールに組めたと思います。

レスポールカスタムと言えばになりますが…鮎川誠、このレスポールカスタムは
オックスブラッドではないけどジェフベック。偉大なミュージシャンの訃報が
続きますね。
そして年明け早々にフェルナンデスの系列会社、大阪フェルナンデス倒産のニュースが
飛び込んで来ました。
お客様に「コロナ禍でギター売れてるんですよね?楽器業界良いですね~」みたいな
事を言われます。自分もその類いの報道は見ました。
でも実際に売れてたのは入門機種。楽器業界を支える中価格帯以上の商品は全然ダメ。
つまりライブやバンド活動が滞れば中~高額帯のギターは売れ行きが止まる。
主力価格帯の減収分を入門機種の売り上げが補完しきれた訳でもない。
確かに一部の通販業者等は潤ったかもしれない。
でも現実は倒産する会社も有るわけですよ。
コロナ禍において倒産はもはや珍しくない。
ただ国内ギター業界の一時代を築いたブランドを背負う会社の倒産はやはり悲しいですね。
※親会社のフェルナンデスは健在ですのでご安心を。
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アコギのネック調整ご依頼時のお願い編
2023-02-18
今回はアコギのネック=トラスロッド調整等編です。ご依頼頂いたギターはジャパンビンテージ物になります。
フレットのすり合わせとナット交換が必要な状況ですが、まずはトラスロッドが
正常に機能するかが重要な確認事項になります。

なので早速ロッド調整を。
このギターはヘッドに調整部は無いのでネック下部側での調整になるのですが、
調整ナットが無い。

通常は下の画像の様に六角のボルトが有るものなのですが。

サウンドホールから手を入れて探ってみたところ、
指板エンドの裏側に何かしらの手応えが有る。
そこで鏡を入れてみると、真鍮製と思われしナットが見える。

アコギと言えどわざわざ特殊なサイズのナットを使うとも思えないし、
おそらく汎用のトラスロッドナットだと予想。

ならば#8のスパナで回せるはずなのですが、
手持ちのスパナが長すぎてサウンドホール内で取り回しが効かず、
六角ナットにスパナを嵌める事さえ出来ない。
つまり#8のサイズが適合するかも分からない。

メインの工具を加工すると今後困る事になるのでホームセンターで#8のスパナを
買ってきた!しかもナットに差し込み易い様に薄型を。

グラインダーでカット。

サイズは的中!ようやくトラスロッド調整が行えました。
ロッドも正常に機能したのでフレットのすり合わせ、ナット交換を着工。
もちろんこのスパナは完成時にお客様へお渡しします。

無事完成!

ここで皆様にお願いが御座います。
当店はギター本体の販売を行っていないので昨今のロッド調整工具のアップデートに
付いていけてません。
最近のマーチン等は長めのインチ規格レンチが必要なのですが残念ながら持ち合わせて
おりません。(メーカーと取引が無いので工具のみの手配が出来ません)
ですのでアコギのロッド調整ご依頼時、購入時に付属していた工具が手元に有るなら
お持ち頂けます様にお願いします。
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コレは良い商品だと思います。MAGIK-ARM for Floyd Rose編
2023-01-21
営業案内ではなく、ちゃんとしたブログの更新は新年1本目になります。改めまして本年も当店を宜しくお願い致します。
さて、今回はMAGIK-ARM for Floyd Roseのインストールをお受けさせて頂きました。
取付けるギターは昨年末にブログを書かせて頂いたグレコSPFです。
http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-502.html
丁寧で分かり易い説明書が付属しています。
画像に有りませんが専用のスパナも付属しています。

画像の②と③の間にトレモロのベースプレートが位置します。

アームとホルダーを外した状態。
アームの先端形状はアイバニーズに似ている。

作業を開始。
まずはトレモロをギター本体より外します。
トレモロスプリングハンガーを緩めてスプリングを外しますが、ハンガーを緩める前に
ザグリ壁面からハンガーまでの距離を測ります。

その距離をメモしておく事で組み込み時に再調整の幅が最小限になります。

トレモロ取り出し完了。

早速アームホルダーを外しに掛りますが…

前回の作業でアームホルダーの固定ナットの緩み止めでネジロックを染み込ませて
いた事が仇となり、スパナ2本の逆回しでは簡単に外れない。

クランプに固定して、

アームホルダー取り外し完了。

が、
何だ?この円筒形の突き出しは?

