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状況報告⇒お客様の反応⇒「はぁ??ブリッジが曲がる?反る?」ギブソンABR-1&ナッシュビル編

 2019-06-15
今回は前から書こう書こうと思っていたブリッジのネタです。

と、言うか実は頻発している症状なのですが毎回お客様に症状を説明するのが難しく、
次回からは「このブログを読んで頂ければお分かり頂けます」的な業務お助けネタでもあります。


皆様お馴染のギブソン純正ABR-1(ワイヤードタイプ)とナッシュビルです。
いすれも新品ブリッジへ交換、取り外し品になります。

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当たり前の話、両ブリッジとも金属で出来ています。
金属でこの程度の質量があれば簡単には変形しないと思われていますが…
↓ の画像をよぉぉぉ~~~く見てみて下さい。
なぁ~~んとなくブリッジの頭面が直線ではない様に見えてきませんか?

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分かりやすい様にスケールを置いて光を透かします。まずはナッシュビル。
でも待って下さい。
薄いスケールを指で支えながら逆の手でカメラのシャッターを押すのは非常に難しい…

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なので少し厚みのあるアルミのプレートを置いて撮ります。
アルミのプレートが曲がっている様にも見えますがこれは歪曲収差と言ってカメラのレンズの
都合なので気にしないで下さい。
また画像の水平が取れていない事もご容赦下さい(笑)

両端はプレートとブリッジ頭面が当たっているが真ん中は隙間が空いて光が透過しているのが
分かりますね?

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次にサドルを外したABR-1。
こちらの方が隙間の幅が大きいです。

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いずれも長期間弦のテンションを支え続けた結果、指板Rとは逆方向にブリッジが反ってしまっています。

実際の症状としては1弦・6弦を適正な弦高にした際に3弦・4弦の弦高が低い。
3弦・4弦を適正にすると1弦・6弦が高過ぎると言った感じ。
軽症であれば1弦・6弦のサドル弦溝を少し深く切ってバランスを取る事は出来ますが
今回の2本のブリッジの様に「曲がり・反り」が酷くなると残念ながらブリッジごと交換しか
改善方法がありません。
「え?金属製のブリッジが弦のテンション如きで曲がるの?」と思われるかもしれませんが
これが現実です。弦のテンションによる圧力は半端ないです。
なるべくは弾かない時には弦を緩めてあげて下さい。

そしてこの症状はギブソンに限りません。GOTOH、信越などの日本製ブリッジでも同様です。
ドイツ製=シャーラー製のナッシュビルでも同じです。

お手持ちのギターのブリッジがABR-1&ナッシュビルタイプで弦高調整を行っても
どこか気持ち悪い場合は一度ブリッジの曲がり・反りをチェックしてみて下さい。


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FLOYDROSEのアームアップ止め加工はしばらくこの方法でやっていくしかないかな…編

 2019-06-01
今回は漢のギター、1ハムのランディーVです。

ご依頼頂いたのはフローティングフロイドローズのアームアップ方向止め。
アーム使わなくともルックス的にはやっぱフロイド付いてないとね~
しかしアーム使わないならフロイドは単なるチューニング狂い製造機である。

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アームアップ止めは以前下記ブログを書いてから何本も同じ手法で作業させて頂きましたが
やはりもっと手軽な方法はないかと…
http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-411.html
いや、ぶっちゃけ結構大変なんですよ。↑ の作業って。

なのでオーソドックスな手法、「何かしらを挟み込む」クラプトンブラッキーな原点回帰を
模索すべく木片よりは遥かに強度のあるアルミの板材やら角柱やらカーボンのブロックやら
色々素材を集めて検討したんですけどね…

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やっぱり肝心のサスティーンブロック対面のボディー面が平面出てないのよな。
塗装の凹凸をある程度研磨したら平面出た様に感じるけどスケールやスコヤ当てると
ダメ。
ブリッジの強いテンションを面で均等に受け止められるか?と言えば全然ダメだ。

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で、モヤモヤ考えるのにも疲れたし何よりこの時間が勿体無い。
結局いつも通り「面」で支える事は諦めて「点」で受け止める作戦だ。

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と、まぁボディー側はすんなり作業が進んでな、いざサスティーンブロックの加工に取り掛かろうと
したのだが…
よぉぉぉ~~く見たらブリッジベースプレートに対してサスティーンブロックが垂直出てないのな。
極僅かにだが後ろ方向=ファインチューナー側へ傾斜している。

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本当に極僅かなので角度調整にはロックナット高さ調整用のシム、0.1ミリを挟んだ。

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そして穴開け。

いやぁ~焦った。
焦り過ぎて画像撮るのを忘れたがサスティーンブロックのほぼ真ん中に施工したのだが
何とこの位置までブリッジプレートと固定用のビス穴が来ててな、急に片側だけ素材の硬度が
変わった為か「パッキィ~~ン!」と激しい音と共に鉄鋼ビットが折れて吹っ飛んだ!!
ボール盤の回転数はこの加工のいつもと同じ設定だし最初は何が起きたのか分からなかった。
ケガしなくて良かったわ。ホント。

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幸いサスティーンブロック側には何もダメージは無かったので新しいビットを買いに行って
無事貫通。
ネジ山のタップ切りまで来た時には汗ダクになっている自分が居た。
まだ涼しい時期だったのにバタバタした汗と冷や汗でTシャツびちょびちょ。

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多少トラブルは有ったものの作業完了。

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組み込んで調整。

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ちなみに今回はトレモロスプリングの共振止めもご要望でしたのでスプリング内に
ウレタン入れてみました。
オールパーツでコレ用のパーツ出てたから使いたかったけど在庫切れ&納期未定…
早くしっかりしたディーラーがALLPARTSやってくれんかね。。。

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同時期に他作業でお預かりしたフロイド付きギター数本を同じ観点でチェックしてみたが
やはりサスティーンブロック対面がしっかり平面出ている物は無かった。
なので当面フロイドのアップ止めはこの手法でいくしかないかなと…
本当は「面」でしっかり止めたいのだけれども。


今回の作業の趣旨が何たるやかをお分かりになりにくい場合は冒頭に貼った以前のブログを
お読み下さい。



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ファインチューナーの無かった頃のフロイドローズを知っているかい?そのサウンドは凄かった編

 2019-05-15
今回はかなり古いフェルナンデスのFSTを徹底的に作業させて頂いた。

お客様が昔弾かれていて最近カムバックの為に再登板する1オーナー物である。
当時ブラッドギルスに憧れて購入されたそうだ。

おそらく80年代にフェルナンデスがフロイドローズの正規代理店になった初期の頃のモデルではないかと思う。

なぜなら

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ファインチューナー搭載以前のフロイドローズ。
FRT-3が搭載されているからだ。
今の若いギタリストはファインチューナーが付いていて当たり前だろうが
この初期のフロイドには付いていない。
E.ヴァンヘイレンが世に知れ渡りだした頃と同構造の元祖フロイドローズである。

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まずはフレット交換から着手。
これがねぇ…驚きと言うか感心したと言うか。
今まで一番目にしてきたフェルナンデスは猫も杓子もエレキギター!だった80年代後半~90年代
の物が大半だったけどネックが厳しい…物が多かった。
具体的に言えば順反りました⇒ロッド締めました⇒ローフレット側は逆反り、ハイフレット側は順反り、
あぁ…波打ってしまったか…それでは一番波打ちの程度の緩いポイントでロッド調整は諦めて
他で何とかセッティングするか…
みたいな物が多かった。
今回はそれ以前のモデルだけにお預かり時の一番最初にネックをチェックさせて頂いた。
何と!クセが無いのよ…順反ってはいたがロッド締めても波打ちにならないのよ…
「何だ…バカ売れ⇒大量生産前は真面目に作ってたのかよ…」ってのが正直な感想。
もちろんこの個体は長い年月の保管状況が良かった事もうかがわれる。
したがって毎回苦労する指板修正はすんなりと進行出来た。

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さて、ボディー側である。

フロイドのスタッドは木ネジ式。
そして6弦側が少し倒れている。

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現行でも厚めのメイプルトップ等の硬いボディー材なら木ネジ式でも問題は無いが
今回はスタッド&アンカー式へ変更する。
ネジ頭マイナス溝が少しサビて形状もナメているので抜く際はマイナスドライバーは使わない。

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国産のネックジョイントプレートがドンピシャのサイズだった。
ちなみにレスポールのテールピーススタッド等の太いマイナス溝にはネックジョイントプレートが
結構合う。フェンダーUSAのヴィンテージ寄りモデルのプレートは肉厚が薄め、
国産やアメスタ等は厚め。3種類の厚みのプレートを事あるごとに工具として使い分けています。

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抜き取り完了。
6弦側は一度スタッド倒れ修理をした跡が見られる。

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ちなみにPUザグリはハムのモデルと汎用の形状。

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位置出ししてアンカー埋め込み完了。

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現行フロイドローズのスタッドは木ネジとは違い細かいネジのピッチでスタッド高が微調整出来る。
が、ネジのピッチが細かいだけに少しのピッチズレで高さ調整時に引っ掛かりを感じる事が多い。
スタッド挿入前に粘度の高いシリコングリスを薄塗り(アンカー内)すると良い。
そのグリスの画像が無くてゴメンね。お客様の機械屋さんから分けてもらった業務用グリスなので
パッケージ等が無いんですよ…

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分解時、ピックガードの固定ビスが緩かったので全ビス穴を埋め木+空け直す。
そして導電塗料塗布。

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さて本題?のフロイドローズだ。

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ファインチューナー搭載後、コピーモデルも含めて「持病」とも言えるのが
このアーム取り付け部。
上下のデルリンワッシャーが六角ナットと別々に回ってしまうので締めつけても締めつけても
すぐに緩んでしまうのである。
以後のモデルでアームホルダー的なパーツが付く様に進化はするがそのホルダーも
激緩みだった。
若い頃、自分はソレが相当ストレスだった。

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今回は徹底的にヤルのだ。
だからアームはアーム、アームホルダー自体の緩みとは無縁の現行フロイドの物へ交換しようと思う。
ベースプレートのアーム差し込み穴を拡大してアームホルダーを付けるのだ!

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普段フロイドコピー物で作業する機会が多いから今回も「はいはい、いつも通りねぇ~」
って感じで着工…

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が、

マジでメイドイン独、マジでしっかり作られたフロイドは一筋縄で行かなかった…

か…硬い。

100Vのボール盤では全く歯が立たない…

汗だく(冷や汗含む)になりながら奮闘するも僅かに面取り程度しか削れない。

それでいてパワー掛けるとベースプレート自体の「たわみ」を感じる。

ここは無理すべきではないと判断。

プランBで何とかする事にした。

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プランBはその昔、タバコを吸ってはいけない年頃の頃にタバコを吸いながら
バイク屋のおっちゃんに教えて頂いたアイデアだ。

六角ナットとデルリンワッシャーが別々に回るから緩みやすい⇒一体化とまではいかないまでも
六角とデルリンの間の「スベリ」を無くす。
つまり両者の間に座金ワッシャーを挟む。

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組み込み完了!
くりくりくりくりくりくりくりアームを回してみるが六角ナットが緩む気配は無い。
現状でやれる加工ではこれがベストだろう。
いずれ緩む事はあるだろうがノーマル時の頻度とは比べ物にならない。

そう言えば数年前に実家付近へ立ち寄った際、件のバイク屋は無くなっていた。残念だ…

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フレット打ち完了後、いつも通り電装系(PU以外)は全て入れ替えて組み込み完了!

