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レアなOVATION製ソリッドギター、PREACHERを2本作業。工夫を凝らし、真面目に作られたヴィンテージでした編

 2022-04-02
はじめにお知らせです。
4月4日(月)は臨時休業とさせて頂きます。ご了承下さい。

さて、今回はオベーションのソリッドギター、PREACHERを2本作業させて頂きました。
画像上のサンバーストのポットデイトが77年、下のナチュラルが76年、エレアコの
イメージの強いオベーションとしてはモダンな感じですが今やヴィンテージギターの
カテゴリーになりますね。
ご依頼頂きましたお客様は以前よりサンバーストを所有、最近ナチュラルを買い足された
との事です。



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まずはサンバーストの方から着工します。

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ピックアップセレクターがピンタイプのトグルスイッチからミニトグルスイッチへ交換
されています。これまでにリペア歴有りとお聞きしております。



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ボディー裏面のマイナスネジを外したら、



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ブリッジが外れます。

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ブリッジアースの線がクリップ式の留め具で固定されています。
この留め具を入れる事が出来るスペースが有ればしっかりとアースが取れる良い方法だと
思います。

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まずはフレット交換から。
長年弾いてこられた様で結構減っています。

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硬そうなエボニー指板だったのでフレットを抜く際に大きなチップが出ないか冷や汗
ダラダラでしたが、フレット近辺のみスチームを当てながら慎重に作業。
小さなチップもほとんど出ずに全フレットを抜く事が出来ました。

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続いて指板修正作業。

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指板修正に入る前にネックの詳細な状態を600ミリのスケール当ててチェックしていて
気付いたのですが、画像右側=6弦側の指板エンドが薄い。つまり6弦側の指エンドのみ
指板の跳ね上がりによるビビリ対策が施されています。
90年代のコンポーネント系で最終フレット付近の指板を意図的に落としているメーカーは
ありましたが70年代後半で既にこの様な工夫が施されていたのには驚きました。
「たまたまこのサンバーストだけの誤差なんじゃないの?」と思ってナチュラルの方を
確認したら同じ加工になっていました。
いわゆるヴィンテージとされる年代のギターでこの手法を取っているのは初めて見ました。

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指板修正完了。縞黒檀ながら木目が細かいので良い艶に仕上がりました。

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フレット打ち完了。
抜く時と同じでチップが出ないか不安でしたが無事打ち終えました。
ビビリな性格なので敢えて雨の湿度が少し高い日を選んで作業。

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フレットエッジの処理、すり合わせも完了してフレット周りの作業は終了…
なのですが、ネックとしてはまだ終わりではありませんでした。



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ネックジョイントに貼られた何かしらのラベルが塗装と固着してカリカリに乾燥しています。
基本的にデタッチャブルネックはネックとボディーの密着度が重要と考えているので
このまま組むのはちょっと気が引けます。

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綿棒にステッカー剥がしを染み込ませて当ててみるも完全に硬化しているらしく
何の変化も起きない…

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ならばと側面壁にマスキングテープを貼り、こぼれ対策をした上でガッツリとステッカー
剥がしを吹き付けるも残念ながら状況変わらず…

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結局めちゃくちゃ時間は掛かりましたが水研ぎ+バフで仕上げました。

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ジョイント面が仕上がって一息ついているとヘッド側面の打コンが気になり出す…
打コン周辺の塗膜が浮いているのでクロスや衣服が引っ掛かればペリッと剥ける
可能性が高い。

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ヘッド表面には以前に作業されたと思われしタッチアップ跡が有る。

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なので傷口の拡がり防止の意味合いでタッチアップ作業。
この薄い茶色はタッチアップ時に着色するとヘッド表面の様に逆に目立つ結果になりやすい
ので着色無しで作業。
指でなぞっても段差を感じないぐらいにしっかり仕上げました。

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ようやくボディー側に着工。

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まずはジョイント部から。
こちらは塗装の無い木部に直接ラベルが貼られているのでネックとは固着の状況がが少し違う。



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綿棒で少し水分を落としてはドライヤーを弱く当てて2~3ミリずつ剥がす。
気が付けば1時間半掛かってしまったが何とか除去成功!

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仕上げにオイルフィニッシュ用のオイルを少し染み込ませて完了。
フェンダーUSAはネックジョイントに製造工程のチェックシート?みたいなまぁまぁ
厚めのラベルを貼っているが何で貼るかねぇ…誰よりもデタッチャブルネックに関して
知っているはずのメーカーなのに。
とは言え自分もヴィンテージとして年代の推定や資料価値が有りそうなラベルは絶対に
剥がしませんが。

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お次は電気系。
今や懐かしささえ感じるビタミンQコンデンサーや配線材がウエスタンエレクトリックで
チューンナップされている。

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が、
ノイズ対策として貼られているアルミテープは堂々の重ね貼り。
重ね貼りすると粘着面で導通が途切れてしまうので意味が無い。

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ピックガードを外したボディー表面も同様。
なのでアルミテープを剥がして導電塗料を塗ってしっかりノイズ対策を施します。



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テープは剥がせどもねっちょり残った粘着面。

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必要箇所にだけステッカー剥がしを染み込ませてちまちま剥がします。

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導電塗料塗布完了。

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コントロールパネル裏面にアルミテープが貼られているのでザグリと通電させるべく
ビス穴周辺に銅箔テープを貼り、導電塗料を塗って導通を確保しています。

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次にストラップピンの位置を変更。
このサンバーストはカッタウェイ先端がオリジナル?かもですが数カ所に移設跡があり、
ストラップを掛けた際のバランス取りが難しい模様。
ギブソンのSGと同じ様なヘッド落ちかもしれませんね。

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ナチュラルの方はジョイント部が純正状態の様です。
なのでサンバーストもこの位置への移設をお客様から希望されたのですが、製造年たった1年
の違いでストラップピンの位置仕様変更が行われたのでしょうか?



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カッタウェイ先端の元穴は埋め木加工。

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コントロールはボリュームポット2個が近年のロングシャフトに交換されていましたが、
少しガリも出ていたので2個共カスタムCTSへ交換。
線材もウエスタンエレクトリックは除去。
ステレオアウト仕様のダブルジャックですが、お客様はモノラルアウトしか使わないとの
事でしたので、ステレオアウト側はダミー化。
モノラルジャックはスイッチクラフトへ交換しました。

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何故ウエスタンエレクトリックを除去したのか。
線材としては単芯の針金状で負荷抵抗も低く、高域特性は優れているので音質面だけで
なら良いケーブルだとは思います。

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ですがハンダ付けする被膜を剥いた部分をラジオペンチで挟んで、

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たった一往復曲げるだけで簡単に折れてしまいます。折れると言うかポロッと取れる感じ。
外装被膜が紙質ゆえに経年劣化で被膜内部にサビが出ている物も見た事があるので
高域特性は優れていますが個人的にはNGです。

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最後に無漂白牛骨でナット作って完成!
ではありますが時間を掛けて弦高=ブリッジ高を詰めてプレイアビリティーと鳴りの
バランスが取れたポイントを探しました。

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作業前はフレットが減っていたのもありますが生音の大きさ、音の拡がり、立ち上がりは
バッチリ向上出来たと思います。

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さて、2本目のナチュラルに着工します。
こちらはセレクタースイッチも純正でオリジナル度が高いのでお客様と打ち合わせのうえ
ヴィンテージとしてのキャラクター重視でメンテナンスします。

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まずはネックジョイントを外す。
こちらは何かしらの文章が読み取れます。

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何が書いてあるかは分かりませんが資料価値が有るかもしれないのでこのままにします。

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フレットもオリジナルでしたがやはり6弦指板エンドは薄くなっています。
真面目に頭使って楽器作りしてるなって感じ。

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コントロールもフルオリジナル。
ですがお客様と相談の上でアルミテープを剥がして導電塗料を塗る事に。
ちなみにアルミテープですが、厚みがしっかりあるので環境によってはアンテナ化して
逆にノイズが増えたり高域が減衰するハイ落ちの原因になります。
かなり前にブログに書いたと記憶していますが、60年代仕様やヴィンテージのフェンダーで
ピックガードとボディーの間にピックガードと同型の薄いブリキ質の板が挟まれていますが、
あの1枚を抜くと少しトレブルが強調されます。



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ポット類外して休憩中に何気にパネルを載せてみる。
落とし込みザグリとパネルに無駄な隙間が無い。
ある意味日本人的な作り込みを感じる。

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そしてまたまた粘着面剥がし。
ステッカー剥がしを染み込ませてはプラスチックのヘラでキズを入れない様に
少しづつちまちま剥がす。

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このプラスチックのヘラ、ステッカー剥がしを買うと1枚だけ付いてくるが耐久性は無い。
なので普段は先の曲がったヘラを削って再生したりピックガードの端材でヘラを自作したり
していたが、何と近所のホームセンターでヘラだけの販売を発見!
見付けた時は思わず「おっ!」って声出たわ(笑)

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剥がし終えたので導電塗料を。
今回もコントロールザグリとパネル裏面は銅箔テープで導通を繋ぎます。

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テープ貼ってから、塗る。

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電気系を元通り組んでステレオジャックを無効化、モノジャックのみ交換してから
一通りのフルメンテナンス作業、そしてセッティング。
トラスロッドカバーが交換されている様で、ビス穴が複数空いていたので不要なビス穴を
埋め木。

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ようやく2本共に完成。

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70年代後半でオベーションでありながらソリッドギター。
見る人によってはビザール系と捉えるのかもしれない。
しかしながらその作り込みは実に真面目で工夫に富んだギターでした。









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ジャパンビンテージレストア!VOL.2 Navigator by ESP LHストラト編

 2022-03-05
さて、ジャパンビンテージレストア2本立ての2本目はナビゲイターの左利き用ストラトです。

今も昔も左利きのプレイヤーはギター選びが難しく、欲しいギターに左利き用が
ラインナップされていなかったりされていても生産本数が極端に少ないので入手困難だったりと
皆さんかなり苦労されてきております。

今回のストラトも当時オーダーで製作されたらしく、買い換えるにも左用の選択肢は狭く、
ましてや国産となればより一層、新品・中古問わずとも難しい状況なのでレストア受注となりました。

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このロゴサイズ、形状からしておそらくはナビゲイターでも初期の頃では?と思います。
自分がギターキッズだった当時、シェルドンギターズに入り浸っていたのを思い出します。
その頃より隙有ればオーダーを勧めてくる商法は今のビッグボスでも健在みたいですが(笑)

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それでは早速着工。
何十年と弾き続けられてきただけあってフレットは激減りです。
弦直下の凹み減りはもちろんの事、ハイフレットもかなりぺったんこです。

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ペグもかなり劣化しており、外見だけではなく回転トルクもかなり重ためです。

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ギター全体の年齢の重ね方に比例した金属パーツのやつれた質感の空間にピカピカ新品の
ペグが付くと違和感しか無いのでペグ一式を外して徹底的にメンテナンスする事を決意。
決意とは言いつつその時が訪れたら溜め息出るんやろなぁ…と。

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早速ネックを外すもネックジョイントスクリューの根元が完全にサビている。
お持ち込み時にトラスロッド機能チェックで初めてこのビスのサビを見た時には
「あ~普通にビス外せて良かった~今日なんかツイてるんちゃう?」てのが本音。
と、言うのもこの手のサビはビスを緩めようとした瞬間に頭だけがポロッと取れて
ビス本体は木部に残る事が珍しくないので。
ラッキーを感じた反面、ジョイントビスがここまで茶サビに浸食されているなら
他のビスは…と新たな緊張感を感じた。

