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バイギブのオービルLPスタンダードを徹底的に作業!フロントPU断線や全ポジマーク浮きのフルコース編

 2020-01-18
それにしても今年の冬は雪が少ないどころか暖かいですねぇ…。

さて、今回はバイギブのLPスタンダードです。
お持込み頂いたお客様は気付いていらっしゃいませんでしたがバイギブは黒カスやSG、エクスプローラーや
FV等はよく見掛けますが実は一番売れ筋と思われしスタンダードの流通本数は多くありません。
現在ではジャパンヴィンテージとして確固たる地位を築いているのでプレミア価格で取引されている事も
珍しくはありません。

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眠っていた系なのでホコリの蓄積がスゴいですが本当にバイギブのスタンダードを見るのは久しぶりです。

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まずフロントPUの音が出ないとの事でしたのでチェックしたところ、異常な抵抗値でした。
なのでまずはフロントを何とか復活させる事が出来るのかに挑みます。

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純正でギブソン製PUです。

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アセテートテープを剥がして分解、各ボビンの抵抗値を計測したところ、
問題があるのはフラットポールピース側のボビンと判明。

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当該ボビンを分離。

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コイル巻き終わりの白線を外して外周テープを慎重に剥がしつつ鬼集中してコイルを
激慎重にほどいていきます。

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断線箇所発見!!

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コイルの被膜を剥がして元の白線へ接続。

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何とか復活出来ました。
しかしながら経年劣化による様々な原因で断線したと思われるので
今後また別の箇所で断線する可能性は残ります。
その時はPU交換か完全リワインドがお勧めになります。

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フロントPUの問題が片付いたのでフレット周りに着工するのですが…

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今回はほぼ全てのポジションマークが浮いております…
指で軽く押すとパカパカ動くぐらい浮いている物もあれば端だけが軽く浮いている箇所と
症状は様々。

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まずはフレットを抜きます。

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続いて全ポジションマークを外します。

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よぉ~く見て下さい。
ポジションマークが反っているのが分かりますか?
つまりポジションマークの接着に問題が有った訳ではなくポジションマーク自身の「縮みによる反り」が
今回のポジションマーク浮きの原因です。

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再固定に入りますがまずは余分な接着剤の跡を削ぎ落とします。
ここで重要なのは必要最小限=ポジマークが深く沈み込まない様に、底面のフラットを崩さない様に
削る事です。

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こんな感じ。

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ポジマークの仮合わせを繰り返して削ります。

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全箇所底面修正完了。

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接着に入ります。
ポジマークの裏面=接着面に#150程度の粗めのペーパーで傷を付けます。
これは接着剤の食いつきを良くする為です。

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接着剤はゼリー状のアロンアルファを使用。
四隅と中央に少量。

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接着完了。
僅かに接着剤がはみ出てますがこの後研磨するので問題ありません。
むしろ少しはみ出すぐらいの方がきっちり接着剤が行きわたっている証なので安心です。

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全箇所接着完了!

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一晩置いて完全に接着剤を硬化させてから指板修正に入ります。

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段差等も無く綺麗に仕上がりました!

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フレット打って指板周りの作業は完了。

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お次はヘッド表面をキレイにします。
通常はペグブッシュも抜いてバフ掛けしちゃうのですが…
1弦ブッシュの横に塗装浮きっぽいのが見えます。

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なのでブッシュを抜かずに手作業で研磨しました。

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やはり塗装が内部で浮いている様です。
無理にブッシュを抜くとペリッ!っと塗装が剥がれてしまってもおかしくはないので
ブッシュを抜かずに作業で正解でした。

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ようやく木部は一段落したので次は金属パーツをメンテナンスします。
パーツクリーナーを使用しますがペグはそのままクリーナーをブッ掛けると内部の必要なグリスも
流れ出てしまうのでウエスにクリーナーを吹き付けて手作業で掃除します。