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危惧していたロックナット締め込み時のチューニングのズレだが金属加工精度がピンピンに
立っているこの頃のナットベースが良いのかテンションバーの高さ=如何に弦がロックナットに
密着するかをネチネチ調整したのが良かったのかきっちり弦を伸ばしてから
クランプを締め込み後、チューニングの狂いは酷い弦でもラック式チューナーで10セント以下に
収まった。
これならファインチューナーが無くとも十分使える。
まぁ#したら微妙な力加減で弦を引っ張って延ばすってな工夫程度は必要だが。

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仮組みの段階で気付いた、いや、驚いたのだが普段耳慣れたフロイド付きギターとは
「鳴り、鳴り方」が違う。
文章で表現するのは難しいのだけれどもフロイド特有の金属的な高域は出ているものの
ボディーへベタ付け設定、スプリング5本張りのストラトに似た膨らみのある鳴りが出る…
この分厚い鉄製のサスティーンブロックのせいだと考えがちだがブラスや合金製の
サスティーンブロックをここまで厚みはないものの鉄製に交換すると普通は一層ソリッドな感じ=
金属的な冷たい高域が増すものだ。
なのにハーモニクスの広がり方を含めて何処かシンクロブリッジのストラト的な鳴りになった。

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何で??って考えながらもセッティング出しで長時間弾いていたが思い当たる箇所としては
ファインチューナーが無いからこそのメリット、
サドル底面が全面でベースプレートに接地している事だ。
ファインチューナーが付いているとサドルが2ブロック構造になり弦をロックしている
後ろ側のブロックはベースプレートから必ず浮く。
一番弦に直結しているサドルの最重要部がブリッジのベースプレートから僅かながらも必ず浮く。
これこそが現代で言うところの「フロイド付いたギターの音」と呼ばれる鳴りの原因かもしれない。

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もちろん今やヴィンテージ枠の年代のギターなので木材自体の「鳴り」もあるだろうが、
本当に良いギターに仕上がったと思う。
オーナー様にはこれからまたガンガン弾いてもらいたい。

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ちなみに以前(2012年)にFRT-3についてブログを書いていたみたいだ。
http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-112.html
書きながらFRT-3ってどんな特徴有ったっけ?と検索したら自分のブログがヒットした(笑)
トーンガレージの黎明期?まだ2名体制でやってた頃だな。懐かしい~

当時書いたブログのFRT-3はサスティーンブロックの底面=スプリングを挿す面がスラントして
いた様だが今回のブロック底面はフラット。どちらが古いのかは自分には分からない。

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Orville LP &Tokai LS80 徹底的にレストア!過去の自分を叱りたい編

 2019-05-11
連休前までバッタバタだったので中々マトモなブログを書く時間がありませんでした。
久々徹底的シリーズですが大体内容は毎回似たり寄ったりなので今回はサラッと(笑)

季節は春先の事、80年代のレスポールを2本同時進行で作業させて頂きました。
別々のオーナー様です。
1本はオービルのレスポールスタンダード。バイギブではありませんがオーナー様の
思い入れの詰まった大切なレスポール。
もう1本はトーカイLS80。今やジャパンヴィンテージのレスポールでは代表格でしょうか。
(画像は完成時)

作業内容はいつもとほぼ同じ。
木部。PU以外は全交換です。
金属パーツもオービルはきっちり作られていた頃のグローバーペグは流用するも
ブリッジ、テールピースは交換。
トーカイはペグも交換。

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さぁサラっと書いていきましょうか。

なんて言ってるがオービルの指板修正に入ったところで手が止まった。
何故ならこのオービルの指板は今やほぼ見る機会の無い本当の意味での
ローズ指板。インディアナローズだったから。

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今からもう30年近く昔だろうか。
当時はギターエンジニアスクールに通っていた。
その時はローズ指板=インディアナロースでしょ?ってぐらい当たり前の素材だった。
むしろインディアナローズ以外のローズって何?ぐらいの知識だった。
それが今や代替え素材が主流になり、インディアナローズなんてほぼ見る機会はなくなった。

が、

このオービル。ボディートップの木目もフィルムプリントの廉価版ではあるが木目の詰まった
上質なインディアナロースが使われている!
思わず防塵マスクを取ってダイレクトに匂いを嗅ぐ。
そうそう。コレコレ。
当時は防塵マスクなんて付けずに指板を削っていた。
この鼻の奥に突き刺さる様なツーンとした刺激。懐かしい!
削り粉をジップロックで保管したろか?と思うぐらいに久し振りの再会だった。

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トーカイの方も負けてはいない。
一瞬でペーパーを目詰まりさせる油分が非常に多いココボロだ。(たぶんココボロ…)
酸化して褪色していると一見ではグラナディロと区別は付き難いがコッテリ且つ非常に細かい
粒子が恐ろしいペースでペーパーを消費させる。
でもサウンドはそのイメージと対照的で個人的には意外とブライトな類だと感じる。
2000年代前半のフェンダーCS、タイムマシンシリーズでもよくお目に掛った記憶がある。

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そんなこんなでフレット打ち、導電塗料まで完成。
ここからが本当の勝負の始まりだ。

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とか言っておきながらトーカイさんのブリッジスタッド交換、オリジナルのスタッド抜きは
導電塗料塗る直前まで後回しにしていた←逃げてた(笑)

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理由はこのスタッド根元の茶サビ。
かなり内部まで進行してそうな茶サビ。
この類は慎重に慎重に慎重に抜いても
「プリッ♪」とした想定を遥かに下回る軽いトルク感と共にサビた根元で折れる。
折れると言うかねじ切れる。
折れたらスタッド周辺を何回も何回も何カ所も何カ所も細いビットで穴を開けまくって
スタッド救出作戦を展開しなくてはならない。←ホンマめっちゃ大変な作業なのよ…

木部に余計な油分は吸わせたくないが根元にシリコンオイルを染み込ませる。
シリコンオイルが十分染み込むまで寝かせるべくしばらく放置←逃げてた(笑)

いざ覚悟を決めて背筋に変な汁が流れる感覚でゆっくりとゆっくりとゆっくりと
力を加えて回す…

「キュキュキュ……クリッ!!」

回った…いや…折れたか?←マジで冷や汗流れた

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…先っぽ木ネジ仕様だった(爆笑)
こりゃ~おっちゃんLoveRockさんに1本取られたわ~

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さてそのトーカイさんのPU。

何と両ボビン共にアジャスタブルポールピース!

全ポールピースを抜いて研磨。(右側が研磨完了組み込み前)

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何とPAFだぜPAF!!
ゴトーのだけど。

この後でオービルに積むPUカバー付きのバーストバッカーと共にロウ浸け。

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オービルさんはオービルさんでハードケース(ギブソン物)の持ち手が破損している。

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内張りを少しめくってM3ビスや緩み止め座金ワッシャー等挟んで持ち手金具を固定。

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修理完了!
この頃(つっても画像は無いから分かり難いだろうが)のボブレン製でしっかりしてた頃の
ギブ箱は結構持ち手のトラブルが多い。
以後の年式は持ち手自体が千切れる軟弱仕様へ、中古屋泣かせ仕様へと進化する(笑)

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2本共に完成!

作業前の試奏から感じてはいたし組み込み時からは確信に変わったのだが、

「鳴る」

2本とも近年の本家のクソ高いレスポールよりも「鳴る」そして音の芯が太い。

もはや当時の定価、実勢価格なんざどうでも良い。

結局肝心なのは木部である。木さえしっかりした物を使っていればヤル事やれば
出音で応えてくれる。

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トーカイLS-80に至っては現在の中古価格は完全にヴィンテージギター枠の値付けになっている。
ただ単に古いから人気があるから値段が高い?
中古屋店頭に置いてある吊るしの状態を試奏すればそう思うかもしれない。
真価は本当の鳴りを引き出してこそ分かる。
オービルもこのLSも近年のレスポールしか弾いた事の無いギタリストが弾いたら何て感想を言うのだろうか…


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さて、何で過去の自分を叱りたいのか。

トーンガレージ前は今は無き中古・ヴィンテージショップで仕事をしていた。
その頃売れ筋は当然ギブソンフェンダーヒスコレタイムマシーン。
何故か4キロより軽いヒスコレLPがもてはやされるサウンド面からしたら謎な時代だった。
確かに2000年代前半のヒスコレは軽いし作り込みも良い。
しゃら~んとしたヌケ重視の鳴りが好きなレスポーラーにはお勧めである。
しかし音録りしたら分かる。
重たく感じる80年代近辺の日本製レスポールの方が音作りに汎用性が高い。
つまりは太くて芯がありつつ倍音が広がるのだ。(もちろん徹底的に手を入れたギター前提でね)
と言う事はPUの選択は重要になるが演奏ジャンルが幅広く対応出来る。
ブルース、メタル、歌モノ、何でも来いだ。

話は当時の自分に戻る。

お客さん「レスポールの買い取りお願いします。」

自分「はい。いいですよ!(ヨッシャ!←心の中の声)」

自分「メーカーはどちらでしょうか?」

お客さん「オービルなんですけど押入れの中に眠ってて」

自分「…もちろん大丈夫ですよ~(ガッカリ↓←心の中の声)」

決してギブソンじゃないからとメンテナンスに手を抜いたりする事は無かったが
想定販売価格からしてそれほど入念に手を入れるわけにもいかなかった。
ジャパンヴィンテージ物が人気な時代ではあったけれどそれは本家に比べて
遥かに安価な販売価格ありきだったと思う。

購入されたお客さんも販売していた自分も、買い取り時にガッカリしていた自分も

本当の価値には気付いていなかった。

思い出せばあの頃にもアタリ個体は結構有ったのよね。
無意識なれどメンテナンス完了時に必要以上に長い時間弾いてた個体。
販売価格だけで物事考えて「何故無意識に長い時間弾いてしまうのか?」
の原因を追及しなかったバカな自分。

冒頭ではサラッと書くとか言いながら
インディアナローズの匂いを思い出しながらダラダラ書いてみた。




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レバースイッチのお話し編

 2019-04-06
レバースイッチと言えばストラト・テレに限らず代表的なPUセレクタースイッチだ。
トグルスイッチと合わせて1950年代から基本構造は何一つ変わっていない。

今回はそんなレバースイッチの代表的機種とその特徴について等のつまんないお話しだ(笑)

まずは王道のCRLレバースイッチ。(画像は某大手通販サイトから拝借)

近年値上がりが激しいものの1950年代より現代までを生き抜いてきたレバースイッチの代表格。
商品の中にはクライオ処理が施された音質・耐久性向上品もあるが基本的にレギュラー品で十分耐久性は高い。
ただしスイッチング時のクリック感は柔らかく、レバー本体も左右にアソビが結構あるので
カチッ!とした切り替え感が好きな人には少し心許無いかもしれない。
とは言え1950~60年モノのヴィンテージギターでは当時のオリジナルスイッチが未だ正常に機能して
いる場合も多く、その耐久性たるや驚くしかない。
操作感に違和感が無ければ信頼性は一番高いスイッチである。









CRL


そしてそのCRLの日本製コピー品の代表格がこのDMシリーズ。
見た目にはCRLと似ているが基本性能・耐久性は残念ながら足下にも及ばない。
今から30年近く昔だろうか、ギターメーカー勤務時にこのDMを搭載した製品(もちろん新品)で
接触不良が多発。倉庫の在庫200本以上のスイッチを全て交換する
「レバースイッチ交換祭り」は未だ記憶から消える事が無い(笑)
思えばそのメーカーでは何度か同種の「地獄祭り」が開催された…
近年の国産ギターではDMより後述のYMの方が目にする機会は多いが両者共に
トラブルの問い合わせを頂く度に心の中で「ですよね。DM・YMですしね。」ぐらいの感覚だ。
特にDMは接点不良以外にスイッチ基部のプラスチックパーツの破損も多い。
切り替え感はCRLに比べてアソビが少ないので感触は悪くないがそのスムーズさ故に
強度不足なのかもしれない。


DM-50

では「なぜレバースイッチの接触不良等のトラブルは起きるのか?」
とりあえずまずはここに触れておこう。
当店でも「レバースイッチの接触不良・ガリ」のリペア依頼は四六時中である。
レバースイッチのトラブルを経験された方も少なくはないのでは?
上記のCRL、DM共に中身丸見えである。
すなわち切り替え接点が外気に直接触れている。
外気に直接触れると言う事は湿度の影響も直接受ける。
これにより接点は酸化、劣化。分かり易く言えばサビるって事だ。(目に見えて明らかにサビるわけではない)
1950年代ならまだしも、現代でこんな風に接点が剥き出しのスイッチが他の業界にあるだろうか?
「古き良き」を重んじ過ぎる楽器業界独特の風習でもある。

しかしながらCRLでもトラブルが起きる人も居るしDMを長年使っていてもノントラブルな人も居る。
両者は何が違うのか?
それは「レバースイッチの切り替えを頻繁に行うか」だ。
切り替えを行う事で酸化した接点同士が擦れ合わさるのでクリーニングされる。
そう。レバースイッチの接触不良が起き易いギタリストは
「オレはストラト使ってるがバッキング主体だからリアしか使わないゼ~」な人や
「ジャズしか弾きませんのよ。だからフロントしか使わないのですのよ。」な人、
そして「ギターと言えばソロでしょ!24時間スイープやるゼ!」等々。
要はそんなギタリストでもギター抱えてテレビでも観てる時に何気にガチャガチャとスイッチを切り替えて欲しい。
これはトグルスイッチでも同じである。

それだけでスイッチの寿命は変わる。
もちろんヤリ過ぎると接点が摩耗して劣化するが。


なら接点が外気に触れてないスイッチはどうなのか?

