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GIBSON SG フルメンテナンス編 

 2015-02-14
今回は当店のリペアメニューで最も依頼の多い「フルメンテナンス」の具体的な作業内容をご紹介。

フルメンテナンスは基本工賃7500円~ですがギターの状態によっては他の作業が必要になるケースも
御座います。

フルメンテナンスをご依頼頂くギター、ベースとして多いのは

・長い時間使わなかった楽器を使う機会が出来たので全体的にメンテナンス。
・普段メインで使っている楽器をあまり手入れしていないのでコンディションが不安。
・オークション等で中古品を購入したので現状チェックと調整。

と言った理由ですね。


今回ギブソンのSGをご依頼頂きましたが基本工賃内での作業で済むコンディションでした。
以下具体的な作業内容をご紹介していきます。

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まずはお預かり時、お客様の前で全体チェックです。
金属パーツにはサビは無いものの曇りがありますね。

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ポットの締め付けナットが緩み、ポット自体にグラ付きも見られます。
フロントトーンんもポインターワッシャーに至っては明後日の方向を向いてます。
ジャックの取付け六角ナットが緩んでいるのはもはやお約束とも言える症状です。


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ネックの裏、グリップ面は過去の汚れがラッカー塗装に固着しています。
少しベタつきも出始めているので早急にクリーニングした方が良いでしょう。
症状が進行するとラッカー塗装そのものが変質します。

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フレットコンディションは神経質にならなければ特に問題無いもののフレットの曇りや指板表面の汚れが
目立ちます。

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一番重要なのがトラスロッドの効き具合。
ロッドが正常に作動しなければメンテナンスのしようがありませんので。
状態の悪いギターでロッドが正常に作動しない場合は作業自体をお勧めしない場合も御座います。

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以上の全体チェックのうえフルメンテナンス作業としてお預かりする事が可能になります。



それでは実作業開始!


まずはボディー側をマスキングしてフレット&指板を研磨。

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作業前。
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作業後。
この後でローズ指板用のオイルを塗布します。
乾燥の進んだ指板ですと数回のオイル塗布を繰り返します。

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ボディー側へ着手!
まずはパーツ類を全て外して汚れ落とし&ワックス掛け。

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汚れの付着が多かったネックグリップもピカピカです!
状況にもよりますが汚れ落とし能力の高いケミカル類とツヤ出し&塗装保護能力に優れたワックス等
数種類のケア用品を使い分けています。

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ペグは外す前にナンバリング。
ペグの回転トルクが調整出来ないクルーソンタイプでは元通りの位置へペグを組まなければ
チューニング時に今までの感覚とズレが出ますので。

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ここからは金属パーツ類の研磨に入ります。

左5弦用が研磨前、右6弦用が研磨後です。

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ネジ類のサビを落とします。
左が作業前、右が作業後。

ネジ類はプラス、マイナスのネジ穴がサビや合わないドライバーでこじったりして形状が崩れて
いる場合は交換をお勧めします。

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ブリッジ&テールピース作業前。
ブリッジの6弦端はミュートで手が当たる機会が多いので汚れやサビの発生しやすい場所になります。

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違いが分かり難いですが研磨作業後。

ブリッジサドルの弦溝に酷いサビや劣化が見られる場合は交換をお勧めする場合があります。

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ピックアップカバーも研磨。
左が作業前、右が作業後。
研磨作業時はエスカッション(マウントリング)より外します。

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電気系。
今回は特に問題となるガリや接触不良がみらませんでしたが劣化しやすいトグルスイッチ端子、
ジャックの中心=アース部は接点を研磨しました。
ジャックはプラグの差し込みにより摩耗が進む「消耗品」です。交換が必要になる場合は配線工賃が
別途必要にはなりますが転ばぬ先の杖、怪しい場合は交換をお勧めします。
ちなみに当店では余程の理由が無い限りスイッチクラフト社のジャックを使用します。
現行の「国産ジャック」は耐久性に難アリですので…

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研磨の終わったパーツを組んで弦を張って仮組み。
ここからが一番重要なセッティング作業になります。

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ナットの溝は弦と常に接触しているので摩耗が進み、汚れが溜まり易い箇所です。
お預かり時のネック(トラスロッド)調整後にナットの溝が低過ぎる場合はナット交換を
お勧めします。
ナット交換時、牛骨ナットでしたら漂白タイプ、無漂白タイプをお選び頂けます。

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ナットの溝は専用工具=ナットファイルを使ってメンテナンスします。
今回は汚れを取り、溝の形状を整形する程度でしたが大陸製の廉価ギターはナットの弦溝の
高さが異常に高い場合が多く、弦溝を深く切り直す事も多いです。

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そしてトラスロッド調整と…

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弦高調整を繰り返す。

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ネックの反り調整、弦高が決まれば


実はチューニングしたまま1~2日ほど寝かします。
弦テンションを掛け続ける事でネックはまた反りますので。
弦も張る時に十分伸ばしてはいますが時間が経つとやっぱり伸びますしね。

ネックと弦が落ち着いたところで最後にオクターブピッチ調整。



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完成!
お客様引き取りの当日、直前にはもう一度セッティングをチェックしますけど。
お客様が満足して頂いたところで本当に完成。

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フルメンテナンスメニュー

 2010-09-18

「最近メインギターに不具合が多くなってきた・・・」

「欲しかったギターを格安で手に入れたけど何か弾きにくい・・・」

「長い間弾いていなかったギターの調子が悪い・・・」

「オークション出品前にメンテナンスが必要かも・・・」


ギターのコンディション管理は普段気にしないプレイヤーが多いですが中々難しいものです。
そこでオススメのメニューがフルメンテナンス!

ネックや電気系の各部調整から指板/フレットに至るまでの全体クリーニング作業!
その上でギターのコンディション状況の説明と今後の取り扱いアドバイスをさせて頂きます。

メンテナンス作業中に要リペア箇所が判明した場合は格安にて作業致します。
尚、最終セットアップ時には新しい弦が必要となりますので予めご用意下さい。


<フルメンテナンス基本作業内容>


・ネックトラスロッド調整

・ナット溝のクリーニング、必要であれば溝の調整/修正

・指板クリーニング

・フレット研磨&クリーニング(バフィング)

・電気系各部チェック&接点クリーニング

・塗装面クリーニング&ワックス掛け

・金属パーツ研磨
(パーツ内容により作業レベルが変わります)

・ビス類/ナット類の締め付け

・トレモロユニットのセットアップ

・弦高をご希望の高さへセッティング

・オクターブピッチ調整

・最終セッティング


※気になる個別箇所のみのメンテナンスもお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。


フルメンテナンス 基本作業工賃 7500

              (弦代別途)

 基本納期3日~


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