何かしらのスリーブが圧入されてる?なんて思ったが
残念ながらベースプレートと一体の様である。

ちなみにこの様な構造は初めて見たかも。
普通のフロイド系には無い。
おそらくホルダーの緩み止めの為?緩みまくってたけど??
右はGOTOHの1996T。

さて、とりあえずマジックアームのホルダーを入れてみるか…


やっぱりねー
ホルダー固定ナットのネジ切りが筒の中から出てこない。

六角の固定ナットは少なくとも2~3周は締め込みたい。

お客様にご了承を得たうえで、この円筒形の突き出しを削り落とす事に。

グラインダーで切削加工を行うのでトレモロは全分解します。
分解前にサドルの位置を撮って画像メモしておくと組み込み後の
オクターブピッチ調整がラクになる。

全分解完了。

切削加工の為のマスキングに入る際に日本製の刻印発見!
当時は韓国や台湾製のトレモロが多かったのにGフォースは日本製でしたか!
そう言えばアジア諸国製のブラックパーツのメッキは緑がかった色がお約束なのに
このGフォースはしっかりとした黒なのが気にはなっていた。

マスキング完了。

早速グラインダーで削る。
正直作業前には「ちゃちゃっと削っちまうか~」みたいなテンションでしたが…
…硬いんですよ(笑)
そりゃそうだよね、ベースプレートと一体って事はナイフエッジに強度を
持たせるだけの硬度がある訳で。しかも日本製だし。

何とか1ミリ程度を残すところまでグラインダーで削り終え、

大きな切削痕のキズが残っているとサビが付きやすくなるので手作業で平面出しと
研磨。ベースプレートからの突き出し量を一定にするのは手加工だと中々大変。
時間は掛ったが鏡面までは行かないまでも大きな切削痕は消せた。

ホルダーを付けて固定ナットを締め付けてみる。
十分な締め付け量だ。

しかしながら六角の固定ナットを締め付けるだけでは平面対平面なので
簡単に緩む可能性がある。
なので8番の座金ワッシャーを挟み込む。

この時点で六角の固定ナットや座金ワッシャーがボディーのトレモロザグリと
干渉しないか確認。

アームバーの固定パーツを取付けて、

動作チェック。

フロイド系と同じくローレットの入ったサムナットを締め付ける事で
アームの回転トルクが硬くなるが、フロイド系はユルユル⇒硬めの
ほぼ2択の調整範囲でしたが、マジックアームは微調整が出来る!

サムナット内の樹脂パーツが良い仕事してる様だ。
懸念があるとすればこの樹脂パーツの耐久性か。
メーカーとしてはアーミング時のバーとホルダーのガタ付きを抑えた商品コンセプト
らしいが機能面、精度面、操作性、非常に完成度が高いと思う。

そしてサムナットは緩めきっても外れない加工が施されているので
サムナットの紛失対策もバッチリである。

気になったので手持ちのアイバニーズ、ロープロエッジ用のアームを入れてみた。
使えない事は無いがしっかりロックが掛らないので実用には向かないかと。

組み込み完了。
今回はピックアップの載せ替えも合わせて作業させて頂きました。

このマジックアーム、フロイド/シャーラーのアーム+ホルダー一式より
お値段は少し高くなるが、間違いなくオススメ出来るリプレイスメントパーツです。
現在はフロイド系、ゴトー系、アイバニーズ系と3種販売されている様です。
メーカー様に掲載許可を頂いていないのでメーカーHPのリンクは貼りませんが
MAGIK-ARM for Floyd Rose で検索してみて下さい。
ただしフロイド用はホルダー固定の六角ナットが結構大きいです。
下の画像右側がフロイド/シャーラーのアームホルダー固定筒になります。
ギター本体側にピッチシフトキャビティーが掘られていればおそらく大丈夫だと
思いますが、トレモロザグリとの干渉には注意が必要かもしれません。

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【臨時休業のお知らせ】
年末年始休業のお知らせ
2022-12-24
年末年始は下記期間休業とさせて頂きます。12月29日~1月5日 冬期休業
年内は28日まで通常営業、新年は6日より営業開始致します。
休業期間中のお問い合わせ、ご来店予約はメール、FBメッセンジャーにてご連絡下さい。
tonegarage@nifty.com
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名機!GRECO SPF-70 ミディアムスケールのソロイストを徹底的にメンテナンス編
2022-12-10
GRECO SPF 、この品番を見て「お!スピットファイヤー!」と名称が思い浮かぶ方は80~90年代に少しマニアックなギター小僧だったアラフィフに違いない。
スピットファイヤーだけならずボンバードなんかも思い浮かぶ方はHR/HM好きでもジャパメタ寄り
だったかもしれない。
自分もその1人でイシバシ楽器主催の足立祐二クリニックもワクワクしながら観に行った。
確かSPFの廉価機種、SPF-40だったかな?3シングルだった記憶のモデルは足立祐二が
広告塔だった記憶が有る。いまだに亡くなった事が残念でならない…
今回は名機SPF-70をメンテナンスさせて頂きました。

このヘッド形状がイケてる!