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無事にネックは外せました。

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トラスロッド調整部にはメンツェルナワックスが固着していてロッド調整がかなり硬い。
この後も頻繁に触る場所なので先に手を入れようかと。

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ビュレット抜き出して内部を清掃。ビュレットも研磨。
グリスアップしたら普通の力でロッドは回せる様になりました。

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ペグを外す。

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ペグブッシュも抜き取る。

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フレット抜いてまずは指板修正から。
問題となる様なクセは見当たらないのが救いでした。なぜなら…

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ラウンド貼りの指板がめっちゃ薄い!
つまり指板修正での削りしろが少な過ぎるから。
必要最低限の指板修正にとどめるつもりもハイフレットは少しハネ上がっているので
削らざるを得ない。

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ハイフレットの修正時には可能な限り無駄な力を入れず、数回治具を動かしては
スケール当ててキャンドリング。
「頼む!これでストレート出てくれ!もう削らなくて良いと言ってくれ!」みたいな
訳の分からない独り言を呟きながら何とか指板修正完了。
しっかりした金筋=木目からも分かりますが硬めで油分も少ない上質なローズ指板でした。

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時は進みフレットを打ち終わり、フレットすり合わせに入る。
年明け頃にDIY派の常連様にフレットエッジの面取りの方法を聞かれたので載せてみる。
すり合わせの研磨、中目に入ったあたりでエッジの面取りを行っています。
中目の段階で作業すれば面取りによる切削痕もその後の研磨で消せるので。

刃のへたった極細目の金属ヤスリで手首のスナップを効かせつつ「力を入れずに」
フレットエッジをなぞる様に削ります。
削り具合は見た目ではなく手に伝わる感触で判断。不思議と視覚に頼って整形しながら
削るよりも手に伝わるジョリジョリ感を均一にするイメージで面取りした方が綺麗に
仕上がります。←書いてて自分でも何言ってんだかよく分からないが(笑)

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仕上がり時までにはかなり研磨する=面取り面が摩耗するのでこれで結構削った感じです。

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フレット根元の傘の際の部分は極細目の目立てヤスリにて。
これも力を入れずにフレット根元の直線部からエッジの根元にかけて這わす感じで。
うん。これではたぶん何も伝わらないな。T様、また連絡下さい(笑)

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面取り完了。
研磨も完了。

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弦落ちを防ぐべくフレットの耳は立てぎみで仕上げるのでエッジの面取りは
演奏時、ポジションチェンジの手触りで感触を左右する重要な要素になります。
ごく稀に弦を張って最終調整まで進んでから「んん…もうちょいだな。あと本当ちょいだな。」と
面取り作業をやり直す事もあります。完全に自己満足の世界かもですが…。

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これもよく聞かれる。
「指板に塗るオイルって何使ってますか?」
以前もブログに載せた事がありますが大昔からフェルナンデスの424です。
別に高いオイルではありませんがローズネックオイルと言うだけあって指板が
良い感じに染まります。オイルの粘度も丁度良く、流れすぎずにしっかり導管に
残る感じ。

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ネック側の作業終了。
フレット磨いたり指板にオイル入れてる時には少しだけ憂鬱になる。
そう。これが終わればペグ研磨が待っている。
タイムリーな表現をするなら
「あー今日仕事終わったらワクチン接種なんよなぁ…って事は明日は熱出るんよねぇ…」
みたいな近い未来の確定された不幸を迎える不安から来る憂鬱感(笑)

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でもヤルでぇ~~!

完全にザラつきが出たペグ表面は強めに研磨確定としてもクルーソンは形状からして
細かい箇所にワイヤーブラシが入りにくいので本当は小回りの効く細目のスチールウールで
ゴシゴシやりたいところだ。
しかしギア内部への注油口が開いているのでギア内部に鉄粉を入れるわけにはいかない。
画像は撮り忘れましたがホームセンターに出掛けて大きめの歯ブラシぐらいの小型で
毛先が柔らかいワイヤーブラシを購入、木工用ヤスリやボール盤のサビを磨いて良い感じに
へたらせてからペグ研磨に投入。

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右が研磨済み。
画像では分かり難いですが目立つ傷も入らずにザラつきやサビを除去出来ました。

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6個研磨して取付け。

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もちろんブッシュも研磨。
組み付け時にはブッシュ内面とペグシャフト接触部にのみペースト状のシリコングリスを
薄く塗布。ギアボックスには注油口より粘度高めのスプレーグリスを注入。
ペグの手触り、回転トルク共にかなり改善出来ました!
ロトマチックではないので個別の回転トルク調整は出来ませんが実用上問題となる
硬さが残る場合は注油してからワインダーで100回ほど空回ししてグリスの馴染みを
促進させる事もあります。
画像では付いてませんがテンションガイドもきっちり研磨済みです。

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ようやくボディー側着工です。

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フロント&センターは珍しいダンカンのカバードタイプ。
中身はスタックコイルのハムバッキングでした。
興味が出たので後の組み上げ時にフロントだけサウンドチェックしました。
バーチャルビンテージやFURYに慣れた耳にはかなり中域寄りに感じられました。
やっぱハムはハムでしたわ(笑)





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そして蘇る緊張感。
もしお手持ちのギター、ベースでドライバーや六角レンチ差し込み口が崩れかけている
ほどにサビが出ているなら外す際は慎重にお願いします。

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ご自分で外すのが怖い場合はご相談下さい。

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「あのー錆びたビスを外そうとしたら頭だけポロッと取れてビスは木部に残ったので
リペアお願い出来ますか?」とお問い合わせ頂く前に
「サビてて外すのがヤバそうなビスがあるのですが見てもらえますか?」的な
お問い合わせを頂く方がまだ救われます。誰が救われる?←私が。(笑)

お客様が折ったビスは「あーあー仕方ないな…」なテンションで作業になりますが
私がビスの頭を飛ばしたなら「仕方ない。直すゼ!」と開き直って新たなアゲテンションで
作業に当たれますので(笑)
つまりサビで折れるビスはどんな外し方をしても折れる時は本当に簡単に折れます。


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前置きが長くなりましたが冷や汗かきながらピックガード外しました。

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トレモロも外してボディー研磨に入るゼ!ってな所で、

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表側からは「軽く研磨するかな?」程度に見えたエンドピンは

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ビスの根元が激サビでした。
この頃にはサビ耐性が出来上がっていて「あ、やっぱりね。サビてるね。」なテンション。
エンドピン一式交換確定の瞬間でした。

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さて、今回はポット類、レバースイッチはもちろんですが、ピックアップも載せ替えます。
抜群の安定感を持ったロングセラーでド定番、ダンカンSSL-1を3発です。
当然レフティーモデルでセンターは逆磁逆巻きのRWRP。
やはりハーフトーン時のハムノイズキャンセルは便利ですので。
ちなみにこの組み合わせ、センター+リアのハーフトーンでは良い感じの色気が有ります。
カッティングでもフレージングでも気持ちいいザ・シングルコイルサウンドが楽しめます。

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ド定番にはド定番なりの理由がありますのでストラト弾きの方で最近ヴィンテージ路線の
高域寄りサウンドに飽きてきた方は是非お試しを。

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シングルコイルのマウントには付属のゴムチューブは使いません。
ヴィンテージ模倣コンセプトの作業時以外はスプリングを使います。
理由は画像左端の純正ゴムの成りの果ての通り、ゴムチューブは加水分解でいずれ
カッチカチになって反発力ゼロになってしまうのが分かっているので。

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今回のノブ類はローレット付きなのでミリ規格シャフトしか使えません。

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したがってミリ規格シャフトのカスタムCTSを使います。
回転トルクが元のポットよりかなり硬めなので分解してグリスを入れ替え、
スムーズポット化して回転トルクを軽めに改造します。
前から気になってますが表記はカスタムCTSのミリ規格シャフト品、コレたぶん
カスタムCTSやなくて普通のCTSやと思う…
カスタムCTSよりキャップ部分が明らかに薄くて柔らかいんですよ、
ベースプレートの質も違う。

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配線完了!!

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上から見たらこんな感じですが、

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はい、ポット間アースは側面でしっかり取ってますよ~!

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新品エンドピンをフエルトワッシャー挟んで取付けて

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ボディー側完成。

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実は配線作業してる時には既に例の憂鬱感に包まれておりました…
憂鬱感第二弾は「たぶん簡単には取れないぞサビサビイモネジ付きトレモロ」
の研磨作業です。

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はい。普通に取れたイモネジは12本中4本だけでした。

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残りはバイスにサドル固定して食い切りで回し引き抜きます。
このサビきったイモネジは再利用しないので遠慮は要りませんが食い切りを強く
握り過ぎるとイモネジ自体を折り切ってしまうので力加減が難しい。

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意外にすんなり抜けて一安心です。
この作業が最も大変なのは取付けビスがオフセットしたフェンダーのアメスタです。
アメスタはイモネジとサドル内面が両方とも強烈にサビて固着するので油を差そうが
ワイヤーブラシでサビをある程度除去しようが毎回苦労します。
完全固着アメスタに比べれば今回は楽勝でした。

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ついでにサスティーンブロックまでも分解。
断面の色を見ても分かりますがブラス(真鍮)ブロックでした。
こういう所、ジャパンビンテージは本当に真面目に作ってるなと感じます。

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ベースプレート裏面のサビや汚れはワイヤーブラシでササッとクリーニング。

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サドルの弦穴は綿棒をプライヤーで潰して掃除。



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研磨・組み込み完了。



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新たに取付けたイモネジ、サドル固定ビスはステンレス製です。

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トレモロスプリング、スプリングハンガー、ハンガー固定ビスも新調。

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ネックジョイントプレートの裏面はワイヤーブラシで研磨、クッションプレート内面には
青サビが固着していたのでクッションプレートは新品へ交換します。

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なんかチタンみたいな質感。良い感じのくすみ具合です。
さり気ない主張の小さなESP刻印。

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ナット製作してセットアップ。
左利き用は毎回ナット製作での溝切り微調整が難しい。

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完成!
弦高セッティングは感覚ではなく12F上で弦との距離を実測で調整、細かいニュアンスは
お客様に試奏して頂いてからご希望に沿って微調整します。
普段からも数値である程度の弦高を調整してから自分で弾きながら感覚での微調整を追加、
お客様引き取り時に試奏して頂きながら最終調整ですが左用は自分の感覚での微調整が
難しいので。

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これも毎度の事なのですが、外したパーツ類は全て返却しております。
おそらく今後使い道は無いので処分される方も多いとは思いますが
ギターと共に長い時間を過ごしてきたパーツ類なので邪魔にならないなら
保管される事をお勧めしたいところではあります。

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ここまでブログ2本に渡り長々と書きまくってきましたが、お付き合い頂き有難う御座いました。
また明日から新たなレストア作業に着工致します。

とは言えですね、またもや憂鬱感に包まれているんですよ…
次のレストアが大変だから? いえ、違います。

まだね、何も手を付けていないんですよ…

確 定 申 告 。

もう期限まで一週間無いし(汗)






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ジャパンビンテージレストア!VOL.1 日本製スクワイヤーストラト編

