P-PROJECT 往年の希少なモデル、PAW-2(サスティニアック付き)をメンテナンスする!編

 2013-10-15
今回はP-PROJECTの希少なモデル、PAW-2(サスティニアック後付け)をメンテナンスしました。

PAW=いわゆる和田アキラモデルですが歴代のPAWでもパデュークボディーはこのPAW-2だけです。
しかも当時の生産台数は2桁に届くか届かないかの大変希少なモデルになります。

お預かり時はかなりダメージが深く、どう作業を進めるか、どこまで直すのかを悩みましたが、
オーナー様のこのギターへ対する想いを汲んで徹底的にやる事になりました。

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「P-PROJECT」のみの簡素なロゴが超初期のモデルである事を物語っています。

(マニアック過ぎてすんません)
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さて、作業開始!

まずはボディー下部のローランドGKコントローラー跡のビス穴を埋め木、両面テープ跡を研磨して
落とします。
このボディーはオイルフィニッシュなので一部だけ研磨すると色変わりが目立つのでボディートップ前面
を研磨します。
パデュークが有害?と言われる理由なのかは分かりませんが防塵マスクしてても研磨するにつれ頭痛に
襲われました…
何とか#1500まで研磨して顔料で少し着色してからオイルフィニッシュを施しました。

DSCN8908.jpg



他にもザグリ内の導電塗料塗り直しやフレットのすり合わせ、ピックガード&パネルの作り直し等、
色々手を入れておりますが…

ピックアップ配列からも予想される通り一番の峠はサスティニアックからサスティナーへの換装でした。

敵はセンターとリアにマウントされたビルローレンスL-250!
コレがサスティナーとは相性の良くない極性だったのですが構造上、常套手段の極性変更ワザも使えず…
なので基板改造を徹底的にヤリました。
駆動時の主役はダンカンTB-4なのですが何とかリアのL-250やダンカンコイルタップ時でもサスティナー
は作動する所まで到達。
しばらくはビルローレンス恐怖症になりそうです(笑)
元のサスティニアック搭載時はどの程度動いていたのかが気になるねぇ…

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今回「救い」だったのは何故かボディートップ側からサスティニアック基板用ザグリが施されていたので
サスティナー基板のパーツ変更が容易に作業出来た事でしょうか。
仮組みしてからサスティニアック用のザグリにサスティナー基板が入らなかった時には泣きそうになりましたが…
深夜に全バラシ⇒近所迷惑を顧みずにルーター作業敢行(苦笑)
…まぁ、事前にザグリ寸法をしっかり確認してなかった単なる自爆なんですけどね…

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フロイドローズもサビているパーツを交換してリフレッシュ!
やっぱり往年のフロイドは現行と違って精度が高い。お持ちの方は容易に交換すると勿体ないですよ。

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実は今回のPAW-2は震災被害で海水を被ってしまったギターでした。
ゆえに金属パーツ類の一部、ビス類、電装系はほぼ全滅でした。
ボディーがまだ使える状況なのはオイルフィニッシュなので木部に水分が浸透したままにならなかったからでしょう。
もしこれが普通の塗装が施されたギターなら塗装内で木部が動いてとんでもない事になります…

したがって貴重なサスティニアックをサスティナーへ載せ替えざるを得なかったのですが。

未だ復興までの道のりは見えない震災被害ですがテレビで避難生活を送られている方や飼い主と離ればなれになったペットの報道等を見ているとやはり人間を含めた生き物は震災以前の環境へ戻る事は容易でなないと思います。
このPAW-2は運良くオーナーの手元へ戻り、何とか修理して以前とは違ったギターになってしまったかも
しれませんがこの先も音を奏でる事が出来ます。
「音楽」や「楽器」はライフラインに比べ、優先順位は随分後ろだとは思いますが人が「生きる=活きる」
には欠かせない物でしょう。

今後も被災されたギター、ギタリストの皆様へはギターエンジニアとして微力ながらお力になれればと思っております。
何しろギターリペアでしかお役立て出来ない者ですので。

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PAW-1もパドックです
【2014/12/13 23:16】 | #- | [edit]












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