なんと言ってもこのSPF-70、ミディアムスケールなんですよ!
ミディアムスケールでフロイド系トレモロ付き。今の世でも絶対需要有ると思うんですが。

フレットはクモっていますがジャンボフレットなので残量は十分ですが、

数カ所浮きが見られたので今回はフレットのすり合わせを施工。
徹底的フルメンテナンスと言えど毎回フレットを打ち換えるわけではありません。

すり合わせ完了。
やっぱりこのヘッド形状カッコエェ!

お次はボディー側。

ボディーを眺めながら作業段取りを考えているとセンターピックアップのポールピース上の
サビが気になった。

なので取れる分だけサビを取る。
メッキが剥がれてしまった部分は仕方ないが。

さて、ピックガード外して電気系作業に取り掛かる。

まずはガリ・接触不良が出ていたYM-50レバースイッチ。
ポット類は当時モノ=しっかりと作られていた頃の日本製なので問題無かったが
YMレバースイッチは今も昔もダメだ。つーか昔からダメだ。
何で優秀なVLXが生産終了になってYMが生き残る?
日本製フェンダーがまだ使ってるから?
理解出来ない。

VLXの5段がもう手に入らないので信頼性ではCRLをお勧めするしかない。
今回もCRL5段へ交換するのですが…

取付けビスの太さを見て欲しい。
左のYMに比べて右のCRLはインチサイズなので明らかに太い。

したがってピックガードのビス穴に入らない。

なので全てのパーツを外した状態にしてボール盤で穴の拡大加工が必要。
今後国産やアジア圏製ギターのレバースイッチをインチ規格であるCRLやOAKへ交換する
際はこの手間が必要。その分の工賃をお客様へ言うのが心苦しい。VLXが有れば不必要なのに…

電気系作業完了。

次はトレモロ。
珍しくアンダーフロイドパテントの刻印が無い。無くても許される頃の製品だったかな??

サドル下にスペーサーを追加してすり合わせの終わったネックに各弦の弦高を合わせる。
と言ってもお客様がある程度セッティングされていたので3弦にスペーサーを追加した程度。

この当時モノのトレモロお約束、アームホルダーの緩みによるガタ付きがトレモロ周り
メンテナンスの本命。

スリットの入ったナットを外して万力で少しだけスリットを潰す感じで圧縮する。
これによってナット内側のネジ溝が斜めになり緩みにくくする。
元々その為のスリットではあるがこの作業をせずに単に締め込んでもまたすぐに緩む。

スパナで締め付ける。
この際にアームバーを付けてアームバーの突き当たり時の角度が弦とほぼ平行にすれば
使い易くなる。

スリットを潰し、しっかりホルダーを締め込んだがおそらくまた緩むだろう。
なので悪足掻きにネジロックを流し込む。

スリット内に十分染み込ませて

余分なネジロックは綿棒で拭き取り。
これで多少でも緩みにくくなれば御の字なのですが…
やっぱり確実に改善するには現行フロイド&シャーラーのアームホルダー一式に交換
ですわな。アレも最近は精度がアレですが…

ボディー側組み込み作業でジャックをスイッチクラフトへ交換。
お客様と打ち合わせ時は見落としていたがジャックプレートがピックガード素材なので
いずれ割れる事は簡単に想像出来る。
なのでジャックプレートを金属製へ交換。

これで安心。

ボディー側完成。
この後でネック取付けて全体セットアップも完了!

いや~やっぱこのヘッド良くない?
今でも十分通用するデザインやと思うねんけど?
しかもミディアムスケールでトレモロ付きだよ?
リターンギタリストがHR/HM練習するなら最強のギターじゃない?