 2022-03-05
久々のブログ更新になります。

相変わらずレストア作業が多く、忙しくさせて頂いております。
作業をご依頼頂いたお客様の皆様に感謝しております。

さて、今回はジャパンビンテージのストラト2本でブログ更新を考えておりましたが
画像を整理したところ、2本で100枚ぐらいになりましたので(笑)、画像大量長編を
読んで頂くのも疲れるだろうと思いますのでVOL1、2の2本立てにします。

まず前編は日本製スクワイヤーのストラトです。
アラフィフ世代は「あ~~有った有った、懐かしい~」でしょうけど
今やスクワイヤーに日本製が存在した事を知らない世代も多いかと。
要はフェンジャパの廉価版に位置付けされますが多少のパーツグレードダウン程度で
実質生産元もフェンジャパと変わりません。

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ナット交換でご来店頂きましたが…

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フレットの摩耗をご指摘させて頂きました。
今後も弾き続けるとの事で相談の結果、フルレストアをご依頼頂きました。

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ペグはゴトー製のロトマチック、今やラインナップ落ちしてしまったSGシリーズの
廉価版、SGEです。
正直SGシリーズと大きな性能差を感じた事はありません。
ネックグリップのハゲ具合が激シブです。

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ボディー側もピックガードビスが何故かゴールドだったりサビが結構出ていたりで
手を入れる箇所は多そうです。

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まずはフレット抜いて指板修正、フレット打ち。
多少ネジレ傾向のあるネックでしたが木材自体は指板修正で削ってもあまり動かずに
落ち着いていたのでさほど苦労はしませんでした。
フレット打ち終わって一段落。
指板修正~フレット打ちは毎回くどく書いているので割愛です。
逆に今回はいつもはサラッと書き逃げている内容をネチネチと書いてみようかと。
最近常連様のDIY派からご質問頂く内容も散りばめますので電話やメール返信で
ご説明内容が分かり難かった内容も参考にして頂ければ。

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さて、レストア作業には付き物の金属パーツ研磨。
ロトマチックのペグ編です。
各ペグに元弦のマーキングをしているのは元に戻す際に同じ弦に戻す為。
オーナー様なら○弦のツマミにはキズが入っていて○弦は回転トルクが他より軽くて…
みたいな長年馴染んだ使用感があるじゃないですか。それを変えない為のマーキングです。

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まぁ何十年も使っていればサビやギアボックスからの油染みが出ていて当たり前。

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クリーニングや研磨作業でこんな感じに仕上げます。

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で、どうクリーニングしてるかですが、
ギアボックス周辺によく見られる油染みに汚れが付着して固着、油成分自体も酸化して
固まっているので普通に乾拭きではあまり取れません。酷い場合はベタつきも出ています。
ベタつきがあると拭上げるクロス類が引っ掛かります。
かと言ってサビでも無いので不要にキズを入れるワイヤーブラシや研磨素材までは使う必要が無い。

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そんな時はパーツクリーナーやブレーキクリーナーをウエスやペーパーに吹き掛けて、

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軽く拭上げればスッキリと。クリーナーが固着した油分を溶かして柔らかくしてくれるので。
「何だ、それなら丸ごとパーツクリーナーを吹き掛ければ良いのでは?」と思われるかも
しれませんね。
2弦マーキングしたツマミの根元を見て下さい。
白のナイロンワッシャーが見えますね。
この長年生き長らえてきたワッシャーにケミカル類をブッ掛けると突然糸が切れる様に
ワッシャーが破断する事があります。しかもワッシャーのみの単体販売等は無い。
なので必要な箇所のみをクリーニング、磨き上げします。

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一転、ワッシャーや六角ナットのネジ部にサビが出ている場合は、

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容赦なくワイヤーブラシでゴシります。
ただし使用しているワイヤーブラシは毛が柔らかめ、しかもメンテがてら金ヤスリを
磨き倒して毛先がかなりへたった状態の物を敢えて使っています。
新品の柔らかめのブラシ毛でもメッキのかかった金属パーツを磨けばそれなりにキズが
入るので普通なら買い換え推奨ぐらいにへたった毛先のブラシを重宝しています。

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クリーニングと研磨が終われば組み上げて、

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上で「作業前のペグ使用感を変えたくない」とは書いていますが明らかにツマミが
グラグラするほどトルクが弱かったり逆にワッシャーが千切れそうな程に回転トルクが
硬い場合は調整します。
今回も2個ほど調整しました。なるべくは全弦同じ様なトルクでペグが回ればベストですね。
ちなみにGOTOHの新品ロトマチックペグを取付ける際は全弦トルクを緩めています。
GOTOHの出荷状態では回転トルクが硬めなので使用感とワッシャー保護の意味合いで。

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これにてネック側の作業完了。
ナットはボディー側が仕上がった状態=音が出る状態になってから製作します。

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それではボディー側を着工。

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まずは全分解です。

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ピックアップは裏面にフェライトマグネットが貼られたタイプ。
大昔はイシバシ楽器の中古パーツコーナーでよく見掛けたものだ。←遠い目…
このフェライトマグネットが貼られたシングルコイルはポールピースがアルニコで
ポールピース自体がマグネットの一般的なシングルコイルとは違い、ポールピースは
磁力を持たない鉄芯です。
サウンド的にはやや中域がファットな感じで大昔は「高域が丸い」だの「ヌケが悪い」だの
評価はイマイチでしたが近年当店のストラト愛好家の一部ではわざわざこのタイプを入手して
それこそカスタムショップ製に取付けたりしています。
理由は音作り機器の著しい進化で比較的簡単にサウンドキャラクターを高い次元で変える事が
出来る様になったのでピックアップ自体のキャラ依存度が下がりつつある事、
そしてこれこそがこのタイプのピックアップの「強み」なのですがマグネット自体が弦から
遠いので「ピックアップの磁力が弦を引っ張りにくい」のです。
つまりオクターブピッチの調整などで巻き弦の12F付近の実音で「みょわんみょわん」な
音揺れが出にくい。当然サスティーンにも影響します。
ハムバッキングの載ったギターとポールピース自体が磁力を持ったシングルコイル搭載ギターで
オクターブ取ってもらえれば何が言いたいかはすぐお分かり頂けるかと。

ちなみに普通のシングルコイルでオクターブ取る時はポールピースの磁力の強さにもよりますが
ピックアップは実用域よりもかなり下げます。ピックガードすれすれまで下げる事もあります。
結論から言えばポールピースの磁力が強いシングルコイル搭載ギターは実用セッティングの
ピックアップ高では正確なオクターブピッチ調整が出来ません。
その点今回のセットアップ時のオクターブピッチ調整は何ら苦労する事はありませんでした。

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電装系はΦ16ポットにYM-50レバースイッチで当時物フェンジャパのお約束。
CRLを模したオープンタイプのDM-50から始まるレバースイッチ接触不良祭りは
ケーシングタイプのYMに置き換わって一段落した?かの様に見えたがYMも中々に
接触不良が多い。結果確実に改善される国産レバースイッチはVLXのみになるが
近年VLXの3段は廃版?のようである。5段が健在なのは一安心なれど3段は
値上がりしまくりのCRLかOAKしか選択肢が無くなったのはスイッチ代金を
負担するユーザーにとっては大問題…
VLXの3段の復活を強く願う。
ちなみに近年の日本製フェンダーにはもっと残念な大陸製基板タイプスイッチが
使われていますが接触不良具合がDM、YMより少しマシ。でも耐久性が残念…
そうそう、ポット類ももちろんCTSに変えますよ。

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清掃がてらピックアップカバーを外すと…
フレット研磨時に使用した?と思われしスチールウールが大量に付着している。
これは今後サビに発展してコイルにダメージを与える可能性が高いので全て除去する。
爪楊枝の先に粘着力の弱い両面テープを巻き付けてコイルのダメージを与えない様に
慎重に慎重にスチールウールをペタペタ取り除くが、あまりに慎重に作業し過ぎて
画像を撮るのを忘れました。

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カスタムCTSとVLX5段で配線完了。
このストラトのノブ類は軸の入る箇所にローレット=ギザギザの無いインチ・ミリ共用タイプ
だったのでインチ軸のカスタムCTSを使用。
ローレット有り=完全ミリ規格の場合はミリ規格シャフトCTSを使います。

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で、ちょっと古いブログを見て頂いたお客様から
「ピックガードに導通シート貼ってる場合はポット間のアース取らないんですね」と
言われましたが、取ります!絶対取ります!!確実に取ります!!!
ポットが緩んだりすると導通シートとポットの接触が怪しくなりますし。
何でそんな風に解釈されたかと言えばポット間アースをポット側面で繋げているから。
真上からアッセン画像撮るとアース線が見えにくい。

普通にポットの背中同士を結べば良いのだけれどボリュームなんかはピックアップの
アースやブリッジアース、ジャックへの出力アースを落とすので、なるべくは省スペースに
したいし後は見た目(笑) 個人的に勝手にアース線が目に入りにくい方がキレイに見える?
なんて思い込んでるだけ。

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ピックガード周りが仕上がったので次!
トレモロスプリングは経年劣化で伸びているので当然交換します。

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トレモロ一式を外してボディー研磨!

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研磨&ワックス掛け!

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エンドピン(ストラップピン)もかなりキテるので問答無用でワイヤーブラシで
ゴシゴシする。

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そりゃサビは落ちますが、

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ビスの傘裏に残った青サビ。
これが実は結構曲者でして、青サビは何かしらのガスが出る?のか密閉された空間、
つまりケースに入れっぱなしにしてると他の金属パーツに飛び火する事があります。

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ストラップピン本体側の青サビは結構取れたので継続使用、ビスは新品へ交換のうえ
クッション材フエルトを挟み込んで取付け。

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トレモロスプリングを新品へ交換したらスプリングハンガーとビスがくすんでいるのが
許せなくなったのでハンガーとビスも交換。
毎回この類いで頭を過ぎるのが
お客様はここまで望むだろうか?ここまで気にするのか?」って事。
考えている内に「じゃあ自分ならどう思う?」って結論になる。
なので交換する。
作業してる自分が「ここまでやれば納得出来るかな」って所までやりきれば
おそらくお客様も納得してもらえるだろうし。

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ツッコミ対策で載せておきます。
ブリッジアースもきっちり取ってます(笑)
スプリングに干渉せず、トレモロバックパネルを外した状態で弾いても衣服に
引っ掛からない様に。

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ピックガード側と合体。

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ボディー側完成!

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ナット製作!
全体のセットアップ開始!

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オクターブを取ってから弦高調整に入る。
弦高調整用のイモネジはステンレス製へ交換済み。

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トレモロのクリーニング・研磨後の組み付けではとりあえず純正と同じ8~10ミリ長の
イモネジで組むが弦高調整後は不要なイモネジの突き出しが気になる。
特に6弦近辺はブリッジミュート時に手に当たって不快。

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ミリ規格のこのイモネジは長さが2ミリ単位=6・8・10ミリのバリエーションなので
どうしてもサドル上面きっちり面位置は無理。
そんな時は手に当たる不快感のリスクより調整幅のマージンを優先しています。
短いイモネジがサドルにめり込んでまで弦高を上げて、空いたビス穴、つまりサドルの
ビス穴の内部でサビが発生したら発見は遅れるしサビを取るのも大変なので。
大体標準とされている弦高よりは低めに組む事が多いので引き取り時にお客様に試奏
チェックして頂いて最終調整を行っていますが、時間を掛けて弾く事で好みのセッティング
が変わった=もう少し弦高を上げたいとなってもサドル内サビを防ぐべく。

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で、オクターブピッチ調整時にずっと気になっていたサドル固定ビス=オクターブ調整時に
回すビスのサビ。
近所の金物屋さんを覗いたら有りました!M3でL15のステンレススクリュー!
ワイヤーブラシで研磨すればサビは取れるでしょうけど結構なトルクが掛かるビスでもあるので
ここは交換しておいた方が安心。どうせ交換するならサビ耐性の強いステンでしょう!

