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M.MAN EVH マジックアーム取付け編&従来型Floydrose/Schallerアーム一式を使用した作業受注中止のお知らせ

 2023-03-18
今回は初期型のミュージックマンEVHにマジックアームを取付けます。

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純正のアームはトレモロ裏面よりネジ止めなのでアームバー脱着が不便。

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そして純正スクリューは緩みに気付かなければ簡単に紛失してしまう。
このスクリューも純正ではありません。
ですのでアームバー、アームホルダー一式をマジックアームへ換装します。

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ミュージックマンEVHのトレモロはGOTOH1996TのOEM品なので
使用するマジックアームもゴトー対応品をお客様に手配して頂きました。

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アイバニーズ、ゴトー対応品ですね。
アイバニーズはマジックアームへ交換する必要って有るのかな?

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まずはトレモロ取り外し。

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ホルダー一式を外していきます。

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マジックアームのホルダーを差し入れてみる。
割とクリアランスが広い。

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緩み止めに座金ワッシャーを入れようとするが、

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固定六角ナットのネジ切りに座金ワッシャーが当たる!

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仕方ないので座金ワッシャー挟み込みは諦めて六角ナットをしっかり締め込みます。

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アームバー固定パーツを取付けて、

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完成!

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組み込み完了!

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これでアームバーの脱着が容易になりました。

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ここからは別件なのですが、数年前にブログアップしたヤマハのロッキンマジック
トレモロのアームホルダー部を切削加工して、フロイド/シャーラーのアームホルダー
を移植する作業は今もお問い合わせ、受注が多いリペアメニューです。
今回も同件のご依頼を頂きましたが…

お客様にご用意頂いたシャーラー製アーム一式。もちろん新品。
EMGのステッカーは販売店管理シールを隠す為に置いています。

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何故かアーム根元のサムナットが完全に外れるまで緩めてもホルダーからバーが
抜けない!!
こんな経験は初めてなので「はぁ??」って感じ。

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最近マイナーチェンジで変更になったのか以前は円筒形の固定筒を
別体の六角スクリューで締め込んでホルダーをトレモロベースプレートへ固定していたが、
今は円筒形の筒そのものに六角レンチの差し込み穴が有る。

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フルパワーでアームバーを抜こうとするも全く動く気配が無かった。
抜く方向だけではなく回転方向にも全く動かない。
固着してる? 何故?
途方に暮れてホルダー固定筒に六角レンチ入れて締め込み方向に回してみた。
(緩める方向に回しても当たり前の話、固定筒が緩むだけ)

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ヌヌヌ…と固着が緩んで、
抜けた!!

!? サビ??

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マジか?

マジで目を疑った。

もう一度書くがこのアーム一式は新品開封直後である。

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どうやらバー先端部=ホルダー挿入部のみメッキが施されていないか剥がされている。
そして地金にサビ発生。サビはサムナット内側に当たるピンまでも侵している。
バー先端部、ホルダー内部に油が塗布されてはいるが、その油も濃いラー油状態。

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もちろんホルダーの筒内部もサビサビ。

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新品と言えど当然これは使い物にならない。
おそらくアームバーとホルダーのガタ付き・アソビを改善すべく、ホルダー内径を細めに
マイナーチェンジ、するとバーが入らなかった。なのでバー側も細くした…
みたいな流れだったのかなと推測。

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お客様へ現状を報告させて頂き、お手数をお掛けしましたがマジックアームの
フロイドローズ用を手配して頂きました。

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純正アームホルダー部を切削加工したロッキンマジックに付くには付きましたが、

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固定六角ナットと1弦サドル固定部にほぼ隙間がありません。
薄いメモ紙がかろうじて入る程度。
この隙間が六角ナットをしっかり締め込めるかの要でもあります。

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したがってトレモロ側の個体差によってはホルダーをしっかり締め付けられない
可能性が御座います。

今回はマジックアームで無事に対応出来ましたが、今後ロッキンマジックの
アームホルダー一式交換作業はマジックアームをご用意頂いたとしても
受付中止とさせて頂きます。
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現在フロイド/シャーラーのアーム一式は今回サビていた従来型のマイナーチェンジ版と
新型の「プッシュイン」タイプが有る様です。
プッシュインタイプはまだ施工した事が無いので、どの程度の精度を持っているのか
分かりません。

とりあえず今後は従来型のマイナーチェンジ版=今回サビていたSchaller/Floydrose純正
アーム一式と同型を使用した作業の全てを受付中止とさせて頂きます。
何卒ご了承下さい。
ホルダー固定筒を別体の六角スクリューで締め込むマイチェン前の物をご用意頂ければ
今まで通りの作業は可能です。




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Burnyレスポールカスタムを徹底的にレストアする編

 2023-02-25
今回は懐かしいレスポールカスタムを作業させて頂きました。

FERNANDESのギブソン系サブブランド、バーニーのレスポールカスタム。
品番はおそらくRLC-80で黄金期のフェルナンデスの定番商品です。

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ペグを含め全てのゴールドパーツが劣化しているので金属パーツ全交換、
徹底的にレストア、いや純正以上のクオリティーを目指して作業開始です。

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まずはフレット。弦下のフレット減りのみならず指板まで結構削れています。

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作業に没頭してて指板修正時の画像を撮り忘れました…
気が付けばフレット打ち完了の状態。
使用フレットはいつものJESCAR#55090です。

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お次はボディー側。
まずはピックアップザグリ内にこびりついたメンツェルナワックスを除去します。

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そして導電塗料塗布。

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コントロールザグリも導電塗料塗布。
そしてパネル裏にシールディング加工。
画像はありませんがトグルスイッチザグリにも導電塗料塗ってます。

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お客様にピックアップ選択はお任せ頂いたので少し考えましたが、
ド定番の安定感とトレンドのミックスでフロントは59、
リアは59カスタムハイブリッドをチョイス。

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配線完了。

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ちなみにポット類は全て入れ替えました。
本当はCTSのミリ規格シャフトでノブ類は流用したかったのですが、現在もCTSの
超品薄状況が続いており、何とか入手出来たのはインチシャフトだったので
ノブもインチ対応品へ交換しました。

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ブリッジ、テールピースもGOTOH新品へ交換。
ビス類、ピックガードブラケットも新品です。

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ジャックプレートは割れていたので今後の耐久性も考慮して金属製へ交換。
ジャックは勿論スイッチクラフト。

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無漂白牛骨でナットを製作して完成!

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重量感のしっかりとした目の詰まったマホガニーなので
これぞレスポールカスタム!なサウンドを堪能できます。
良い鳴りのレスポールに組めたと思います。

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レスポールカスタムと言えばになりますが…鮎川誠、このレスポールカスタムは
オックスブラッドではないけどジェフベック。偉大なミュージシャンの訃報が
続きますね。

そして年明け早々にフェルナンデスの系列会社、大阪フェルナンデス倒産のニュースが
飛び込んで来ました。

お客様に「コロナ禍でギター売れてるんですよね?楽器業界良いですね~」みたいな
事を言われます。自分もその類いの報道は見ました。

でも実際に売れてたのは入門機種。楽器業界を支える中価格帯以上の商品は全然ダメ。
つまりライブやバンド活動が滞れば中~高額帯のギターは売れ行きが止まる。
主力価格帯の減収分を入門機種の売り上げが補完しきれた訳でもない。
確かに一部の通販業者等は潤ったかもしれない。
でも現実は倒産する会社も有るわけですよ。

コロナ禍において倒産はもはや珍しくない。
ただ国内ギター業界の一時代を築いたブランドを背負う会社の倒産はやはり悲しいですね。

※親会社のフェルナンデスは健在ですのでご安心を。


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アコギのネック調整ご依頼時のお願い編

 2023-02-18
今回はアコギのネック=トラスロッド調整等編です。

ご依頼頂いたギターはジャパンビンテージ物になります。
フレットのすり合わせとナット交換が必要な状況ですが、まずはトラスロッドが
正常に機能するかが重要な確認事項になります。

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なので早速ロッド調整を。
このギターはヘッドに調整部は無いのでネック下部側での調整になるのですが、
調整ナットが無い。

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通常は下の画像の様に六角のボルトが有るものなのですが。

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サウンドホールから手を入れて探ってみたところ、
指板エンドの裏側に何かしらの手応えが有る。
そこで鏡を入れてみると、真鍮製と思われしナットが見える。

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アコギと言えどわざわざ特殊なサイズのナットを使うとも思えないし、
おそらく汎用のトラスロッドナットだと予想。

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ならば#8のスパナで回せるはずなのですが、
手持ちのスパナが長すぎてサウンドホール内で取り回しが効かず、
六角ナットにスパナを嵌める事さえ出来ない。
つまり#8のサイズが適合するかも分からない。

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メインの工具を加工すると今後困る事になるのでホームセンターで#8のスパナを
買ってきた!しかもナットに差し込み易い様に薄型を。

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グラインダーでカット。

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サイズは的中!ようやくトラスロッド調整が行えました。
ロッドも正常に機能したのでフレットのすり合わせ、ナット交換を着工。
もちろんこのスパナは完成時にお客様へお渡しします。

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無事完成!

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ここで皆様にお願いが御座います。
当店はギター本体の販売を行っていないので昨今のロッド調整工具のアップデートに
付いていけてません。
最近のマーチン等は長めのインチ規格レンチが必要なのですが残念ながら持ち合わせて
おりません。(メーカーと取引が無いので工具のみの手配が出来ません)
ですのでアコギのロッド調整ご依頼時、購入時に付属していた工具が手元に有るなら
お持ち頂けます様にお願いします。


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コレは良い商品だと思います。MAGIK-ARM for Floyd Rose編

 2023-01-21
営業案内ではなく、ちゃんとしたブログの更新は新年1本目になります。
改めまして本年も当店を宜しくお願い致します。

さて、今回はMAGIK-ARM for Floyd Roseのインストールをお受けさせて頂きました。
取付けるギターは昨年末にブログを書かせて頂いたグレコSPFです。
http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-502.html

丁寧で分かり易い説明書が付属しています。
画像に有りませんが専用のスパナも付属しています。

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画像の②と③の間にトレモロのベースプレートが位置します。

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アームとホルダーを外した状態。
アームの先端形状はアイバニーズに似ている。

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作業を開始。
まずはトレモロをギター本体より外します。
トレモロスプリングハンガーを緩めてスプリングを外しますが、ハンガーを緩める前に
ザグリ壁面からハンガーまでの距離を測ります。

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その距離をメモしておく事で組み込み時に再調整の幅が最小限になります。

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トレモロ取り出し完了。

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早速アームホルダーを外しに掛りますが…

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前回の作業でアームホルダーの固定ナットの緩み止めでネジロックを染み込ませて
いた事が仇となり、スパナ2本の逆回しでは簡単に外れない。

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クランプに固定して、

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アームホルダー取り外し完了。

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が、

何だ?この円筒形の突き出しは?