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左の2弦用が施工後、右の4弦用が施工前。
ちなみにブリッジやテープピースは遠慮なくブッ掛けてクリーニングします。

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そろそろ電気系も組み込む段階なのですが…

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フロントは冒頭の作業で組み込み時に外周アセテートテープを巻き直してますが
リアは劣化したままなのが気になる。

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なのでリアも貼り直して、

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フロントと一緒にロウ浸け。

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これでPUの準備完了です。

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ボディーはいつも通りザグリ内に導電塗料塗って有線でアーシング接続。

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コントロール部もいつも通り。

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配線完了!

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完成です。
やっぱり良い鳴りしてます。
これからは再び眠りにつくのではなくガンガン弾いて欲しいですね。

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多少の打コン等のダメージはありますがここまでコンディションの良いバイギブスタンダードは
もう今後見る事は無いのかもしれません。
後世に伝えるべく「THE 日本製レスポール」かな。

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GIBSON '70s ES-340 TD 潜むトラップにことごとくハマった編

 2020-01-18
ちゃんとしたブログを書くのは久しぶりになります。
ようやく年末年始のバタバタから落ち着きを取り戻しつつあります。

今回はギブソンのES-340 TDです。
1969年から73年までの短い間しか生産されていない中々にマニアックなセミアコです。
シリアルから判定する製造年は70~72年、でもラベルカラーやオリジナルと思われしPUカバー表面に
レリーフ刻印が無いので70年製と思われます。

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335とは違いメイプル尽くし。

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ネックはメイプルーウォルナットの5ピース。

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Fホールから覗くコントロールの配線には何やらマスキングテープらしき物が…
しかも奥に見える線はどう見ても汎用の配線材。
でも良いんです。配線は既に変更されているみたいなので。
本来の340はトグルスイッチでリアPUのフェイズ/パラレルの接続変更、
通常のボリューム・トーンはPUバランサーを装備し、一般的な配線レイアウトではありません。
この340は既にごく普通の配線レイアウトへ改造されています。

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ブラスサドルのABR-1ですがコマ鳴りが発生しています。
これは組み込み時に手を加えようかと。

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さて、分解に入ります。
電気系はチャチャッと全バラシ、毎度の通りまずはネック=フレットから着工です。
で、お預かり時にフレット交換歴アリなのは分かってましたが…
ナットは「適当リペアあるある」でプラ板と薄板の下駄を履かされていました。
そんなにナット作り直すのが面倒なのだろうか?いやどうしてオリジナルのナットを
活かしたかったのか??

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はい。早速第1トラップにハマりました。
フレットは木工用ボンドで止められてました(笑)
そう言えば下駄履きナットも木工用ボンドで付けられてたな…
フレット溝の側面のみならず底面から取りとめなく湧き出してくる木工用ボンドの残骸…
木工用ボンドは硬化してもフニャフニャ柔らかいくせに導管には染み込むので今回の様に
フレット溝の中だと除去は滅茶苦茶大変です。
カッターナイフでひたすらこそぎ出す。

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木工用ボンドの残骸除去に半日近く費やして(チップ修正も含む)ようやく指板修正。

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そこからフレット打ちまでは比較的スムーズだったのだがフレットすり合わせ時に
金属粉を吹き飛ばすべくコンプレッサーでプシュ~っとエアー掛けたら突然思いも寄らぬ
マスキング済みのフロントPU奥からデカいホコリの塊が飛び出してきた!
しかもその断片が目に入った…
水道で目を洗って目薬さして暫し休憩。
指板修正前にFホールやPUホールから念入りにエアー吹いてホコリは取り切ったはずだったのに。

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フレット周りが一段落した頃にはトラップ慣れしてきた(笑)