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完成!

チューニングしたまま=弦テンションを掛けたまま2日ほど置いてからネックの変化を
確認、必要ならロッド調整して再セッティング。
勿論お客様引き取り当日もネックコンディションの変化をチェック。

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日本製とは言えスクワイヤー。
スクワイヤーにここまで手を掛ける必要があるのか?と疑問に感じる方も居るかもしれない。
でも現状の日本製フェンダーの販売価格、ジャパンビンテージカテゴリーのフェンジャパの
相場を見て欲しい。
もはやフェンジャパに限らず「MADE IN JAPAN」のエレキギターは新品中古問わずに
簡単に買える値段ではない。これからも相場は上がっていくだろう。

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長文お付き合い頂き有難う御座いました。

ジャパンビンテージレストアVOL2、2本目編は明日にでもアップ致します。




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YAMAHA HR-1 コレクターズコンディションをフルメンテナンス編

 2022-01-11
大変遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
本年も当店を宜しくお願いします。

さて、新年1本目のブログ更新となりますが年末に作業させて頂いた
YAMAHA HR-1のご紹介。
数年前にHR-1を徹底的に作業させて頂きましたが同じお客様にリピート依頼を頂きました。
こんな貴重なギターをまたお預け頂くとは大変有り難い事です。

今回のHR-1なのですが、驚くほどの美品!目立つダメージが一切無い!!
それもそのはずでオーナー様はコレクターからお譲り頂いたそうで。
現存するHR-1の中では一番キレイなんじゃない?と言っても過言では無いかと思います。

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塗装面にダメージが無い時点で十分素晴らしいのですが、ゴールドパーツの
コンディションもかなり良いです。


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トレモロ周り等は一番手が当たる箇所なので茶サビが発生してメッキごと浮き上がっていたりと
酷い状態のロッキンマジックは良く見るのですが、多少色抜けしているもののサビが無いのは
本当に驚きです。
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フロントPU横のコンプレッサー、ピエゾPU起動スイッチも正常に作動。
ブラスエスカッションの下にスイッチ類と一体型のABS樹脂?っぽい素材が
敷かれていますがその一部が縮んで浮き上がってはいます。
無理に修正してパキッ!っと行ったら大変なので薄い強力両面テープで浮き上がりを
何とか沈めようとしましたが糊代幅が1ミリ程度なので無理でした。
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ボディー側面のチューナーも問題無し。
チューナーの小さなスイッチにはホコリが詰まりやすいのですがココもキレイ。
大変良い状態で保管されていたのでしょう。
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指板サイドのLEDも全点灯。
近年は高輝度LEDが当たり前になり、指板に高輝度LEDが埋め込まれている物も
珍しくはなくなってきましたが高輝度だと抵抗上げて照度を下げても光方が鋭いので
本当に暗い状況下では光がボヤけて正確なポジション確認がしにくいなんて話も聞きました。
サイドポジは高輝度ではないLEDの方が向いているかと思います。
高輝度ではない従来型LEDは電気街でも売っているのをあまり見なくなってきましたが。
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さて、巨大なコントロールパネルを明けてみます。


こちらもホコリやゴミの侵入が少なく、大きなトラブルは無い模様。
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純正の単3x6本の電池ボックスは既に9V角形仕様に変更されています。
バッテリースナップもクリフなのでバッチリなのですが、電池の固定方法が
ちょっと残念。おそらくメラミンスポンジが詰め込まれております。
電池固定方法は手を入れたいかと。
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トレモロのサスティーンブロック角に青白い粉吹きが見られます。
深くまで浸食してなければ良いのですが、これはトレモロ外してクリーニングします。
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トレモロスプリングも伸びているので交換します。
毎度の事ながらブリッジアース線のハンダ付けが気に入らないのでハンガーごと
変えてしまおうかと。確かこの頃は現行GOTOHのハンガーと互換性があったはずなので。
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トレモロ外してみました。
やはりちょっと酸化して粉吹いてますね。

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ピエゾPUの基板を外したら固定ビス穴も少し怪しい。
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まずはサスティーンブロックの問題箇所を柔らかめのワイヤーブラシで研磨。
粉吹きを落とします。メッキも落ちているので対策を施します。
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剥がれ落ちたメッキを部分的に補修するのは無理なので、現状維持、再度の粉吹き防止対策として
粘度の高いリチウム系グリスを薄塗りして金属表面を保護します。

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ピエゾのビス穴周辺も同様に。
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ビス穴自体には爪楊枝でグリスを塗布。
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トレモロ部のメンテナンス完了。

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今度はネック側を着工。
6弦側のローフレット付近が逆反りの少し捻れぎみでhがあるものの、音詰まりが出るほど
酷い訳では無い。お客様に今後の使用頻度を尋ねるとコンディションチェックでたまに弾く
ぐらいとの事なので今回はフレットのすり合わせで様子を見る事に。
ペグ、ロックナット、テンションバーも外して1個づつ清掃。
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さあ問題のバッテリー収納部だ。


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底面にウレタンが貼られているが既に硬化してカッチカチ。

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9V電池用のバッテリーホルダーを使って固定する事にします。

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ホルダーはビス止めでしっかりとした固定が可能。
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ただ…ボディー厚が45ミリ、ウレタン込みでザグリの深さが32ミリ、ウレタン剥がして
36ミリ。45ー36=9ミリ。長いビスは使えない。
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このホルダーを使う時によく使うビスを入れてみると突き出し量は6ミリ。
ちょっと危険なので、
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食い切りで先端を2ミリほどカット。
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ホルダー取付け完了!!

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電池固定もバッチリ!

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ジャックはモールドタイプでした。まだ使えると言えば使えますが流石にガリが出ていたので
交換。
プラグイン時のスイッチノイズ対策なのかセラミックコンデンサーの103がホットとアース間に
仕込まれています。
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ハイパス用の102なら在庫していますが流石に103は持っていないので流用する事に。
ジャックは安定安心のスイッチクラフト12Bです。
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取付けたらこんな感じ。
プラグを差してもどこにも干渉していないので問題ありません。
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結局と言うか予定通りと言うかトレモロスプリング、ハンガー、ハンガービス全て交換。
ブリッジアースは画像では見えていませんが、いつも通りスプリングに干渉しない様に
ザグリ側面底をはわせております。
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ちなみにロッキンマジック期のヤマハ、トレモロスプリングはポン付け交換では
済みません。
画像上が純正、下がGOTOH。サスティーンブロックに引っ掛ける足を曲げないと
簡単に外れてしまいます。
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ようやく最終調整を残すのみとなりましたが、電池収納部の蓋の固定ビスが気に入らない(笑)
バックパネルのビスを全て新調したから余計に気になる。
画像では銀色に見えますが実際は黒のメッキが剥がれてあまりキレイではない。
コインやマイナスドライバーで脱着可能なのは便利かもしれないがサスティナーでもないので
頻繁に電池交換する事は必要ない。
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なので同じビス径、ほぼ同じ長さののプラスねじ黒を買ってきました。
もちろん純正ビスはお客様へお返しします。



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完成!



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前に作業したHR-1をブログアップした時に
こんな綺麗なHR-1はもう見る事ないだろう的な事を書いた記憶がありますが、上書きです。
今回のHR-1以上のコンディションの物を触る機会は無いでしょう! たぶん(笑)
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冒頭にも書きましたが本年も当店を宜しくお願いします。
またコロナが拡大しつつあるので、もう少しは我慢の日々が続きそうですが
今年の後半ぐらいには元の暮らしに戻れたら良いかな?なんて思ってます。
今年こそ皆様の音楽活動が再開出来る様になれば良いですね。





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インド三部作コンセプトでランダムスターを組み上げる編

 2021-10-09
最近ブログ更新が滞りがちで申し訳ありません。
作業を止めてブログを書く時間が中々取れなくて。
お盆の頃から9月は雨続きだったりと湿度が高くてネック周りの作業が大幅に遅延しております。
作業をご依頼頂いているお客様には今しばらくお時間を頂戴戴ければ幸いです。

さて、今回は王道ギターの作業依頼を頂きました。
ESPロゴは入っておりませんので廉価版?だと思われますがランダムスターのローズ指板仕様です。
ミラーピックガードは別にお預かりしましたが、トレモロ欠品を含めほぼドンガラ状態。
ピックアップはお客様お持ち込みですがペグは新調、トレモロも新たに手配で徹底的に作業します。
お客様がインド三部作期リスペクトなのでアーニー11~48で一音下げでのセットアップです。


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今も続いているフロイドローズ関係の供給不足でトレモロの手配は苦労しました。
物的にフロイドローズを付けたいのですが納期が全く不明…
唯一手配出来たのがシャーラーのロックマイスターでした。
本当に早く元の供給状態に戻って欲しいです。



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まずはフレットから着工。
ネックには問題となるクセが見られなかったので指板修正は天候面以外は順調に進行。
使用フレットはJESCAR #55090。



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雨続きの合間を縫ってフレット周りの作業は予定がかなり遅れるも何とか完了。



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今回のランダムスター然り指板側面のカラー塗装が指板角ギリギリまで来てると
フレット端の処理が大変。いつも通りの手法では塗装が剥げてしまうので。
大雑把に余剰フレットを削ってからは目の細かいヤスリで慎重且つ丁寧に1本1本仕上げる感じ。




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今度はボディー側です。
お客様お持ち込みのピックアップがとレムバッカーなので、



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まずはエスカッション取付け穴の変更から作業します。
ちなみに廉価版?とは言え、きっちり作り込まれているのでビス穴もボディーに対して
垂直に開けられているし各部の精度も高いです。
このエスカッションビス穴を含めミラーピックガードのビス穴も全て一度埋め木して空け直しましたが
埋め木の為のビス穴拡大でボール盤でビットを落とす時に余計な手応えが無い。
普段こんな感覚はあまり味わえません。



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トグルスイッチはオープンタイプから耐久性重視でミニトグルへ変更なのです。




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が、ミニトグルの取付けナット下のワッシャーを落とし込むにはトグルスイッチ穴と
ピックガード穴のセンターずれが問題に。
手作業でピックガード、ボディー側の穴を調整加工して、

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ミニトグル取付け完了。
スイッチの動作方向は純正と同じ。

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お次はノイズ対策です。
導電塗料塗って有線で各ザグリを結ぶ。



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コントロールザグリの落とし込み部はビス穴周辺の一部のみ導電塗料を塗ってパネル裏の
導通シートとの接触を確保します。


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電気系の組み上げ完了。

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ちなみに純正のコントロール、トグルスイッチのパネルは経年のパネル変形の為か落とし込みにパネルが
きっちり収まる方向が決まってしまっていたので、分解時にはパネルのネック側へマーキングしておき、



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パネル裏面の導通シートを貼ってから、

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取付け方向を記しておきました。
頻繁に開ける場所ではありませんが念の為。