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何かしらのスリーブが圧入されてる?なんて思ったが
残念ながらベースプレートと一体の様である。

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ちなみにこの様な構造は初めて見たかも。
普通のフロイド系には無い。
おそらくホルダーの緩み止めの為?緩みまくってたけど??
右はGOTOHの1996T。

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さて、とりあえずマジックアームのホルダーを入れてみるか…

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やっぱりねー
ホルダー固定ナットのネジ切りが筒の中から出てこない。

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六角の固定ナットは少なくとも2~3周は締め込みたい。

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お客様にご了承を得たうえで、この円筒形の突き出しを削り落とす事に。

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グラインダーで切削加工を行うのでトレモロは全分解します。
分解前にサドルの位置を撮って画像メモしておくと組み込み後の
オクターブピッチ調整がラクになる。

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全分解完了。

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切削加工の為のマスキングに入る際に日本製の刻印発見!
当時は韓国や台湾製のトレモロが多かったのにGフォースは日本製でしたか!
そう言えばアジア諸国製のブラックパーツのメッキは緑がかった色がお約束なのに
このGフォースはしっかりとした黒なのが気にはなっていた。

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マスキング完了。

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早速グラインダーで削る。
正直作業前には「ちゃちゃっと削っちまうか~」みたいなテンションでしたが…
…硬いんですよ(笑)
そりゃそうだよね、ベースプレートと一体って事はナイフエッジに強度を
持たせるだけの硬度がある訳で。しかも日本製だし。

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何とか1ミリ程度を残すところまでグラインダーで削り終え、

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大きな切削痕のキズが残っているとサビが付きやすくなるので手作業で平面出しと
研磨。ベースプレートからの突き出し量を一定にするのは手加工だと中々大変。
時間は掛ったが鏡面までは行かないまでも大きな切削痕は消せた。

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ホルダーを付けて固定ナットを締め付けてみる。
十分な締め付け量だ。

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しかしながら六角の固定ナットを締め付けるだけでは平面対平面なので
簡単に緩む可能性がある。
なので8番の座金ワッシャーを挟み込む。

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この時点で六角の固定ナットや座金ワッシャーがボディーのトレモロザグリと
干渉しないか確認。

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アームバーの固定パーツを取付けて、

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動作チェック。

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フロイド系と同じくローレットの入ったサムナットを締め付ける事で
アームの回転トルクが硬くなるが、フロイド系はユルユル⇒硬めの
ほぼ2択の調整範囲でしたが、マジックアームは微調整が出来る!

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サムナット内の樹脂パーツが良い仕事してる様だ。
懸念があるとすればこの樹脂パーツの耐久性か。
メーカーとしてはアーミング時のバーとホルダーのガタ付きを抑えた商品コンセプト
らしいが機能面、精度面、操作性、非常に完成度が高いと思う。

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そしてサムナットは緩めきっても外れない加工が施されているので
サムナットの紛失対策もバッチリである。

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気になったので手持ちのアイバニーズ、ロープロエッジ用のアームを入れてみた。
使えない事は無いがしっかりロックが掛らないので実用には向かないかと。

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組み込み完了。
今回はピックアップの載せ替えも合わせて作業させて頂きました。

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このマジックアーム、フロイド/シャーラーのアーム+ホルダー一式より
お値段は少し高くなるが、間違いなくオススメ出来るリプレイスメントパーツです。
現在はフロイド系、ゴトー系、アイバニーズ系と3種販売されている様です。
メーカー様に掲載許可を頂いていないのでメーカーHPのリンクは貼りませんが
MAGIK-ARM for Floyd Rose で検索してみて下さい。

ただしフロイド用はホルダー固定の六角ナットが結構大きいです。
下の画像右側がフロイド/シャーラーのアームホルダー固定筒になります。
ギター本体側にピッチシフトキャビティーが掘られていればおそらく大丈夫だと
思いますが、トレモロザグリとの干渉には注意が必要かもしれません。

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【臨時休業のお知らせ】

 2023-01-11
1月14日(土)は葬儀参列の為、臨時休業とさせて頂きます。
ご了承下さい。
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年末年始休業のお知らせ

 2022-12-24
年末年始は下記期間休業とさせて頂きます。

12月29日~1月5日 冬期休業

年内は28日まで通常営業、新年は6日より営業開始致します。

休業期間中のお問い合わせ、ご来店予約はメール、FBメッセンジャーにてご連絡下さい。

tonegarage@nifty.com
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名機!GRECO SPF-70 ミディアムスケールのソロイストを徹底的にメンテナンス編

 2022-12-10
GRECO SPF 、この品番を見て「お!スピットファイヤー!」と名称が思い浮かぶ方は
80~90年代に少しマニアックなギター小僧だったアラフィフに違いない。
スピットファイヤーだけならずボンバードなんかも思い浮かぶ方はHR/HM好きでもジャパメタ寄り
だったかもしれない。
自分もその1人でイシバシ楽器主催の足立祐二クリニックもワクワクしながら観に行った。
確かSPFの廉価機種、SPF-40だったかな?3シングルだった記憶のモデルは足立祐二が
広告塔だった記憶が有る。いまだに亡くなった事が残念でならない…

今回は名機SPF-70をメンテナンスさせて頂きました。


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このヘッド形状がイケてる!

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なんと言ってもこのSPF-70、ミディアムスケールなんですよ!
ミディアムスケールでフロイド系トレモロ付き。今の世でも絶対需要有ると思うんですが。

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フレットはクモっていますがジャンボフレットなので残量は十分ですが、

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数カ所浮きが見られたので今回はフレットのすり合わせを施工。
徹底的フルメンテナンスと言えど毎回フレットを打ち換えるわけではありません。

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すり合わせ完了。
やっぱりこのヘッド形状カッコエェ!

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お次はボディー側。

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ボディーを眺めながら作業段取りを考えているとセンターピックアップのポールピース上の
サビが気になった。

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なので取れる分だけサビを取る。
メッキが剥がれてしまった部分は仕方ないが。

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さて、ピックガード外して電気系作業に取り掛かる。

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まずはガリ・接触不良が出ていたYM-50レバースイッチ。
ポット類は当時モノ=しっかりと作られていた頃の日本製なので問題無かったが
YMレバースイッチは今も昔もダメだ。つーか昔からダメだ。
何で優秀なVLXが生産終了になってYMが生き残る?
日本製フェンダーがまだ使ってるから?
理解出来ない。

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VLXの5段がもう手に入らないので信頼性ではCRLをお勧めするしかない。
今回もCRL5段へ交換するのですが…

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取付けビスの太さを見て欲しい。
左のYMに比べて右のCRLはインチサイズなので明らかに太い。

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したがってピックガードのビス穴に入らない。

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なので全てのパーツを外した状態にしてボール盤で穴の拡大加工が必要。
今後国産やアジア圏製ギターのレバースイッチをインチ規格であるCRLやOAKへ交換する
際はこの手間が必要。その分の工賃をお客様へ言うのが心苦しい。VLXが有れば不必要なのに…

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電気系作業完了。

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次はトレモロ。
珍しくアンダーフロイドパテントの刻印が無い。無くても許される頃の製品だったかな??

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サドル下にスペーサーを追加してすり合わせの終わったネックに各弦の弦高を合わせる。
と言ってもお客様がある程度セッティングされていたので3弦にスペーサーを追加した程度。

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この当時モノのトレモロお約束、アームホルダーの緩みによるガタ付きがトレモロ周り
メンテナンスの本命。

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スリットの入ったナットを外して万力で少しだけスリットを潰す感じで圧縮する。
これによってナット内側のネジ溝が斜めになり緩みにくくする。
元々その為のスリットではあるがこの作業をせずに単に締め込んでもまたすぐに緩む。

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スパナで締め付ける。
この際にアームバーを付けてアームバーの突き当たり時の角度が弦とほぼ平行にすれば
使い易くなる。

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スリットを潰し、しっかりホルダーを締め込んだがおそらくまた緩むだろう。
なので悪足掻きにネジロックを流し込む。

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スリット内に十分染み込ませて

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余分なネジロックは綿棒で拭き取り。
これで多少でも緩みにくくなれば御の字なのですが…
やっぱり確実に改善するには現行フロイド&シャーラーのアームホルダー一式に交換
ですわな。アレも最近は精度がアレですが…

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ボディー側組み込み作業でジャックをスイッチクラフトへ交換。
お客様と打ち合わせ時は見落としていたがジャックプレートがピックガード素材なので
いずれ割れる事は簡単に想像出来る。
なのでジャックプレートを金属製へ交換。
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これで安心。

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ボディー側完成。
この後でネック取付けて全体セットアップも完了!

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いや~やっぱこのヘッド良くない?
今でも十分通用するデザインやと思うねんけど?
しかもミディアムスケールでトレモロ付きだよ?
リターンギタリストがHR/HM練習するなら最強のギターじゃない?

