P-PROJECT NA-TH2 今なお人気の「サスティニアック」。「18Vサスティナー」ではありません編

 2016-10-11
今回はP-PROJECTのNA-TH2を作業させて頂きました。


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まず本題とは離れてしまうのですがこのNA-TH2に搭載されているのはフェルナンデス社の
「サスティナー」ではなく「サスティニアック」というデバイスになります。
サスティナーと混同されている方が多いので以前もブログを書いた記憶があるのですが
もう一度書いておこうかと思います。
まずフロントに搭載されている「トランデューサー」。フェル社のサスティナーでは「ドライバー」と
呼ばれていますがサスティニアックでは「トランデューサー」と言います。
コンディションはサビも少なくかなり良好です。

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ボディー裏面に設置された巨大なバッテリーボックス。

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9V電池×2個=18V仕様です。
サスティニアックは18V仕様のみとなります。
これが「18Vサスティナー」なる呼ばれ方の原因ですな。

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コントロールパネル内部の基板。
フェル社サスティナーは様々なタイプがありますが基板形状は長方形になります。
サスティニアックは正方形。

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確かにこのP-PROJECT NA-TH2や布袋モデル等でサスティニアック搭載ギターを販売していたのは
フェルナンデス社。(色々事情がある様ですがとりあえずP-PROJECTもフェルと同系列会社とします。)
サスティニアックのデメリット等を改善し、進化させたデバイスが「フェルナンデス サスティナー」。
ややこしい事にサスティナーも超初期型には電池を2個入れる18V仕様が存在します。
ただしこの超初期型は今ではほとんど目にする事はないでしょう。
今でも「18Vサスティナーを中古で買ったのですが調整出来ますか?」等のお問い合わせを頂きますが
大体が「サスティニアック」ですね。
厳密に「18Vサスティナー」に値するのはごく少数生産された「FR-180S」と上記超初期型サスティナー、
そして一時期フェル社が取付け加工を行っていたミュージックマンやPEAVEYのエディー系モデルのみに
なります。(現在は18Vでの取付けは行っていないそうです。当店も休止中。。)

そしてここからが重要!
「サスティニアック」はフェル社の布袋モデルに採用されていた為に今でもかなりの人気があります。
サスティニアック搭載モデルが最終生産されたのはフェル社、Zodiacコラボの布袋氏25周年記念モデル
になります。

これは限定数生産だったので中古も見付けるのは苦労するでしょう。見付かったとしてもかなり高額な様です…
その事情もあるのでしょうが某オークション等でバラバラの状態の「サスティニアック」を落札されて
お持込頂く事が増えております。
が、
かなり古いデバイス故に劣化も激しく、故障している物も数多く見られます。と、言うかほとんど壊れてます。。
当店へ持ち込まれた物で正常に機能していると判断出来るのは10ユニット入れば2~3ユニットぐらいでしょうか。
古いサスティニアックに憧れるのは理解出来ます。
しかしながら市場に出回っている物で使い物になるのは極僅かです。ご注意下さい…
サスティニアックは基板構成パーツが古く、特に心臓部のオペアンプは交換品が手配出来ません。
またサビによる断線が多いトランデューサーも交換品はありません。
結論としては「故障したサスティニアックは修理出来ない」という事です。

さて、本題に戻ります。
今回のNA-TH2のサスティニアックは多少効きが弱い状況でしたが基本機能は問題有りませんでした。
また基板上のパーツも一部問題が見られましたが交換可能パーツだったので十分再生可能!
まずは減ったフレットの交換より着手します。

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フレット交換完了!
質の良いエボニーで硬い指板でしたが前回のYAMAHA SG3000に比べれば平和な硬さでした(笑)

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トレモロの付いた古いギターをメンテナンスする際には必ずブリッジを全分解します。
何故ならほぼ確実と言って良いほどのブリッジのベースプレートとサスティーンブロックを止める
ビスが緩んでいるからです。
ここが緩んでいるとアーミング時に妙なガタが出ます。もちろんサウンド面にも影響アリ。

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2個マウントされていた「PRO-S」なるピックアップを外す。
裏面にフェライトマグネットの貼られたPUは経年劣化によりマグネットがボビンから外れている事が多い。
今回もご多分に漏れず剥がれてズレております。

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手で力を加えれば簡単に外れてしまいます。

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マグネットをボビンに接着して固定用のウレタンも新品へ交換。
ウレタンの長さを長めにしたのは固定力をUPさせる為。

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PRO-S2個に挟まれたダンカンJB(SH-4)。
トップ画像からも分かりますがこのJBのボビンにはダンカンのロゴがプリントされていません。
長足タイプと呼ばれる古き良きJBです。
今のJBよりクリアーな高域で歪ませても音の輪郭がしっかり残ります。
中域も太いのに濁りが少ない…
JBについては語り出すと長くなるのでこれで止めておきましょう(笑)

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JBも取付けビスにサビがありスプリングも弱っていたので交換。
更に裏面にウレタンを貼りしっかりと固定出来る様に手を加えます。
画像はありませんが一度分解のうえサスティナーをモデファイする時と同じ加工を行いました。


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18Vのバッテリーボックス。
本体側からの線材を軽く指で引っ張ると簡単に千切れてしまいました。
再度ハンダ付けしようと線材の被膜を剥きましたが線材自体が劣化している様なので…

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全ての線材を交換。

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レバースイッチもCRL製だったので機能はしていましたが接点の劣化が激しかったので交換。

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ジャックも言わずもがな。。

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ポット類は全く問題ありませんでした。
この頃の日本製ポットは本当に物が良い!耐久性もバッチリなのですが…

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こちらは現行の国産ポット。
背中にMADE IN JAPANの表記はあるのですが…
初期不良が多い。
具体的には新品を取付ける際に手際よくキレイにハンダ付けしたにも関わらずガリや接触不良が出る…
最近では全く信用していない国産パーツです…(あ、国産ジャックも相当ヤバイよ…)
ホンマに日本製なのかな??

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配線完了!
今回サスティニアックではありますが普段サスティナーをモデファイしているノウハウを反映させたので
音出しが楽しみです!

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ナットは純正が弦滑りの良いデルリン素材(ピックで使われるポリアセタールと同様の素材)でしたが
現代の基準では音が丸すぎるのでブラックタスクで製作しました。
ペグは今や廃版のGOTOHステップペグ。

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完成!
サスティニアックもモデファイが効いたのかブンブン動いています!

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今後も劣化は仕方ないが正常に機能している数少ないサスティニアックは救っていこうかと思います。


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最後にもう一度言わせて頂きます。
オークション等で「サスティニアック」、または搭載ギターを購入する際はある種のギャンブルだと
言う事を忘れないで下さい。ジャンク品は所詮ジャンク品です。
如何に高額で入手されようと故障していて直せない物は直せません…
ここまで書かざるを得ない程にお問い合わせが多いので…


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