FENDER/J JVシリアル期、謎のロックナット搭載ストラトを徹底的にレストアする編

 2014-09-29
今回はFENDER JAPAN のJVシリアル期=80年代前半のストラト、フルレストア編です。

JVシリアルのストラトの中でもラッカー塗装、USAピックアップ、CTSポット搭載とおそらくは最上位機種だったのでは?

かなり使い込まれた風格ですが…

あれっ??



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何故かロックナット付いてる…
ブリッジは普通のシンクロのままなのに…

オーナー様によれば当時楽器屋へチューニングの狂いが酷いと相談したところロックナットへの交換を勧められたそうだ。

言うまでも無くロックナットで弦をロックすればチューニングは少し上がる。
だからこそフロイドローズタイプのブリッジにはファインチューナーが付いているわけでして…
これを勧めた楽器屋の店員も難アリだが作業したリペアマンも上記問題が起こる事は承知のはず。(ちゃんとしたリペアマンならね)

こんな無茶が許されるのは80年代ならではでしょうか(笑)
フロイドローズの初期モデルはファインチューナー無しだったので同じ様に考えたのだろうか…

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フレットも弦下部で摩耗限界。交換決定。

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ペグも一部シャフト曲がりが見られギアボックスもグラグラしてる箇所がある。交換決定。

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ジョイントプレートはかろうじてJVシリアルが読み取れるが激サビ…交換決定。

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ブリッジサドルもサビが進行していて一部は弦高調整イモネジが固着。交換決定。

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なのでお客様と相談のうえ今後も永く使える「普通のストラト」にするべく
徹底的に手を入れる事に決定!


さぁ第一の問題はロックナットだ(笑)
ネック貫通方式でロックナットは取付けられていたが穴位置が思いっきりズレちゃってますやん…

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フレット抜いてから埋め木。そしてフラット出し。
何でフレット抜いてから作業するのかって?

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フレット抜いて指板修正で指板表面の汚れ等を一皮むいて指板本来の木目、ローズの色合いを出す。
その質感に合わせてロックナット部に合う木材を切りだしてタイトボンドで貼り付け⇒成形。

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作業がメッチャ大変だったので作業中の画像はありません(疲)
どう?
木目と色合い、指板と合ってませんか?
ぶっちゃけ貼り付けた木材は色の薄めの縞黒=エボニーなんですけど(笑)
いつも無茶な要望に応えて木材探してくれる林さん、有難う御座います!!

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まぁ作業後の画像では全く説得力が無いのですが苦労したのはヘッドの落とし込み角度に合わせて斜面の削り出し。
本来生産時は指板を貼ってからメイプルと一緒にシャクル=削るので段差もなく成形出来るのですが今回はヘッド面には
塗装がある。なのでヘッド面と一緒に削る事が出来ない…
夜な夜なちまちま手作業で削っていきましたよ…

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これにてロックナットの痕跡を表面は消去完了!
残暑厳しい作業場で指板修正+フレット打ちも完了!!

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さぁ今度はグリップ面に空いたデカい穴だ!
ここも真円ではないので一筋縄ではいかないな…

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埋め木に使う木ははほぼ真円なので少し大き目の径で穴を開け直してから埋め木。

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これまたグリップ面の形状に合わせて成形するのが大変でしたわ…

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成形が終わればグリップ面の日焼けした色合いに合わせたラッカーカラーを調合して着色。
当然痕跡は丸分かりですがただ埋め木するだけよりはマシな仕上がりじゃないですかね。

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ようやくネック側の作業が完了したので今度はボディー側に着手。

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サビたビス類、ブリッジサドルは交換。
ピックアップのポールピースに付着したサビはコイルを完全保護してからワイヤーブラシで研磨。
リアピックアップのコイルがサビの侵入で断線間近だったのでサビの付いたコイルをほどいてからロウ浸け。
ポット、レバースイッチ、ジャックを交換。
要は電気系はピックアップ以外全て交換!


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いゃ~~キレイになりましたわ!
ハイフレット指板に施されていた若気の至り?スキャロップの痕跡も一見では分かり難くなったし。

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サビサビだったジョイントプレートも刻印は有りませんが新品へ。

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長年のジョイントビステンションによりボディー側塗装へプレートがめり込んでいたので今後進行しない様に
樹脂プレートを挟み込みます。

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ペグも新品!

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ここまでやると更に徹底的にやりたくなる(笑)

エルボーカット部とコンタード部には長年の汚れの蓄積でラッカー塗装が変質している箇所がある。
軽く研磨すると深くは変質していない様だ。

なのでバフ掛けで研磨する事に決定!

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塗装の変質自体は仕方ないが黒い汚れは取れ、光沢も少し復活。

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色々苦労はありましたが良いストラトには仕上がったかなと。
オーナー様にはこれからも永く弾いていって欲しいですね。

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以前も作業した事あるのだが…
ロックナット⇒ノーマル仕様への作業はもうしばらくの間はやりたくないなぁ~~(苦笑)

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JVシリアルに限らず往年の作り込みや材質の良かったフェンジャパのレストアは日々作業しております。
やはりフレット交換が一番多い作業にはなりますがストラトに限らずお手持ちのギターが弾き難かったり
コンディションに難アリな場合はご相談下さい!


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