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いよいよ12月ですね。
今年はあまりブログ更新出来ませんでした。来年はもう少し更新頻度を上げたいですね。
ブログネタになりそうなアツいギターのお持ち込みをお待ちしております。

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アクリル製FRサスティナーPR用?モック機を実動機に改造する編

 2022-11-12
久々のブログ更新になってしまいました。
そして久々のサスティナーカテゴリーです。

作業させて頂いたのはまだ暑かった頃なのですがブログアップが随分遅くなってしまいました。

今回はアクリルボディーのフェルナンデスFRです。

お客様はサスティナー駆動OKと表記の中古品を購入されたそうですが
フロントにサスティナードライバーらしき物は付いていません。

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フロントもセンターもLEDの電飾が仕込まれています。
音が出るのはリアのダンカンのみ。
コントロール類はLEDのON・OFF、点滅パターンの変更スイッチで、
実質リア1ハム1ボリューム1トーンです。

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画像では分かり難いですが、うっすらサスティナーのロゴは見えます。
ただし内部はLEDのみでカバーにサスティナーロゴがプリントされている様です。

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基板は入っていますがコネクター類は何も接続されていません。
そりゃサスティナーが動くはずもないわけでして。
しかもフロントプリアンプ回路の付いていない基板ですのでサスティナーOFF時に
サスティナードライバーをPUとして使うにはこの基板では不可能です。
全く不可能ではないのですがドライバー出力昇圧用の小型トランスが必要。
その昇圧トランス単体での入手はかなり困難。

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なので今回はお客様が入手されたフロントプリ搭載のフルモード基板と
タイミング良くメーカー在庫の有ったサスティナーキットより新品ドライバーのみ使用で
ちゃんとしたサスティナーギターとしてリビルトします。
ちなみにサスティナーキットの現行基板を使わないのは画像の旧タイプ基板の方が
サスティナーの効きがパワフルなので。

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LED電飾の付いたモック機?なので弦高設定も超適当。
ここも手を入れる必要が有ります。

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お客様のご希望でセンターのLED電飾は残す方向。
LEDの点滅時にブツブツとノイズが入るのは了承済みです。
まずはLED電飾用の回路を分析。
フロントの電飾を外してドライバーへ入れ替え、センター1つの電飾回路で事足りるのかを。
2個の回路が直列で配線されていたので分析には少し時間が掛かりました。

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そしてリアのダンカンをサスティナー仕様へ磁極変更、位相変更。
ダンカンはSH-6B、ディストーションのリア用、そしてノーマルピッチ。
何故にモック機にダンカンを奢る?
何故にメーカーとしてリアPUダンカン搭載改造を拒むのにモック機に載せる?
何故にTBではなくノーマルピッチ?
等々疑問は多いですがノーマルピッチと言えどディストーションぐらいパワーが有れば
駆動の助けにはなります。
ひょっとしたらメーカー放出後、どこかのタイミングでダンカン付けられたのかもしれませんね。

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お客様お持ち込みのフルモード基板はお約束ですがスイッチの腐食が酷い。
そしてこれもお約束、スイッチの軸が曲がっている。
新品サスティナーキットの基板のスイッチは色が銀色…
でも移植するのに最適なスイッチが元基板に付いている。
なので今後使い道の無い元基板がスイッチのドナーとして役に立ちます。

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まずはスイッチ移植。

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そしてダンカン仕様へ基板を改造。
センターの電飾用の電源も基板から頂きます。

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問題はレバースイッチ。
個人的に生産完了?廃版?をかなり悲しんでいるVLXが搭載されていましたし、
サスティナーキットには新品が付いている。
が、いずれも5WAY。
今回はセンターの電飾を残すのでサスティナーOFF時にピックアップとして機能
するのはフロントのドライバーとリアのダンカンのみ。
つまり3WAYのレバースイッチが必要。
でもVLXの3WAYは手に入らないので5WAYを分解して3WAY化の改造。

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組み込み完了。





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ボディーの表面からも配線の取り回しが見えるので普段以上に取り回しを綺麗に。

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アクリル製透明のジャックプレートには割れが見られたのでここは実用性優先で
金属製ジャックプレートへ変更。

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サスティナーの効きも十分パワフルに組み上げる事が出来ました。


正直サスティナードライバーとリアPUの間に電源を伴うモノが設置される事で
サスティナー駆動にどんな影響が出るかを懸念していましたが特に問題は出ませんでした。



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当店在庫の特価品ハードケースもご購入頂いて無事完成!

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今回はタイミング良くサスティナーキットが手配出来ましたが現在はいつも通りの
メーカー在庫切れ、次回入荷未定の状況です。

サスティナー関連をブログアップする度にサスティナー取付けのお問い合わせを
頂きますが毎度ご期待に応えられずに申し訳ありません。


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【臨時休業のお知らせ】

 2022-10-31
下記日程にて臨時休業とさせて頂きます。

3日(祝) 祝日定休
4日(金) 臨時休業
5日(土) 臨時休業
6日(日) 日曜定休

期間中のお問い合わせはメール、FBメッセンジャーでお願いします。
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YAMAHA APX-10S エレアコを弦高低め仕様へモデファイする編

 2022-10-01
最近何故かアコギの作業依頼が増えております。
どうやらエレキ専門のリペア業者と思われている方も多い様なので、大変有り難い事です!
「アコギのリペアも受け付けてますか?」とか「ベースも調整出来ますか?」なんてお問い合わせを
頂きますが、全部やってます。

さて、今回はヤマハのAPX-10Sです。
ピンと来られる方もいらっしゃるでしょうが「とんぼ」の頃の長渕剛の愛用エレアコです。
コードストロークに向いた設計のエレアコですが、今回は弦高低め、アルペジオが楽に弾ける
仕様へモデファイします。

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まずはフレットを打ち換え。
弦高低め狙いなので指板のストレート出しは重要。
きっちりクセを落とします。
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この指板の摩耗具合。
かなり弾き込まれてきた歴史を感じます。
指板修正でも凹みは完全に消えませんが手触りが気にならない程度まで処理します。
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さて、フレット打ちに入りますが…
最終2本のエクストラフレット、このサウンドホール側の処理がかなり大変。
予めグラインダーで斜めにカットしてから打つのですが…
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指板エンド端に合わせた形状整形は手作業です。
かなり時間が掛かります。
普段よりこの類いのエクストラフレットが有っても工賃アップはしておりませんが
ぶっちゃけ毎回後悔しています(笑)
何でこんなに時間と手間掛かるのに工賃アップしなかったんだ?なんて。
で、しばらく同ケースが無ければ苦労を忘れてしまって普段通りのフレット交換見積もりを
答えてしまうと言う…
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フレット打ち完了。
使用フレットはJESCAR #55090。
普段エレキでは多用しているフレットですが、太さは普通であるものの高さがあるので
今回の様な弦高低めを狙うアコギのフレットとしてもお勧めになります。
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エクストラフレットのエッジ処理はこんな感じ。
画像では分かり難いですが、斜めの断面の端もきっちり面取り加工しております。
工場生産時はココはぶった切っただけみたいな処理ですが、きっちり仕上げないと
ギタークロスは引っ掛かるわ手でなぞるとかなり痛いので。
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ここからは組み込み作業です。
ペナペナのバッテリースナップは既に電池差し込み金具の一部が破損しています。
なのでバッテリースナップごと信頼出来る物へ交換します。
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実はこのバッテリースナップ交換が少々大変です。
プリアンプ本体を外さなければ作業出来ません。
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ツマミ類4個の外周ナットを外し、丸ごと引き出します。
ここまでしないとバッテリースナップの根元に到達出来ないのです。
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交換完了!
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収納完了!
この辺りの設計は流石ヤマハって感じ。ちゃんと電池収納スペースが有る。
適当な絶縁袋に電池入れてマジックテープでペタッってな有りがちな電池固定ではない。
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ようやく弦が張れるところまで来ました。
画像はありませんが無漂白牛骨で新規製作しているナットも弦溝は浅めです。
少しでも音の立ち上がりを速く、高域のロスを少なくしたいので。
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ナットも仕上がってから弦高設定に入ります。
ブリッジサドル下にはピエゾPUが有り、その下には弦高調整用にスペーサーが2枚
入っていました。
もちろんスペーサー無しで可能な限り弦高を下げたいのですが…
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このAPX-10Sは1~3弦、4~6弦を独立出力出来るステレオアウト仕様です。
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なのでピエゾPUも1~3弦、4~6弦で別物になっています。
何が言いたいかと言えば3弦と4弦の間に両ピックアップの端が有り、弦のテンションが
掛かるとこの部分が沈み込む=サドル底面に接触する力が弱くなり、スペーサーを
全て除去すると結果として3弦4弦の音量がかなり下がってしまいます。
今回は薄い白のスペーサーのみを挟み込む事にしました。
厚み0.3ミリのアクリル板で薄いスペーサ-も作って試しましたが、0.3ミリでは
やはり3弦4弦の出力が低めだったので。
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仕上がりの状況としては12F上で作業前よりも1弦側で0.5ミリ、6弦側で0.7ミリ
弦高が下がりました。
組み上がり時の弦高は1弦12Fで1.8ミリ、6弦12Fで2.5ミリです。
数値で見ればこの程度で低めなの?と思われるかもしれませんが、実際手に取ると
あ、弦高低くなってる!とオーナー様なら確実に気付ける程の違いです。
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現代ではテイラー等、弦高低め前提で設計されたエレアコ、アコギも増えてはきておりますが
昔ながらのネック角が浅いアコギでは弦高を下げるのは容易ではありません。
フレットの山を高くして弦へ近付け、ブリッジサドル周辺を限界まで下げる設定変更程度しか
出来ませんが演奏性は明らかに変わります。
「昔このギターを買った時は歌いながらコード掻き鳴らす時代だったけど、今はゆっくり
アルペジオを爪弾きたいんだよね…」みたいにお考えの方は是非お問い合わせ下さい。

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【シルバーウィーク期間の営業について】

 2022-09-17
シルバーウィーク期間の営業は下記になります。

18日(日) 日曜定休
19日(月) 祝日定休
20日(火) 通常営業
21火(水) 通常営業
22日(木) 定休日
23日(金) 祝日定休
24日(土) 臨時休業
25日(日) 日曜定休

期間中は営業日が少ないですが何卒ご了承下さい。
営業日以外にお問い合わせ、来店予約はメール、FBメッセンジャーでお願いします。
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ZODIAC オーダーTLスタイルを徹底的にレストアする編

 2022-08-15
いや、本当に暑いですね…
お盆休み終盤?ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。
当店は本日より通常営業です。

さて、今回はオーダー品?と思われるゾディアックのテレキャスター派生モデルを作業させて頂きました。
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まずは今春に急逝されましたゾディアック社、松崎社長のご冥福をお祈り申し上げます。