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シャーラーロックマイスターを別途手配した木ネジスタッドでマウントして完成!
ペグ、ロックナット、トレモロ、ビス類、全ての金属パーツが新品なので綺麗に仕上がりました。



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こちらは同じお客様からお預かりした初期型プライム。
フレットすり合わせ、スイッチをミニトグル化、ポット、ジャック交換、
エスカッションを白のLP用プラスチック製の物を加工して取付けなど
ディープなフルメンテナンスを作業させて頂きました。
セッティングは勿論一音下げです。



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完成時に並べて記念撮影。


往年の思い出に浸っていると、

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別のお客様より別のプライムの作業をご依頼頂きました(笑) 有り難い事です。
何故か今年は同じギターの作業依頼が続きます。
N4なんかは例年の3倍ぐらいの本数をご依頼頂きました。
作業のご依頼が続くのは本当に有り難く、お客様皆様に感謝しておりますが
コロナはもう続いて欲しくないですね。
どうか第6波は来ずにこのまま終息します様に。

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Washburn N4 フルレストアついでに自分好みへモデファイ編

 2020-10-10
今回は当ブログでも登場回数の多いN4です。

国産アルダーボディーのよく弾き込まれたN4を徹底的に作業させて頂きました。

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まぁこの手のギターお約束でフレットの摩耗が激しい。
早速フレットを抜いて打ち換えからスタートです。

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これまたお約束?なのですがエボニー指板に浅いクラックが入っています。
指板表面に汚れや埃が付着していると中々気付きにくいのですが。

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フレットを抜いた際のチップ修正作業時にエポキシ樹脂を流し込みます。

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指板修正中。
さほど酷いクセは無いネックでしたが低めの弦高設定を狙いたいのでネックのストレート出し
はきっちり仕上げます。

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フレット打ち完了。
ずっと秋晴れのお天気が続いていたのでココまではスムーズに進行してきましたが
秋雨予報に変わったのでネック周りの作業は中断。
ケースに仕舞って天気の回復待ちにします。

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したがってネック側が終わっていませんが先にボディー側を着工。
今回のお客様はヌーノリスペクトではなく弾きやすいギターとしてN4を弾いていらっしゃるので
ピックアップもヌーノルールから離れます。
お客様がチョイスされたのはフロントがダンカンAPH、リアはTBのカスタムカスタムです。
純正フロントの59は今でも十分「アリ」なのですがリアのビルローレンスL500は
正直現代の音作り感覚で言えば扱い難い…

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シャーラー製フロイドタイプのトレモロもアームホルダーにクラックが入っているので
ホルダーを交換します。

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まずはリアPU。L500は専用エスカッションなので汎用のエスカッションに交換する必要が
あります。

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元穴を埋め木して新しいエスカッションに合わせて穴開け。

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導電塗料塗って有線でアーシング。

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先日DIY派のお客様からアースラグの取り付けが難しい箇所(ザグリ)の結線について
ご質問頂いたのでちょっと書いてみます。

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アースラグが取り付け難い場合はその箇所に付けるパーツで工夫します。
今回はミニトグルスイッチを付けるのでその座金ワッシャーにアース線を結線。

純正は一般的なトグルスイッチですが耐久性、操作性ではミニトグルの方がお勧めです。
小指でパシッとPU切り替えするなら断然ミニトグルです。
接点がボックス内封入ですので端子劣化の接触不良もほぼ起きませんし。

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で、一段落したのでボディーを眺めながら休憩していると剥き出しのピッチシフトキャビティーが
ムカついてくる(笑)
詳しくは前回アップの長編サスティナーブログを見て下さい。

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ウレタンシート貼りました。
もちろんヌーノリスペクトな作業の時は貼りません。本人貼ってないはずなので。

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さて、ウレタン貼ってスッキリしたところで(笑)フロイドの作業に入ります。
アームホルダー交換する前に全体のクリーニングをと歯ブラシ(毛は柔らかめ)でゴシゴシ。

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ゴシゴシしている内に奥の細かい汚れにイラッときて気付けば全分解(笑)
しかし結果的には全分解して良かった!

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何故なら1個のサドルのストリングタイテンブロック底の板が無くなっている事に気付けたから。
この小さくて薄い真鍮板が無くなっていると弦を外す際、ブロックを緩め過ぎるとブロックが
ポロッと奥深くに脱落します。
「あーそうそう!ブロック落ちるわ!」って思ったそこの貴方、底板有るか確認してみて下さい。

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更にブロック1個に亀裂が入っている事にも気付けました。
本当に全分解しておいて良かった!

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ブロックは交換するとして問題は底板さんです。
この底板だけでパーツ販売しているのは見た事がありません。
よしんば有ったとしてもシャーラー製フロイド系は時期によって微妙に仕上げが変わるので
汎用性は無いでしょう。
なので作っちゃいます。
0.3ミリのアルミ板を適当にカットしてから、

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ちまちまヤスリで削って成形していきます。

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ドンピシャよりも僅かに大き目のサイズになったら圧入。
純正の真鍮板も圧入されているだけですが(だから簡単に外れる)保険で少しだけ
瞬間接着剤を流し込んでおきます。

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アームホルダーも交換してフロイド周りは一件落着!

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そうこうしている内に天候が回復したのでフレットの側面成形、すり合わせ等の
残った作業を終わらせる。

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指板のクラックも傷跡は残るがきっちり埋める事が出来ました。

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で、パーツ組み付けてる時に新たな問題に気付く。
裏止めのロックナット固定スクリューが表面へ少し飛び出している。

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キャップを乗せて確認するとやはり少し干渉している。
これではいくらキャップを締めこんでも弦をきっちりロックする事は出来ない。

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原因は経年劣化でスクリュー底面部のメイプルが押し潰されて肉厚が少し薄くなってしまった事。
要はビスの表面突き出し量を少し短くすれば良いのだがビスの頭をグラインダーで削ったりすると
切削面からサビが発生してしまう。
通常(フロイド純正状態)なら画像の座金ワッシャーに加えて平ワッシャーも挟まっているはずなのだが
今回のN4は座金ワッシャーのみ。

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なので座金ワッシャーを1枚追加してロックナット表面へのビス突き出し量を減らします。

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良い感じ。これならクランプに干渉する事は無い。

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ついでに気になっていたテンションバーの固定ビス。
頭のプラス穴が崩れている。

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GOTOH製ビスへ交換。
残念ながらフロイドローズは時期によってテンションバーの落とし込みにGOTOHのビスが
入らない事が有るので全てのフロイド純正テンションバーに通用する訳ではないのですが。

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電機系の組み込みも完了。
余談ながら国産N4はUSAとピックアップからスイッチ、ポットへの配線経路が違う。
USAはピックアップからトグルスイッチザグリ内でスイッチへ結線、スイッチからポット=
コントロールザグリへは出力線のみ。
国産はピックアップ線をコントロールザグリ内で別ケーブルへ結線、別ケーブルが
トグルスイッチザグリへ繋がっている。
国産パターンの方がノイズが少なく感じるのだが…特にリアがL500のままの場合は。
ポットにピックアップのアースを直接落とす方が良いのかもしれない。

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完成!
一見キラーのファシストに見えるのは気のせい気のせい…

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いやぁーピックアップ良いですよ!
クセの少ないアルダーボディーって事もあるでしょうがカスタムカスタムはカスタム(SH-5)
の中高域の独特の曇りが少ないしそれでいてカスタムの細かくて心地良い歪みはキープ出来ている。
APHは59よりもツヤが有るのでフロントのロングトーンも気持ち良い。
レスポールに付けた時よりもツヤ感と倍音の拡がりを感じる気がする。

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一番拘った全体のセッティングも狙った感じに組み上げられました。
N4の最大の特徴である弾き易さを活かし切れたかと。
気負う事無く疲れる事無く長い時間弾いていられる感じ。
お客様から頂いた「いやー弾いてて楽しいっす!」の感想が嬉しかったです。
それこそが狙っていた着地点だったので。

N4使ってて音作りに苦労されている方、ヌーノみたいに!と歪ませまくったら
グシャグシャの歪みになってしまう方、フロント使うソロはもっとシングルコイルの様な
くぐもった感じの音が欲しい方、
ヌーノリスペクトこそ正義!でなければ一度ピックアップを交換してみる事をお勧めします。



【追記】

偉大なるカリスマが旅立たれてしまいました。
エディーが居なければ今日のHR/HMギタースタイルは確立されていなかったでしょう。
R.I.P Edward Van Halen
安らかに。そして有難う。

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FENDER JAPAN ST72-R.Blackmore こだわりと個性の詰め込まれたストラトを徹底的に作業した編

 2020-06-13
自粛ムードが少し和らいだ?と思った瞬間に梅雨入りしましたね…
梅雨入り前ギリギリに何とか近年モノ数本のフレット交換を終えて一安心なトーンガレージです。
このブログを書き終え、来週からは梅雨の湿度なんざ関係ナシのヴィンテージ物を作業します。
近年モノは指板修正時に湿度や乾燥で木が動く物が多いですがヴィンテージは個体差はあれど
削ってる最中に雨が降り出そうが雪が降るほど冷え込もうがほぼ動きませんので。

さて今回はセンターレス2シングルのストラト…
クオーターパウンドではなくレースセンサー…

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ローズ指板にスキャロップ、

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イングヴェイと違い掘り込みが不均等なスキャロップ、

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そしてストラトなのにセットネック!

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そう。ブラックモア御大モデルを徹底的に作業させて頂きました!!
いやぁ~中々に難儀しましたよ(笑)

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まずはフレット周りから着工。
セットネックなのでレスポール等と同じくクリアファイル改でマスキング。
実はここに至るまでに一苦労ありまして。
トラスロッドが締め切りいっぱい、それでいて少し順反りだったのでビュレット抜いて専用スペーサーを
削り出しで製作、スペーサー挿入で何とか締め方向に少しだけ余裕を持たせる事が出来ました。
故に本格的な作業着工が可能になったワケです。
ロッド締め切りで何ともならないネックならどんなリペアも施す意味は無いので。

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で、指板修正。
当たり前だが指板修正で指板を削ればスキャロップの形状が崩れるわけでして。

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指板のストレートを確保したらスキャロップ形状を整えます。
丸棒にサンドペーパー貼って深さとフレット根元の形状修正。
6弦側から1弦側へ向かうにつれ深く、ヘッド側からボディー側へ向けて深く…
イングヴェイと違ってかなり難しい作業です。

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スキャロップ形状修正が終われば研磨キズを消すべくスポンジ研磨剤で研磨。
研磨しているうちに自分が入れた研磨キズと生産時のキズが入り乱れて
終わりの無い戦いが始まる。
結局は全てのキズを消すよりはスキャロップの形状を崩さない事を重点に仕上げるのですが。

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ようやく指板修正終了。
普段の数倍時間が掛かりましたが(笑)

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フレット打ち完了!

