弾き込まれたミュージックマンEVH系フルメンテナンス!…の、ついでに弦高を下げるウラ技編

 2014-12-02
今回はミュージックマンAXIS EXのフルメンテナンスをお受け致しました。

通常のフルメンテナンスに加え、高い弦高を何とかストレス無く弾けるセッティングへ…そんなご依頼です。



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結構弾き込まれている様でフレットも画像↓の通りかなり減っています…
「よっしゃ!フレット交換しとこか?」なんて気軽に言えるほどフレット交換の工賃は安くない…
EVH系は新品時の基本セッティングがブリッジはボディーへベタ付けで丁度良い弦高になる様に設計
されているのでフレットが減ると弦高が高くなってしまいます。

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フレットが減る=弦からフレットまでの距離が遠くなる=弦高が上がる=弾き難い…
なので皆さんブリッジのスタッドを締め込みますよね。
でも限界値を超えてスタッドを締め込むとブリッジが前傾するだけで弦高はあまり下がりません。
この辺りはPEAVY WGになってブリッジの落とし込みザグリを設けて対策されましたが。

ちなみにお預かり時の弦高はトラスロッド調整後で6弦12Fでフレット~弦までが2.3ミリ、
1弦12Fで2.0ミリとソロイスト的なギターとしては明らかに高め。

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リペアマンやショップによっては
「そんなんネックジョイントにシム挟み込んでネック角稼いで弦高下げちゃえ!」ってな事をお考えになるのでしょうが
せっかく5点止めでガッツリとネックをボディーへ密着させているミュージックマンではシムを挟み込むとネックとボディー
に隙間が空くので勿体ないですよね。
ましてやフレットの減った状態でネック角付けてもビビりの原因になる可能性が高い。

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でもこのAXIS EXを含めEVH系はソロプレイも多用されるギターなので弦高が高いのは致命的だ!
だと言って誰しもがフレット交換を気軽に依頼出来るほどアベノミクスは効果を発揮しているわけではない。
実際に自分の財布の中身も寒風吹き荒れる有様だ…むしろ不景気が進んでいるかもしれない…


なので今回は弾きまくってフレットの減ったEVH系の弦高を下げるウラ技をご紹介します。

もちろんベストなリペアはフレット交換だと言う事はお忘れなく…


まずはフロイド系ブリッジ(ミュージックマンの場合フロイドタイプは大抵GOTOHのOEM品)
を後ろ側から見てみる。

ファインチューナーを押し上げる板バネとボディーの間に薄い板があるのが見えますね。
この板を抜いちゃうわけですよ。

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ブリッジをギター本体から外しにかかります。
EVH系は弦テンションが無くなる(弦を外す)と「バコンッ!」とブリッジ本体がスタッドから外れて
ヘタするとボディーにダメージを与えるので弦交換時も含め弦を外す時には必ずブリッジ後端に
何か挟み込んで軽くアームダウン方向へブリッジが傾くぐらいのテンションを掛けましょう。
画像ではゴムのブロックを挟んでますが何重にも畳んだギタークロス等、ギター本体へダメージを
与えない物なら何でもOKです。
間違っても9V電池等の金属類は使わない様に!!

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次にトレモロスプリングを外す。
ウリャっ!って指で引っ張れば外れない事もない2本掛けスプリングですが面倒がらずにスプリングハンガーを
緩めてからスプリングを外しましょう。

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ちなみにスプリングハンガーを緩める前にザグリの壁からハンガーまでの距離を測って

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ハンガーにマスキングテープ等で数値をメモっておけば組み込み時に同じスプリングテンションへ簡単に調整
出来るのでオススメです。
これはフロイドローズ系全てに使えるチョイ技ですな。
特にフローティング設定のフロイドには有効ですよ!