ここからはクローズドタイプ=密閉型のお話し。

国産ギターで一番よく目にするクローズドタイプはこのYMシリーズだ。
少し古いフェンダージャパンなんかでお馴染み。
確かに切り替え接点が外見では見えないクローズドタイプなのだが…
DMの欄でも書いたが実にトラブルが多い。
軽い接点不良時に試しにレバー根元のスリットから接点復活剤を吹き込んでやれば症状が改善したりする。
と、言う事は接点は完全に密閉されてはいないのだ。
ハンダ付けする端子部からも少し接点基板が見えたりする。
DMの様なオープンタイプに黒いカバー付けました!程度と考えても良いかもしれない。

正直近年DMは目にする機会が少なくなったがこのYMは未だ現役である。
ギターメーカー側としてはおそらくは新品保証期間内のクレームも多いはずだろうが何故使い続けるのだろうか…
たぶん原価が安いのだろう。
切り替え感は「カタカタカタ」と軽いクリックがあり使用感は悪くはない。









YM-50




そして個人的には一番信用しているレバースイッチがコレだ!
OTAX製のVLXシリーズ。
先述のレバースイッチ交換祭りにおいてDMから一斉に交換したのはこのVLX。
もう何十年も変わらず高いクオリティーを維持している。
今までの長いリペアマン人生においてもコイツの接点不良に出会ったのは僅かに数件だ。
切り替え感は「コココココ…」とスイッチが今どの位置に有るかが少し分かり難い。
CRLからこのVLXに変えたら違和感を感じるだろう。

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端子部は完全に密閉されている。

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レバー基部の隙間から覗きこんでも中身は見えない。

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まぁそんなこんなで
お客様から指定が無い限りはCRLとVLXしか使う気がない。

が、

初めて見たのは今から数年前。
そして先日も訪れたコイツ。

お客様「レバースイッチがおかしくて…切り替えても音が出る時と出ない時があるんです」
とお持込み頂いた国産新品購入ギター。
ワシ「ハイハイよくある症状ですね。メーカー保証でスイッチ交換されては?」
お客様「そうなんですけど急いでいるのでスイッチ交換お願いします。」

中を開けて驚いた!
パッと見はVLXらしきスイッチが付いていたのだ。
でもね…何か変…レバーの太さとメッキの質感が違う。

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本物VLXと並べたら分かるのだが微妙に厚みや角の立ち方が違う。

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そう。なぁ~~んでもコピーする某大陸某国製。

あのなぁ…もうコピーするななんて言う気はせんわ。
ワシも密林で安いコピー物(ギター関連ではない)買って喜んでたりする事あるし(笑)
見た目は許す。でももうちょい中身のクオリティーを上げてくれんかね?

つーかMade In JAPANのギターにこんな怪しいスイッチ使うなよ。
今は新品ギターが売れずに国産各メーカーが苦労しているのは重々承知しているが
こんなスイッチ付けてるといずれもっと苦労するぞ?
そして出来ればYMも使わないでくれ。

ちなみに最近の大陸製ギター廉価物にはオープンタイプの得体の知れないレバースイッチが付いているが
端からお話しにならないクオリティーなので今回は割愛する。

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もはやコントロール内を一見でVLXの様な白いスイッチが見えても安心出来ない。
側面のシールの有無を確認しないと安心出来ない世の中になってしまった。


ちなみにVLXには回路数の多い別モデルもある。
アイバニーズがVAI配線によく使っている4回路タイプ。

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こちらも重要な切り替え接点部はきっちり密閉されているので安心出来る。

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今回はつまんないDM・YMスイッチ叩きのブログにお付き合い頂き申し訳なかったが結論を言います。

レバースイッチがトラブったら

交換するのは

CRLかVLXにしましょう!

CRLは販売先表記、もしくはパッケージに5way、3wayの表記が絶対あります。
VLXは53が5段、54が3段切り替えです。


あ、スイッチ・ポット・ジャックの軽い接触不良等で接点復活剤を使われる方も多いですよね?
その際は「鉱物油・鉱物性」の物は使わないで下さい。
身近に有るメジャー物で言えばKURE 5-56、CRCは厳禁です。
鉱物性オイルはYMやVLX4回路に見える黒い部分、普通のプラスチックを溶かします。
必ず信用出来る楽器メーカーの販売する接点復活剤やオーディオ用の物を使用して下さい。
電気部品への使用禁止が書かれていないシリコン系グリスで粘度の低い物がオススメです。


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Seymour Duncan FV&LP M.シェンカー&R.ローズ 近年マトモなシグネイチャーモデルが無いですね編

 2019-03-30

Seymour Duncan FV&LP M.シェンカー&R.ローズ 近年マトモなシグネイチャーモデルが無いですね編 の続きを読む

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VINTAGE POT メンテナンス '53~'54 STACK POLE & '60 CENTRALAB 編

 2019-03-02
ここ最近ヴィンテージポットのメンテナンス依頼が重なりましたが
少し前のブログが検索でヒットしてのお問い合わせ、ご依頼が多かったので
改めて書いてみようかと思います。


まずは1953~54年製のSTACK POLE製ポット。

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まずは分解。

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端子に残ったハンダを除去。

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画像では分かり難いですがメインシャフトを引き出すには真ん中の端子にポンチ止めされた
ワイヤーを外す必要がある。
が、ポンチは一度外すと再利用出来ないので無理せずにこの状態でクリーニング。

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クリーニングも新たなグリス塗布も高級赤ちゃん用綿棒(ちょっと高いヤツは毛羽立ちにくい)
の先端をペンチで潰して平たく、そして細くして使用。

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キャップ部に残ったハンダも除去。
除去後のアップ画像撮るの忘れた…

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組み立て完了。

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シャフトの根元のCリングは少し捻れていたのでバイスで挟んで捻れを修正。
その後表面のサビや汚れを除去。

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元位置へ取り付けてポットメンテナンスは作業完了。
このCリングの締め付け具合によってポットの回転トルクが変わる=硬くなるので
慎重に力を入れ過ぎない様に締め込んではシャフトを回してトルク確認しながらの取り付け。

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完成!

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今回はストラトのピックガードアッセンブリーごとお預かりしていました。
オリジナルから78年製CTSへ交換されています。

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そのCTSと入れ替え配線。
使用したハンダは銀の配合率が0.2%以下とツヤの少ない鈍い輝きの仕上がりになるハンダ。

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左側のミニポットのハンダが普段メインで使用しているkester44。
右のポットの入力端子のハンダと光り方の違いがお分かり頂けますかね?

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光り方の鈍いハンダですが私は当店お客様の銅線材取り扱い業者様より分けて頂いた
謎の(笑)ハンダを使っています。その業界では専門性の高い部分で使用するらしいですが
ヤニも入っているのでフラックス等も不要で普通に使えます。
たまに以前のブログを見たお客様より「ツヤの少ないハンダって何ですか?」とお問い合わせを
頂きますが似た様な仕上げになる代替え品としては鉛フリーのハンダがあります。
ただし鉛フリーのハンダは融点温度が高くい為、普通のハンダこてでは扱い難く、
温度の高いハンダこてが必要です。そして温度の高いハンダこてはその温度故に
パーツ側への熱ダメージも大きくなるので短い時間で確実にハンダ付けする技術が必要です。


続いては1960年製CENTRALAB。

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CENTRALABはシャフト根元にメーカー刻印が入っている物と入っていない物がある。
今回は入っていた。

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分解。

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分解前に回転させると少しザリザリした感じだったし
キャップに茶サビが出ていたので嫌な予感はしていたが…

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シャフト筒の内側にも茶サビが出ていた。

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シャフト筒はメインシャフトとのクリアランスの兼ね合いもあるのであまり強気で攻められない。
なので中目のコンパウンドを綿棒に付けて力を入れずに根気強くサビ取りをする。

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アルミ製のメインシャフトも劣化で白い粉が強固に付着していたので
極細目の研磨スポンジで磨く。

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カーボン抵抗には深い轍が出来ていた。
これも接触不良やガリの大きな原因の一つだ。

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もちろんガッツリ研磨出来る部分では無いので極細目のアクリル用コンパウンドを
極少量使用して軽ぅ~~く研磨。
そして研磨後はパーツクリーナーでコンパウンドを完全に洗い流す。

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深追いはしてませんが何とか轍を浅く出来ました。
カーボン抵抗の抵抗値を計測すると作業前と変わらなかったので無事成功です。

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各部のグリスアップを行ってから組み込み。

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完成!

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今回は335用のオリジナルのスプラグコンデンサー、アースワイヤーを移植。
もちろんハンダは件のハンダを使用。

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ストラトと違い今回はPUが無いので出音チェックは自作の直結クンを使用。
入力端子がオープンなので「ぶぅぅ~~」っとノイズが出ますがそのノイズを利用して
ボリューム、トーンが正常に機能しているかをチェック。
このチェックでは特に接触不良やガリは気にならなかったのでメンテナンスは成功かと。

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ヴィンテージポットのメンテナンスは
「なるべくはフルオリジナル、当時のパーツ類だけで構成されたギター、全てが同じ齢を
刻んできてこそ生み出される音を愉しみたい」とヴィンテージの味わい方を正しく理解されて
いる方にお勧めです。

普段より「徹底的にメンテナンスシリーズ」なんかでは容赦なく電気系にも手を入れてますが
ヴィンテージの場合はオーナー様との打ち合わせを経て作業方向を決定しています。

なんて言ってる時にご来店のミントコンディション1952年製レスポール!
(ポットメンテナンスとは無関係です)

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そしてそのアッセンブリー。
今後の配線時はハンダをごってり盛った方がリアルに仕上がるかな?(笑)

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James Tyler の平行四辺形ハムバッカーをSuhr SSH+へ載せ換える編

 2019-02-16
今回は久々にマニアックで変態的な作業ネタで更新です。

常連様のJames Tylerのフロント&リアPU交換、配線レイアウト変更です。


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まず初っ端の難関はこのリアなんですけどね。

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平行四辺形…

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土台は樹脂製プレート。
しかも各ボビンの両端から直接配線取り仕様。

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載せ換えるPUはSuhrのSSH+。
当然平行四辺形ではなく至って普通のハムバッカー。

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とりあえず並べてみた。

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そして作業をどう進めるか悩む。

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淡い期待を抱いてボディーに当てがってみるが当然入らない。
そしてこの特徴的で硬度の高い塗装をルーターでザグるリスクの大きさに怯む。

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なので土台はJames Tylerを流用し、SSH+の具材を載せる事にした。
(純正PUを再使用する事が出来なくなる事はお客様了承済み)

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まずは分解。

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使用するのはこの土台だけ。

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続いてSuhrも分解。
上側コイルのアジャスタブルポールピースの根元に有る金属製マウントプレートの
存在を覚えておいて欲しい。

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まずはPUケーブルを通す穴をSuhrのプレートと似た様な位置に空ける。

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土台は樹製なので導通が無い。
すなわちポールピースのアースが落ちない。
ポールピースのアースが落ちていないと何かの際に指がポールピースに触れると
ジージーとノイズが出る。
なのでアースラグを使って一工夫。

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ボビン固定ビス⇒ベースプレート⇒アースラグ⇒アジャスタブルポールピースマウントプレート
の順で組む。

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アジャスタブルポールピースマウントプレートはマグネットと接触、
マグネットはフラット側ポールピースに接触。
つまりアースラグに全てのポールピースが導通する。
そして通常は金属シャーシーにハンダ付けされているPUケーブルの裸線へ接続。

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仮組み。

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この時点で抵抗値計測。
問題無く移植成功!