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さて、電装系や組み込みに入る。

まずは分解時より気になっていたブリッジのスタッド穴。
埋め木が施されているが今空いている穴とどちらが正しいスタッド位置なのか?
日焼けの具合からすれば今の穴位置っぽいがスケールポイントから計測するとどうも
埋め木穴っぽい。
なのでブリッジだけ先に仮組みして弦張ってクリップ式チューナーでオクターブを見てみようかと
考えたんですが…

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スタッドめっちゃ曲がってました(笑)

分解時に指でスルスル回して抜けたので「あぁスタッド穴拡がってんな。組む時埋め木するか」程度で
スタッド本体はちゃんとチェックしてませんでした。
まぁコレはトラップって言うよりも自分のミスチェックなだけですが。
で、交換用のスタッドを発注したら今度は発注元のミスでゴールドのスタッドが届いたと言う(笑)
呪われてんな。今回は(笑)

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正しいスタッドが届くまでに先に作業を進める。
まずはピックアップのロウ浸け。

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で、またトラップ出現。
交換すべく取り寄せたピックアップマウントスクリュー4本入り1パックのうち1本だけが
インチサイズでは無い、ミリサイズでも無い(笑) 何のビスやねん?状態。
こちらも取り寄せし直して何とか組み込み完了。

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そしてリアPUのフェイズ/パラレル用出力線。
お預かり時はマスキングテープで絶縁(したつもり)されていた場所。

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メインケーブルへきっちりハンダ付けしてから…

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収縮チューブで絶縁。
と、文面と画像を見ればすんなり進んだ様に見えるがココにもトラップは潜んでいた…
収縮チューブはめてから抵抗値を測ると明らかにおかしい。
収縮を剥いてチェック。
どうやらメインケーブルへ落とした副線の作業箇所では無いところで短絡(=
ホット出力がアースへ接触している)のを発見。
手直しして再度収縮チューブをはめる。
こいつは不幸中の幸いか?本体へ組み込み後に発覚したらとてつもなく面倒な事になっていたはずだ。

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リアだけ収縮チューブはめるとフロントもはめたくなるよね~。

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さて、今度はポット周りだ。もはやどんなトラップが出ても動じない(笑)
交換されているポット類だがそれなりに劣化していたりハンダの熱も相当加わった跡が
あるので全交換。ただしトーンのキャパシターは流用。

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組み込み時に引っ掛かって邪魔にならない様にトーンからの出力線をキャパシターで
軽く押さえる様に工夫。
使用している出力線は最近お気に入りのモガミ製オーディオ用1芯シールド線。

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この様にポットから真っすぐ線を引き出せます。

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トグルスイッチも配線して下ごしらえ完了。

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コレなのよ。大変なのは。
でも今回はトーンの配線に一工夫したお陰で割と短い時間で組み込めました。

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FホールからはリアPUの線は仕方ないにしても余計な線が見えない様に組めました。

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ブランコテールピースへ繋がるブリッジアース線は元の線材の被膜内部までサビが入っていたので
新調。

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先端を取り付けビスの穴に引っ掛けてスッポ抜け防止策。

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さぁようやくココまで来た。
オクターブピッチ的には埋め木穴が正しいスタッド位置っぽい感じだったがブラスサドルのコマ鳴りを
防ぐべくなるべくサドルをオクターブビスで締め込みたかったので現状の穴を使う。
が、穴サイズがスッポスポだったので埋め木して空け直し。

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ABR-1も分解しtれ清掃。
ブラスサドルを止めるオクターブビスはビスピッチに軽くキズを入れてサドルとのガタを
無くしています⇒コマ鳴り防止策。

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コマ鳴りは止める事が出来ました。
2回目入荷のスタッドはちゃんと銀色でした(笑)

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ここまで色んなトラップにハマって段取りが狂うと逆に徹底的にヤリたくなる。
ネックグリップに有った演奏時微妙に気になる打コンをタッチアップで埋める。

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ようやく完成!

