ナイロン弦ギターのアース加工 P.U付きクラシックギターやエレガットをお使いでノイズにお悩みの方へ編

 2013-09-19
今回はP.Uやプリアンプ搭載のナイロン弦ギターの弦アース加工についてご紹介。


ご依頼頂いたのはヤイリのガットギターです。

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ピエゾ内蔵でボリューム・トーン・ベースとシンプルながらも使い易いコントロールレイアウト。

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先日別のギター記事でも触れましたが弦アース=ブリッジアースについておさらいです。

エレキギターをはじめアンプで音の出せるギター=ピックアップの付いたギターの回路は
アウトプットジャックにはホットとアース=+とーがありますが最終的なアースは人体を介して
回路は成立します。
正常なエレキギターは音の出る状態で金属パーツに全く手を触れない「手放し」の状態では
「ブ~~ン」と低い周波数のノイズが出ます。
しかし金属パーツや弦に手が触れればそのノイズはピッタリと無くなります。
(シングルコイル特有のハムノイズを除く)
これこそが最終的なアースが人体に落ちて回路が正常に機能している状態です。
通常は回路上のアースをブリッジに結線する事で弦へとアースラインが接続されます。

ところが、

一般的にエレアコと呼ばれるアコースティックギターにピックアップやプリアンプを搭載した
ギターではこのブリッジアースを取る事が難しい。
ブリッジは木製、ブリッジサドルも牛骨やプラスチック類。
すなわちブリッジ自体が電気を通さない素材なので弦アースを取る事自体がエレキギターと違って困難です。

でも、

普通のアコースティックギターの弦はスチール=鉄製なのでブリッジ裏面にアースプレートを
取付ける等の加工を施せばブリッジアースを取る事は可能です。
現にテイラーなどハイエンド系のエレアコはその様な工夫が成されています。

じゃ、お手頃価格のエレアコは?

そもそもギターメーカーの考え方としてブリッジサドル下にピエゾタイプピックアップを設置する
場合、「ピエゾ自体の発電量=音量が低いのでプリアンプでのノイズを低減すりゃ大丈夫っしょ~~」
的な事が多いです。
しかしピエゾピックアップはその構造上劣化しやすく(ピエゾの構造についてはまた別の機会にでも)
劣化したピエゾの付いたギターはアンプに接続すると上記の「ブ~~ン」と弦アースの落ちていない
症状がでます。

話しは戻って、

今回はギターは弦がナイロンなので電気を通さない。
すなわち唯一の外部より触れる事の出来る金属パーツ=アウトプットジャックを手で触れるしか
アースを落とす事が出来ません。

結論から言うと、

ナイロン弦のエレアコは弦アースを取る事が出来ないのです。


でも「ブ~~ン」ってノイズは耳障りだし実用性に問題ありますよね?

なので今回は「無理矢理アース取っちゃうぜプレート」を取付けます!


まずは0.5ミリ厚のアルミプレートを切削で加工。
肌が触れても危なくない様にエッジ部を手加工で面取りします。

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ジャックへ繋ぐアース線も用意。

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ギターに取り付けるとこんな感じ。
プレートのサイズと位置は事前にお客様の肘が当たる箇所を採寸して決めました。
取付けはビス2本と強力両面テープです。

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ついでにジャックも信頼性の高いスイッチクラフトのステレオジャックへ交換。

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画像では分かり難いのですがアルミプレートの端面がボディートップに極僅かに出る位置へ設置しています。
プレートの端面は面取りで丸めてあるので触っても痛くはありませんし怪我もしないと思います。

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そして、お客さんがプレイしている状態はこんな感じ。

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きっちりプレートが肘に触れているのでこれでアースのノイズとはオサラバ!!

冒頭の解説をご理解頂いた方なら分かるでしょうが長袖で弾いたり
「オレ様はタッピング奏法しか演らないゼ!」なギタリストには全く効果の無い改造ですのでご注意を。

アースのノイズにお悩みのナイロン弦ユーザーで今回の様なプレートを取り付ける事に抵抗の無い方は
ご相談下さい。

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