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さて、ブリッジが外れました。
結構汚れもあるので後ほどクリーニングも行います。

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裏返すと外す予定のプレートが見える。

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角度を変えると結構な厚みなのがよく分かりますね。

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いざ分解。
まずはサドル6個を外します。
弦をロックする長いビスを緩めてファインチューナー側から抜き取りサドルを固定しているビスを外せば
簡単にブリッジ本体から外せます。
GOTOHの場合、サドル固定ビスの緩み止め用の薄いワッシャーがあるので要注意です。慎重に作業しましょう。

サドルを外したら弦ロックのブロック紛失を防ぐべく弦ロックスクリューを軽く締め込んでおきます。

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一部のメーカーを除きフロイド系のサドルは1&6、2&5、3&4弦用に3種類の高さがあります。
もしサドルを順番バラバラにしてしまった時は平たい場所に置いて順番の確認を。
サドルも結構汚れてるので後ほどクリーニング予定…
サドルの掃除には歯ブラシが便利!

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ここからブリッジ本体を分解します。

ベースプレートに見える3個の大きな+ビスを外します。

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分解して各パーツを並べる。

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今回リストラするのはこのプレートです。

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厚みを計測すると約1.2ミリ。
たかが1.2ミリ、されど1.2ミリ。
サヨウナラ~~

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ここからは組み込みです。
ベースプレートはこの状態が一番掃除しやすいのでピカールに代表される金属磨きの粒子の細かい
コンパウンド類を使ってピッカピカになるまで磨きましょう。
磨く布は銀磨きクロスがオススメです。

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ファインチューナーノブの下側もよく汚れの溜まる箇所です。
ファインチューナーを緩めて綿棒でお掃除!

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これまたメーカーにもよりますがサスティーンブロックには前・後の向きがあります。

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方向によってはスプリングに角度が付いてしまうので組み込み時には向きに要注意!

ちなみにゴム手袋をして作業しているのはせっかく磨いた金属パーツに手の脂が付いたり使用する
コンパウンドによる手荒れを防ぐ為です。
ただでさえ歳食って新陳代謝が悪くなり、肌荒れ、シワ寄り等で嫁に汚いジジイ呼ばわりされているので
せめて手荒れぐらいは防いでみようかと…

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GOTOH製(GE-1996Tタイプ)の場合、メーカーロゴが前面に来ます。

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後ろ面にはサスティーンブロックのサイズを示す数字の刻印。

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サドルの掃除も終わってブリッジ組み込み完了!

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ギターへの組み込み時は取り外し時と同じくアームアップ方向へテンションを掛けながらトレモロスプリングを
掛けて下さい。先にも書いた様にスプリングハンガーは緩めたままで。
スプリングをしっかり掛け終わったらメモしていた数値までハンガーを締め込みます。
締め込んだ後も弦を張るまでブリッジは前傾のままで。

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フロイド系ブリッジのギターをお預かりする事は多いのですがブリッジ側の弦ロック部の弦差し込みを
皆様色々なのでここで正しい弦ロックの方法を。
アイバニーズ等一部のメーカーを除き大体が弦のボールエンドをカットして弦ロック部に差し込みます。

まずはボールエンド上のねじられた(少し太くなった)部分より本線側で弦を直角に曲げます。

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直角に曲げた部分の僅かにボールエンド側をカット。
弦をロックするスクリューは締めすぎ注意です。
具体的に締め込むトルクは文章に出来ませんが締め込んでビスにトルクが掛かってから少しだけ追い締め
するので十分です。
大陸製等の廉価なブリッジの場合、締め込み過ぎるとサドル本体が破損する事もあります。
大陸製は柔らかい金属で出来てるのが多いからねぇ~

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チューニングしてから根気強くオクターブピッチ調整。
ネック、電気系もメンテナンスし、ワックス掛けして完成!

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ブリッジもボディーと平行にセッティング!

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お預かり時の弦高6弦12Fでフレット~弦までが2.3ミリが1.6ミリ
1弦12Fで2.0ミリが1.2ミリソロイスト系ギターとしては理想的な弦高にはなりました!
ただしネック反りが調整されている前提なのでどんなEVHでも簡単に弦高が下がるわけではありません。

フレット摩耗により場所によってはビビりが残りましたがとりあえずは弾き易いコンディションになったかと。

今回割と丁寧に書かせて頂いたつもりなのですがDIY作業される場合はくれぐれも慎重に自己責任でお願いします。

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【2017/05/28 15:41】 | # | [edit]












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