夏の恒例?「気になる所は全て徹底的に作業する」 FERNANDES FR-75 3S編

 2016-08-29
いやぁ~8月も終盤なのにまだまだ暑い毎日ですね…

去年の夏はヴィンテージのジャガーを徹底的に作業してました。

どうやら夏休みの宿題?ってわけではないでしょうが盛夏になると渾身で作業しなければならないリペアのご依頼を頂きます。

今回はFERNANDESの3シングルサスティナーモデル、FR-75 3Sです。

ご覧の通りペグとブリッジが付いてる以外は丸裸状態です…

暑さに負けずにこのFRを徹底的に作業します! (実際は何回か暑さに負けました…)

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まずは減っていたフレットを交換。
古いフェルのネックにしては問題となるクセも無かったので助かりましたわ。
指板修正も少し削って修正する程度でOK!

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で、フレットはいつものJESCAR#55090を打ったのですが打ち終わりの画像は暑さ故に撮り忘れました…

次にボディー側を着工。

ブリッジもペグも金属パーツ類は全てブラックパーツへ交換するのでパーツの劣化は問題では無いのですが
この頃のフェルナンデスの2点支持ブリッジのお約束、
超細いスタッドアンカーへ荷重が掛かり過ぎる為にスタッド前方の塗装+木部が欠損しています。
軽症ならアンカーのすっぽ抜け、やや重症ならアンカー倒れによるアンカー穴が楕円化、
重症ならリアPU方向へのアンカー倒れ⇒ボディー割れになります。
今回はリアPUがシングルなのでアンカーとPUザグリが遠く、ボディー材もアッシュなので重症は免れていますが
塗装と木部の一部が欠けてしまっています。程度としては中症って所でしょうか。

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このままでは格好悪いのでタッチアップすべく気温39℃、灼熱の塗装ブースで色合わせ…
少し赤味の強い紫は色合わせが難しい…
色作りを繰り返していると…フッと意識が遠のいてめまいがした。そして平行感覚が無くなり出す…
いわゆる熱中症の入り口かと(笑)
一度塗装ブースを出てエアコンの効いた事務所で水をガブ飲みして休憩。
色作り⇒休憩を繰り返して何とかタッチアップ完了!
ただでさえシースルーカラーのタッチアップは色合わせが難しいが木部剥き出しの箇所と
下塗りの塗膜が残った箇所が混じっているとタッチアップ塗料の色乗りに差が出るので難易度は更に上がる。

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PUザグリ、コントロールザグリに導電塗料を塗布。各ザグリを有線で結線。
元のアンカー穴を一度埋め木してから新たに取り付けるGOTOH 510T FE1ブリッジ用のアンカーを
埋め込む。
510Tブリッジはトレモロアームのホルダーが張り出しているのでブリッジザグリの一部を拡大加工。
ここまで来れば灼熱の作業場での汗ダク地獄は一段落!

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で、組み上がり!
ブラックパーツになった事でルックスが締まりますね!

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PUはダンカンSSL-4、クオーターパウンドを2発。
何故か(笑)3シングルレイアウトのサスティナーはポールピース径の大きなPUを付けるのが不文律なのだが
今回はお客様がサスティナーの効きを優先するとの事なのでシングルコイルとしてはハイパワーな
SSL-4を選択。
マスターボリュームのポットはKILLPOT!

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ドライバーに埋め込んだLEDはボディーカラーに合わせて紫なのですが紫LEDは色味が
分かり易い撮影が難しい…どうしても青白っぽく写ってしまう…

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言うまでも無くサスティナー基板もフルチューン!
どんなPUでもサスティナー基板へ入力するとアクティブ化するので音質がハイファイ寄りになってしまう。
毎回PUの素性へ音色を近付けるべくフィルターの数値を変更して苦労するのだが今回のSSL-4は
ハイパワー故に少し中域が強めで高域=音ヌケが丸く感じるPUだ。
なので普段とは逆にハイファイ寄りになってしまう特性を助長する方向でフィルター部を改造してみた。
結果、パワー感がありながらも「パリッ!」とした高域が出せたので個人的には大成功だと思っている。

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徹底的に作業するシリーズは普段の使い勝手にもこだわる。
GOTOH 510Tは優れたブリッジなのだが…

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ノーマルのサスティーンブロック(イナシャーブロック)は弦のボールエンドがかなり奥まった所で
止まる。
したがって上記画像の様にトレモロバックパネルの弦通し穴が6穴だと弦交換時に手こずる。
弦を抜こうとしても素直に6穴に出て来ないのだ。

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なので6穴を長方形スリットへ変更!
これで弦交換もスムーズに出来る。

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ストラップピン2ヶ所のビス穴木部が少し拡がってビスの締りが緩かったので埋め木+空け直し。
ついでに緩み止め+衝撃緩和用のフエルトワッシャーを追加。

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純正のジャックプレートはピックガードやパネル類と同じプラスチック素材なのだがプラグイン状態で
衝撃が加わると簡単に割れてしまうので金属のジャックプレートへ変更。
ジャックも当然スイッチクラフト社製。
どんなパーツにしろ耐久性は重要だ。

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ナットはブラックタスク。弦滑りの良い黒いナット素材は現状では選択肢が他に無い。
実は最後まで悩んだのが1&2弦のテンションガイドの高さ。
GOTOHのRG15とRG30で悩んだ。
共に形状は同じだがヘッド表面からテンションガイドまでの高さが2.5ミリ異なる。
僅かな高さの違いに感じるかもしれないが実際は1&2弦の弦テンションに大きく影響する。
2種を付け替えながらある程度長い時間弾いて最終的にはRG30を採用。

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引き渡し時、お客様に満足してもらえたので暑い中頑張った甲斐がありました。
来年の8月は何が訪れるのだろうか……

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