いよいよ12月ですね。
今年はあまりブログ更新出来ませんでした。来年はもう少し更新頻度を上げたいですね。
ブログネタになりそうなアツいギターのお持ち込みをお待ちしております。
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アクリル製FRサスティナーPR用?モック機を実動機に改造する編
2022-11-12
久々のブログ更新になってしまいました。そして久々のサスティナーカテゴリーです。
作業させて頂いたのはまだ暑かった頃なのですがブログアップが随分遅くなってしまいました。
今回はアクリルボディーのフェルナンデスFRです。
お客様はサスティナー駆動OKと表記の中古品を購入されたそうですが
フロントにサスティナードライバーらしき物は付いていません。

フロントもセンターもLEDの電飾が仕込まれています。
音が出るのはリアのダンカンのみ。
コントロール類はLEDのON・OFF、点滅パターンの変更スイッチで、
実質リア1ハム1ボリューム1トーンです。

画像では分かり難いですが、うっすらサスティナーのロゴは見えます。
ただし内部はLEDのみでカバーにサスティナーロゴがプリントされている様です。

基板は入っていますがコネクター類は何も接続されていません。
そりゃサスティナーが動くはずもないわけでして。
しかもフロントプリアンプ回路の付いていない基板ですのでサスティナーOFF時に
サスティナードライバーをPUとして使うにはこの基板では不可能です。
全く不可能ではないのですがドライバー出力昇圧用の小型トランスが必要。
その昇圧トランス単体での入手はかなり困難。

なので今回はお客様が入手されたフロントプリ搭載のフルモード基板と
タイミング良くメーカー在庫の有ったサスティナーキットより新品ドライバーのみ使用で
ちゃんとしたサスティナーギターとしてリビルトします。
ちなみにサスティナーキットの現行基板を使わないのは画像の旧タイプ基板の方が
サスティナーの効きがパワフルなので。

LED電飾の付いたモック機?なので弦高設定も超適当。
ここも手を入れる必要が有ります。

お客様のご希望でセンターのLED電飾は残す方向。
LEDの点滅時にブツブツとノイズが入るのは了承済みです。
まずはLED電飾用の回路を分析。
フロントの電飾を外してドライバーへ入れ替え、センター1つの電飾回路で事足りるのかを。
2個の回路が直列で配線されていたので分析には少し時間が掛かりました。

そしてリアのダンカンをサスティナー仕様へ磁極変更、位相変更。
ダンカンはSH-6B、ディストーションのリア用、そしてノーマルピッチ。
何故にモック機にダンカンを奢る?
何故にメーカーとしてリアPUダンカン搭載改造を拒むのにモック機に載せる?
何故にTBではなくノーマルピッチ?
等々疑問は多いですがノーマルピッチと言えどディストーションぐらいパワーが有れば
駆動の助けにはなります。
ひょっとしたらメーカー放出後、どこかのタイミングでダンカン付けられたのかもしれませんね。

お客様お持ち込みのフルモード基板はお約束ですがスイッチの腐食が酷い。
そしてこれもお約束、スイッチの軸が曲がっている。
新品サスティナーキットの基板のスイッチは色が銀色…
でも移植するのに最適なスイッチが元基板に付いている。
なので今後使い道の無い元基板がスイッチのドナーとして役に立ちます。

まずはスイッチ移植。

そしてダンカン仕様へ基板を改造。
センターの電飾用の電源も基板から頂きます。

問題はレバースイッチ。
個人的に生産完了?廃版?をかなり悲しんでいるVLXが搭載されていましたし、
サスティナーキットには新品が付いている。
が、いずれも5WAY。
今回はセンターの電飾を残すのでサスティナーOFF時にピックアップとして機能
するのはフロントのドライバーとリアのダンカンのみ。
つまり3WAYのレバースイッチが必要。
でもVLXの3WAYは手に入らないので5WAYを分解して3WAY化の改造。

組み込み完了。

ボディーの表面からも配線の取り回しが見えるので普段以上に取り回しを綺麗に。

アクリル製透明のジャックプレートには割れが見られたのでここは実用性優先で
金属製ジャックプレートへ変更。

サスティナーの効きも十分パワフルに組み上げる事が出来ました。
正直サスティナードライバーとリアPUの間に電源を伴うモノが設置される事で
サスティナー駆動にどんな影響が出るかを懸念していましたが特に問題は出ませんでした。

当店在庫の特価品ハードケースもご購入頂いて無事完成!

今回はタイミング良くサスティナーキットが手配出来ましたが現在はいつも通りの
メーカー在庫切れ、次回入荷未定の状況です。
サスティナー関連をブログアップする度にサスティナー取付けのお問い合わせを
頂きますが毎度ご期待に応えられずに申し訳ありません。
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