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すり合わせを終えて指板にオイルを入れたらネック周りは終了。
…なのですがオイル入れたらスキャロップの研磨キズが数カ所どうしても気になったので
結局再研磨しちゃうと言う…

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何とか特徴的なスキャロップ形状は維持したまま仕上げる事が出来ました。

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さて、ここからはボディー側へ着手します。
まずは導電塗料塗布。

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ブリッジは酷いサビ等は出ていませんでしたがそこそこ劣化しているので全分解して
クリーニング。

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サドルの弦高調整イモネジ、6本のスタッド全て交換。
サドルのイモネジは最終調整が終わらなければ適正な長さが見えないので暫定で
純正同長のビスを取り付け。
スタッド1本が極端にサビていたのでその箇所のみサビ除去の意味合いでスタッド穴拡大⇒
埋め木⇒空け直し作業を行う。

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お次は電気系。
お客様お持込みのレースセンサーへの換装、ポット類は全てCTS=スムーズポットへ交換。
レバースイッチは信頼のVLX。

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作業前の状態。

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組み込み完了。
ここだけの話、VLXレバースイッチをボォーっと生きていた自分はうっかり5段を手配していた(笑)
なので発注やり直しの都合、上の画像からココに至るまで2日を要した(笑)


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ピックガード付けて音が出る様になってからナット製作。
純正同様のデルリン素材では高域が丸いのでお客様と打ち合わせのうえ無漂白牛骨で。

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ちなみにペグは元からロック式。

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この埋め込み式ストラップピンやロック式ペグ、不均等スキャロップ、セットネック…
本当にリッチーのこだわりが詰め込まれたストラトですね。

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セットアップで弾いてみて改めて感じるけどスキャロップはイングヴェイモデルよりこちらの方が
弾き易い…と言うか違和感が少ないと言うか…

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こっちの方が理にかなってるんでしょうね。たぶん。
加工はかなり大変ですけど。

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弦高が決まったらサドルのイモネジの長さを最適化。
一般的なプレスサドルより70年代ブロックサドルの方がイモネジの突き出しが気になり易いので
余計な突き出しを無くならせるだけで快適にミュート出来ます。

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やはり出音も普通のストラトと違う。
音の拡がりが抑えられつつも立ち上がりの速さ、普通のストラトには無いソリッドな高域。
以前フェンダーカスタムショップ製のスルーだったかセットネックだったかのストラトを作業したが
レスポールチックにボディーがメイプルトップのマホバックだったのでサウンド的にはストラトから
遠ざかっていた。
それだけにアルダーでセットネックのこのストラトは新鮮且つストラトの範疇を越えていない。
個人的にはリッチー云々抜きにしてアリだとは思っている。

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このブログを書くにあたってBlackmoreのつづりが黒に「人を~憎むぅ~弱さを~みた~」のモアで
スペルが合っているかを確かめるべく「リッチー…」でヤフー検索したら変換候補が
リッチーブラックモア、リッチーサンボラ、リッチーコッツェンの順だった(笑)
リッチーから始まる名前の著名人はギタリスト以外に居ないのか?
はたまた自分のヤフー検索だからこの変換候補なのか??
つーか全員使用ギターが個性的なリッチーさん達ですやん。全員フェンダー使いやし(笑)

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鉄キャップアームなれど長さが普通。
ロングアームってまだ入手出来るのだろうか??

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YAMAHA SG-1000XY PHOENIX を徹底的にレストア。 甦れ!フェニックス編

 2020-02-29
今回はレアなギターを作業させて頂きました。
ヤマハのSG-1000XYです。
頭がVではなくBOWWOW世代としては崇高な存在のモデルなのですが…

お預かりした時の状況はかなり厳しいものでした。
電気系は全て入れ替わっているしトレモロもタケウチ製に素人作業で載せ換えられています。

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トレモロバックパネルは途中でカットされて何やらよく分からない回路用のバッテリースナップが…
そしておそらくストラップピンを移設したと思われる様な痕跡が。

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内臓回路用にミニスイッチが増設されています。
本来マスターボリュームの位置にトグルスイッチが…

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PUのエスカッションもかなり太いビスで止められています。

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ネックのコンディションも良くなかったので大変な作業になる旨をお客様へ説明させて頂きました。
それでも当時憧れていたギターゆえにせめて普通に弾ける様にまではとの事でした。
なので当時憧れていらっしゃった状態=デフォルトの状態へ如何に近付けるのか?が今回の
コンセプトです。
もちろん入手出来ない純正パーツ、元には戻せない改造跡だらけと問題は多いですが
現在入手出来るパーツ類でやれるだけやってみます。
BOWWOW世代のリペアマンとしては最高に誇らしい作業依頼ですしね。

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まずは全てを分解。

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ネックは重症では無いもののネジレ&波打ちのフルコース…
トラスロッドが機能していたのは不幸中の幸いか。
指板修正はかなり時間を掛けて徹底的に行いました。
途中で一度弦を張れる状態にして問題の改善具合を確認しながらなので中々に大変でした。

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フレット打ち完了!
使用したフレットはJESCARの#51108。純正フレットに横幅は近く、高さは現代基準。
日本規格のワイド&ローのフレットも入手は可能ですがこの先長く弾いていける様にと。

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リアPUの耳部分が雑に掘られています。
おそらくお客様はここまで見ていないだろうしピックアップ付けてしまえば見えない場所でも
あります。
でもこの状況のまま作業を進めるのは個人的に許せません。

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普段はめったに使わないウッドパテで埋めます。

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トレモロの要加工部と一緒にルーティング。

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導電塗料塗ったらこの通り!
トレモロ部はラッカーで着色しました。

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ちなみに新たに載せるトレモロはGOTOHのGE1996TなのですがGOTOH純正スタッドアンカーだと
アンカー穴を拡げる必要があります。
が、上の画像を見て頂いても分かる通りリアPUやトレモロザグリまでの距離が近く、
既にアンカーからリアPU側へは塗装のクラックも見られるので現状のアンカーサイズに近く、
ボディーへの負担が増えずに精度は欲しかったのでフロイドローズ純正スタッド&アンカーを
採用しました。
画像左より純正アンカー&タケウチのスタッド、GOTOH純正、フロイド純正です。

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さて、お預かり時よりずっと施工方法を悩んでいた増設ミニスイッチの穴。

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埋め木+タッチアップ塗装も考えましたが肉厚も薄い箇所なので経年変化や仕上げの難しさの
問題があります。
なので以前別のリペアで使ったアイデア、家具用のキャップを使うつもりでしたが…
サイズはミニスイッチ穴に対して大きいしツヤ消しなのが引っ掛かってました。

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施工方法を決めきれないある日、全く別の用件で金物屋へ行った時に使えそうなアイテムを発見!
家具用キャップよりもサイズは小さいし黒のツヤ有りなのでこちらの方が良さげです!

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仮止めして付けてみた。
うん。こっちで行こう!

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で、本当に大変なのはこっちですわ。
トグルスイッチサイズに拡大されてしまっているマスターボリューム穴。
このままでもCTSポットは付けられると言えば付けられますが自分的にこのままなのは
ナシです。

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用意したるはCTSのシャフトにジャストサイズの肉薄アルミパイプ。

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穴の形状を整えてからパイプを入れてみたら狙い通りジャストで入る。

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ボディートップのアーチ形状をマーキング。

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金属ノコでカット。

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ここからは慎重に加工。

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最後は完全に手作業で攻めていきます。

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ちなみにアーチ形状と合わせながらの加工ですが位置は元から空いているポット用のピン穴の
直下部にマーキング入れてるのでいつでも同じ位置に差し込んで形状チェックが出来ます。

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ポット用スペーサー完成!
正直言うと加工中に力を入れ過ぎてパイプがたわんだりサンダーで削っている時に
吹っ飛んでどっか行っちゃったりで都合3個目で完成(笑)

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これにてコントロール周りの問題は解決とします。

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ようやくボディー側の作業が完了しました。

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次なる問題はピックアップです。
純正はヤマハ独特の3点止めエスカッションにフロントは黒のPUカバー、
リアはフェニックスの柄に合わせてエスカッション&PU共にゴールド。
ピックアップはフロントはダンカン59、リアはJBの絶対的定番セットにします。
リアはゴールドカバー付きがあるので何の問題も無いですがフロントがね…
今時黒のメッキの施されたPUカバーは無いんですよ…
なので妥協はするのですが用意したのは黒ツヤ消しABS製の穴無しPUカバー。
コイツにダンカンピッチでポールピースの穴を開けてみようかと。

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薄いABS製なので加工中に「ペキッ」っと割れてしまうかもしれない。
でもカバー2個あるから一度の失敗は許される(笑)

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まずは59のカバーを外す。
さすがダンカンさん。カバーとPU本体はしっかりロウ浸けされてました。⇒外すの大変(笑)
配線時にコイルタップを設けるので59は4コンダクター仕様です。

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ダンカンのカバーをABSカバーに載せて位置決め。

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ボール盤の回転速度を少し下げてから少し小さめの穴を開ける。
更に回転速度を下げてリアルサイズ一歩手前のビットで開ける。
そこからはヤスリ手作業で進めます。

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1個目で無事成功!

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早速59に着せてみる。
ツヤ消しの黒ではあるけども中々良い感じだ!

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ちなみにエスカッションは底面を削って高さを現物に合わせました。

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組み込み完了!
画像は有りませんが大きめの打コンは全てタッチアップで埋めてます。
1本のギターで施工したタッチアップ箇所としては過去最高?ぐらいで何カ所作業したか
思い出せないぐらいです。

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サラッっと書いてますがリアPUも一苦労ありました。
純正と同じブラス(真鍮)製エスカッションは既に入手出来ないので妥協してプラスチックに
ゴールドメッキのエスカッションなのですが…
コイツにTB=トレムバッカー用のPUカバーが入りませんでした。
なのでエスカッションの内径横幅を拡げようとヤスリを入れた瞬間、メッキがペロッと剥がれました。
諦めきれずにエスカッションを再注文して挑むも結果は同じ。
仕方なくリアはトレモロ付きなれどTB-4ではなくSH-4にしました。
言い訳としてはフェニックス発売当時の1985年にダンカンTBシリーズはまだ販売されていなかった
と言う事で。
したがってTB-4のゴールドカバー付きを在庫しております。どなたか買って頂けませんか?(笑)

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コントロールは純正とは少し違います。
純正はマスターボリューム、フロント専用ボリューム、フロントトーンらしいのですが
それでは汎用として使い難いのでマスターボリューム、マスタートーン、
フロント&リアのコイルタップ切り替えスイッチポットとしました。

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トグルスイッチとコントロールのパネルは作り直し。
トレモロバックパネルはザグリが全て隠れるサイズで製作。

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パネル裏にはアーシング用のアルミテープを貼ってます。

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ようやくここまで来た…
ここ数年では一番試行錯誤を繰り返した作業かもしれない。

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リフレクター付きノブの並びは純正と同じボリューム・ボリューム・トーン。

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ペグはメッキの劣化が酷かったのでGOTOH製新品へ交換しています。

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でもロックナットは替えがきかないので流用。レンチが4ミリなのも不便だが流用。
このタイプはジャクソン/シャーベルのケイラー同様にロックを締め込むとチューニングは
かなりシャープします。
ですので締めてからファインチューナーで調整、その調整幅分をロックナットを緩めて
再チューニング、の繰り返しが必要になります。

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最後の調整を終えた時、疲れよりも満足感、達成感の方が遥かに大きかったです。
かなり手は掛かりましたがお客様のフェニックスへの想い、自分の拘りとプライドを
注ぎ込めたと思います。

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近年メディア(ネット)で露出があったフェニックスはリアがゴールドバーポールピースの
オープンタイプPU、トレモロはロッキンマジックⅡの様でした。
近年仕様へ変更とか言われたらどないしよ…(笑)

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1985年に150本限定で販売されたこのSG-1000XY、言うまでも無くかなり貴重です。
自分も長くこの業界に居ますが今回のフェニックスで見た、触れたのは3本目です。


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バイギブのオービルLPスタンダードを徹底的に作業!フロントPU断線や全ポジマーク浮きのフルコース編

 2020-01-18
それにしても今年の冬は雪が少ないどころか暖かいですねぇ…。

さて、今回はバイギブのLPスタンダードです。
お持込み頂いたお客様は気付いていらっしゃいませんでしたがバイギブは黒カスやSG、エクスプローラーや
FV等はよく見掛けますが実は一番売れ筋と思われしスタンダードの流通本数は多くありません。
現在ではジャパンヴィンテージとして確固たる地位を築いているのでプレミア価格で取引されている事も
珍しくはありません。

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眠っていた系なのでホコリの蓄積がスゴいですが本当にバイギブのスタンダードを見るのは久しぶりです。

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まずフロントPUの音が出ないとの事でしたのでチェックしたところ、異常な抵抗値でした。
なのでまずはフロントを何とか復活させる事が出来るのかに挑みます。

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純正でギブソン製PUです。

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アセテートテープを剥がして分解、各ボビンの抵抗値を計測したところ、
問題があるのはフラットポールピース側のボビンと判明。

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当該ボビンを分離。

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コイル巻き終わりの白線を外して外周テープを慎重に剥がしつつ鬼集中してコイルを
激慎重にほどいていきます。

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断線箇所発見!!