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後述しますがこのギターは94年製、ゾディアック社としては割と初期の頃の製品だと
思われます。
当時の電装系流行でもありましたがミッドブースト?の様な回路が内蔵されています。
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元々は2V2Tのコントロールレイアウトの様ですがフロントトーンの位置へ
トグルスイッチが移設されています。
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元トグルスイッチの場所は埋め木、そして他所と違和感の少ない部分塗装が施されているので
ゾディアック社で改造作業を行われたのかもしれませんね。
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ブリッジはGOTOHの510FBの旧モデル。
スタッド頭が欠けているので現状でブリッジを正常にマウントする事が出来ません。
またスタッドアンカー周辺に塗装割れが見られます。
ブリッジ、テールピースは現行の510FB、FAに載せ替えます。
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ピックアップもポールピースのサビ等の劣化が見られ、お客様の今後の演奏内容との
兼ね合いで交換します。
2ハムでは鉄板コンビのダンカン59&JBへ。
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まずはフレット交換。
指板修正をきっちりと。
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シュパーゼルのペグもギアグリスの滲み出しによる油汚れが目立つのでクリーニング。
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フレット周り完成!
フレットはいつものJESCAR#55090。
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そしてボディー側を着工。
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全分解してから最初にブリッジのスタッドアンカー交換から着手。
画像の通り現行510FBのアンカーは太い。そしてスタッドも形状が異なる。
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アンカー周辺のボディーにクラックが入っているので慎重にアンカーを抜く。
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アンカー穴周辺はメイプルのトップ板が膨らんだせいか、表面は割れて起き上がり、
指で押すとパカパカ動く状態。
塗装割れが起きる事を覚悟のうえでアンカー穴から工具を差し込み浮いたメイプルを
少し持ち上げてから隙間にエポキシ樹脂を流し込む。
接着が終わってから周辺部のみ水研ぎとバフ掛け。
やはり塗装クラックが目立ってしまったが放置していずれアンカー周辺ののメイプルが広範囲で
剥がれ、修復困難な状況になるよりは不安要素無しに仕上げる為に必要な作業だったと思う。
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新しいアンカー穴はトリマーで作業。
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トグルスイッチ取り付け部もトリマーで穴開け。
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フロントトーン部は埋め木。
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画像左側が今回取付ける現行の510FB。右が旧型。
似てる様で結構形状は異なる。
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アンカー埋めてボディー側の大きな作業は完了。
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フロントトーンの埋め木はポット穴を開けてからタッチアップで黒に塗る。
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配線完了。
CTSポットの安定供給はいつの日になる事やら…
ミッドブースト?回路のON/OFFスイッチはコイルタップスイッチとして使います。
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コントロールパネル裏には94年の日付と松崎氏のサイン。
牛骨ナットで隠している部分にはオーダー主のお名前が。
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今や入手困難な5Φのネックジョイントスクリュー黒。
取引の有るパーツ業者では取り扱いが無くなったので大先輩ギターエンジニアに
お願いして少量分けて頂きました。
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順序が少し巻き戻しになりますがピックアップ。
純正を外した時には気付きませんでしたが…
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あーエスカッション割れてんね…注文しなきゃ…みたいな感じで眺めてたら
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リアは激レアのトムホームズH453リミテッドでした。
ポールピースにサビが出ていたり線材が短い状態ですが某オークションなどでは
かなりの金額になるのでは?
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ちなみにトグルスイッチも耐久性、信頼性優先でミニトグルスイッチを選択。
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ナットは無漂白牛骨。
元ナットはかなり黄ばんでいるが漂白の牛骨。
この頃は無漂白なんて無かったような記憶が。ブライアンセッツァーのグレッチに
油漬け牛骨ナットが付いてる!なんて機材紹介を見ましたがあれこそが無漂白ナットの
始まりだったのかも。
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ナットが出来たのでブリッジサドルの弦溝切り。
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この510FBブリッジ、ブリッジ自体の固定や精度はかなりしっかりしてますが
それ故に固定ビスが多く、スタッドを回すにも前後のイモネジを緩めなければ
なりません。
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つまりスタッド高を調整すると必然的に全体のオクターブピッチ調整も必要になります。
もちろんサドルで個々のオクターブピッチも調整も可能なので調整範囲はかなり広い。
本音を言えばブリッジの設置位置が怪しいギブソンに付けたいところではある。
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ようやく作業完了!
図らずとも鳴りがしっかり出ているのは当時の材料クオリティーの表れか、そして
ゾディアックの拘りと作り込みなのか。
末永く弾き込んで頂きたい1本に仕上がりました。
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夏期休業のお知らせ

 2022-08-09
遅くなりましたがお盆期間休業のお知らせです。

11日(木) 祝日定休

12日(金) 通常営業

13日(土) 休業

14日(日) 定休日

15日(月) 通常営業

12日、15日のご来店予約は早めにお願い致します。




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YAMAHA MG-Mゼブラ ディマジオPU移植とVLXレバースイッチ5WAY⇒3WAY化改造編

 2022-07-30
久し振りにヤマハMG-Mでブログ更新です。

密かに人気の高いMG-M。今でも年間数本は作業させて頂いております。
松本孝弘ファンだけではなく長時間弾いてても疲れにくいコンパクトなサイズ感が良いのではないでしょうか。
今回はご依頼頂いたMG-Mゼブラを素材にヤマハの3点止めピックアップの移植交換とVLXレバースイッチの
5WAY⇒3WAY化について書いてみます。

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まずはフレット交換。
やはり古いギターなのでフレット交換が必要な個体は多いです。
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まぁ今回の作業の難題はボディー側に集中しているわけですが。
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取付けるピックアップはお客様お持ち込みのディマジオDP256、257。
ジョンペトモデルのイルミネイターです。
まだ付けた事の無いピックアップなので私も非常に楽しみです。
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で、ヤマハで毎回頭を悩ます3点吊り下げ式ピックアップ。
ピックアップ交換の際は普通の2点止めエスカッションへエスカッションごと載せ替える事が
多いのですが今回はなるべくオリジナルのルックスを維持する方向性なのでディマジオを
3点止め化します。
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フロントはボディー直止めなので元穴を埋め木して、新たに穴を開ければ済むのですが。
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とりあえずフロントのビス穴を作業してから導電塗料塗布。
この段取りなら埋め木跡が隠せるので。
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それではリアに取り掛かります。
ディマジオを3点化するのは難しいので純正ピックアップのシャーシーに
ディマジオを移植します。
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幸いこのイルミネイターは裏面アジャスタブルポールピースの突き出し量が少ないので
Fスペースですが何とかなりそうです。
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しかしながらボビンを固定している4本のビスの穴位置はざっくり並べて見ただけでも
合わないのが分かります。
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まずはディマジオ分解。
サスティナー関係などでディマジオを分解する機会がありますが毎回メンディングテープを
剥がす一番最初の作業が一番緊張します。
画像で分かりますかね?右側フラットポールピースのボビン。テープの際にコイルが
見えています。コイル外周の銅箔テープではなくコイルなのです。
つまり雑にテープを剥がすと簡単に断線します。
ドライヤーで熱を与えながら慎重に剥がしていきます。
VAIがピックアップ横に養生テープ貼ってるのはココに弦が潜り込まない様に防護している
わけです。実際エヴォやブリードは出力が極端に下がった場合はコイル巻き終わり外周、
まさにボビンの上側際で断線している事が多いです。
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純正共に分解完了。
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アジャスタブルポールピース側の入る穴は何とかなりそうですが、やはり
ボビン固定ビスの穴位置の距離がヤマハは狭い。
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棒ヤスリで穴を横方向へ拡げます。
ボール盤を使うと柔らかいブラス製シャーシーなのでビットが持って行かれる可能性が
高いので。ここは手作業が無難。
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穴加工が終わったので仮載せ。
良い感じ!
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と、喜んでいたらディマジオの出力線がシャーシーに通らない(笑)
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ここは遠慮無くボール盤で穴拡大して完了。
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組み上げたらロウ浸け。
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これにてディマジオの移植作業完了です。
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さて、今度はもう一つのお題。
レバースイッチです。
個人的には一番信頼している国産VLXレバースイッチですが、残念ながら3WAYが
廃盤となってしまった様です。5WAYは普通に入手可能なのですが。
薄々廃盤の気配を感じてからは各通販サイトの売れ残りや電気街の店頭在庫を買い漁りましたが
すぐに尽きてしまいました。
以降しばらくはエグい値上がりのCRLを使ったりしていましたが今回はスイッチ操作感も
しっかりとした感じに仕上げたいのでVLX一択です。
よって本腰入れて5WAYのVLXを3WAY化します。
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まずは端子側プレートを外します。
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ケースには5WAYと3WAY両方の溝があるので、
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レバー基部の穴に入っているスプリングとボールベアリングを
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3WAY側へ入れ替えれば簡単に3WAY化出来そうですが…
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3WAY側の穴に対して5WAYのスプリングは細い。
そしてベアリングも小さい。
このまま仮組みしてみましたが使い物にはならない感じ。
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なのでスプリングとベアリングを探しました。
スプリングは割と簡単に見付けられましたがベアリングはホームセンターをはじめ
金物屋を何軒も回りましたが中々見付からない。
結局アマゾンで買いました(笑)
画像上が5WAY用、下が今回用意した3WAY用です。
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スプリング穴をグリスアップして、
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玉載せ。
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ケース側の3WAY溝にもグリス塗って
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合体!!


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端子プレートを嵌め込んで完成!
本来の3WAYよりは少し動作が硬めに感じますが十分使えるレベルです。
これで今後3WAYのVLXが必要になっても大丈夫。
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スプリングは数本しか無いがベアリングはしばらく買わなくていいだろう。
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スイッチ完成したらサクッと配線完了。
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コントロールパネルには銅箔テープが貼られているが面取り部の処理が気に入らなかったので、
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アルミで貼り直し。
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電気系は仕上がったので今度はこれまたヤマハで毎回苦労するロッキンマジックの
メンテナンス。
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何が苦労するって、分解したらこのパーツ点数よ。
本当にヤマハやアイバニーズって凄いメーカーだと思う。
この類いのオリジナルパーツはパーツ点数が増えれば増えるほどコストが跳ね上がるので。
余程の拘りと企業力が無ければ出来ない事だ。
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ロッキンマジックで毎回必ず手を入れるのがファインチューナー用の小さなスプリング。
画像の様にサビが出ている事が多い。
本来ならスプリングを取り外してサビを完全に落としたいがスプリングが細くて挿入量が
深いので外すとスプリングがたわんだり曲がる。←経験済み(汗)
しかも外す際に気を付けなければぴよぉぉ~んと飛んで行けば即終了。
(以前外した時はサドルごとビニール袋の中に入れて作業した)
なので柔らかめの歯ブラシと先を潰した赤ちゃん綿棒で表面上のサビを除去するしか
出来ない。
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組み込み調整も完了!
ピックアップ載せ替えやレバースイッチ改造で苦労しましたが、大きな収穫もありました。
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ディマジオIlluminator、めっちゃ良いです!
トーンゾーンのブーミー?マッシー?なグシャッとした歪みがドライになった感じ。
それでいてパワー感も十分有る。
ジョンペトフォロワー以外でも試してみる価値はあると思います。
ただしディマジオあるあるで同モデルのフロント&リアなのにフロントは何故か
中低域がかなり太い。リアからフロントへスイッチするとドン!と来る。
それを緩和すべくフロントの高さを下げると旨味成分も減少する…
とは言え久し振りにディマジオで汎用性の高いピックアップに出会えた気がする。
難点は流通量が少ない事か。
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猛暑、いや酷暑が続きますしオミクロンも厄介ですが皆様ご自愛されますように。

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MG-340X EMG SA&81 サスティナー基板の電解コンデンサーを全交換する編

