すっかり秋ですね…秋は「パズル」な作業?割れ・欠け修正修理編

 2016-10-12
台風以降は涼しくなり湿度も下がって絶好のフレット交換シーズンに突入しましたね。ってウチだけ?

で、早速フレット交換です!

70年代のジャズベースです!!

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…1フレットのブロックポジが欠けてます…
こりゃ何とかせなアカンでしょ。
お客様には「何かで適当に埋めといて~」的に言われましたがその「何か」が難しい。
う~む…どう傷口を修正して何で埋めるのか…
悩んでいても仕方ないのでとりあえずはナット外してフレットを抜いてしまおう!

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で、フレット抜いてから工具でちょっとコジッてみたらですね、
ブロックポジが浮いてきてくれたのですよ!
コレでかなり作業の方向性が見えました!!

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慎重に全体を浮かせて取り外し完了!

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画像では分かり難いのですが欠けている=割れている箇所の周辺も劣化が進み、
爪で軽くコリコリやるだけで粉状になってボロボロ崩れてくる…

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こんな時は劣化した部分を大胆に削ってしまいます。
劣化した部分は強度も無いのでその上に何かしらの物を貼ってもすぐにダメになるので。

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新品のパーロイドのポジションマーク素材は色合いがキレイ過ぎて合わないので
何か無いかな?と色々あてがったところ少し黄みがかったピックガード素材が比較的合う。
そして柄が合いそうな場所を選ぶ。

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お互いの断面を整形してから接着。

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ポジションマークとピックガード素材では厚みが違う=ピックガードの方が薄いので
裏面に1ミリのアクリル板を貼ってから裏面全体を研磨して厚みを整える。

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貼り足した部分は微妙に色が違うのは仕方ないが中々の出来栄えではないでしょうか。

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元の場所に埋め直してから指板修正ついでに指板Rに表面を合わせます。

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フレット打ち完了!
以前同じ様な症状をパテ埋めで修理されたギターを見た事があるがこっちの方が圧倒的に
違和感は無いですよ。めっちゃ手間と時間掛かるけど…

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と、一息ついていたら今度はギターの指板角を当ててしまったお客様がご来店…
ローズ指板の繊維も圧縮されて潰れているので相当な衝撃だっただろう…

タルボ1


繊維(導管)が潰れた箇所は接着剤が導管に染み込まないので接着強度が落ちる。
なので導管の潰れた箇所はカットしてしまう。
色んな刃物を使い分けながら丁寧に作業する。

タルボ2


傷口の底面、側面を整えるにはどうしてもヤスリをかけなければならない。
だが小さくて目の粗いヤスリは中々無い。
なのでこんな時は平面出しをした牛骨ナットにヤスリを貼り付ける。
画像はレスポール用だが細かい箇所には薄く小さく加工したストラト用も使う。

タルボ3


傷口が整ったところで次は埋め木の製作に取り掛かる。
手持ちの指板材から比較的色合いや木目の風合いが似た物を探して適当な大きさに切り出す。

タルボ4


傷口の大きさ、形状に合う様に加工していくのだが大まかな所まではサンダー(回転するヤスリ)で
削ってしまうがサンダーを強く当てると埋め木が焦げてしまい黒くなるので途中からは完全手作業…
チマチマチマチマ削る削る削る…
サイズが小さくなるにつれ力を入れ過ぎると割れてしまうので恐ろしいまでの時間を掛けて丁寧に削る…

タルボ5


言うまでも無く一番大変なのは傷口の形状にピッタリ合わせる作業だ…
表面はこんな感じでOKかな。
少し大き目のサイズでなければ接着時に圧力を掛ける事は出来ない。

タルボ6


もちろん底面も合わせる。
3次元で形状を整えるのはかなり大変である…

タルボ7


さて接着に入る。
普段なら木工用、又はゼリー状瞬間接着剤を使うところだが瞬間接着剤は導管に染み込むと
濡れ色=黒くなってしまう。
なので今回はタイトボンドⅢだ!
接着強度に定評がある従来のタイトボンドよりも速乾性が上がり耐候性にも優れるので
今回の様なケースにはバッチリである。
何よりも接着強度は十分なのに導管に深く染み渡るわけでなないので濡れ色の心配が無い。

タルボ8


接着完了!
接着した直後、埋め木を少しも動かさない様に必死で指で押さえているとこんな時に限って
ちょっとマイナーな運送屋がお荷物のお届けに来る…
かろうじて受領印を押すも「普段どちらの運送会社をお使いですかぁ?」とか
「運賃表もらえればウチもお値段勉強しますよぉ~」とか営業掛けてくる…
見て分からんか?ワシは今キミのお話しを聞ける状況ではないのだよ…
今後何があろうとも○○運輸にお世話になる事はないだろう。

タルボ9


接着箇所が十分に乾燥したところでまずは刃物で余分な箇所を削り落とす。
最終的には指板表面と共にペーパー(紙ヤスリ)で研磨するのだが出来るだけ指板表面を
削りたくないのでギリギリまで刃物で粘る。

タルボ10


ペーパー掛けて整形研磨完了。

タルボ11


指板側面は塗装が施されているのでタッチアップで仕上げて完成。

タルボ12


一応完成。
でもまだここからが勝負なのだ…

タルボ13


当たり前だが指板とは別の木を貼っているので微妙に質感が異なる。
埋め木で貼り付けた木は細かい木目なので違和感がある…
なので数種類の針を使って木目=導管を彫る!

タルボ14




色合いの違いは仕方ないですが導管が繋がると違和感が薄れたと思いません?
思わない?ひょっとしてワシの単なる自己満足?(笑)

タルボ15


完成!!

タルボ16


折しも季節の変わり目、2本続けてパズルの様な細かい作業してたら腰が痛くなってきました。
寒くなるこれから。腰痛持ちとしては怖い季節の始まりです…



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