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きっちりメンディングテープ巻いて

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ロウ浸け。

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James Suhr SSH+の完成(笑)

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今回はフロントもダンカン59Jrへ交換するのだがここにもトラップが潜んでいた。
ダンカンのケーブルがザグリ内に綺麗に収まらない。
あと少しだけケーブルが細ければイケるのでまずは外装皮膜を問題となる箇所まで剥く。

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角が大きく面取りされているので気付き難いがPUザグリ自体の寸法は一般的な
サイズより狭いのだ。PUサイズにきっちり。全く余幅は設けられていない感じ。

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熱収縮すれば薄手になる肉厚の収縮チューブで線材を保護。

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いやぁ~~何とか無事に収まってくれました~~

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レバースイッチのハーフトーン位置でフロント&リアは自動コイルタップ、
更にミニスイッチでもタップ可能な配線レイアウトへ。
狙ってた利便性の高いサウンドバリエーションは確保出来たかと。

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普段サスティナー絡みでPUを分解する機会が多いのでこの様な移植作業もあまり抵抗なく
取り掛かれますが実際の作業は結構苦労します…
でもね、狙ってた通りに組み上げれた時は嬉しいのよ。
だからこんな無茶な変態作業も楽しく?出来るのかな。
大変だからあんまりやりたくないけど(笑)

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Strandberg LEDA 8 Signature ハウリング(発振)対策、チューナーつまみ硬いねん…を作業する編

 2019-02-09
さて、今回は昨年の秋に7弦をブログアップしてから更にお客さんからの質問が増えたストランドバーグの
8弦編です。

パッと見で日本製ストランなのは分かりましたが
作業前、このLEDA 8に関して何の前情報も調べてませんでした。

今回ご依頼頂いたメインの作業はPUのハウリング(発振)止めです。
チェックすると確かに激歪みではリアが発振⇒PUカバーを指でグイッと押さえれば症状は止まったので
原因はカバーの共振。ロウ浸け確定。
念のために症状の出ていないフロントも同時作業です。

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まずはPUを外す。

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ん?この線材の質感、このポジション表記のシールは…
ベアナックルに似てるな…

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PUカバー内部を覗き込むとカバーの底面にちょろっとだけロウが見える。
一応ロウ浸けは施されているがこの程度ではカバーの共振を止める事は出来ないだろう。

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ロウ浸けの為にウレタンを剥がす。
やっぱりベアナックルだった。
ここで初めてこのLEDA 8について検索してみた(笑)
PUはベアナックルのアフターマスとの事。
そう言えばストランドバーグ以外の多弦でもアフターマスの持ち込み取り付け依頼多いです。

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さて、早速ロウ浸けに入りたいところなのですが問題が一点。
このカバーに空いた取り付けビスの穴。
早い話製造時のロウ浸けではこの穴からロウが流れ出してしまうのでカバー底面に
ちょろりんとロウが残るだけになったワケですね。
つまりこの穴を塞いでロウ浸けしなければならない。

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ビスが入り込む様に皿穴加工になっているので中々きっちり塞ぐ事が難しい…

考えた。

M3のタッピングビスとナットを使う。
フェンダーが大好きで自分は大嫌いなシングルコイルPU用のマウントゴムチューブを
短く(薄く)カットして蓋にした。

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底面は六角ナットで固定。
ゆっくりテンションを調整しながらビスを締め込みゴムチューブが潰れ具合と穴の塞ぎ具合を調整する。

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ロウ浸け完了!
溢れんばかりにガッツリ溜め込んだ。
これなら完全に共振は止められるだろう。

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PU側が一段落したのでボディー側へ手を入れる。
昨秋にブログアップした国産7弦同様にPUザグリ内には導電塗料が塗られていない。
(コントロールザグリには塗られている)

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PUザグリに導電塗料塗って有線でアーシング。
もはやストランお約束のブリッジアース部もアースラグ加工して確実アース化。

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再取り付けするPUはウレタンがへしゃげた時にもPU調整の反発力を得られる様に
PUスプリングも併用。

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配線周りもデフォルトだと不要な線材がトグロ巻いてたのでスッキリ仕様へ少しカットして
配線。

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さぁこれからがストランドバーグで一番面倒な作業だ(笑)
弦を交換する。
ブログアップ以降ストランドバーグに触れる機会が多かったので自分なりに弦張りの
コツが分かってきた気がする。
新しい弦を張る際、まずはチューニングノブを全て外しネジ部がネック側最奥に入るまで
しっかり弦を引っ張ってからロックナットを締め込む。

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この1弦の様にネジ部が出た状態でツマミを付けてチューニングすると
チューニングが合う前に締め込み限界=ネジ切り限界に達する。
ツマミを付けたままで緩めきったと思っていても内部で引っ掛かってネジ部が
出た状態になっている事があるので確実なのはツマミを外して目視確認である。

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ここまでネジ部が入り込む様にしっかりと弦を引っ張らないとナットで弦をロックしては
ならない。

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今回はギターが新しい為かツマミの回転トルクがかなり硬かったので
ツマミ取り付け前にセラミックグリスを塗った。
↓ 画像では分かり易い様に多めに塗っているが実際はツマミ内側のネジ部、
ブリッジ本体側ワッシャーと当たる面に薄く、ちょうどオロナイン軟膏を塗る程度で良い。
これでスコスコまでは行かないが締め込み時、「指の指紋が無くなるんちゃうか?」な
硬さはなくなった(笑)
ユーザー様がご自分で塗られる場合はネジ部根元のワッシャーがデルリン素材っぽいので
セラミック、シリコン系グリスをお勧めします。間違ってもモリブデン系は使わない様に。
なるべく硬い粘度のグリスが望ましいのでシリコン系ナットグリスの類も良いかもしれない。

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ナット側の余剰弦はチューニングが完全に終わるまでカットしない。
先にも書いた様にブリッジ内での引っ掛かりが有ったりするとナットを緩めて弦を
再度引っ張り直さないといけない事もあるので。

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今回はお客様お持込みのSIT弦、ストラン専用8弦を張らせて頂きました。

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が、

8弦はナット底面のお皿を外さないと弦が通りませんでした…専用のはずなのに…

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ネック調整、オクターブピッチ調整後、激歪み爆音でハウリング(発振)チェックして完成!

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時節柄FacebookでNAMMショーの記事を目にする事が多いのだが
今年はストランドバーグ以外でもマルチスケール採用のギターが目につきましたね。
ヘッドレス以外、そして手の届き易い価格帯でもマルチスケールが出てくれば
もっと広がるのかな?
少なくとももっと数多くのギタリストが試奏出来る機会が無いと現状以上のマルチスケールの
浸透は望めないだろうし。

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YAMAHA MG RM-PROⅡ ロッキンマジックプロⅡトレモロ アーム欠品の中古多いよねぇ~編

 2019-01-25
ヤマハのMGでブログを書くのはもう何回目だろうか。

この小ぶりなサイズ感のギターには現代でも通用するアイデアが詰め込まれているんですけどね。

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ロックナットが3ミリではない。「オレ達ヤマハはフロイドさんの仲間にはならないゼ」的な
余計な拘りが現場では「え?レンチ合わないやん!」な混乱の元にはなるのだが。

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1.5ミリレンチでロックナット前面の高さを調整出来るのはスバラシイ!

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アームダウン状態で細やかなオクターブピッチ調整が出来るのもスバラシイ!!
後年同方式を導入しているアイバニーズより調整作業性能ではこちらが上だと感じる。

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今回も徹底的に作業させて頂いたがフレット交換を終えてから
まずは導電塗料塗布。有線でアーシング。

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このな、ダイレクトマウントジャックな、取り外しも締め込みも普通の工具入らないんよな。
前から自作のオリジナル工具使ってるけど今回破損してしまった…(悲)

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電気系入れ替えて割れていたコントロールパネルは削り出しで製作。
裏面にアーシング用のアルミテープを貼る。

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と、まぁここまではいつもの徹底的シリーズと同じ様な内容なのだが。


今回の主役はRM-PROⅡトレモロ。

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外してひっくり返したら何かの基地?工場??みたいに見える巨大トレモロだ。
弦のボールエンドを切らずして張れる機構も後年アイバニーズ、二世代目の
ロープロエッジよりぶっちゃけ使い易い。

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もちろんザグリも巨大でオリジナリティー溢れる形状。
すなわちポン付け互換のある他社トレモロは期待出来そうに無い。

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さて、今回の主題。

やはり生産終了よりかなりの時間が経過しているので今回の様な美品も少なくなったが
何よりも「専用アームバー欠品」の中古が多い。当然メーカーはパーツ販売終了。

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実はロープロエッジ用、2LE2-1Bアームバーが代用出来る。
「代用」と書いたのは完全に純正互換として使えるのではなく
「とりあえず使える様になる」程度でお考え下さい。

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いきなりブッ挿して入らない場合はアームトルク調整用のサムナットを外して
ブラス製スリーブを抜き出す。

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ブラス製スリーブをゆっくりと差してサイズを合わせる。
全く入らない場合はアームバーの白い樹脂カラー2個にバリが出ていたりバー本体への
はめ込みが甘い事がある。
しっかりバーにハマっているか確認、それでもスリーブに入らない、入り難いのであれば
軽く、かるぅ~~くライターでカラーを炙る。

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取り付け完了。
トルク調整用のサムナットは純正アームでもあまり効果がなかった記憶がある。
ブラス製スリーブが飛び出してこなければ十分である。

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最奥部まで挿し込んでも純正の様な「しっかりハマッた感」は無いが
ボリュームノブとは干渉しない高さにはセッティング出来る。
もしノブに当たる場合は少し引き抜くかブリッジのセッティングを再確認する。

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ヤマハのMGは現代でも十分通用するギターだと思ってます。
今まではあまり気にしなかったけど今回ゆっくりサウンドチェックしたんですよね。
するとセンターのシングルコイルは強烈にトレブリー!
ハーフトーンでカッティングしたら高域ヌケるヌケる!
当時はラックシステムでの音作り前提でこんな高域の味付けにしたのかな?
現代のハイゲイン系アンプ直やコンパクトエフェクト中心の音作りでも良い感じだと
思うのですが。

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レアで完成度の高いジャパンビンテージ!Jaramar The Super ハラマーのストラト編

 2019-01-11
あけましておめでとうございます。
遅くなりましたが本年最初の更新になります。
今年も当ブログ、トーンガレージを宜しくお願い致します。

さて、新年1発目は年末に作業させて頂いたレアなジャパンビンテージです。

Jaramar The Super 

ハラマーのストラトです。

ネットで検索すれば詳細に説明していらっしゃるページも見付かりますが
78年より2年間だけ製作された原山ギター製作所のオリジナルブランドとの事。
長年楽器業界で仕事してますが実機を作業させて頂くのは初めてです。
後々書きますがやはり日本人が作るギターはこうでなくっちゃね!的な名品です。

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ブリッジは残念ながら欠品。

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ジャパンビンテージではお馴染みの8角形ペグ。

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ペグのコンディションも良好。

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そして指板は何とエボニーのラウンド貼り!!
(後にこのエボニーにかなり苦しめられる…)

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ボディーはホワイトアッシュでONE PIECEのスタンプがあるが…

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実際はセンター2ピース。
でも杢の詰まった良いアッシュなので別に2ピースでも構わないと思う。

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お客様からお預かりする際にはあまり気付かなかったが分解時に入ってから
このハラマーの製造精度の高さに驚く。78年~、80年代初頭に気配りの行き届いた
ギター作りをしていた工場が有った事に驚きだ。