元よりフェイズアウトを盛り込んだ仕様なのでフロントとリアはミックス時にフェイズアウトに
なるがオーナー様は購入からお持込みまで数カ月その状態のまま弾いていたらしいので
フェイズのまま組み上げた。
まぁ使いにくければまた分解してピックアップ内部に手を入れれば良いだけだし。
もはやそれぐらいの手間は何とも思えないほど今回は色んなトラップを堪能した(笑)

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78年製グレコGO-1000を徹底的にレストア。同時に近代的かつ実用的にアレンジを加える編

 2019-11-30
少しバタバタしておりまして中々ブログの更新に手が回りませんでした…

今回はグレコのGO-1000です。
お客様はファーストオーナーでコンディションはバツグンです!
本来はPRSを購入しようとお考えでしたが予算の都合でこのGOを生まれ変わらせる事を選択されました。
なのでこのスルーネックでウイング材はセン、音質的にはドンシャリぎみのGOに中域の膨らみを持たせるべく
色々手を尽くしてみます。

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ネームプレートは1977…でもヘッドシリアルは78?

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ゴム製のローレットリングも千切れずにしっかり残っています!
同時期のアイバニーズもコレを採用していますが何故か千切れて欠品している物が多い。

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重い金属製のコントロールパネル。

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内部の配線は一見問題無さそうですがポットにガリ等の経年劣化は顕著に見られます。
ですので電気系はPU以外全て入れ替えます。
ちなみにミニスイッチ2個はフロントPUのシリーズ⇔パラレルとリアPUのフェイズですが
今時では使い難いのでスイッチを新品交換のうえフロント・リアの個別コイルタップへ変更します。

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それでは本格的に分解に入ります。

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PUのマウントベース。
よく見る同時期のGOはマウントベースをボディーへ固定するビスが完全にサビている事が
多いのですがキレイです。

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PUに充填されているゴムも縮みやクラッキングが無い。
何度も言いますが本当に良いコンディションです。

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さて、それでは…

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いつも通りにフレット抜いて指板修正から。
今回は弦高低めのプレイアビリティーも狙うので指板修正はかなり神経質に行いました。

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これぞ日本製!なブラスと牛骨の貼り合わせナット。
これはこれでGOのアイデンティティーですが弦と直接作用する部分がブラスでは音が硬すぎるので
無漂白牛骨の1ブロック物へ変更します。
まぁナットの製作なんてまだまだ先の工程ですけど。

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元々ネックに面倒なクセは無かったので指板修正も順調に進み、フレット周りが完成。

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お次はボディー側へ。
まずはコントロール内のアルミ箔を剥がします。
アルミ箔はしっかり導通が取れるし貼り易いのでこの時期は多用されていましたが
シワの浮き上がりがホットラインに触れるとNGなのでいつも通りの導電塗料塗布にします。

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塗り終わり。

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もちろんPUホールも。
画像は無いけどトグルスイッチホールも。

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PUマウントベースから組み込みますが同時にアーシングの結線も割り込ませます。

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と、このまま電気系の作業を進めたいのですが…
フレット周りを作業している頃からずっと気になっていたヘッドの1弦側角の塗装欠けが
どうしても許せなくなったのでタッチアップで補修。(画像は補修後)
こんな寄り道ばっかりしてるから毎回段取り通り進まない(笑)

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ちょっと遠回りしましたが電気系組み込み完了!
ポットはCTSですが純正のノブを流用したいのでシャフトはミリサイズの物を使用しました。
もちろんスムーズポット化しております。

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純正ノブのローレットリングをクリーニング&シリコンオイルで仕上げ。
右が施工前、左が施工後。
リングの内側までシリコンオイルが流れ込むと操作時に空回りするので綿棒使ってちまちまと
表面だけを作業しました。
プラスチック製のノブ頭面や側面はプラスチック用の極細目コンパウンドで研磨。

