YAMAHA FG-401W 今なお人気のFG、徹底的に作業して本来の「鳴り」を取り戻す編

 2016-10-01
今回はFG-401Wを作業させて頂きました。

中古市場では今も人気のFG。
お手軽価格で購入出来るヴィンテージアコースティックの代表格ですね。
経年変化により合板と言えど乾燥した木材の奏でる豪快なサウンドの虜になってしまうプレイヤーも
少なくはないでしょう。
しかしながらコンディションの良い物は少なくなってきていますね。
ネックが波打っていたりロッドが効かなかったりボディー(ブリッジ部)に異常な程の膨らみが
ある物は購入を控えた方が良いでしょう。
もちろん長い年月、前オーナーの使用状況によってはそれなりのメンテナンスを行わなければ
ヴィンテージ本来の「鳴り」は出せません。

今回のFG-401Wはラージガード&アジャスタブルサドルと珍しい仕様のモデル。
フレットの摩耗が激しく、ビビリも目立ちます。
しかしながらロッドを含めたネックコンディションは今まで作業してきたFGの中ではかなり良好な類でした。
フレット交換を初め問題箇所全てに手を入れていきたいと思います。

fg1


ピックガードは縮みや割れも無くボディー側も大きな問題は無いのだが…

fg2


ナットとネック側面バインディングとの間に隙間がある。
これはバインディングが縮んでしまったが為の症状。
FGに限らずヴィンテージギターにはよく見られる症状です。

fg3


そこまで縮みが有って他の部分が無傷な訳はない…
所々クラッキング=ひび割れが起きてます。

fg4


最も大きなクラッキングは最終フレット付近。
バンディングの縮み、クラッキングの完全な修理となればやはりバインディングの貼り直しに
なるのですが貼り直し+塗装となればコストも相当な物になってしまいます。
なので今回は現状のバインディングを補修する方向で作業を進めます。

fg5


まずはフレットを抜いて指板修正。

fg6


指板修正の途中段階で剥がれてしまっているバインディングを接着補修する。

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次にバインディングの素材を用意して、

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溶剤で溶かしてから硬化と定着の為の塗料の一種と混ぜ合わせてゲル状にする。

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それをクラックに隙間に埋める。

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ナット部分の縮んだ箇所には隙間に詰まったゴミや古い接着剤を除去してから
厚みを調整してから少し大き目にカットしたバインディングを接着。

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ナット側より余分な部分を慎重にカット。

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経年変化による黄ばみに合わせたカラーを作ってタッチアップで着色。

fg14


先ほど溶かしたバインディングを充填した箇所も着色。

fg15


バインディングの処理が終わったところでフレット溝周辺の補修、徹底的に指板修正してから
フレット打ち完了!

fg16


新規のナットを無漂白牛骨で製作して完成。

fg17


元のバインディングと継ぎ足したバインディングの側面をきっちり研磨すれば両者の境目は
消せたのだが元のバインディングを研磨すると「味」であるムラのある黄ばみも削り落としてしまう…
なので今回は元バインディングを一切研磨せずに仕上げてみた。

fg18


ハイフレット付近の重点箇所周辺はさすがに研磨が必要だったので黄ばみがある程度
無くなってしまったのだが筆塗りのタッチアップで再現してみた。

fg19


ブリッジ周りも少し手を加えて完成!
図太いFG独特の「鳴り」が復活しました!
お預かり時よりは明らかに音量が大きくなった。
そして高域、低域の出方がハッキリしたと思います。

fg20


実は今回FG-251Bも同時進行でお預かりしていました。
こちらはネックにクセが有ったので指板修正を徹底的に行い、ブリッジサドルの底面にも問題が
あったので修正作業を含めて見えない箇所にも結構手を入れさせて頂きました。

fg21


251Bのボディーエンド。
合板とは言え側板にも贅沢なブックマッチを施すのは良い木材の枯渇した現代では無理でしょう…
いや、無理とは言わないが相当高額なギターになるでしょうね。
それを普通にレギュラーラインでやってしまっている古きヤマハは凄いね。

fg22


いよいよ10月になりましたが今年の秋には苦労させられます…
台風は仕方ないが停滞した秋雨前線のおかげで湿度は上がりっぱなしの9月でした。
そんな中で指板修正作業は大変でした…短い時間で作業してはエアコンの効いた部屋で
ケースに乾燥剤を入れて保管。その繰り返し。。
10月は秋晴れのカラッとした天気が続いてくれないかな…

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