さて、まずはフレット交換。

いや~これがね、作業途中の画像撮る余裕が無かったぐらい大変でした…

硬かったのよ。このエボニー。

元フレット抜くなりチップ出まくり。ここぞの裏ワザ使っても出るチップ。
指板修正中に削り粉を飛ばそうとエアー吹きつけてもチップが飛んでそのチップ探しに
しゃがみ込んで1時間…腰が痛くなった(笑)
言うまでもなく新しいフレット打っても出るチップ…
フレット打った⇒チップ出た(悲)⇒そのフレット慎重に抜く⇒更にチップ出る(涙)⇒
チップ修正⇒指板研磨⇒フレット打ち…
通常のストラトの3倍以上時間と手間が掛ったかな(疲)
↓ 画像はようやくフレット打ちが終わって一息ついた時に1枚も画像が無い事に気付いて
慌てて撮りました(笑)

しかしこの硬くて割れやすいエボニーをどうやって綺麗にラウンド貼りしたんだろうか…

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エボニー=黒壇(こくたん)ではありますが
普段ギター業界でエボニーと呼ばれている物は大体が「縞黒(縞黒壇=しまこく)」と
呼ばれる黒壇よりは少し下のグレードのエボニーです。(分かり難い説明でスマヌ)
黒壇は真っ黒で木目や杢筋の無い物ほど良いグレードとされています。
そんなのは楽器業界にはほとんど入ってきません。日本では仏壇業界に直行です。
そして今までの個人的経験上では黒壇は縞黒より少し硬い。
硬いが故に脆い。⇒チップ出まくり。
近年カッチカチの上質な黒壇を削る機会はほとんどありませんが今回のエボニーは
ほぼ黒壇?な硬さでした。
↓ のフレット作業仕上がり時画像では薄っすら縞が見えますけどね。
まぁ末尾で触れますけどこんな上質のエボニーを作業する事はこの先無いでしょうね。

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欠品していたブリッジはお客様お持込みのウィルキンソンVSVGを取り付け。

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スタッド距離間の狭い場合にも対応出来る事が多く、何かとリプレイスでは便利なブリッジ。

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アーム後部のサスティーンブロックに設けられたアームのトルク調整ビス。
当たり前だが本体組み込み後はグイッとアームダウンして調整する事になる。
が、その体制でアームバーをクルクル回してトルク感を確認出来ますか?
なので取り付け前にある程度アームバーの回転トルクを調整する。

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電気系はPUを除いてお客様お持込みのパーツ類を組み込み。

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さて、これなんですよ。
気配りの行き届いた作り込み。
本家では絶対に見ないジャック奥部のザグリ加工。
本家では壁面にジャックのホット端子先端が当たってても無理クソ組み込んでますけどね。
普通なら「本家フェンダーが無理クソ組み込んでるんだからウチも同じで良いじゃない」って
なるのにね。
わざわざ彫り込んである。適当に削るのではなくちゃんと工具使って。

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そしてネックとボディーの高い密着度!
現行本家カスタムショップにも見習って欲しい(笑)
これが、このクオリティーが78年~80年だよ?
本家の同年代3ボルトジョイントのネックがグラグラに動くストラトと比べてみ?

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ようやく完成。
硬い指板に苦労させられたが組み込みに入ってからはリスペクトの念が作業意欲を
後押ししてくれた気がする。
本当に良く出来たストラトだと思う。
当時の原山ギター製作所を覗いてみたい。
流石に技術力に定評が有って色んなメーカー・工場からひっぱりだこだったみたいだけど。

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ラージヘッドに2ストリングガイド、それでいて4ボルトジョイント。
更には硬いエボニー指板。上質なアッシュ。
本家には無いスペック、そして本家には無いクオリティー。
こういうのこそが「買い」なんじゃないですかね?そして後世へ残すべきだ。

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昨年の春~夏頃からメーカーによってはローズ指板の代替材への変更がアナウンスされてましたね。
パーフェローやローレル(月桂樹。月桂冠でも旧車の名前でもない)…
エボニーの代替は皆さんご存知のリッチライト。
リッチライトと言えばギブソンですが冬の初めに作業したゴダンのエレアコにもリッチライトが
使われてました。

リッチライトやローレルは個人的に削ったりフレット打ち換えたりしてないので未評価ですが
パーフェローは随分前から指板として一般的だし強度、耐久性、サウンドも問題無いと思ってます。

でも未だに1950年代から続く伝統を重んじるギターフリークと業界。
これから更に締めつけが厳しくなるであろうワシントン条約、
どんどん登場して来るであろう新たな代替材達と果たしてどう向き合っていくのだろうか。




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80年代アリア PE-R100を2本同時進行で徹底的に作業編

 2018-12-01
久々の更新になります!

何かとバタバタしているうちに今日から12月…正直「え?もう年末??」って感じです…

今回は80年代初頭のアリアPE-R100を徹底的に作業させて頂きました。
2本作業依頼頂きましたが画像下のチェリーがシリアル的に81年?
メタリックレッドがポジションマークの形状変更から83~84年以降のモデルになります。
いわゆるジャパンヴィンテージになりますが当時はフェンダージャパン以外のメーカーは
さほどシリアル管理が行き届いていたわけではないので正確な製造年の確定は難しい…
このPE-R100も初登場は82年?のはずですがチェリーはシリアルで判断すると81年製。

今回のブログアップではチェリーを「兄」、メタリックレッドを「弟」と表現します(笑)


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お客さんご来店時のチェック作業に伴う分解でいきなりつまずく…
コントロール、トグルスイッチのパネルが中々取れない。
コントロールはジャック外して指を突っ込んで、トグルスイッチはスイッチ本体でパネルを
押し下げて何とか取れた。

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ボディー形状と同じカービング加工木製パネル。
経年変化でパネル自体が膨張・変形しているので中々取れなかった。
後ほど整形研磨して普通に外れる様へ加工しないと。

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兄のPUは裏面に75の表記有り。

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弟はMMKの刻印。

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兄のシリーズ・パラレルスイッチは劣化が激しいので交換。
今回も「いつも通り」電気系はフルにカスタムCTS、S.CRAFTで組み上げます。

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LP汎用が微妙に合わなかったので専用のボディーマスキングシートを作って
いざフレット交換へ!
兄は順反りロッドほぼ締め切り、弟は6弦側順反り傾向強し、1弦側逆反り傾向のネジレぎみ
なので兄弟共に指板修正はかなり重要な作業になります。
この作業期間中は比較的天候が安定してくれて助かった!
普段と比べれば多めに指板を削って修正する必要が有ったのですが変な動きが出なかったのは
木材のグレードが良いし当時しっかりシーズニングされてから製造されていたのかと。

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まずは兄のフレット打ちまでが完了。

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そのまま弟に取り掛かろうかと思ったが一度感覚をリセットすべく
ギブソンLPへ着手。
有る意味気分転換になるか?なんて考えていたがこのLPも徹底的に作業する必要があったので
結局段取りが遅れるだけであった(笑)
でもこのLPはオーナー様の思い入れが詰まった1本だったので
「これ以上の作業は必要ないだろう」と思える程にやりきった。
おかげで気分転換と言うよりはこのPE兄弟への作業意欲が高まった。

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その勢いで弟も仕上げる。
これでようやく兄弟揃ってフレット周りの作業が完了!

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さて、ボディー側である。

コントロール内には既に導通が無いが導電塗料が塗られている…

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が、PUザグリ内は塗られていない。

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なのでコントロール塗り直し、PUザグリ施工、有線で各ザグリを繋げてアーシング。

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カスタムCTS、お客様お持込みのコンデンサーを使って配線作業完了。

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パネル類も整形研磨で普通にはめ込み、取り外しが出来る様になった!

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さぁいよいよナット作って本仕上げに入るぞ!

って気合いが入る中、何故かフェンダーストラトを作業する(笑)

いや~ネック外れるってフレット周り作業する分には本当に嬉しい…

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おっと難敵の存在忘れてた!(実は難敵だけに後回しにしていた…)

オクターブ調整ビスに相当なサビの入った兄のブリッジである。

当店の常連様は私が茶サビの入ったビス類を早め早めに交換する事をご存知だと思う。
場合によっては作業内容、お見積り金額に含まれていなくとも交換する。
それがどう言う事かが今回ご説明出来るかと。

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本当に軽く、かるぅ~くビスを外す方向へ回しただけでポロリと折れた。
茶サビは浸透するにつれ確実にビスの強度を落とす。
今回はビンテージなのでサビてて当たり前だが普段使いのギター・ベースで
ビス類に茶色のサビが出ている場合はなるべく早めの交換をお勧めします。

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サドルに残ったビスを外すのも結構苦労します…

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今回ご依頼頂いたお客様はジャパンビンテージの達人なのでこのサドルビスの交換品も
お持込み頂いておりました。
まずは交換ビス=元ビスと同じピッチのタップで崩れたビス溝とサビの除去。

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ちなみにブリッジ本体裏には兄弟共に1979の刻印有り。

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ブリッジスタッドとの固定用イモネジも溝が崩れていたので交換。

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お持込みのM2.6のビス、ナットを使ってブリッジ組み上げ完了。
六角ナットもお持込み品ですが本当は袋ナット(車の純正ホイールナットみたいなヤツね)
を使いたかったが小さい袋ナットはM3からしか無かった。
オクターブピッチ調整がスムーズに出来ながら妙な共振が出ない絶妙なトルクが掛った
ところで六角ナットとビス接合面に金属用接着剤を極少量流して共回する様に加工。

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弟のブリッジはさほど劣化していなかったのでクリーニング研磨とスタッド固定ビスを交換。
これで全て準備は整った。
いざナット製作とセットアップ作業へ着手!

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完成!
…結構悩みました。セッティングに。
元々生音の高域が強かったので中々音に膨らみが出ない。
でも弦テンションを僅かに緩くして中域に振ると高域がそれ以上に丸くなる…
まず兄のナットをプレイアビリティー優先で作ってそれが分かったので悩みながら
ナットを作り直し。合計兄のナットは3個作ってようやく高域のヌケと中域の膨らみの
バランスの取り方が見えた。
弟はそれを参考にセットアップ。

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同じモデルであるこの兄弟。
でも兄は典型的なUシェイプのネックに対し弟は後年流行りになる薄めのUシェイプ。
塗装も弟は厚めのメタリックなので当然サウンドキャラクターは違う。
個々の良さを引き出して組むには実は同時進行作業はリスクが高い。
無意識のうちに最初に組んだ方へ2本目を近づけようとしてしまう。
なので兄を完成させてから一度感覚をリセットさせるべく…

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ギブソンFVのフレット交換。
これまたやっかいな1本だったので完全に感覚はリセット出来た。

最近2本同時進行の時は今回の様な感覚リセットの気分転換作業を挟む様にしている。
ちなみに1本だけの作業の時は「完成!」となってもその時点でお客様へ作業完了連絡は
入れない。
短くとも翌日までそのまま置いてから感覚がゼロになったところで改めてセッティングを
チェックする。その時点で「何か違うな…」と感じたらナットの作り直しや大規模なセッティングまで
やり直す事がある。
もの凄くロスが多いが「徹底的にやるシリーズ」は毎回自分が納得出来る所まで追い込む
様にしている。
もちろん徹底的シリーズは工賃も高くはなる。でもお見積もり金額は越えない。
毎回工賃以上の結果を提供はしているつもりではある。


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ピックアップ下の反発素材について考えてみる編

 2018-10-12
梅雨明けから続いた怒涛のフレット交換祭りもようやく終わりが見えてきました。
ご依頼頂いた皆様にお礼申し上げます。
とは言え今からの季節が一番作業には向いてるんですけどね。

さて、久々のブログ更新になります。
正直最近フレット交換ばっかりだったので苦し紛れのネタになりますが(笑)

意外に多いボディーへPU直止めのギター、ベース。
ジャズマスターにジャガー、ソロイスト系、ジャズベにプレベetc。
そしてそのほとんどがPUの固定テンション確保の為にウレタン系のスポンジが
PUとボディー間に挟まれています。
が、ウレタンの反発力は持続性が無い。
下のジャズマスター然り大体がへしゃげて反発力が無くなっています。
ヴィンテージに至っては変質してラスクの如くカリカリサクサクか
溶けてペタペタのコールタール状になっている事も多いです。←取り除くの毎回大変…

