Washburn N4 Vintage & MUSICMAN EVH '92 &'93 プレイヤー好みの中古ギターに必要なメンテナンスとは…編

 2015-10-01
今回はよく弾き込むギタリストに人気の機種をメンテナンスさせて頂きました。

まずはWashburn N4 Vintage!

ボリュームノブの固定にタッピングビスが付いているので現行のイ〇シ〇楽器さんが販売している物ではなく
おそらくN4 Vintageとしては初期型なのだろう。
(現行のN4 Vintageにはビスが付いていない様なので…)

お客様は中古で入手されたらしいのだがやはりと言うかお約束と言うべきかフレットがかなり摩耗していた。

後に出て来るMUSICMAN EVHもそうだが「弾き込まれる系」のギターを中古で購入する際には外見だけではなく
フレットの残量にも注意が必要…(と言ってもフレット残量なんて簡単には見分けられませんよねぇ…)

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なのでまずはフレット交換である。

中古のN4にはよく見られるのだがステファンエクステンドカッタウェイのインレタが擦れて消えてしまっている事が多い。

インレタの上にほとんど塗装が塗られていないのが原因ではあるが以前他店でメンテナンスを依頼されたお客様が
ステファンのインレタを消された=作業中に何かしらの工具が当たったのか?のでインレタを再現して欲しい旨の
相談を受けた事がある(笑)
もちろん無理な相談だったのだが。

で、

ウチではN4のネックを外して作業する際にはまずステファンのインレタを防護する。

低粘着性のマスキングフィルムを貼って、

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厚さ2ミリのゴムシートを載せる。


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その上からしっかりマスキングテープを貼る。
これで万が一工具類が当たったりしてもインレタにダメージは及ばない。



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さて、早速指板修正をしてネックが安定してからフレットを打つのだが、

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このN4はバインディングは無いのに指板フレット端の溝が埋められている。


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したがってレスポール等と同じくフレットの端のタング=指板に埋まる部分をカットしてから打つ。
って書くのは簡単なんですが結構手間掛かります…


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まぁフレット打ちはこのブログにもよく書いてる事なので今回はN4 Vintageの他の部分も見てみよう!

まずブリッジを外すとイナシャーブロックをボディーに当ててアームアップ方向へブリッジが動かない様に
後加工で木が貼られている。

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何故かパネル類を止めるビスが異常に長い…

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N4のラインナップでも上位機種なのにポットは頼りないφ16の物が付いている…

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なのでCUSTOM CTS =スムーズポットへ交換。
線材もパッツンパッツンに短かったので万が一ポットが緩んで空転しても断線しない様にゆとりのある長さへ
変更。(つーか線材もあまり良い物ではなかったので交換したかったってのもある)
お客様のご希望でハイパス(ローカット)コンデンサーを追加。

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ネックジョイント内にシリアルの打刻有り。


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ネックエンドにも同じナンバーの打刻。(同じナンバーで当たり前なのだが稀にネックが差し替えられている事も…)


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今回はフレット交換の後、ロックナットの取付け角度や高さ、ブリッジのテンション等、細かい所まで
徹底的に手を入れさせて頂きました。
おかげでお預かり時よりは格段に音の輪郭、立ち上がりが変わりました。
何よりもフレットが十分な高さになったので弾き易い!!
この感覚はビフォー・アフターを弾き比べられるお客様が一番分かるはず。

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さて、お次はMUSICMAN EVHです。
これまた頻繁にフレット交換依頼を頂くモデルですが今回は2本同時にお預かり。(別々のお客様です)

赤は92年製、ナチュラルは93年製。

共に初期型と呼ばれるEVHでファーストオーナー様からのご依頼です。

初期型はバーズアイの木目が細かく詰まっているとネック自体がネジレている物も多く、作業依頼を受けても
残念ながら手の施しようが無い物もあります。
しかし今回の2本はネックコンディションがバツグン!
初期型でまともなネックを2本同時に作業させてもらえるなんて「何かエェ事あるんちゃうん?♬」なんて思ってしまう(笑)


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2本共に指板修正を行わずに=指板塗装をせずに仕上げました。

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実は作業する側からすると指板を塗装する段取りの方が遥かにラクなんですけどね…


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ちなみに初期型EVHによく見られる症状が
「塗装のベタつき」です。
長年ハードケースに入れっぱなしの個体に限らずよく弾き込まれている個体でもベタつきが出ている
事があります。
おそらく塗料の問題なのですが症状が軽ければベタつきの出ている塗装の層を研磨する事で改善出来ます。

↓ の画像の様に塗装表面にクモリがあり手で触るとザラザラしつつベタつきがある場合は要注意です。


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今回は2本共に症状が軽かったのでバフ掛け+ワックスコーティングでベタつきを退治出来ました!


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で、お約束のサドル高さ調整。
指板のRに各弦の弦高を合わせるべくサドル下にシムを入れます。

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EVHはトレモロスプリングが2本張りなのでスプリングが伸びきっている事が多い。
スプリングテンションが低下している場合はスプリングを新品へ交換。


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無事完成!

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N4やEVHは「よく弾き込む」ギタリストに人気の高い機種です。
ゆえに中古で販売されている物は外見のダメージが少なくともフレットが摩耗している事が多いです。
今回のEVHはファーストオーナー様からのご依頼でしたがこの手のモデルを中古で探されている方も多いでしょう。

しかしせっかく「弾く」為に購入しても「弾き難い」のでは意味がありません。
この類の機種を中古で購入する場合はネックコンディションは勿論ですがフレット残量も要チェックです。
フレット残量は見た目では分かり難いでしょうが試奏した際に
ビブラート&チョーキング時に指の腹が指板にかなり擦れて当たる場合
フレットが結構減っていると考えていいでしょう。

そんなギターを買うなとは言いませんが気持ち良く弾くにはそれなりのリペアが必要になる事を念頭に
予算を計算して下さい…

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