 2022-06-09
本当に久し振りにサスティナーカテゴリーでのブログ更新になります。

まず最初に改めての告知になりますが、最近何故かサスティニアックステルス、ステルスプロの取り付けや
モデファイのお問い合わせが増えております。
当店で作業をお受けしているのはフェルナンデスのフルモードサスティナーのみになります。
サスティニアックはお取り扱いしておりませんのでご了承下さい。
また、フェルナンデスサスティナーキットは在庫切れ、次回入荷未定につき現在新規の取り付けは
お受け出来ない状況です。

さて、今回はMG-340Xの作業をご依頼頂きました。
340X表記ですしサスティナー基板の仕様からしても間違いなくホンジュラスマホガニー期のMGです。
お客様からよくお聞きするのですが最近フェルの国産モッキンの中古相場の値上がりが凄いですね…
某オクでもTEJとモッキンは販売時の定価超えが珍しくはないとか。

今回の340Xはプレイヤーズコンディションではありますがトップのメイプルもしっかり杢目が出ているので
今や貴重な1本なのかもしれませんね。
とりあえず電池を入れ替えてサスティナーをチェックしてみるも駆動ゲインがガクッと突然下がる時がある
ものの、とりあえずは動いています。

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まぁ基板の設定でも見てみるか…と、コントロールパネルを開けてみると…
えっ??
思わず声出ちゃいました。
基板にサビが発生しています。

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今まで様々な劣化したサスティナー基板を見てきましたが正直ここまでサビが出ている基板は
初めて見たかもしれない。
と言うかこれでよく動いたなってのが本音。
不安定な駆動ゲインもおそらくこのサビが原因でしょう。


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半固定抵抗もこの通り。
どのみち交換するんですけどね。
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サスティナー基板だけではなくトグルスイッチやサスティーンボリュームも泥?みたいな
付着物が凄い。特にボディーエンド側に症状が集中している。
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ひょっとして水没したMGなのか?とも思いましたが今まで実際に水没したギターは
見てきております。
水没すると水分を含んだ木部が膨張して塗装が完全にクラッキングや剥がれてしまいます。
したがってこのMGは水没ではないのだろうとは思いますが、仮にバフ掛け時のワックスの
粘度が低く、コントロール内に侵入したとしてもサビは発生しないはずなのですが…
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基板パーツ面。
エグいです…
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普段出番は少ないものの効果は折り紙付きの工業用洗浄スプレーをぶっ掛けて
柔らかめの歯ブラシでやさしく擦ってみる。
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気持ちマシにはなった程度…
この先の困難を覚悟したところでサスティナーは後回し。
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まずは減ったフレットの交換です。
今まで見てきたスルーネックのMGにしてはクセは少ないですが、ロッドを締めると
やはり波打つのでしっかり指板修正します。
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フレット打ち完了。
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仕上げ完了。
使用フレットはJESCAR#55090です。
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組み込みに入る前に全域をワックス掛け。
コントロールだけではなく表面のPUザグリにも例の汚れが…
でもこれは1弦側のみなのでバフ掛けの際のメンツェルナワックスかもしれない。
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クリーニング完了。
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今回はフロントのドライバー下ダミーPUカバーをEMG SAへ、リアは81で組みます。
つまりサスティナーOFF時のフロント出力はドライバーではなくSAになります。
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いよいよこの時が来た。来てしまった。基板と向き合う時が。
まぁ初っ端はデカイの外すかとスイッチ2個外したら底面は…予想通り…
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とりあえずスイッチと半固定抵抗、見た目にヤバそうな電解コンデンサーを交換してみる。
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もちろんEMG仕様なのでアクティブ化の改造、駆動ゲインアップ化も行う。

で、本体に仮組みしてサスティナーの駆動チェック。
やっぱりねぇ…駆動ゲインが不安定。
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心臓部のハイブリッドICはブラックボックス化の為にコーティングされているので
おそらく大丈夫だろう。そもそも心臓死んでたら動くわけないし。
と、なると原因は電解コンデンサーとプリとパワーのオペアンプか。
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1個1個交換してはテストってのも面倒なので一気に全交換!
ただし今後使用しないフロントドライバーPU出力化のプリアンプ部は手を付けず。
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何とか仕上がりました!
サスティナーが正常に作動する状況まで組んでからフロントのSA用の出力調整トリムを
追加。画像では100kΩを付けていますが最終的には50kΩで完成。
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バッテリーボックス裏面までも…
クリーニングすれば問題無いパーツですが何となく気分的にモヤるので新品へ交換。
これは私のモヤが理由ですのでパーツ代金は当店負担です。つーか在庫有ったので。

結局コレは泥だったのか?コンパウンドの類だったのか?
最後まで結論は出ず。
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ナットを無漂白牛骨で作ってセットアップして完成!
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サスティナーはSA設置の影響でスタンダードモードの巻き弦で少し倍音被りぎみ、
何故かミックスモード立ち上がりが少し遅い。
そして更に何故か普段は駆動に苦労するハーモニクスモードがギンギンに動くと言う(笑)

このレイアウトは今まで何本も組んでますが思い起こせば全てロングスケールだったかも。
やはりミディアムスケールで同じ事をしてもロングスケールの様な結果にはならないですね。


毎回実際に組まないとどんな症状が出るか分からないのですが。
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冒頭に書きましたがサスティナーキットは次回入荷未定です。
それゆえにサスティニアックのお問い合わせが増えているのでしょうけど。



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臨時休業のお知らせ

 2022-06-03
明日4日(土)は都合により臨時休業とさせて頂きます。
ご了承下さい。

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トレモロアップ止め最新アイテム! FU-TONE Brass Tremolo Stopper 編

 2022-05-02
何の規制も無いゴールデンウィーク。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
当店は明日3日~5日はお休みとさせて頂きます。

さて、久々のトレモロアームアップ方向の動き止めネタです。
ピッチシフトキャビティー有りのギターにDチューナー搭載なら必須、
ルックスだけでフロイド要るけどアーム使わないしチューニング狂うのはイヤ…
そんなギタリストの救世主、遂に現るか?なニューアイテムをご紹介。




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まぁ当店も今まで色々やってきました。
一時はトレモルノ付けまくりでしたがトレモルノもアルミ製ゆえに耐久性が…
で、こんな加工やって
http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-411.htm
l試行錯誤するもやっぱり実績重視の加工に戻って
http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-425.html
と、結局トレモロアップを止めるには太いイモネジに落ち着いていましたが。

今回はトレモルノからニューアイテムへの載せ替え編。

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FU-TONE Brass Tremolo Stopper です!



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まずはトレモルノを除去。

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お客様のご希望でスプリング2本張りを試す…

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が、スプリングハンガーを結構締め付けるもトレモロは水平にならず。

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で、3本張って

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トレモロ水平セッティングを詰める。

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さて、ブラストレモロストッパーの出番です!
その名の通りブラス(真鍮)の金具に太めのイモネジがセットされている。
結局色々考えるもイモネジ作戦に落ち着くのか?
当店の検討と奮闘は上に貼った過去ブログをご覧下さい。

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きっちり水平出しが終わったので真ん中のスプリングを移動させて設置位置を確保。

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仮置きしてみる。
この画像をよく見れば分かるがブラスブロックの中心線とイモネジの中心は真っ直ぐではない。
やはりブラスの切削加工物にきっちり垂直なビス穴を開けるのは難しいか。

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今までもイモネジで色々やってきたので、ここは今まで通り、
イモネジの先端の平面とサスティーンブロックをきっちり面で当てる事を
最重要課題とする。

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ブラスの土台本体をボディーの中心に合わせるとイモネジは「点」でブロックに当たり
「面」では当たらない。
なのでイモネジの先端とブロック接触部の当たり具合で位置決め。

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ビス穴2本開けて固定完了。
少しブロックが斜めってるのが分かりますかね?
最初このFU-TONE取付けのご依頼時にネットで検索してみたんですね。
するとスコットイアンやスラッシュのギターに付いている画像が出て来る。
その画像を見るとブラスのブロックがモロに斜めってるんですね。
あ~いつもの外人アルアル精度か。なんて思ってたのですがね。
斜める原因の全てが製品精度とは言わないが製品精度にも多分に責任は有るかと。

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2本のビスで固定しますがイモネジ下の矢印で示したビスがトレモロアップのパワーを
受け止めています。
つまりこのビスを緩締めの状態でイモネジの先端とにらめっこしながら2本目のビス位置を
決めます。

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イモネジを緩めればトレモロはフリーフローティング状態。

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締め込んでサスティーンブロックに当てればアップ止め。

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そして緩み止めの六角ナットを逆締めして固定。
実際はイモネジに正方向の締め付けトルクを掛けながら六角ナットを逆締めする。

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精度云々を置いておいても当店が行っている様なサスティーンブロックをトレモロから
外して加工するよりは工程がラク。
ただし当店の加工例とデメリットは同じでした。
かなり強くピッキングしたり下の画像の様にブルルン!と弦全体を強く揺らすと…

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ブラァァァン!と強烈な共振音が出ます。
トレモロが強いピッキングでクリケットする。するとイモネジとサスティーンブロックの
間が浮いたり設置したりで共振音が出ます。
また当然のごとくアームダウンからの復帰時もコンッ!と金属音が鳴ってしまいます。
六角ナットで固定が終わればトレモロスプリングを少し締め込む必要があります。
アームダウンのテンション感を確認しながらスプリングテンションを上げます。

まぁ色々書きましたがアームアップを止める確実な方法は今のところこの手法になるのでしょうね。

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どっか金型起こして精度バッチリのこの類いのアイテム作らないかな?
もしくは精度の高い加工技術でステンレスで作るとか。

ft21.jpg


例年なら汗ばむ陽気にもなるゴールデンウィークですが今年は少し寒いぐらいですね。
一度気温の上がった時期も有った為か最近ネック反りのお問い合わせが増えております。
ブリッジで弦高の変更を行っていないのに最近弦高が変わったかも?みたいに
感じられておりましたら6日以降にお問い合わせ下さい。
トラスロッド調整はご予約のうえご来店頂ければその場ですぐに作業致します。



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音楽活動再開準備!ヒスコレ3本フルメンテナンス編

 2022-04-16
まずはお知らせです。
来週土曜日23日は臨時休業とさせて頂きます。ご了承下さい。

さて、最近ご依頼の増えているフルメンテナンス。
まん防も明けて音楽活動の再開に向けての準備ですね。
聞くところによればライブハウスのブッキングも混雑しているらしい。
一時はライブハウスが諸悪の根源みたいな扱いだったので嬉しく思います。