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コイルの被膜を剥がして元の白線へ接続。

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何とか復活出来ました。
しかしながら経年劣化による様々な原因で断線したと思われるので
今後また別の箇所で断線する可能性は残ります。
その時はPU交換か完全リワインドがお勧めになります。

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フロントPUの問題が片付いたのでフレット周りに着工するのですが…

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今回はほぼ全てのポジションマークが浮いております…
指で軽く押すとパカパカ動くぐらい浮いている物もあれば端だけが軽く浮いている箇所と
症状は様々。

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まずはフレットを抜きます。

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続いて全ポジションマークを外します。

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よぉ~く見て下さい。
ポジションマークが反っているのが分かりますか?
つまりポジションマークの接着に問題が有った訳ではなくポジションマーク自身の「縮みによる反り」が
今回のポジションマーク浮きの原因です。

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再固定に入りますがまずは余分な接着剤の跡を削ぎ落とします。
ここで重要なのは必要最小限=ポジマークが深く沈み込まない様に、底面のフラットを崩さない様に
削る事です。

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こんな感じ。

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ポジマークの仮合わせを繰り返して削ります。

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全箇所底面修正完了。

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接着に入ります。
ポジマークの裏面=接着面に#150程度の粗めのペーパーで傷を付けます。
これは接着剤の食いつきを良くする為です。

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接着剤はゼリー状のアロンアルファを使用。
四隅と中央に少量。

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接着完了。
僅かに接着剤がはみ出てますがこの後研磨するので問題ありません。
むしろ少しはみ出すぐらいの方がきっちり接着剤が行きわたっている証なので安心です。

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全箇所接着完了!

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一晩置いて完全に接着剤を硬化させてから指板修正に入ります。

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段差等も無く綺麗に仕上がりました!

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フレット打って指板周りの作業は完了。

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お次はヘッド表面をキレイにします。
通常はペグブッシュも抜いてバフ掛けしちゃうのですが…
1弦ブッシュの横に塗装浮きっぽいのが見えます。

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なのでブッシュを抜かずに手作業で研磨しました。

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やはり塗装が内部で浮いている様です。
無理にブッシュを抜くとペリッ!っと塗装が剥がれてしまってもおかしくはないので
ブッシュを抜かずに作業で正解でした。

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ようやく木部は一段落したので次は金属パーツをメンテナンスします。
パーツクリーナーを使用しますがペグはそのままクリーナーをブッ掛けると内部の必要なグリスも
流れ出てしまうのでウエスにクリーナーを吹き付けて手作業で掃除します。

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左の2弦用が施工後、右の4弦用が施工前。
ちなみにブリッジやテープピースは遠慮なくブッ掛けてクリーニングします。

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そろそろ電気系も組み込む段階なのですが…

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フロントは冒頭の作業で組み込み時に外周アセテートテープを巻き直してますが
リアは劣化したままなのが気になる。

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なのでリアも貼り直して、

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フロントと一緒にロウ浸け。

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これでPUの準備完了です。

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ボディーはいつも通りザグリ内に導電塗料塗って有線でアーシング接続。

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コントロール部もいつも通り。

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配線完了!

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完成です。
やっぱり良い鳴りしてます。
これからは再び眠りにつくのではなくガンガン弾いて欲しいですね。

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多少の打コン等のダメージはありますがここまでコンディションの良いバイギブスタンダードは
もう今後見る事は無いのかもしれません。
後世に伝えるべく「THE 日本製レスポール」かな。

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GIBSON '70s ES-340 TD 潜むトラップにことごとくハマった編

 2020-01-18
ちゃんとしたブログを書くのは久しぶりになります。
ようやく年末年始のバタバタから落ち着きを取り戻しつつあります。

今回はギブソンのES-340 TDです。
1969年から73年までの短い間しか生産されていない中々にマニアックなセミアコです。
シリアルから判定する製造年は70~72年、でもラベルカラーやオリジナルと思われしPUカバー表面に
レリーフ刻印が無いので70年製と思われます。

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335とは違いメイプル尽くし。

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ネックはメイプルーウォルナットの5ピース。

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Fホールから覗くコントロールの配線には何やらマスキングテープらしき物が…
しかも奥に見える線はどう見ても汎用の配線材。
でも良いんです。配線は既に変更されているみたいなので。
本来の340はトグルスイッチでリアPUのフェイズ/パラレルの接続変更、
通常のボリューム・トーンはPUバランサーを装備し、一般的な配線レイアウトではありません。
この340は既にごく普通の配線レイアウトへ改造されています。

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ブラスサドルのABR-1ですがコマ鳴りが発生しています。
これは組み込み時に手を加えようかと。

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さて、分解に入ります。
電気系はチャチャッと全バラシ、毎度の通りまずはネック=フレットから着工です。
で、お預かり時にフレット交換歴アリなのは分かってましたが…
ナットは「適当リペアあるある」でプラ板と薄板の下駄を履かされていました。
そんなにナット作り直すのが面倒なのだろうか?いやどうしてオリジナルのナットを
活かしたかったのか??

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はい。早速第1トラップにハマりました。
フレットは木工用ボンドで止められてました(笑)
そう言えば下駄履きナットも木工用ボンドで付けられてたな…
フレット溝の側面のみならず底面から取りとめなく湧き出してくる木工用ボンドの残骸…
木工用ボンドは硬化してもフニャフニャ柔らかいくせに導管には染み込むので今回の様に
フレット溝の中だと除去は滅茶苦茶大変です。
カッターナイフでひたすらこそぎ出す。

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木工用ボンドの残骸除去に半日近く費やして(チップ修正も含む)ようやく指板修正。

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そこからフレット打ちまでは比較的スムーズだったのだがフレットすり合わせ時に
金属粉を吹き飛ばすべくコンプレッサーでプシュ~っとエアー掛けたら突然思いも寄らぬ
マスキング済みのフロントPU奥からデカいホコリの塊が飛び出してきた!
しかもその断片が目に入った…
水道で目を洗って目薬さして暫し休憩。
指板修正前にFホールやPUホールから念入りにエアー吹いてホコリは取り切ったはずだったのに。

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フレット周りが一段落した頃にはトラップ慣れしてきた(笑)

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さて、電装系や組み込みに入る。

まずは分解時より気になっていたブリッジのスタッド穴。
埋め木が施されているが今空いている穴とどちらが正しいスタッド位置なのか?
日焼けの具合からすれば今の穴位置っぽいがスケールポイントから計測するとどうも
埋め木穴っぽい。
なのでブリッジだけ先に仮組みして弦張ってクリップ式チューナーでオクターブを見てみようかと
考えたんですが…

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スタッドめっちゃ曲がってました(笑)

分解時に指でスルスル回して抜けたので「あぁスタッド穴拡がってんな。組む時埋め木するか」程度で
スタッド本体はちゃんとチェックしてませんでした。
まぁコレはトラップって言うよりも自分のミスチェックなだけですが。
で、交換用のスタッドを発注したら今度は発注元のミスでゴールドのスタッドが届いたと言う(笑)
呪われてんな。今回は(笑)

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正しいスタッドが届くまでに先に作業を進める。
まずはピックアップのロウ浸け。

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で、またトラップ出現。
交換すべく取り寄せたピックアップマウントスクリュー4本入り1パックのうち1本だけが
インチサイズでは無い、ミリサイズでも無い(笑) 何のビスやねん?状態。
こちらも取り寄せし直して何とか組み込み完了。

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そしてリアPUのフェイズ/パラレル用出力線。
お預かり時はマスキングテープで絶縁(したつもり)されていた場所。

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メインケーブルへきっちりハンダ付けしてから…

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収縮チューブで絶縁。
と、文面と画像を見ればすんなり進んだ様に見えるがココにもトラップは潜んでいた…
収縮チューブはめてから抵抗値を測ると明らかにおかしい。
収縮を剥いてチェック。
どうやらメインケーブルへ落とした副線の作業箇所では無いところで短絡(=
ホット出力がアースへ接触している)のを発見。
手直しして再度収縮チューブをはめる。
こいつは不幸中の幸いか?本体へ組み込み後に発覚したらとてつもなく面倒な事になっていたはずだ。

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リアだけ収縮チューブはめるとフロントもはめたくなるよね~。

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さて、今度はポット周りだ。もはやどんなトラップが出ても動じない(笑)
交換されているポット類だがそれなりに劣化していたりハンダの熱も相当加わった跡が
あるので全交換。ただしトーンのキャパシターは流用。

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組み込み時に引っ掛かって邪魔にならない様にトーンからの出力線をキャパシターで
軽く押さえる様に工夫。
使用している出力線は最近お気に入りのモガミ製オーディオ用1芯シールド線。

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この様にポットから真っすぐ線を引き出せます。

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トグルスイッチも配線して下ごしらえ完了。

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コレなのよ。大変なのは。
でも今回はトーンの配線に一工夫したお陰で割と短い時間で組み込めました。

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FホールからはリアPUの線は仕方ないにしても余計な線が見えない様に組めました。

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ブランコテールピースへ繋がるブリッジアース線は元の線材の被膜内部までサビが入っていたので
新調。

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先端を取り付けビスの穴に引っ掛けてスッポ抜け防止策。

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さぁようやくココまで来た。
オクターブピッチ的には埋め木穴が正しいスタッド位置っぽい感じだったがブラスサドルのコマ鳴りを
防ぐべくなるべくサドルをオクターブビスで締め込みたかったので現状の穴を使う。
が、穴サイズがスッポスポだったので埋め木して空け直し。

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ABR-1も分解しtれ清掃。
ブラスサドルを止めるオクターブビスはビスピッチに軽くキズを入れてサドルとのガタを
無くしています⇒コマ鳴り防止策。

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コマ鳴りは止める事が出来ました。
2回目入荷のスタッドはちゃんと銀色でした(笑)

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ここまで色んなトラップにハマって段取りが狂うと逆に徹底的にヤリたくなる。
ネックグリップに有った演奏時微妙に気になる打コンをタッチアップで埋める。

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ようやく完成!