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さて、話はブッ飛んでペグです。
ペグはPRSリスペクトと言うワケでもないのですが使い勝手を考えてロック式に。
ちなみにこの頃の純正ペグはしっかりとした金属製(軽金属ではない)なので重い…

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取り付けるGOTOH MG-Tペグ。
47-31=16グラム。
16x6=96グラム!
ヘッドが約100グラム変わるって大きいですよ!!
謀らずしてヘッド落ち対策にもなったと言う。

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ようやく完成です。
画像はありませんがナットの溝切りをいつもより僅かに深めにしたりブリッジサドルの
弦溝を少しだけ加工したりと中域に膨らみを持たせる工夫を施しました。
言葉で表現するのは難しいのですがナットやブリッジサドルで弦に僅かにだけアソビを
持たせてやる事で倍音の広がりを増やす事は可能です。
加工してはサウンドチェック…更に全体のセッティング見直しと手間暇掛かりますが
本当に奥が深くて毎回のめり込んでしまう工程だったりします。
またロック式ペグにした事でペグポストへ弦の巻き込みがなくなりその分ナットからペグポストへの
弦角度が緩くなった事で若干ながら弦テンションも下がる。そしてその分サウンドはふくよかに
なったと感じます。
フロント・リア共にミニスイッチでコイルタップ仕様にして良かったです。
元々シリパラやフェイズの配線レイアウトを念頭に考えられたPU(だったのかもしれない)の
お陰かタップサウンドも十分使用に耐えうる音質でした。

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全体のバフ掛けや金属パーツの研磨も徹底的に行ってピッカピカになりました。
お客様のお引き取り時の笑顔を見て徹底的にやって良かったと実感。

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おそらくは「TEJ-95S」最終型の美品を徹底的に作業する編

 2019-11-05
夏の間はド暇だったのに最近になって少しバタバタでブログ更新が滞ってました。スミマセン。

今回はおそらく9万5千円定価だったTEJの最終型と思われるTEJ-95Sを徹底的に作業します。
この後、時代の流れでTEJ系は値上がりしていきます。

それよりもやな、TEJでブログ書くのん何回目やねん(笑)

しかしこの個体、95S時代の物にしては驚くほどの美品です!

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最終型ならではの2軸2連ポット。
上がボリューム、下がサスティナーのゲインコントロールであるサスティーンボリューム。
こいつが使い難いのよ…なのでいつも通りマスターボリューム化、サスティーンボリュームは
基板改造でフルアップ固定にします。

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先っぽが欠けてない綺麗なTEJヘッドは最近見てないかも。

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DET-1(ダブルエッジトレモロ)とこのローラーナットはセットでもはや伝説だ。色んな意味で(笑)

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そう。弦を張ったり緩めたりチューニングの最中で「ちゅるっ」っと1弦側へお滑りになられる。
これは恒例行事でもある。伝説たる所以の不具合とも言う。
今まで何本作業したか分からない。手を変えネタを変え散々再発防止策を講じてきた。
今は完全な対策方法で落ち着いている。
つーか今を去る事何十年前のギターやねん?と思いつつも多い月は3本ほど作業する。
このローラーナットスペシャルは後半に書きます。

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そして伝説の相棒、DET-1トレモロ。
サドルはサビが酷いので交換。
なのにスタッドの六角穴がナメてないは珍しい。

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前面から見ると既に伝説的恒例症状を発症しているのが分かる。

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トレモロスプリング、ハンガー共に結構なお疲れ具合である。
さて、これより本格的に分解に入る。

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はい。お約束。スタッドアンカー抜け。
手でスタッドごと引っ張ると簡単に抜けてきた。
リアPU側へクラックが入ったり倒れ込んでいないのはまだ軽症である。

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先は長い。
長い故にラクな事から手を付ける(笑)