今回はバンド活動再開の為のフルメンテナンス。
ヒスコレの56、57、エイジド59の3本フルメンテ作業編です。

当店のフルメンテナンスはお問い合わせの多い人気リペアメニューですが、
どんな作業? どんな道具やケミカル使って何してんの? どこまで作業するの?
のご紹介です。
ジャック交換など一部フルメンテナンス基本工賃外の作業も含まれておりますのでご注意下さい。
基本的に3本同じメンテナンス内容ですが個々の特徴の有る内容のピックアップになります。

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まずは56から。

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お預かり時の弦の劣化が著しく酷くない場合は軽くロッド調整してから
オクターブピッチを確認します。
下の画像の1&2弦の様に明らかにオクターブ合ってないな…みたいな場合は尚更です。
これは最終セットアップ時に張る弦になるべくダメージを与えない為です。
最終張る弦がコーティング弦であれば確実に事前に仮調整しています。

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この56のブリッジはワイヤレス(サドル押さえの針金の無い)ABR-1。
ワイヤレスABR-1の特徴としてサドル脱落防止の為にサドル取り付け部がかなりキツめ。
なのでオクターブ調整ビスを少し回すと…

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サドルをブリッジへ圧入?しているのか
ビスが曲がってしまっているのでサドルごと浮き上がってきます。

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サドル外して

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ビスを抜くとこんな感じ。
しかしこの曲がりを無理に修正するのは御法度です。
簡単に折れてしまいますので。

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ビス位置によってはサドルが浮き上がるのでワイヤレスABR-1のオクターブピッチ調整は
ある程度の妥協も必要だったりします。

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ピッチがきっちり合った2弦ですが残念ながらこの位置ではサドルが浮き上がって
しまっています。
この場合は近い位置でサドルがしっかり嵌まる所で妥協するしかありません。

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割と多いのが
「弦はまだ使える状態なのにオクターブピッチが合わない。ブリッジ・ナットの状態を
みてもらえますか?」なお問い合わせ。
特にコーティング弦を張られている方からのお問い合わせが多い。
サビていなくとも下の画像の様に巻き弦のコーティングが剥がれたり解れたりしていれば
既に弦としての生命は終わっています。
この状態では正常に振幅しないので。
したがってこの弦で行うオクターブピッチ調整はざっくり大まかな仮調整です。

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オクターブピッチの仮調整が終われば指板・フレットの研磨に入ります。
ピックガード外してピックアップ周り、ネック横、トグルスイッチ根元をマスキング。

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細かい番手のスチールウールで上下方向=弦と同じ方向に研磨。

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使用するスチールウールはボンスターの#0000。
ホームセンターなどでは見掛けない番手です。
手垢やホコリ、汚れの付着が酷い場合は#000で研磨してから#0000で仕上げます。

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なんだ。ただスチールウールで擦るだけか。これなら自宅でも出来るよね?
と、お考えになるかもしれません。
しかし細かい鉄粉が飛び散りますので防塵マスク、その鉄粉を除去する為の
シューターが必要です。
そして何よりも鉄粉を撒き散らしても問題の無い環境が必要です。

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研磨が終わると、

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ピックアップには鉄粉が付着します。
ちなみに今回の鉄粉はかなり少ない方です。
この鉄粉を吹き飛ばすにはコンプレッサーを使用したシューターが必要。
パソコン掃除用の缶ダスター等では圧倒的に力不足です。

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スチールウールでの研磨が終われば当て木にあてた銀磨きクロスでフレットを研磨、
そして指板用オイルを塗布します。

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オイルの染み込み待ちの間にP-90を外してみる。
P-90の固定ビスのビス穴周辺が割れていたりビス穴が拡がっていたりが多いので。
レギュラーラインのP-90やP-100の場合はビス受けのアンカーが抜けている事も多いです。

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ちなみにヒスコレP-90のカバーはビスの押さえ付ける圧力に負けているのか
元から成型が悪いのか横から見ると末広がり形状になっている。
ヒスコレはP-90底面とザグリ底面にスプリングを入れたりする様な余白は無いので
ぐいぐいビスを締め付けるとカバーにシワ寄せが来ます。
そしてそのカバー自体もレギュラーライン品に比べると肉厚が薄め。
カバーのビス穴周辺~ポールピース穴へかけて割れてしまっている物も珍しくありません。

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指板の余剰オイルを拭き取ったらボディー全体のクリーニング。
今回は丁寧に扱われているギターなので汚れもほとんど見当たらず。
なので家具用ワックスクリーナーで十分です。
汚れが酷い場合は本気ワックスを使います。

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ペグのギアボックス側面の油滲みが気になったので画像は無いですが
ペグ外してクリーニング。

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別に今回の様なメンテナンスでなくともギアボックス固定ビスに緩みが無いかは
普段からチェックしてみて下さい。

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今回は劣化はさほど酷くないものの、転ばぬ先の杖的に3本全てジャック交換。
プラグを刺して音の出る状態でプラグをグリグリ回転させて少しでもガリや接触不良が出るなら
交換をお勧めします。それほどにジャックのトラブルは多く、厄介な事に突然悪化する事も多いので。

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ノブ外してポットの緩み締め込む。

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あとは弦張って完成!

ではなく

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ナットの溝の中の汚れを掃除します。
デリリンナットなのでナイロンに薄く入ったキズの中に汚れが入り込んでいて簡単には
取れないので溝を切り直す感じのクリーニングです。

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このナット溝の汚れも弦交換の際にでもチェックしてみて下さい。
特に神経質になる必要はありませんが汚れが酷いと弦滑りに影響しますので。




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お客様お持ち込みのエリクサーを張ります。

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改めてロッド調整して

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弦高調整。
12F上から弦までの実測で調整します。
事前にご希望の弦高のニュアンスをお聞きしますし、お引き取り時に試奏して頂いてから
最終調整します。

これにて56の作業は終了です。

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お次は57。

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この57はワイヤード=針金有りのABR-1なのでワイヤレスの様な苦労は不要?と
思いきや、ワイヤードはワイヤレスとは逆にサドルとブリッジにアソビがあるので
ビスとサドルの噛み具合が緩いと特定ポジションを弾いたら共振音が出ます。

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なので噛み具合が緩いサドルは共振防止策を施します。
オクターブピッチを仮調整してサドルの位置が大体決まったらサドル前面、ビスの
根元にマジックで軽くマーキング。

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え?マジックで??
と思われるでしょうが防止策の施工が終わればアセトンで拭き取ってしまうので
問題ありません。

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サドルを外して分解。
ニッパーでサドルと噛み合う位置に僅かにキズを付けます。

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ほんの一部のビスを軽く崩す感じです。

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サドルを元に戻して終了。
この作業で一番難しいのはワイヤーの脱着だったりします。

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今回はペグ本体の汚れ、ヘッド裏面の汚れをワックス使ってクリーニング。

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最後にビス類の緩みチェック。
エンドピンやエスカッションビス、ジャックプレート、全てのビス類をチェックします。

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ポットの緩みは



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コントロールパネル開けてポット本体を押さえながら。

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トグルスイッチナットも同じ様に裏側からトグルスイッチを押さえながら。

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諸々調整して57完成!
一番時間が掛かるのは最終調整だったりしますけど。

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ラストは59エイジドです。

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この59もブリッジはワイヤレスなので
まずはオクターブの仮調整とサドルビスの曲がりチェックから。
特に酷い曲がりも無かったのでこの59はしっかりオクターブピッチ調整出来そうです。



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ちなみにABR-1の高さ調整。
せり上げワッシャーを回して調整しますが硬くて回りにくい物も多いですよね。
ラジオペンチや工具類で挟んで回してワッシャー側面にキズを付けてしまった物も
よく見ます。

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調整時は弦を緩める事も大切ではありますが少ししか回す必要の無い微調整の場合、
厚さ2ミリ程度のゴム板を

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せり上げワッシャーに当てて押し回すと意外に簡単に回せます。
これでも回らない場合は潔く弦をユルユルまで緩めて調整しましょう。
決して何かしらの工具で挟み回さないで下さい。

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さて、例の如くマスキングして指板&フレット研磨ですが、

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エイジドやヴィンテージなどウェザーチェックが入っていて塗装が剥がれる可能性が
ある場合はマスキングテープを貼る前にズボンをペタペタして粘着力を落とします。
そこまでしてもヤバそうな塗面のギターの時はピックアップ外してしまう事も有ります。

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ジャック交換。
2000年代前半以降の薄いジャックプレートはビスの締め付けトルクに要注意です。
強く締め付けるとジャックプレートの角が簡単に割れてしまいますので。
今回はお預かり時に既に1箇所割れてました。
プレイヤー指向が強く、実用性重視でこのジャックプレートが付いている場合は
見た目に拘らなければ金属製ジャックプレートへの交換をお勧めしています。



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ポットも締め付けてボディーもクリーニングして…

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ふと気になったのはピックアップ何かな?みたいな。
BB品番ステッカーが無かったので結局何か分かりませんでしたが

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ピックアップカバーのハンダ付けが雑なのが気に入らない。
過去にピックアップカバーを外した事があるのかもしれませんね。
アプライドステッカーが剥がれているのはその時か?

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なのでハンダ付けやり直しました。



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59完成!
やっぱかっちょいいね!!