元よりフェイズアウトを盛り込んだ仕様なのでフロントとリアはミックス時にフェイズアウトに
なるがオーナー様は購入からお持込みまで数カ月その状態のまま弾いていたらしいので
フェイズのまま組み上げた。
まぁ使いにくければまた分解してピックアップ内部に手を入れれば良いだけだし。
もはやそれぐらいの手間は何とも思えないほど今回は色んなトラップを堪能した(笑)

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78年製グレコGO-1000を徹底的にレストア。同時に近代的かつ実用的にアレンジを加える編

 2019-11-30
少しバタバタしておりまして中々ブログの更新に手が回りませんでした…

今回はグレコのGO-1000です。
お客様はファーストオーナーでコンディションはバツグンです!
本来はPRSを購入しようとお考えでしたが予算の都合でこのGOを生まれ変わらせる事を選択されました。
なのでこのスルーネックでウイング材はセン、音質的にはドンシャリぎみのGOに中域の膨らみを持たせるべく
色々手を尽くしてみます。

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ネームプレートは1977…でもヘッドシリアルは78?

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ゴム製のローレットリングも千切れずにしっかり残っています!
同時期のアイバニーズもコレを採用していますが何故か千切れて欠品している物が多い。

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重い金属製のコントロールパネル。

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内部の配線は一見問題無さそうですがポットにガリ等の経年劣化は顕著に見られます。
ですので電気系はPU以外全て入れ替えます。
ちなみにミニスイッチ2個はフロントPUのシリーズ⇔パラレルとリアPUのフェイズですが
今時では使い難いのでスイッチを新品交換のうえフロント・リアの個別コイルタップへ変更します。

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それでは本格的に分解に入ります。

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PUのマウントベース。
よく見る同時期のGOはマウントベースをボディーへ固定するビスが完全にサビている事が
多いのですがキレイです。

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PUに充填されているゴムも縮みやクラッキングが無い。
何度も言いますが本当に良いコンディションです。

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さて、それでは…

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いつも通りにフレット抜いて指板修正から。
今回は弦高低めのプレイアビリティーも狙うので指板修正はかなり神経質に行いました。

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これぞ日本製!なブラスと牛骨の貼り合わせナット。
これはこれでGOのアイデンティティーですが弦と直接作用する部分がブラスでは音が硬すぎるので
無漂白牛骨の1ブロック物へ変更します。
まぁナットの製作なんてまだまだ先の工程ですけど。

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元々ネックに面倒なクセは無かったので指板修正も順調に進み、フレット周りが完成。

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お次はボディー側へ。
まずはコントロール内のアルミ箔を剥がします。
アルミ箔はしっかり導通が取れるし貼り易いのでこの時期は多用されていましたが
シワの浮き上がりがホットラインに触れるとNGなのでいつも通りの導電塗料塗布にします。

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塗り終わり。

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もちろんPUホールも。
画像は無いけどトグルスイッチホールも。

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PUマウントベースから組み込みますが同時にアーシングの結線も割り込ませます。

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と、このまま電気系の作業を進めたいのですが…
フレット周りを作業している頃からずっと気になっていたヘッドの1弦側角の塗装欠けが
どうしても許せなくなったのでタッチアップで補修。(画像は補修後)
こんな寄り道ばっかりしてるから毎回段取り通り進まない(笑)

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ちょっと遠回りしましたが電気系組み込み完了!
ポットはCTSですが純正のノブを流用したいのでシャフトはミリサイズの物を使用しました。
もちろんスムーズポット化しております。

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純正ノブのローレットリングをクリーニング&シリコンオイルで仕上げ。
右が施工前、左が施工後。
リングの内側までシリコンオイルが流れ込むと操作時に空回りするので綿棒使ってちまちまと
表面だけを作業しました。
プラスチック製のノブ頭面や側面はプラスチック用の極細目コンパウンドで研磨。

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さて、話はブッ飛んでペグです。
ペグはPRSリスペクトと言うワケでもないのですが使い勝手を考えてロック式に。
ちなみにこの頃の純正ペグはしっかりとした金属製(軽金属ではない)なので重い…

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取り付けるGOTOH MG-Tペグ。
47-31=16グラム。
16x6=96グラム!
ヘッドが約100グラム変わるって大きいですよ!!
謀らずしてヘッド落ち対策にもなったと言う。

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ようやく完成です。
画像はありませんがナットの溝切りをいつもより僅かに深めにしたりブリッジサドルの
弦溝を少しだけ加工したりと中域に膨らみを持たせる工夫を施しました。
言葉で表現するのは難しいのですがナットやブリッジサドルで弦に僅かにだけアソビを
持たせてやる事で倍音の広がりを増やす事は可能です。
加工してはサウンドチェック…更に全体のセッティング見直しと手間暇掛かりますが
本当に奥が深くて毎回のめり込んでしまう工程だったりします。
またロック式ペグにした事でペグポストへ弦の巻き込みがなくなりその分ナットからペグポストへの
弦角度が緩くなった事で若干ながら弦テンションも下がる。そしてその分サウンドはふくよかに
なったと感じます。
フロント・リア共にミニスイッチでコイルタップ仕様にして良かったです。
元々シリパラやフェイズの配線レイアウトを念頭に考えられたPU(だったのかもしれない)の
お陰かタップサウンドも十分使用に耐えうる音質でした。

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全体のバフ掛けや金属パーツの研磨も徹底的に行ってピッカピカになりました。
お客様のお引き取り時の笑顔を見て徹底的にやって良かったと実感。

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おそらくは「TEJ-95S」最終型の美品を徹底的に作業する編

 2019-11-05
夏の間はド暇だったのに最近になって少しバタバタでブログ更新が滞ってました。スミマセン。

今回はおそらく9万5千円定価だったTEJの最終型と思われるTEJ-95Sを徹底的に作業します。
この後、時代の流れでTEJ系は値上がりしていきます。

それよりもやな、TEJでブログ書くのん何回目やねん(笑)

しかしこの個体、95S時代の物にしては驚くほどの美品です!

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最終型ならではの2軸2連ポット。
上がボリューム、下がサスティナーのゲインコントロールであるサスティーンボリューム。
こいつが使い難いのよ…なのでいつも通りマスターボリューム化、サスティーンボリュームは
基板改造でフルアップ固定にします。

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先っぽが欠けてない綺麗なTEJヘッドは最近見てないかも。

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DET-1(ダブルエッジトレモロ)とこのローラーナットはセットでもはや伝説だ。色んな意味で(笑)

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そう。弦を張ったり緩めたりチューニングの最中で「ちゅるっ」っと1弦側へお滑りになられる。
これは恒例行事でもある。伝説たる所以の不具合とも言う。
今まで何本作業したか分からない。手を変えネタを変え散々再発防止策を講じてきた。
今は完全な対策方法で落ち着いている。
つーか今を去る事何十年前のギターやねん?と思いつつも多い月は3本ほど作業する。
このローラーナットスペシャルは後半に書きます。

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そして伝説の相棒、DET-1トレモロ。
サドルはサビが酷いので交換。
なのにスタッドの六角穴がナメてないは珍しい。

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前面から見ると既に伝説的恒例症状を発症しているのが分かる。

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トレモロスプリング、ハンガー共に結構なお疲れ具合である。
さて、これより本格的に分解に入る。

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はい。お約束。スタッドアンカー抜け。
手でスタッドごと引っ張ると簡単に抜けてきた。
リアPU側へクラックが入ったり倒れ込んでいないのはまだ軽症である。

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先は長い。
長い故にラクな事から手を付ける(笑)

まずはサドルを外してサスティーンブロックとベースプレートの固定ビスを増し締め。
これは古いギターは絶対にチェックした方が良い箇所です。
フロイド系も同じく。

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ベースプレートを磨いてから新品のブロックタイプサドルを装着!
お客様と相談のうえブロックタイプとしたのですが
こっちの方が音がタイトになるから個人的にはオススメです。(TEJにはね)

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さぁネックに取り掛かりますか!
作業中どこかに当てやすいヘッドの先端をマスキング。
指板修正開始。
とは言ってもこのネック、かなり優秀なコンディションだったのであまり手こずりませんでした。
いつもより早い段取りでフレット打ちへ進める事が出来ました。

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最近フレット周りを作業したお客さんに
「この1本1本フレットの端を丸めるのって大変なんでしょ?どうやってるの?」と
聞かれる事が多いので今回は書いてみます。

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自分はこのフレットエッジの面取り時のキズを消したいから「すり合わせ」作業の途中で
行います。
目の細かい小型の平ヤスリを使って

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右側から、左側から、

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そして上面。

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平ヤスリの作業が終われば根元に残った角を取る為に目立てヤスリで根元のみを弧を描く様に仕上げ。

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もちろん両側から。

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面取り終了。

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研磨終了。
面とった所に周囲の模様が映り込んでるぐらいにツヤが出たら満足。(←自分がね)

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ネック周り完成!
この段階、指板にオイル入れるまでヘッド先のマスキングは外しません。
これが自分的にはジャクソンヘッドに対する尊敬の念です(笑)

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Yから始まるシリアルなので自分の記憶では95Sの最終期だと思うのですが。

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ボディー側へ着工。
まずはマスターボリュームをCTSにするのでポット穴を拡大。

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導電塗料をPUザグリ、コントロールに塗ったら…
恒例のアンカー抜け対策開始!
まずはアンカーの周りにビス穴を空ける。

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アンカーの「へり」に頭が少し掛かる様にエスカッションビスを埋め込み。
これでアンカーが上方向に抜けたくても2本のビス頭がそれを阻止します。
もちろん上のビス穴空けの時点で絶妙な位置出しが必要です。

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ボディー組み込み完了。

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今回は徹底的作業シリーズなのでサスティナー周りには触れませんがフルチューンダンカン仕様です。
トレモロハンガー、スプリング共に新品へ交換。

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徹底的アーシング(ノイズ対策)の〆としてコントロールパネル裏にアルミテープを貼る。

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ちなみに外したハンガーとスプリング。
トレモロスプリングってこんなに曲がっちゃうんですよ~
定期的にとは言わないが数年に一度ぐらいは交換してみてはいかがでしょうか。

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さてと…

面倒…いや、手の掛かる作業は後のお楽しみに取っておく性格でしてね(笑)

いよいよローラーナットの滑り対策に着工します。

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今回ブログには初めて載せますがこのローラーナットの滑り対策作業があまりに多いので
専用治具をだーいぶ前から作って使ってます。定期的に作り替えるのでこいつで3代目ぐらいかな?
治具を使って底面に2φの穴を空ける。

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次に用意するのは2φの真鍮棒。
幾年の時を経て真鍮に落ち着きました。
これより硬い材質だと稀にネック側が負ける事が有ったので。

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真鍮棒を短く切って整形、そしてナット側の穴へ圧入。

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今回は作業前の計測でナットの高さが低めだったので0.5ミリのスペーサーも作りました。

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治具使ってネック側へも穴開け。

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スペーサー挟み込んでナット取り付け完了!
真鍮棒とネック側の受け穴がきっちり合えば接着剤要らない?ってぐらいしっかり取り付け出来ます。
これにてナット横滑り対策完了!!


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組み込み完了。

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コントロールの使い勝手もバッチリ!

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お客さんには大切に永く弾いて欲しい1本に仕上がりました!

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近日中?に時間があればこれまでのややこしい系作業ブログ(笑)を
新カテゴリー、「こだわりだらけの徹底的レストア作業!」にカテ変更していく予定です。

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