木で出来た楽器=ギターを「生き物」として考えてみませんか?LPカスタムヘッド折れ編

 2013-05-31
今回はレスポールカスタムのヘッド折れ修理編です。
とは言っても接着作業までのご紹介ですが…


DSCN8191.jpg


ガッツリ折れてしまってます。
でも傷口から見えるマホガニーの質はそんなに悪い物ではない。
そりゃそうだ。画像では分かりませんがヒスコレのカスタムなので。


しっかり接着出来る様に傷口の中の「ささくれ」や圧力で繊維の潰れたマホガニーを除去します。

DSCN8193.jpg


んでもって接着!

DSCN8198.jpg



このレスポールカスタムに関してどうのこうの言うつもりはないのですが…

職業柄ギターを見ればそのギターのオーナーの楽器の扱い方や愛情の注ぎ方がすぐに分かります。

一見してかなりハードに弾き込まれているギターでもしっかり掃除されていたりメンテナンスされていれば
そのギターは幸せなのだと思います。
逆に何のメンテナンスもされずに酷い状態のギターを見れば可哀想なギターだと思う。
「幸せ」とか「可哀想」なんて形容は本来生き物に対して用いる表現ではありますが。

でもギターの材質である木は形を変えても生き続けているからこそネックが反ったり状態が変化する。
1本1本音が異なるという「個性」も立派に持っている。
したがって個人的にはギターは生き物として解釈してもおかしくはないと思う。

たまにギターを「この子はねぇ~…」なんて一人称で呼ぶお客さんも居ますがそんなギタリストは
大抵ギターを大切に扱っている。度が過ぎると少しキモいですが(笑)
そんな方は「生き物」として捉えているんですね。

そもそもギターは自然の中に生えている木を伐採して作られています。
その木はギターになるつもりが無かったとしても選ぶ権利はありません。
人間だって同じですよね?やりたくもない仕事をして生きている。
思い通りの人生を送れる人なんてほんの一握りでしょう。

木だってなりたくもなかったギターに形を変えられても頑張って良い音を奏でているわけですよ。

だから皆さんもうちょっと大切に扱ってあげてくれませんかね?

今回の様なヘッド折れをはじめ事故によるダメージは仕方ないと思います。
でも事故はオーナーの不注意から起こるケースが大半ですよね?

我々ギターリペアマンは折れようが割れようがリペアします。それが仕事なので。
仕事なので工賃は頂きますしその金額に見合った結果、お客様が納得出来る結果を残さなければならない。

そんな中で個人的には木の事を考えてリペアしているつもりです。
愛機が壊れて凹んでいるオーナーよりもダメージを負ったギター=木の方が気の毒に思う事も多々あります。

常日頃よりギターを愛玩しろとは言いません。
でも一見無機質に見える楽器の中で生き続けている木の事を一度考えてみて下さい…








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