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ようやくウィズコロナってこういう生活なのかな?なんて思える様にもなってきましたが
第7波なんて言葉も聞こえて来るのでまだまだ気は抜けませんね。


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レアなOVATION製ソリッドギター、PREACHERを2本作業。工夫を凝らし、真面目に作られたヴィンテージでした編

 2022-04-02
はじめにお知らせです。
4月4日(月)は臨時休業とさせて頂きます。ご了承下さい。

さて、今回はオベーションのソリッドギター、PREACHERを2本作業させて頂きました。
画像上のサンバーストのポットデイトが77年、下のナチュラルが76年、エレアコの
イメージの強いオベーションとしてはモダンな感じですが今やヴィンテージギターの
カテゴリーになりますね。
ご依頼頂きましたお客様は以前よりサンバーストを所有、最近ナチュラルを買い足された
との事です。



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まずはサンバーストの方から着工します。

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ピックアップセレクターがピンタイプのトグルスイッチからミニトグルスイッチへ交換
されています。これまでにリペア歴有りとお聞きしております。



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ボディー裏面のマイナスネジを外したら、



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ブリッジが外れます。

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ブリッジアースの線がクリップ式の留め具で固定されています。
この留め具を入れる事が出来るスペースが有ればしっかりとアースが取れる良い方法だと
思います。

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まずはフレット交換から。
長年弾いてこられた様で結構減っています。

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硬そうなエボニー指板だったのでフレットを抜く際に大きなチップが出ないか冷や汗
ダラダラでしたが、フレット近辺のみスチームを当てながら慎重に作業。
小さなチップもほとんど出ずに全フレットを抜く事が出来ました。

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続いて指板修正作業。

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指板修正に入る前にネックの詳細な状態を600ミリのスケール当ててチェックしていて
気付いたのですが、画像右側=6弦側の指板エンドが薄い。つまり6弦側の指エンドのみ
指板の跳ね上がりによるビビリ対策が施されています。
90年代のコンポーネント系で最終フレット付近の指板を意図的に落としているメーカーは
ありましたが70年代後半で既にこの様な工夫が施されていたのには驚きました。
「たまたまこのサンバーストだけの誤差なんじゃないの?」と思ってナチュラルの方を
確認したら同じ加工になっていました。
いわゆるヴィンテージとされる年代のギターでこの手法を取っているのは初めて見ました。

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指板修正完了。縞黒檀ながら木目が細かいので良い艶に仕上がりました。

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フレット打ち完了。
抜く時と同じでチップが出ないか不安でしたが無事打ち終えました。
ビビリな性格なので敢えて雨の湿度が少し高い日を選んで作業。

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フレットエッジの処理、すり合わせも完了してフレット周りの作業は終了…
なのですが、ネックとしてはまだ終わりではありませんでした。



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ネックジョイントに貼られた何かしらのラベルが塗装と固着してカリカリに乾燥しています。
基本的にデタッチャブルネックはネックとボディーの密着度が重要と考えているので
このまま組むのはちょっと気が引けます。

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綿棒にステッカー剥がしを染み込ませて当ててみるも完全に硬化しているらしく
何の変化も起きない…

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ならばと側面壁にマスキングテープを貼り、こぼれ対策をした上でガッツリとステッカー
剥がしを吹き付けるも残念ながら状況変わらず…

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結局めちゃくちゃ時間は掛かりましたが水研ぎ+バフで仕上げました。

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ジョイント面が仕上がって一息ついているとヘッド側面の打コンが気になり出す…
打コン周辺の塗膜が浮いているのでクロスや衣服が引っ掛かればペリッと剥ける
可能性が高い。

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ヘッド表面には以前に作業されたと思われしタッチアップ跡が有る。

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なので傷口の拡がり防止の意味合いでタッチアップ作業。
この薄い茶色はタッチアップ時に着色するとヘッド表面の様に逆に目立つ結果になりやすい
ので着色無しで作業。
指でなぞっても段差を感じないぐらいにしっかり仕上げました。

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ようやくボディー側に着工。

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まずはジョイント部から。
こちらは塗装の無い木部に直接ラベルが貼られているのでネックとは固着の状況がが少し違う。



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綿棒で少し水分を落としてはドライヤーを弱く当てて2~3ミリずつ剥がす。
気が付けば1時間半掛かってしまったが何とか除去成功!

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仕上げにオイルフィニッシュ用のオイルを少し染み込ませて完了。
フェンダーUSAはネックジョイントに製造工程のチェックシート?みたいなまぁまぁ
厚めのラベルを貼っているが何で貼るかねぇ…誰よりもデタッチャブルネックに関して
知っているはずのメーカーなのに。
とは言え自分もヴィンテージとして年代の推定や資料価値が有りそうなラベルは絶対に
剥がしませんが。

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お次は電気系。
今や懐かしささえ感じるビタミンQコンデンサーや配線材がウエスタンエレクトリックで
チューンナップされている。

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が、
ノイズ対策として貼られているアルミテープは堂々の重ね貼り。
重ね貼りすると粘着面で導通が途切れてしまうので意味が無い。

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ピックガードを外したボディー表面も同様。
なのでアルミテープを剥がして導電塗料を塗ってしっかりノイズ対策を施します。



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テープは剥がせどもねっちょり残った粘着面。

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必要箇所にだけステッカー剥がしを染み込ませてちまちま剥がします。

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導電塗料塗布完了。

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コントロールパネル裏面にアルミテープが貼られているのでザグリと通電させるべく
ビス穴周辺に銅箔テープを貼り、導電塗料を塗って導通を確保しています。

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次にストラップピンの位置を変更。
このサンバーストはカッタウェイ先端がオリジナル?かもですが数カ所に移設跡があり、
ストラップを掛けた際のバランス取りが難しい模様。
ギブソンのSGと同じ様なヘッド落ちかもしれませんね。

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ナチュラルの方はジョイント部が純正状態の様です。
なのでサンバーストもこの位置への移設をお客様から希望されたのですが、製造年たった1年
の違いでストラップピンの位置仕様変更が行われたのでしょうか?



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カッタウェイ先端の元穴は埋め木加工。

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コントロールはボリュームポット2個が近年のロングシャフトに交換されていましたが、
少しガリも出ていたので2個共カスタムCTSへ交換。
線材もウエスタンエレクトリックは除去。
ステレオアウト仕様のダブルジャックですが、お客様はモノラルアウトしか使わないとの
事でしたので、ステレオアウト側はダミー化。
モノラルジャックはスイッチクラフトへ交換しました。

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何故ウエスタンエレクトリックを除去したのか。
線材としては単芯の針金状で負荷抵抗も低く、高域特性は優れているので音質面だけで
なら良いケーブルだとは思います。

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ですがハンダ付けする被膜を剥いた部分をラジオペンチで挟んで、

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たった一往復曲げるだけで簡単に折れてしまいます。折れると言うかポロッと取れる感じ。
外装被膜が紙質ゆえに経年劣化で被膜内部にサビが出ている物も見た事があるので
高域特性は優れていますが個人的にはNGです。

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最後に無漂白牛骨でナット作って完成!
ではありますが時間を掛けて弦高=ブリッジ高を詰めてプレイアビリティーと鳴りの
バランスが取れたポイントを探しました。

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作業前はフレットが減っていたのもありますが生音の大きさ、音の拡がり、立ち上がりは
バッチリ向上出来たと思います。

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さて、2本目のナチュラルに着工します。
こちらはセレクタースイッチも純正でオリジナル度が高いのでお客様と打ち合わせのうえ
ヴィンテージとしてのキャラクター重視でメンテナンスします。

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まずはネックジョイントを外す。
こちらは何かしらの文章が読み取れます。

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何が書いてあるかは分かりませんが資料価値が有るかもしれないのでこのままにします。

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フレットもオリジナルでしたがやはり6弦指板エンドは薄くなっています。
真面目に頭使って楽器作りしてるなって感じ。

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コントロールもフルオリジナル。
ですがお客様と相談の上でアルミテープを剥がして導電塗料を塗る事に。
ちなみにアルミテープですが、厚みがしっかりあるので環境によってはアンテナ化して
逆にノイズが増えたり高域が減衰するハイ落ちの原因になります。
かなり前にブログに書いたと記憶していますが、60年代仕様やヴィンテージのフェンダーで
ピックガードとボディーの間にピックガードと同型の薄いブリキ質の板が挟まれていますが、
あの1枚を抜くと少しトレブルが強調されます。



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ポット類外して休憩中に何気にパネルを載せてみる。
落とし込みザグリとパネルに無駄な隙間が無い。
ある意味日本人的な作り込みを感じる。

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そしてまたまた粘着面剥がし。
ステッカー剥がしを染み込ませてはプラスチックのヘラでキズを入れない様に
少しづつちまちま剥がす。

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このプラスチックのヘラ、ステッカー剥がしを買うと1枚だけ付いてくるが耐久性は無い。
なので普段は先の曲がったヘラを削って再生したりピックガードの端材でヘラを自作したり
していたが、何と近所のホームセンターでヘラだけの販売を発見!
見付けた時は思わず「おっ!」って声出たわ(笑)

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剥がし終えたので導電塗料を。
今回もコントロールザグリとパネル裏面は銅箔テープで導通を繋ぎます。

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テープ貼ってから、塗る。

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電気系を元通り組んでステレオジャックを無効化、モノジャックのみ交換してから
一通りのフルメンテナンス作業、そしてセッティング。
トラスロッドカバーが交換されている様で、ビス穴が複数空いていたので不要なビス穴を
埋め木。

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ようやく2本共に完成。

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70年代後半でオベーションでありながらソリッドギター。
見る人によってはビザール系と捉えるのかもしれない。
しかしながらその作り込みは実に真面目で工夫に富んだギターでした。









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ジャパンビンテージレストア!VOL.2 Navigator by ESP LHストラト編

 2022-03-05
さて、ジャパンビンテージレストア2本立ての2本目はナビゲイターの左利き用ストラトです。

今も昔も左利きのプレイヤーはギター選びが難しく、欲しいギターに左利き用が
ラインナップされていなかったりされていても生産本数が極端に少ないので入手困難だったりと
皆さんかなり苦労されてきております。

今回のストラトも当時オーダーで製作されたらしく、買い換えるにも左用の選択肢は狭く、
ましてや国産となればより一層、新品・中古問わずとも難しい状況なのでレストア受注となりました。

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このロゴサイズ、形状からしておそらくはナビゲイターでも初期の頃では?と思います。
自分がギターキッズだった当時、シェルドンギターズに入り浸っていたのを思い出します。
その頃より隙有ればオーダーを勧めてくる商法は今のビッグボスでも健在みたいですが(笑)

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それでは早速着工。
何十年と弾き続けられてきただけあってフレットは激減りです。
弦直下の凹み減りはもちろんの事、ハイフレットもかなりぺったんこです。

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ペグもかなり劣化しており、外見だけではなく回転トルクもかなり重ためです。

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ギター全体の年齢の重ね方に比例した金属パーツのやつれた質感の空間にピカピカ新品の
ペグが付くと違和感しか無いのでペグ一式を外して徹底的にメンテナンスする事を決意。
決意とは言いつつその時が訪れたら溜め息出るんやろなぁ…と。

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早速ネックを外すもネックジョイントスクリューの根元が完全にサビている。
お持ち込み時にトラスロッド機能チェックで初めてこのビスのサビを見た時には
「あ~普通にビス外せて良かった~今日なんかツイてるんちゃう?」てのが本音。
と、言うのもこの手のサビはビスを緩めようとした瞬間に頭だけがポロッと取れて
ビス本体は木部に残る事が珍しくないので。
ラッキーを感じた反面、ジョイントビスがここまで茶サビに浸食されているなら
他のビスは…と新たな緊張感を感じた。

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無事にネックは外せました。

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トラスロッド調整部にはメンツェルナワックスが固着していてロッド調整がかなり硬い。
この後も頻繁に触る場所なので先に手を入れようかと。

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ビュレット抜き出して内部を清掃。ビュレットも研磨。
グリスアップしたら普通の力でロッドは回せる様になりました。

