Schaller「フロイドローズタイプ」トレモロ新旧比較 六角レンチの締め過ぎ注意編

 2015-11-28
今回はシャーラー製フロイドローズタイプ、ロック式トレモロについて書いてみようと思う。

皆さんご存知の通り現在はESPの販売するオリジナルフロイドローズの生産も長年に渡りシャーラーである。
すなわちオリジナルフロイドとシャーラー製フロイドタイプの製造元は同じ。

今回はシャーラー製トレモロの現行品と旧型の違い、そしてロック式トレモロをお使いの方への注意喚起編です。


まず下の画像。
右側が旧タイプ、販売当時のモデル名は「SFRT-Ⅱ」
左側が現行商品、モデル名は「Tremolo "Floyd Rose"」
現行品にはアップグレードタイプの「Tremolo Lock Meister」なる商品もラインナップされています。

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旧型はファインチューナー基部にフロイドのパテント表示有り。

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現行はフロイドのパテントがオープンになっている(表示する必要が無くなった)ので表示無し。

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旧型はファインチューナーをはじめ各ビス類の精度も素晴らしく、使い勝手も良かった。

現行は金型がくたびれている?製造先工場(国?)が変わった?為かビス類の回りがスムーズではない。
残念ながら全体的に精度が落ちていると言わざるを得ない。
これは旧型や往年のフロイドローズオリジナルを愛用してきたギタリストは簡単に気付く事だが
現行しか使った事の無いギタリストには分からないかとは思う。

また現行はベースプレート=シャーシーに刻まれた刻印のフォントに「キレ」が無い。

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さて、機能的(耐久性含む)にはどう違うのか?

ますはサドルを固定するビスである。

旧型は頭が半丸のタイプ。

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現行は頭が角ばったタイプ。

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旧型のシャーシー。

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現行のシャーシー。
サドル固定ビスの入るネジ穴に焼き入れされたアンカーが挿入されている。
何故焼き入れされたアンカーが入っているのか?
それは後述のトラブルを防ぐ為だろう…

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サドル固定ビスに話は戻るが下の画像を見て欲しい。
旧型の半丸頭のビスは六角のレンチ穴がほぼ潰れてしまっている…

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半丸頭のビスの方が六角レンチの差し込み深さが浅い為に六角が潰れやすいのは仕方ないが
必要以上にビスを締め込まなければ六角が潰れる事は無い。
しかしながらギターを購入時に付属してくるレンチはL型タイプである。
L型は締め込み時に力を入れやすいのでネジ穴を潰し易い。
手の平で押すようにL型レンチを締めれば体重も掛けられるので相当強いトルクで締める事になります。

このブログを読んで頂いている皆さん、今後は出来れば下の画像の様に柄がドライバータイプ
になっているレンチを使って下さい。ホームセンターに行けば売ってます。

ドライバータイプなら締め付け時にも体重が掛かる事はありませんから。
レンチサイズはロックナット&サドル部での弦ロックには3ミリ、サドル固定ビス用には2.5ミリです。

サドルの弦ロック部にしろロックナットにしろ締め付けを強くしても
チューニングの安定には繋がりませんのでご注意を。

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で、

ビスの六角穴が潰れてしまったはビスを交換すればいいのでまだ軽症…

シャレにならないのは…

シャーシーのネジ穴が潰れた時である。

ちょうどタイミング良くそんなリペアが入って来たのでご紹介。

物はWASHBURN刻印の旧型OEM品。

旧型シャーシーにサドル固定ビスが角ばったタイプ、シャーシーのビス穴に一番負荷の掛かるケースだ。

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4弦のビス穴が完全に一回り大きくなってしまっている。
もはやネジ切り溝さえも見当たらない…
原因は言うまでも無くサドル固定ビスの締め付け過ぎ。
そう。現行品が焼き入れアンカーを挿入しているのはこのトラブル対策なのだ!

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残念ながら開いてしまったビス穴を元のサイズに修復する事は不可能。
ホームセンター等で販売されている「ビス穴お助けアイテム」類もビス自体が小さく、且つ荷重が大きく
掛かる箇所には使えない。

本来ならシャーシーの交換、ブリッジ本体丸ごと交換をお勧めしたいところではあるが
費用的な問題や今回の様にメーカー名の刻印の入った物は簡単には入手出来ない。

なので何とかしてみようかと…

まずはサドル固定ビスの新品を用意する。
角ばったタイプではあるが…

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旧型純正半丸頭ビスのネジ切り部の長さは5.6ミリ、交換する角ばった頭の方は7ミリである。
要はネジ切り部の長いタイプが必要なのだ。
ちなみにネジサイズはM3=3ミリ。

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シャーシー裏面よりM3の板状ナットでサドル固定ビスを受ける。
これでしっかりとサドルを固定する事が可能!
板状ではなくM3の六角ナットでも構わないが板状の方がシャーシーと接する面積が広いので
多少なりとも緩み止め効果が期待出来るかと。

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前面から見ればこんな感じ。

シャーシーの前面の斜めにカットされた部分に板状ナットが位置する。

ですのでボディーからある程度ブリッジが浮いたギターでなければこのリペア手法は使えません。

ピッチシフトキャビティーがブリッジ後ろ側のみ掘られたギターやボディー表面、キャビティー表面と
シャーシーに隙間の無いギターは残念ながらシャーシー、又はブリッジ本体交換しか選択肢はありません。

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今回はシャーシーとボディーに割と幅のあるギターだったので何とかなりましたが…
正面から見る分には板状ナットも見えないですし。

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このシャーシーのビス穴潰れは焼き入れアンカーの入った現行では起きないと言う事ではありません。
新旧タイプを問わずビスの締め付け過ぎにはご注意を!

同じくロックナットの締め付けにも注意が必要です。
弦を外してロックナット表面を見てみて下さい。
弦のめり込んだ溝状の凹みはありませんか?
開放弦で「ミョ~~ン」みたいな音が出たりロックナット付近で弦が切れる方は要注意ですよ…

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もう一度言います。

レンチはL型ではなくドライバータイプで締め付け過ぎには注意して下さい。

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