PUの高さがベストな位置で反発力を失っているのであれば構わないのかもしれませんが
ネック調整を含むセットアップ時はPUの高さをお預かり時より上げたい時も少なくありません。
そんな時にへしゃげたウレタンは交換するしか手が無いのですが…


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交換時には今までも片面に両面テープの付いたウレタン素材を使ってきました。
でもいずれ反発力を失う素材を使う事=自分が設定した高さよりもオーナー様が
PUの高さを上げたい時に反発力が無くPUのグラつきが出る可能性が高い事。
それが分かっていながらウレタンを使う事に長年違和感が有ったんですね。


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で、最近はウレタンに代えてスプリングを試しています。(勿論お客様ご了承のうえで)


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今のところギターからベースまでPUの形状を選ばず万能に使えるスプリングは見付からず、
毎回ベストな太さ、テンションを持ったスプリングを探して金物屋をウロウロしています。
これが結構難しく悩むんですよ。
テンションが緩ければPUの固定力不足やストリングフォニックの原因にも成り得るので。
もちろんマックスに縮めた時の最低長も重要。

更にスプリングの位置固定が難しい。
今のところは塗装に影響を与えない材質の両面テープで固定しています。
本来ならスプリング径の穴をボディーに落とし込む木工加工を施したいところですが
そこまでやるとなると工賃上げざるをえないしね。

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ボディー側でスプリングの位置出しが難しい場合はPU裏面に付ける事もあります。
ジャズマスターやベース類でアーシングプレートがある場合はボディー側の加工は
現実的では無いな。

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スプリングも反発力の低下は少なからず有るのでしょうがウレタンよりは圧倒的にマシなはず。
指でPUを押し下げても…

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指を離せばPUが元の位置に戻ってくるこの快感(笑)
もちろんウレタンでも新品へ交換してしばらくはこうなりますが少しでも時間が経ったウレタンで
は戻っては来ません。

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PUをガッツリ固定して以後全く動かなくする目的の時には今まで通りウレタンを使うでしょうけど
今後普段のPU交換の際や徹底的に作業するメンテナンスご依頼時にはウレタンに代えて
スプリングでセッティングしようかと。
確かGOTOHだったかな?ベース用のアーシングプレートにウレタンが付いててウレタン内に
スプリングが仕込まれている物を見た事が有る。
あのスプリング仕込みウレタンだけ売ってくれたらいいのに(笑)

今のところ上記内容で組み上げたお客様からハウリングやストリングフォニック発生の報告は
ありませんが更にベストなスプリングを求めて今後も金物屋をウロついてみようかと思ってます。
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GIBSON 近年モノ Hummingbirdピックガード剥がれ⇒Montreux ハミングバード用PGへ貼り替え編

 2018-09-10
台風21号来襲、そして停電…作業段取りパンパンに詰まってたのに停電…
もう勘弁してよ…なところに北海道地震。
両災害にて被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
トーンガレージは停電も復旧し、大した被害も無く通常営業出来る事に改めてありがたみを感じております。


久し振りにピックガード剥がれの作業について書いてみます。

以前2015年に「このブログ」を書いてから症状の程度に差は有れど結構な本数作業させて頂きました。
流石にギブソンさんにもピックガード剥がれのクレームも多く入っているだろうし何せ3年以上経っている。
最近はピックガード剥がれのご依頼が無かった事からとっくに素材が変更されて改善されているのだろうと…
思い込んでた。

やっぱりギブソンさんは流石だった。

久々にご依頼頂いたピックガード剥がれ。

今回も2015年と同じくハミングバードだ。


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中々見事な剥がれっぷりだ。

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そう。2015年と素材は全く変わっていない…
エナメル?質なグニョグニョのピックガードだ。

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今回は2015年と違い、お客様と相談のうえモントルー社より発売されたハミングバード用ピックガード
へ貼り替えを行います。
少しお値段が張りますがハミングバード用以外もラインナップされていますので
気になる方はこちらをご覧下さい。


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2ミリ厚のアクリル素材製なので当たり前だがグニョグニョではない。

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裏面には両面テープが貼ってある。


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まずはグニョグニョの剥がれた箇所を指で押しながら元位置をマーキング。
本来ならこの時点でモントルー製をあてがってサイズチェックをしなければならないが
どうせグニョグニョは素材自体の縮みも剥がれの原因の一つだろうから現状のサイズ比較は
無意味だと判断した。

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2015年当時と同じ安物ドライヤーで軽く熱を当てながらグニョグニョを剥がしていく。

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両面テープが残る事なく綺麗に剥がれました!

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剥がしたグニョグニョ。
これだけ曲げても大丈夫(笑)
つーかアコギってトップ板の振動が重要ですやん?
そこにこれだけ柔らかいモノ貼るって神経が信じられない。
そりゃピックガードなんて狭い面積だよ。
気にするなって言われりゃそれまでなんだけど…

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今回は指板クリーニング、フレット研磨、サドル底面を削っての弦高調整作業もご依頼
頂いておりましたのでこの段階でマスキングしてネック側の作業を先に行いました。

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さて、本番。
マーキング位置に合わせてみたところサイズ感はバッチリ!

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貼り付け完了!
気温の高い季節でもありますのでこのまま一晩置いて両面テープをしっかり固着させます。

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翌日。
弦高調整作業、セットアップを行って完成!
晴天下で写真撮ると別物のギターみたいな色合いになってしまった(笑)
ヴィンテージの赤みを帯びた物より少し黒・茶っぽいピックガードだが鳥さんプリント部を含め質感は高い。

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2015年当時のブログは
「なぁギブソンさん、コレはヤバいんじゃないですか?」なメッセージ的意味合いを持たせて書きましたが
もう素材が改善される事に期待するのはヤメます(笑)
グニョグニョを色々手を尽くして貼り直しても再発の可能性は有るわけで
完全なる「修理」となるとこのモントルー社製への貼り替えが確実ですかね。

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Jackson Randy Rhoads Anniversary 1992 フルメンテナンス編

 2018-08-31
久々のブログ更新になります。
梅雨明け以降、前例の無い酷暑の中、多数のリペアご依頼有難う御座いました。

さて、今回は久し振りにレアな1本を作業させて頂きました!

Jackson Randy Rhoads Anniversary 1992!!
ファーストオーナー様が大切に保管されていた美品をフルメンテナンスでお預かりさせて
頂きました。

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ちなみに「コンコルドヘッド」の名称の所以って知ってます?
なんて言う自分は以前今回のオーナー様とは別のランディー激アツなお客さんから教えてもらったんですけどね。
ランディーローズって本当に大きな影響を後世に残してますよね。
超初期のデカロゴです。

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同時期にUSAより同じく白にピンストライプ入りではあるがフロイド付き、ブラス製ロッドカバーの
リミテッドが出ていたがやはりこの頃のランディーと同スペックでなければ意味が無いと思ふ。

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ここで本題に入る前に皆さんにお願いがあります。
毎回この類のレアなギターの作業ブログを書く度に
「このギターは販売しているのか?」等のお問い合わせを頂きますが
当店は工房です。当ブログも中古販売店の商品紹介ブログではありません。
販売している商品はカテゴリーより店頭販売ページをご覧下さい。
中には「オーナーの連絡先を教えてくれ。売ってもらえるか交渉する」等の
無茶を言われる方も居ます。
当店は絶対にオーナー様の個人情報を漏らす事はありませんし
その手の馬鹿げたお問い合わせに対応するつもりも御座いません。

毎回作業紹介ブログは今回のRRを含め全て作業完了後、オーナー様へ返却も完了後に
許可を頂いた上で書かせて頂いております。
ほとんどの皆さまへは説明の必要は無いと分かっておりますが改めて当ブログのスタンスを
説明させて頂きました。


さて、本題へ戻ります。

今回はオリジナルスペックをなるべく維持しつつのフルメンテナンスをご依頼頂きました。
したがって交換したのはガリが出始めていたジャックぐらいです。

PUを外す。
フロントはスタンプが消えてしまっているがジャズ、リアはディストーション。
当然長足期のダンカン。
少しPUの固定にグラつきがあったのでこの画像を撮影後、押しバネのテンション回復、
PU下へのウレタン埋設でグラつき解消、PUがっちり固定作業を施しました。

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しかしキレイなRRVだ。
お約束の箇所に目立つダメージが無い!

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ボディー裏側。
トレモロバックパネルの6穴とサスティーンブロック弦通し穴の辻褄が合っていないので
弦の抜き差しに問題があるがこれがオリジナルなので良しとする(笑)
ちなみにこの症状はシンクロナイズドトレモロの源流、フェンダーの50年代後半~60年代前半の
ヴィンテージにも見られる。
そう。辻褄が合わないのがある意味正解なのだ(笑)

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トレモロバックパネルを開ける。
お…6弦側のハンガービスが折れた上に開け直しされている…
思い出せば同じ症状のシャーベルMODEL6を直した事あるな…
頼むで中信…って言うてもしょうがないけど。
そう言えばあの白のMODEL6のオーナー様はHR期のゲイリームーア専門家だった。
うっかり「VIXEN思い出しますわ~」って言うたら不機嫌な顔してはった…

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配線周り。
お世辞にもキレイとは言えないが各ポットの接点クリーニング、ダンカンのアース経路が
剥き出しでホットラインに接触しそうになっていた箇所とぱっつんぱっつんのトーンコンデンサーは
手を入れておきました。
この頃の国産ポットは本当に良い。耐久性が素晴らしい。
コレより一世代前の刻印メイドインJPのポットは完ぺきやった。
近年の国産ポットは全く使う気がしない…アレはホンマに国産か??

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これぞランディーなトグルスイッチは接触不良等見られなかったが保険で接点クリーニング。
このトグルスイッチも当時の国産だから今も大丈夫なんだろうな。

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セットアップ完了!
ストレートなアームバーがカッチョイィです!!
つーか白のギターの画像をコンデジで撮るのはホンマ難しいです…
次からはめんちゃいけど一眼使います…

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ようやく朝晩は少しだけ涼しさ?を感じる様にはなってきましたが
皆さま水分補給・体調管理にはご注意を。
って言ってる自分は先日涼しかった夜に「冷んやりジェルマット」を敷いたまま寝て
朝起きたら頭痛でした(笑)


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もはや多用しているのは楽器業界だけか?エレアコユーザー必見9V角型乾電池、006Pのお話編

 2018-06-20
今回は9V角型電池について書いてみます。
と、言うのもこの9V電池に関するリペアのお問い合わせも結構多いので。

この006P型と呼ばれる9V電池。
最近は電気屋さんやホームセンターの電池売り場でもかなり肩身の狭い存在になっていますね。
このブログを読んで頂いている皆様にはお馴染みの電池でしょうが楽器関係以外にこの電池って使います?
出番無いですよねぇ~そりゃ売り場でも探すの苦労するよねぇ~~普通の人には必要無いもんねぇ~~~

楽器屋では画像真ん中のプロセルはよく見掛けますね。
洋モノ機材でデフォで入っている事の多いプロセルのマンガン仕様、デュラセルは
店頭販売はほとんど見掛けない。通販サイトには有るらしい?が。
デュラセルの006Pは見た事無いが単3単4はコストコで山ほど売られているから向こうでは
相当幅を効かせている電池メーカーなのでしょう。

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で、この006Pでどんなお問い合わせが来るかと言うと圧倒的に多いのが
主にエレアコユーザーからの
電池ボックスに入らない。入れたら抜けなくなった。
です。
下の画像を見てもらえれば分かりますがブツにより微妙に大きさが異なります。

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実測での高さ(端子除く)と厚みは以下の通り。

富士通アルカリ 高さ45.7ミリ、厚み16.3ミリ
プロセル 高さ43.9ミリ 厚み16.5ミリ
デュラセル 高さ43.6ミリ 厚み16.8ミリ

数値上では富士通とプロセル&デュラセルで大きくとも1ミリ程度の差なので
あまり問題が無い様に感じますが電池ボックスに入れるとなれば話は変わる。

まずは国産メーカーのエレアコの電池ボックスでテスト。
当たり前だが富士通は問題無く入る。

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富士通より高さが短く少しだけデブなプロセルも問題無く入る。