まずはサドルを外してサスティーンブロックとベースプレートの固定ビスを増し締め。
これは古いギターは絶対にチェックした方が良い箇所です。
フロイド系も同じく。

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ベースプレートを磨いてから新品のブロックタイプサドルを装着!
お客様と相談のうえブロックタイプとしたのですが
こっちの方が音がタイトになるから個人的にはオススメです。(TEJにはね)

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さぁネックに取り掛かりますか!
作業中どこかに当てやすいヘッドの先端をマスキング。
指板修正開始。
とは言ってもこのネック、かなり優秀なコンディションだったのであまり手こずりませんでした。
いつもより早い段取りでフレット打ちへ進める事が出来ました。

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最近フレット周りを作業したお客さんに
「この1本1本フレットの端を丸めるのって大変なんでしょ?どうやってるの?」と
聞かれる事が多いので今回は書いてみます。

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自分はこのフレットエッジの面取り時のキズを消したいから「すり合わせ」作業の途中で
行います。
目の細かい小型の平ヤスリを使って

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右側から、左側から、

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そして上面。

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平ヤスリの作業が終われば根元に残った角を取る為に目立てヤスリで根元のみを弧を描く様に仕上げ。

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もちろん両側から。

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面取り終了。

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研磨終了。
面とった所に周囲の模様が映り込んでるぐらいにツヤが出たら満足。(←自分がね)

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ネック周り完成!
この段階、指板にオイル入れるまでヘッド先のマスキングは外しません。
これが自分的にはジャクソンヘッドに対する尊敬の念です(笑)

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Yから始まるシリアルなので自分の記憶では95Sの最終期だと思うのですが。

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ボディー側へ着工。
まずはマスターボリュームをCTSにするのでポット穴を拡大。

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導電塗料をPUザグリ、コントロールに塗ったら…
恒例のアンカー抜け対策開始!
まずはアンカーの周りにビス穴を空ける。

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アンカーの「へり」に頭が少し掛かる様にエスカッションビスを埋め込み。
これでアンカーが上方向に抜けたくても2本のビス頭がそれを阻止します。
もちろん上のビス穴空けの時点で絶妙な位置出しが必要です。

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ボディー組み込み完了。

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今回は徹底的作業シリーズなのでサスティナー周りには触れませんがフルチューンダンカン仕様です。
トレモロハンガー、スプリング共に新品へ交換。

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徹底的アーシング(ノイズ対策)の〆としてコントロールパネル裏にアルミテープを貼る。

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ちなみに外したハンガーとスプリング。
トレモロスプリングってこんなに曲がっちゃうんですよ~
定期的にとは言わないが数年に一度ぐらいは交換してみてはいかがでしょうか。

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さてと…

面倒…いや、手の掛かる作業は後のお楽しみに取っておく性格でしてね(笑)

いよいよローラーナットの滑り対策に着工します。

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今回ブログには初めて載せますがこのローラーナットの滑り対策作業があまりに多いので
専用治具をだーいぶ前から作って使ってます。定期的に作り替えるのでこいつで3代目ぐらいかな?
治具を使って底面に2φの穴を空ける。

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次に用意するのは2φの真鍮棒。
幾年の時を経て真鍮に落ち着きました。
これより硬い材質だと稀にネック側が負ける事が有ったので。

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真鍮棒を短く切って整形、そしてナット側の穴へ圧入。

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今回は作業前の計測でナットの高さが低めだったので0.5ミリのスペーサーも作りました。

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治具使ってネック側へも穴開け。

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スペーサー挟み込んでナット取り付け完了!
真鍮棒とネック側の受け穴がきっちり合えば接着剤要らない?ってぐらいしっかり取り付け出来ます。
これにてナット横滑り対策完了!!


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組み込み完了。

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コントロールの使い勝手もバッチリ!

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お客さんには大切に永く弾いて欲しい1本に仕上がりました!

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近日中?に時間があればこれまでのややこしい系作業ブログ(笑)を
新カテゴリー、「こだわりだらけの徹底的レストア作業!」にカテ変更していく予定です。

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