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ペグを外す。

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ペグブッシュも抜き取る。

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フレット抜いてまずは指板修正から。
問題となる様なクセは見当たらないのが救いでした。なぜなら…

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ラウンド貼りの指板がめっちゃ薄い!
つまり指板修正での削りしろが少な過ぎるから。
必要最低限の指板修正にとどめるつもりもハイフレットは少しハネ上がっているので
削らざるを得ない。

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ハイフレットの修正時には可能な限り無駄な力を入れず、数回治具を動かしては
スケール当ててキャンドリング。
「頼む!これでストレート出てくれ!もう削らなくて良いと言ってくれ!」みたいな
訳の分からない独り言を呟きながら何とか指板修正完了。
しっかりした金筋=木目からも分かりますが硬めで油分も少ない上質なローズ指板でした。

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時は進みフレットを打ち終わり、フレットすり合わせに入る。
年明け頃にDIY派の常連様にフレットエッジの面取りの方法を聞かれたので載せてみる。
すり合わせの研磨、中目に入ったあたりでエッジの面取りを行っています。
中目の段階で作業すれば面取りによる切削痕もその後の研磨で消せるので。

刃のへたった極細目の金属ヤスリで手首のスナップを効かせつつ「力を入れずに」
フレットエッジをなぞる様に削ります。
削り具合は見た目ではなく手に伝わる感触で判断。不思議と視覚に頼って整形しながら
削るよりも手に伝わるジョリジョリ感を均一にするイメージで面取りした方が綺麗に
仕上がります。←書いてて自分でも何言ってんだかよく分からないが(笑)

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仕上がり時までにはかなり研磨する=面取り面が摩耗するのでこれで結構削った感じです。

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フレット根元の傘の際の部分は極細目の目立てヤスリにて。
これも力を入れずにフレット根元の直線部からエッジの根元にかけて這わす感じで。
うん。これではたぶん何も伝わらないな。T様、また連絡下さい(笑)

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面取り完了。
研磨も完了。

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弦落ちを防ぐべくフレットの耳は立てぎみで仕上げるのでエッジの面取りは
演奏時、ポジションチェンジの手触りで感触を左右する重要な要素になります。
ごく稀に弦を張って最終調整まで進んでから「んん…もうちょいだな。あと本当ちょいだな。」と
面取り作業をやり直す事もあります。完全に自己満足の世界かもですが…。

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これもよく聞かれる。
「指板に塗るオイルって何使ってますか?」
以前もブログに載せた事がありますが大昔からフェルナンデスの424です。
別に高いオイルではありませんがローズネックオイルと言うだけあって指板が
良い感じに染まります。オイルの粘度も丁度良く、流れすぎずにしっかり導管に
残る感じ。

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ネック側の作業終了。
フレット磨いたり指板にオイル入れてる時には少しだけ憂鬱になる。
そう。これが終わればペグ研磨が待っている。
タイムリーな表現をするなら
「あー今日仕事終わったらワクチン接種なんよなぁ…って事は明日は熱出るんよねぇ…」
みたいな近い未来の確定された不幸を迎える不安から来る憂鬱感(笑)

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でもヤルでぇ~~!

完全にザラつきが出たペグ表面は強めに研磨確定としてもクルーソンは形状からして
細かい箇所にワイヤーブラシが入りにくいので本当は小回りの効く細目のスチールウールで
ゴシゴシやりたいところだ。
しかしギア内部への注油口が開いているのでギア内部に鉄粉を入れるわけにはいかない。
画像は撮り忘れましたがホームセンターに出掛けて大きめの歯ブラシぐらいの小型で
毛先が柔らかいワイヤーブラシを購入、木工用ヤスリやボール盤のサビを磨いて良い感じに
へたらせてからペグ研磨に投入。

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右が研磨済み。
画像では分かり難いですが目立つ傷も入らずにザラつきやサビを除去出来ました。

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6個研磨して取付け。

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もちろんブッシュも研磨。
組み付け時にはブッシュ内面とペグシャフト接触部にのみペースト状のシリコングリスを
薄く塗布。ギアボックスには注油口より粘度高めのスプレーグリスを注入。
ペグの手触り、回転トルク共にかなり改善出来ました!
ロトマチックではないので個別の回転トルク調整は出来ませんが実用上問題となる
硬さが残る場合は注油してからワインダーで100回ほど空回ししてグリスの馴染みを
促進させる事もあります。
画像では付いてませんがテンションガイドもきっちり研磨済みです。

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ようやくボディー側着工です。

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フロント&センターは珍しいダンカンのカバードタイプ。
中身はスタックコイルのハムバッキングでした。
興味が出たので後の組み上げ時にフロントだけサウンドチェックしました。
バーチャルビンテージやFURYに慣れた耳にはかなり中域寄りに感じられました。
やっぱハムはハムでしたわ(笑)





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そして蘇る緊張感。
もしお手持ちのギター、ベースでドライバーや六角レンチ差し込み口が崩れかけている
ほどにサビが出ているなら外す際は慎重にお願いします。

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ご自分で外すのが怖い場合はご相談下さい。

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「あのー錆びたビスを外そうとしたら頭だけポロッと取れてビスは木部に残ったので
リペアお願い出来ますか?」とお問い合わせ頂く前に
「サビてて外すのがヤバそうなビスがあるのですが見てもらえますか?」的な
お問い合わせを頂く方がまだ救われます。誰が救われる?←私が。(笑)

お客様が折ったビスは「あーあー仕方ないな…」なテンションで作業になりますが
私がビスの頭を飛ばしたなら「仕方ない。直すゼ!」と開き直って新たなアゲテンションで
作業に当たれますので(笑)
つまりサビで折れるビスはどんな外し方をしても折れる時は本当に簡単に折れます。


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前置きが長くなりましたが冷や汗かきながらピックガード外しました。

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トレモロも外してボディー研磨に入るゼ!ってな所で、

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表側からは「軽く研磨するかな?」程度に見えたエンドピンは

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ビスの根元が激サビでした。
この頃にはサビ耐性が出来上がっていて「あ、やっぱりね。サビてるね。」なテンション。
エンドピン一式交換確定の瞬間でした。

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さて、今回はポット類、レバースイッチはもちろんですが、ピックアップも載せ替えます。
抜群の安定感を持ったロングセラーでド定番、ダンカンSSL-1を3発です。
当然レフティーモデルでセンターは逆磁逆巻きのRWRP。
やはりハーフトーン時のハムノイズキャンセルは便利ですので。
ちなみにこの組み合わせ、センター+リアのハーフトーンでは良い感じの色気が有ります。
カッティングでもフレージングでも気持ちいいザ・シングルコイルサウンドが楽しめます。

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ド定番にはド定番なりの理由がありますのでストラト弾きの方で最近ヴィンテージ路線の
高域寄りサウンドに飽きてきた方は是非お試しを。

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シングルコイルのマウントには付属のゴムチューブは使いません。
ヴィンテージ模倣コンセプトの作業時以外はスプリングを使います。
理由は画像左端の純正ゴムの成りの果ての通り、ゴムチューブは加水分解でいずれ
カッチカチになって反発力ゼロになってしまうのが分かっているので。

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今回のノブ類はローレット付きなのでミリ規格シャフトしか使えません。

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したがってミリ規格シャフトのカスタムCTSを使います。
回転トルクが元のポットよりかなり硬めなので分解してグリスを入れ替え、
スムーズポット化して回転トルクを軽めに改造します。
前から気になってますが表記はカスタムCTSのミリ規格シャフト品、コレたぶん
カスタムCTSやなくて普通のCTSやと思う…
カスタムCTSよりキャップ部分が明らかに薄くて柔らかいんですよ、
ベースプレートの質も違う。

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配線完了!!

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上から見たらこんな感じですが、

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はい、ポット間アースは側面でしっかり取ってますよ~!

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新品エンドピンをフエルトワッシャー挟んで取付けて

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ボディー側完成。

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実は配線作業してる時には既に例の憂鬱感に包まれておりました…
憂鬱感第二弾は「たぶん簡単には取れないぞサビサビイモネジ付きトレモロ」
の研磨作業です。

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はい。普通に取れたイモネジは12本中4本だけでした。

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残りはバイスにサドル固定して食い切りで回し引き抜きます。
このサビきったイモネジは再利用しないので遠慮は要りませんが食い切りを強く
握り過ぎるとイモネジ自体を折り切ってしまうので力加減が難しい。

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意外にすんなり抜けて一安心です。
この作業が最も大変なのは取付けビスがオフセットしたフェンダーのアメスタです。
アメスタはイモネジとサドル内面が両方とも強烈にサビて固着するので油を差そうが
ワイヤーブラシでサビをある程度除去しようが毎回苦労します。
完全固着アメスタに比べれば今回は楽勝でした。

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ついでにサスティーンブロックまでも分解。
断面の色を見ても分かりますがブラス(真鍮)ブロックでした。
こういう所、ジャパンビンテージは本当に真面目に作ってるなと感じます。

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ベースプレート裏面のサビや汚れはワイヤーブラシでササッとクリーニング。

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サドルの弦穴は綿棒をプライヤーで潰して掃除。



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研磨・組み込み完了。



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新たに取付けたイモネジ、サドル固定ビスはステンレス製です。

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トレモロスプリング、スプリングハンガー、ハンガー固定ビスも新調。

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ネックジョイントプレートの裏面はワイヤーブラシで研磨、クッションプレート内面には
青サビが固着していたのでクッションプレートは新品へ交換します。

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なんかチタンみたいな質感。良い感じのくすみ具合です。
さり気ない主張の小さなESP刻印。

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ナット製作してセットアップ。
左利き用は毎回ナット製作での溝切り微調整が難しい。

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完成!
弦高セッティングは感覚ではなく12F上で弦との距離を実測で調整、細かいニュアンスは
お客様に試奏して頂いてからご希望に沿って微調整します。
普段からも数値である程度の弦高を調整してから自分で弾きながら感覚での微調整を追加、
お客様引き取り時に試奏して頂きながら最終調整ですが左用は自分の感覚での微調整が
難しいので。

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これも毎度の事なのですが、外したパーツ類は全て返却しております。
おそらく今後使い道は無いので処分される方も多いとは思いますが
ギターと共に長い時間を過ごしてきたパーツ類なので邪魔にならないなら
保管される事をお勧めしたいところではあります。

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ここまでブログ2本に渡り長々と書きまくってきましたが、お付き合い頂き有難う御座いました。
また明日から新たなレストア作業に着工致します。

とは言えですね、またもや憂鬱感に包まれているんですよ…
次のレストアが大変だから? いえ、違います。

まだね、何も手を付けていないんですよ…

確 定 申 告 。

もう期限まで一週間無いし(汗)






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