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次に問題の洋モノ。
テイラーのES-2プリアンプ純正電池ボックスでテスト。
デフォルトで入っているのはデュラセル。
したがってほぼ同サイズのプロセルも問題無く入る。

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が、

富士通は全く無理。
力技で押し込めば入るかもしれないがおそらく電池ボックスが割れる。
もしくはギター本体側へ入らないだろう。

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ちなみに上記テストは一応名前の通った電池で分かり易くサイズの違いを表現してみたが
結論から言えば洋モノには洋モノの電池、国産は割と何でもOKって事である。

ちなみに電池ボックス挿入トラブルの問い合わせで多いのが

某100円ショップのオリジナルブランド。
楽器屋で100円ぐらいで売られていた電池。
エネループ等の充電式。

である。
それらは今回の3個よりも明らかにサイズが大きめなので電池ボックスに入れる際には要注意だ。
電池ボックスに入れ難かったりギター本体側へ入り難い場合は絶対に無理に押し込まない様に
買う前によく電池を眺めて欲しい。角が丸めで全体的に膨らみぎみなら要注意。

ギターメーカーによって対応は異なるだろうが基本的にエレアコの電池ボックス単体や
純正プリアンプ一式は販売設定が無い。
また中古で買った古いモデルで製造終了より時間が経っていればメーカーへの修理依頼でも
電池ボックスの入手は不可能だろう。
なので電池ボックスの破損が取り返しのつかない結果になるかもしれない。
また中古購入の際はアンプから音の出る状態で電池ボックスを軽く押してみて電源の接触不良が
無いかもチェックした方が良い。

皆さんの中には「こんな事当たり前でしょ。何で今更書くわけ?」と思われる方もいるかもしれない。
でも人間、魔が差す時があるんですよ…
「お?もうちょい押したら入るんじゃね?」
そんな魔が差したお客様よりリペア依頼の連絡が入るんです…


と、まぁ書いてはみたものの電池ボックスではなくバッテリースナップに繋ぐだけで
電池収納スペースに余裕がある場合はアルカリ・マンガンの違いには注意が必要だが
特にサイズに神経質になる必要は無い。
エフェクター等の電池交換が頻繁な用途は電池よりもバッテリースナップの質に気を使って欲しい。

ここまでの電池ボックス挿入時注意喚起的な内容だとウチのブログっぽくないので
もうちょい深入りしてみる(笑)

実は006Pには構造上2種類存在する。

形式上は積層型電池、構成電池と呼ばれる006Pだが
とりあえずデュラセルを分解してみる。

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単4サイズの電池が6本直列になる様に配置されている。
1.5V×6=9Vである。1.5Vが6本で構成されている構成電池と言う事になる。
ラジコンや電話子機等の充電式バッテリーなんかと同じ類になる。
富士通も分解してみたが同様の構成電池だった。机の中に転がってたパナ製も構成だった。

今回は手持ちの006Pには無かったが1.5Vのボタン電池が6個縦に積まれた
積層型もある。
片っ端から手持ちの006Pをめくってみたがボタン6個は無かったのが無念。
画像を載せて違いを説明したかった…

結局両者はあまり厳密に区分けされていない様でざっくりと言えば積層、構成どちらの
呼び方も正しいかもしれない。

↓ の6LR61が電池内部の構成を表している。

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単4サイズ6本とボタン電池6個縦積み。
どちらが性能に優れているのか等は個人的にあまり気にしていない。

が、コストコで売られている単3単4のデュラセルは安くて飛びついた事が有ったが
液漏れが酷かったのでデュラセルは全く信用していない(笑)
それが始まりなのかもしれないが頻繁に電池交換しないギター関連プリアンプ類、
リモコン類にはなるべく国産ブランドの電池を入れる様にしている。

ついでにもうちょい脱線してみよう。
もし液漏れしてしまった場合、まずはあの宇宙人の血液の如く緑~青~白の物体を
素手で触れずに綿棒や歯ブラシを駆使して取り除く。作業中目に入らない様にも注意が必要。
液漏れ現場から電池接点が外せる場合は何らかの容器に「お酢」を少量溜めて15分ほど浸け置き
すれば完全に取れる。
ただし接点のメッキも剥がれ落ちるので事後はグリスを薄く塗布する等の腐食対策が必要。


話を戻して006Pで言えば個人的にはプロセル一択だ。
長年仕事で多用しているがトラブルが一度も無い。
アルカリだけあって電圧も安定しているし。
難点は…値段だ。
デザインは現行のバンブルビーみたいなのより昔の地味な黒赤白の方が好きだ。


今回はネタ切れバレバレの長文にお付き合い有難う御座いました。
最後に一番お伝えしたい事。それは
電池廃棄時の絶縁だ。
地域、自治体によって廃棄乾電池の扱いは異なるだろうが当店では普通ゴミに
指定されている。(事業所なので業者に収集依頼している)
どんな廃棄区別かは皆さんにお任せするが+-の端子は必ず絶縁して下さい。
マスキングテープだろうがガムテープだろうがセロテープだろうが何でも良い。
捨てた後、金属体に端子が触れてショートすれば発熱、最悪は爆発、火災の原因に
成りえるので。
単1~単5、リチウムイオン等のいわゆる筒型電池は頭とお尻の両方を!


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今年の梅雨は雨は降るけどそんなに湿度と気温が上がりませんね。
過ごし易いですね~今のところは。
雨は梅雨だけに我慢するが地震はもうイヤですわ。

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ERANAN Kurt James モデルをレストアする Dr Mastermindって知ってる?知らんよなぁ…編

 2018-06-02
Dr.Mastermind
Kurt James
ERANAN カートジェイムスモデル


これらのキーワードで「あ~懐かしい~」と思われる方はアラフォーで若かりし頃には毎月YGを買って
広告欄までしっかり目を通していた事だろう。またはマニアックなシュラプネストとお見受けする。
90年代前期頃、イシバシ楽器がオリジナルブランドとして展開していたERANAN。
とは言えカートジェイムスモデルぐらいしか記憶に無いのだが。
個人的に印象が強く残っているのはバナナヘッドのモデルだった。

おおよそ実機を作業する事は無いと思っていたカートジェイムスをお預かりさせて頂きました!
バナナヘッドのモデルではなく最初期モデル。確か本人のアルバムジャケットのデザインだったかな?
絵画調のペイント(フィルム)トップである。
お預かり時はほとんどパーツが付いていない状況。
今回はレストア意識を強くもって作業します!

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まずはぺったんっこに減ったフレットを交換。
ネックグリップは1弦側が薄めの左右非対称グリップ。そして1弦側のみ浅めのスキャロップ。
残念ながらこれらがオリジナルスペックかは不明だがグリップ面の塗装具合を見る限りでは
オリジナルの可能性が強い。
左右非対称グリップは90年頃に市場へ拡がったMUSICMAN EVHでメジャーになったので
もしこれがオリジナルスペックなのなら先見の明があったと言えるだろう。

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指板の汚れも研磨して少し落とした。

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フレット周りの作業と平行してボディー側も進める。
電気系はCTSポットに国産VLXレバースイッチ。
何故CRLレバースイッチを使わないかと言うとオリジナルの国産サイズのレバースイッチノブが
残っているのでそのノブにサイズを合わせる為。

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欠品していたコントロール裏パネルはアクリルで削り出して治具を作成。

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黒のツヤ消し1Pで製作。
って文章で書くと短いけど削り出しの治具を作るのがかな~り大変。

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コントロール系を一通り組み終わったところで今度はPU。
今回マウントするのはコレ↓だ!!
レストアの概念からは離れるがシュラプネル概念では正論なPUだ。
コレに黒のPUカバーを付けるのは若干気が引けるが仕方ない(笑)
HS-3やYJMの様な2層構造シングルコイルサイズハムではなくシンプルなシングルコイル。
が、
直流抵抗値はリアが約20kΩ、フロントが約15kΩとディマジオFS-1を彷彿とさせる。
FS-1の様に限界ギリギリぱっつんぱっつんまでコイルは巻かれてはいない。
肝心のサウンドはトリロジー~を名乗るには少し高域がキレイに出過ぎている気はするが
シュレッド系には扱い易い太さである。
ただし言うまでもなくハイパワー=ハイノイズではある。
音作りのセンス、演奏しない時のボリューム操作にテクニックが求められる。

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お次はブリッジだ。
元のフロイドは使える状態では無い。
サドルが最前まで出っ張っているのが気になる…

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お客様お持込みのフロイドローズに分厚いブラス製サスティーンブロックを装着して
組み込む。

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フレット周りの作業も完了して仮組み。

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オクターブピッチを取るとサドルがかな~り前方へ張り出す。
どうやらブリッジ位置が適正ではない様だ。
元ブリッジのサドル位置はある意味正しかったのだ。
ブリッジ本体が2~3ミリ前方=ネック側へ来ればキレイニ収まるのいだが…

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が、1弦側のブリッジ後ろ端には既にザグリが顔を覗かせている。
これからブリッジが前方へ2~3ミリ移動すれば完全にザグリ丸見えになってしまう。
なのでレストア重視の今回はブリッジ位置には手を付けない。
サドルが出っ張るもオクターブが合うなら実使用には問題無いので。

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今回はサラッと短めに書いてはみましたがPUが導電塗料の塗られた狭いザグリに干渉して
短絡(アースに接触)のため音の出ない時が有ったり最後の最後で1弦ペグボタン(ペグのツマミ)
が真っ二つにパカッと割れて普通の接着剤では中々くっつかなかったりと工賃には反映されていない
いつも通りの苦労と難儀が有った事をここに記しておきます(笑)

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マスターマインドは疲れる(笑)ので久々にRoommel 聴きながら作業してました(笑)
Rommel も結構疲れるから最終的にはこれまた久し振りのXはVビジョンを聴いて
更に疲れたと言う(笑)
と、まぁマニアックな締めですがもうエェ歳のおっちゃんになってもうたなぁ…
若い頃はDOOM聴きながら寝れたのに。

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アコギのブリッジアース加工 Taylor ES-2搭載機種編

 2018-05-19
久し振りにアコギのブリッジアースについて書いてみようかと。

歪ませて弾く事の多いエレキと違ってPUやプリアンプ搭載のアコギでも
製造段階でブリッジアースが施されている物は少ない。
「歪ませないからノイズはあまり気にならないでしょ?」な考え方が未だに一般的なのか?
確かにグランドシフト、フェイズシフト等で軽減される事もあるのだが…
根本的な解決にはブリッジアースを施すしかない。

今回はES-2搭載のテイラーで作業を行いました。

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エンドピンジャックやプラグを素手で触れるとそれまで出ていた「ぶぃ~~」や
「じぃ~~」な感じのノイズが嘘みたいに止まりますが
コレをエレキと同じく弦ミュートの状態でピタッと無くします。

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従来ES-1の頃のテイラーはオプションパーツでブリッジアース用プレートの設定がありましたが
ES-2になってからは無くなりました。
「何で??」って思ってはいましたがその謎が明らかに…

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ES-2はコンタクトタイプであったES-1と違い、ブリッジサドル横、弦穴手前に
3本の支柱が貫通する形で取り付けられています。
これが3分割出力調整機能を持ったES-2の大きな特徴でもあります。

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支柱が弦穴に近いので従来型のアースプレートが使えない。
なので弦穴から前面までの距離の短いプレートが必要になります。
その為に新たな金型等の製造工程を見直す労力、コストとブリッジアースに関わるノイズの
クレーム数が合わなかったのかもしれません。
でも実際にノイズは気になるし施工依頼も多いのですが…
(↓ の画像はES-1用の試作品です)

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さて。まずは作業する個体のブレイシングに干渉しない様に元型となる治具をアクリルで
切削。
弦穴の位置ズレは致命的なのでかなり慎重な寸法出し、切削作業が必要です。
特に今回は支柱と弦穴の距離感に精度が求められます。

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元型に合わせて0.5ミリ厚のアルミを削り出し。
以前今回の依頼主とは別のお客様から何故アルミプレートを使うのか?と聞かれましたが
ES-1期の純正オプションはブラス(真鍮)製で厚みは1.5ミリほど。
おそらくはアース線が簡単にハンダ付け出来る事でブラスにしたのだと推測するが
ブラスは柔らかいので厚みがないと加工し難い。
なので1.5ミリ程の厚みにしたのだろうが取り付け用の両面テープの厚みや
取り付け部の木部の荒れを考えれば弦のボールエンドが2ミリ弱深く入る事になる。
それによる弦テンションの変化は僅かだろうが無いとは言えない。
なのでアース線の取り付けには一手間掛るが薄くとも切削加工が行える硬さのアルミを
使う。
ちなみにこのアルミと同じ0.5ミリ厚のブラスは柔らか過ぎて加工中に変形してしまうほど
柔らかい。
ステンレスは逆に硬過ぎて加工し難い。

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アルミはハンダが付かないのでアース線はプレートの端に線材とほぼ同じサイズの穴を開けて
線材に十分にハンダを染み込ませて結線する。
画像では分かり難いですが結線部は収縮チューブでしっかり覆っています。

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取り付け治具を使い、薄いながらも強力な両面テープを貼ってプレートを固定。

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次はジャック部アースへの結線。
まずはバッテリーボックス一体型のジャック部を外す。

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アース経路の端子に結線。
注意すべきはバッテリーのマイナス経路に繋がない様に。

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プラグイン時に確実にアースが取れているかテスターで導通確認。

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ボディー内で遊んでいるアース線をクリップで固定。

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ネック等の調整、ES-2の出力調整を行ってようやく完成!

