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クラシックギター/ガットギター ナイロン弦交換 チューニングの安定し易いナイロン弦の張り方編

 2014-02-28
最近クラシックギターやガットギターでのナイロン弦の張り方について問い合わせが増えてきましたので
今回は
「比較的チューニングが安定し易いナイロン弦の張り方」を紹介してみようと思います。

本来ナイロン弦の張り方は千差万別、「これが正解」という張り方は特にありません。
ですので今回紹介する張り方が絶対的に正しいわけではありませんので悪しからず。
ナイロン弦のチューニング狂いでお困りの方は参考にしてみて下さい。

記事内ではギターを弾く際に弾く弦=張る弦方向を「本線」、
最終的にカットしてしまう弦方向を「端線」と表現します。



ナイロン1
 



ラジオペンチと弦切り用のニッパー、ピンセットは有れば便利です。

ナイロン2 



まずはブリッジ側6弦より作業。
ナイロン弦の巻き弦は多くが片側の端のみ柔らかくなっているはずです。(ダダリオの5・4弦はなっていませんが)
その柔らかい方をブリッジサドル側より通し7~10センチほど画像の方向へ折り返します。
画像の人差し指と親指で挟んでいる弦が端線です。

ナイロン3 



折り返した弦を本線の下側をくぐらせます。

ナイロン4 



ブリッジ端側より端線を本線とブリッジの間にくぐらせます。
ピンセットを使うと作業がラクですがブリッジの木部等を傷つけない様に要注意!

ナイロン5 



6~3弦は2回くぐらせます。2弦・1弦は3回くぐらせます。

ナイロン6 



2回くぐらせて本線側を軽く引っ張って形を整えます。
端線と本線側をしっかり締め込みます。
端線側をつまみにくい場合はラジオペンチを使って下さい。

ナイロン7 


6本張った状態。
画像の黄色のテープは端線によるボディーへのダメージ防止用です。
一般的なマスキングテープ等が便利ですがラッカー塗装のギターやブリッジ周辺の塗装が変質している場合は
粘着力の強いテープは使用厳禁です。
端線をラジオペンチではさんで締めこむ場合には塗装保護の為にテープを貼る事をお勧めします。

ナイロン8 



チューニング後に不要な端線を5ミリ以上残してカットします。
極端に短く端線をカットすると結びがほどけてしまう場合がありますのでご注意を!

ナイロン9 



ブリッジ部完成。

ナイロン10 



次にヘッド側を作業します。
まずは6弦から。
6弦ペグの弦通し穴より約10センチのところでカットします。
(他の弦も作業時にペグ穴より約10センチでカットします。)

ナイロン11 



6弦は一般的なギターと同じ張り方で特に問題ありません。
ヘッド表側面よりペグポスト穴に弦を通し、1~2センチ程度貫通させます。

ナイロン12 



ペグを締め方向へ巻き最初の1周目はヘッド内側、2週目以降はヘッド外側へ巻いていきます。
※ギターのヘッド形状によって弦をヘッド内側へ巻く場合もあります。
今回のギターは全弦外側へ巻きます。

ナイロン13 



次に5弦。
まずは5弦ペグの弦通し穴より約10センチでカット。
端線を4~5センチ程度折り返します。

ナイロン14 



折り返した状態で「2本重なった状態で」ペグ穴に通します。
通りが悪い場合はラジオペンチでしっかり折り返し部を作りますが弦を潰し過ぎると切れてしまうので要注意!

ナイロン15 



ヘッドの裏側方向より端線を折り返し部の輪に通します。
作業しにくい場合はピンセットを使うと便利ですがヘッドにキズを付けない様に要注意!

ナイロン16 



輪に通した端線をラジオペンチでしっかり締め込みます。
※本線側は引っ張る必要はありません。

ナイロン17 




しっかり締めこむと折り返しの輪が端線を押さえ込みます。
この後6弦同様に1周目はヘッド内側、2周目以降は外側へ巻いていきます。
5・4・2・1弦は同じ巻き方です。

ナイロン18 



3弦は太いナイロン線ですので折り返すとペグ穴に通す事が出来ません。
ペグ穴に通してから端線が3センチ程度出来る箇所で1重結びでダンゴを作ります。
ラジオペンチで端線をはさみ、本線と引き合ってしっかり締めこんで下さい。
細いゲージを使用の場合やペグ穴が大きいギターは2重~3重結びで大き目のダンゴを作って下さい。

本線を引っ張ってダンゴがペグ穴を抜けなければ他弦と同じ様に巻いていきます。

ナイロン19 



余った端線をブリッジ部同様に5ミリ以上残してカットすれば作業完了。

ナイロン20 



いよいよチューニングに入りますがこの弦張り方法でもナイロン弦の「伸び」は防ぎきれません。
しっかりと弦を引っ張って伸ばしながら根気強くチューニングして下さい。

ナイロン弦は伸びるまで時間が掛かりますので数時間後や翌日にも弦を伸ばしながらチューニング作業を
繰り返して下さい。

記事内で数回書きましたがラジオペンチやピンセットを使う場合はギター木部にキズを
付けない様にくれぐれもご注意を!
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