テイラー純正採用、メーカー推奨弦はエリクサーなのだが御存知の通りエリクサーは
コーティング弦である。
なので弦表面に導通があるのは1&2弦のプレーン弦のみである。
したがって弦ミュート時に巻弦だけに触れているとブリッジアースは落ちない。
これはエレキにエリクサーを張った時も同じである。
エリクサー愛用者は弦ミュート時に少し注意して下さい。

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今回加工時に使ったアクリルの元型。
苦労して作ったのだがアルミ切削時にはご覧の通り弦穴部が削れてしまうので
再利用出来ない。(精度が落ちるから)
まぁ毎回その個体に合わせた元型を作るので手間は覚悟の上なのですが。

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PU、プリアンプ付きのアコギをお使いでノイズが気になる方はご相談下さい。
部屋弾きの音量ではあまり気にならないかもしれませんがスタジオやライブの環境&音量、
周りに強い電磁波を発生する物=蛍光灯、パソコン、大型家電、エレベーター等のモーター、
高圧電線がある場合はおそらくノイズが気になるかと思います。

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クルーソンタイプペグのペグボタン交換編

 2018-05-04
今回はペグボタンの交換依頼です。

スロッテッドヘッドのアコギのペグボタンが1個破損して無くなっている状況。
スロッテッドヘッドはペグボタンがヘッド背面に位置するので倒したりすると
第一にペグボタンに力が加わります。
まぁペグボタンが破損してネック折れまで至らなかったのが不幸中の幸いでしょうか。
とは言えこんな装飾の入ったメーカー特注と思われしペグはバラ1個どころか
ペグのみの小売設定は無い。
タイトルではクルーソン~と書いてますがクルーソンタイプについても後述しますので
最後までお付き合い願います。

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とりあえず使えそう?なオールパーツのクルーソンタイプ汎用ペグボタンを
取り寄せてみた。

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外したペグはベースプレート内側に何弦用かをマジックで記入。
フレット交換等の際のペグ取り外し時はボタンにマスキングテープを貼って記入するが
今回はそのボタンを外すので。
マジックで書いても取り付け時にはアセトンで拭き取ってしまうので問題は無い。

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クルーソンタイプペグのプラスチック製ペグボタンの交換と言えば元のボタンを破壊(割る)
して取り外すのが一般的?なのかもしれないが一応工賃を頂いて作業している身なので(笑)
破壊せずに外してみよう。
以前ドライヤーやヒートガンで熱を加えて外す話を聞いた事はあるがペグ内部には樹脂製
ワッシャー等の熱に弱いパーツも使われている事が多いのでお勧めしない。
(と言うかその方法で外れるか試した事は無い。)

まずは下の様にどこにでも有る様な工具を用意する。
木の柄が付いているのはアコギのブリッジピン抜き用の工具。

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ペグシャフト根元にスパナをきっちり当てる。
ロブスタースパナは当てる箇所によって厚みを調整出来るので便利。

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ボタンとの隙間にピン抜き(厚みが合って抜き上げる事が出来る物なら何でも良い)を
入れてボタンの角度を変えながら垂直に少しづつ力を加えていく。

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無理に力を加えずに少しづつ抜き上げるのがコツである。

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ちなみにこの方法は下の画像の様にペグシャフトの根元にせり出しが有り、力を加えても
ギアに影響が及ばないタイプのペグには推奨出来るが
せり出しの無いクルーソンタイプ等はギア破損の可能性がある事を予め忠告しておきます。

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ちなみに一般的なクルーソンタイプ、しかもボタンが金属製で破壊出来ない場合は
ギア破損の可能性がありますがギアボックスカバーとベースプレートの段差を埋める
ゴムシート等を用意して

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同じ手法で作業すれば抜けます。
ただし何度も言いますがギア破損や垂直に力を加えなければシャフト自体が曲がる可能性が
御座います。
コレを見てご自分で作業されて何らかのトラブルが発生しても当店は一切の責任を負いません。
レスポール等のチューリップペグはボタンを再利用する予定が無いなら破壊した方が無難でしょうね。

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と、まぁ皆さんが知りたいであろう普通のクルーソンのサンプルを作業してはみましたが
実はその間、めっちゃ悩んでおりました。
ボタン交換準備は整ったものの元ボタンとオールパーツクルーソン用の穴径が全く違う…
右が純正、左がオールパーツ。
オールパーツの方が穴径が小さい。
空転防止に単なる円柱形状ではなく左右に平面部が有るから単純にボール盤で穴を
拡大すれば済むわけでもなく…

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ボール盤で拡大するにしてもモナカ構造=左右貼り合わせのプラスチック製。
穴拡大の際に熱が加わり過ぎると簡単に真っ二つに割れる=剥がれるかもしれない。

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ではシャフトをグラインダーで薄く削るか?
曲面は勿論、平面部を左右均等に削らなければ簡単に軸がズレてしまう…
そんなん手持ち切削では無理やって。

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悩んだ。めっちゃ悩んだ。タバコをかなりの本数吸いながら色々考えた。
結局ボール盤で穴拡大をチョイス。
グラインダー切削作戦はどう考えてもリスクが大き過ぎるので。

まずは万力にノブを水平垂直に固定する。
これが恐ろしく大変な作業だった。
円形で上下で厚みも違う小さな丸い物体を水平に固定しなければならない。
スコヤ=直角を確認する工具を駆使し、作業場の外で明るい空に向けながら微妙な角度調整
を繰り返す。
長時間、何度何度も空に万力を向けている自分を見て通りがかりのおじさんが
「何か変わったモンが空飛んでますか?」と聞いてきたぐらいだ(笑)
小さな万力(ヤンキーバイス)とて軽い物ではない。終わった頃には腕がプルプルした(笑)

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ペグシャフトの最大横幅は3.75ミリ、深さは7.5ミリ。
なので3.6ミリのビットでボール盤の回転数を下げて=遅くして
ゆっくりプラスチックを溶かしながら拡大していく感じで作業。
キレイな穴を開けるのではなくワザとバリが出て少し窮屈な穴を開けるイメージ。
これを6個分。恐ろしく時間が掛った。
何とか1つも割らずに作業完了。
続いて同じぐらい冷や汗をかきながらペグ本体に圧入作業。
これも水平出しをきっちりやってゆっくり時間を掛けながら作業。
工賃に見合わない膨大な時間が過ぎ去ってゆく(泣)
流した冷や汗で少しでもダイエットになればまだしもなのだが(笑)

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無事に取り付け完了しました。
大きな軸ブレもなく弦テンションに負けて空回りする事もなく実用出来る状態になりました。

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くどいですがご自分で作業される場合は全て自己責任でお願いします。





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PEAVEY WOLFGANG 金属パーツのサビ・クモリ取り編

 2018-04-14
さて、前回の近年モノM.MAN AXISに続いてはPEAVEY WOLFGANGである。

今回もフレット交換、電装系の入れ替え等、徹底的に作業するのだが
このWOLFGANG、ペグ・トレモロの金属パーツのメッキに劣化が見られる。
フレット周りの作業は前回を含め今までも何度かブログアップしているので
今回はEVH系以外でも作業依頼の多い金属パーツのクモリ・サビ取りについて書いてみる。
先にお断りしておくがメッキの下、地金まで浸食している茶色いサビは手の施し様が無い。

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ペグとトレモロを作業しましたがトレモロを題材に進めていきます。
下の画像の様にブツブツとメッキ表面に凹凸が出来ています。
見た目はもちろん、手触りも悪いので何とかしたいところ。
しかし6弦サドルの一部の様にメッキが剥がれ落ちてしまっている箇所は
何とも出来ません。地金が露出しているのに茶サビが発生していないのは
ラッキーです。

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使用上手で触れる機会の多いファインチューナー。
こちらもブツブツ状になっていますが黒染めのメッキなのであまり攻める事が出来ません。
黒染めは少し研磨するだけでも剥がれて地金が出てしまうので。
軽くコンパウンドで研磨する程度になります。

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まずは全分解。

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軽い腐食程度なら手作業で研磨しますが今回はブリッジパーツの全て、ペグ6個なので
小型のホイルブラシをボール盤に付けて研磨します。
使用するホイルブラシは金属仕上げ用途の物。出来るだけ目の細かい物を選びます。
フエルトのホイルブラシもありますが耐久性が低いのと6弦サドルの様にメッキの剥がれが
あると引っ掛ってダメージを広げる可能性があるので自分はほとんど使いません。

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ボール盤はギアゴムを掛け変えて回転数を落とします。

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ベースプレートの研磨開始!
力を加えずに軽く当てる程度で気長に研磨します。
強く押しつけるとブラシが食いついて研磨物がフッ飛んでしまうので要注意。
とは言っても大型のボール盤を所有している方は少ないと思いますが…

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ファインチューナー部はブラシを当てる事が出来ないので手作業です。
コンパウンドと「赤ちゃん用綿棒」を使います。
この「赤ちゃん用綿棒」、今回の用途以外にも細かい所のクリーニングに重宝するのでオススメです!
綿棒よりも大きめの物が入る箇所はフレット周りにも多用する「銀磨きクロス」がオススメ。

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研磨後、ファインチューナー基部に入り込んだコンパウンドはパーツクリーナー等で
洗い流します。

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仕上げに銀磨きクロスで磨き上げてベースプレートの作業終了。

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次はサドルです。
研磨対象が小さいのでベースプレートより慎重になります。

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オクターブビスの入る窪みやブロックの入るスリット内は再び赤ちゃん綿棒の出番。

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トレモロ研磨作業終了。
さ、ペグに取り掛かるか。(画像はありません)

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フレットも打ち終わり劣化していた電気系入れ替えて組み込み完了!
画像では分かりませんがお客様ご希望でザグリ内には導電塗料を塗りました。

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ファインチューナーの頭もツルツルとはいきませんが不快なザラザラが少なくなりました。

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ビフォー・アフターで並べたら分かりやすいかな?

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金属パーツや弦のサビや劣化は汗の質により個人差がありますが
基本的には弾き終わったらギタークロス等で手の触れた部分全てを拭き上げる事が
重要です。
これは金属パーツ類だけでなく塗装面も同じです。
今回の様に手触りの悪い凹凸が出ている程度なら研磨で改善できますが
メッキが浮きあがって地金に茶サビが出ている場合は作業出来ません。パーツ交換になります。
つまり、普段、弾き終わってからの一手間で金属パーツを含めギターに掛るコストは変わります。
弦やビス類ならまだしも皆さんご存知の通りトレモロユニットは決して安いパーツではないですからね…

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それにしてもWOLFGANGは久し振りに作業したな。
普段は圧倒的にEVH、AXISが多いので新鮮でした。
と同時に改めてM.MANからPEAVEYへの変遷箇所が見えて中々楽しい作業でした。

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