GUILD BLADE RUNNNER Mcauley Schenker GroupはMSGの黒歴史なのか?編

 2016-11-19
皆さんはMitch Perry(ミッチ ペリー)というギタリストをご存じだろうか?
少しマニアックなHR/HM好きオヤジ世代なら知っているはずなのだが…

80年代はあのビリーシーン率いるTALASに在籍していたタッピングの名手である。
後にリタフォードバンドやファスタープッシーキャット(笑)にも在籍するのだが
一番露出が多かったのはMcAuley-Schenker Group期だろう。
近年ならドッケンにレブビーチが加入したりメガデスにキコが入った時と同じ様な違和感だったが(笑)

当店のお客様でMSG=シェンカー信者の方達に言わせればマッコーリーシェンカーグループ前期は
長きMSGの歴史において黒歴史だそうな…モロ売れ線狙いのキャッチーな曲が多かったとは思う。
当時MTVでPVがよく流れてたのを覚えている。

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マッコーリーシェンカーグループは曲云々よりもミッチペリーが弾いていたスゲェ形のギターと
ロビンマッコーリーの髪型がかなり印象的だった。(近所に同じ髪型のオバチャンが居た)

YG誌のミッチペリー機材紹介ではメインと思われる青を始めサブを含めた2~3本が載っていた記憶がある。
ボディー下部の穴に腕を入れてギターごと「ぐりんぐりん」回していたライブ映像も見た記憶がある…
それがGUILD BLADE RUNNNERだ!

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長くギターリペアに携わっているので大抵のギターは見たり触ったりしてきたが
BLADE RUNNNERは日本へ入ってきていた本数も少ない為かライファー(ライフファースト=初見)である。
今回はそんな貴重なギターを徹底的に作業させて頂いた。

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ベンツマーク形状のポジションマークは埋め込み時の樹脂が一部欠損している。
まぁ指板修正+フレット交換も作業するので埋めちゃうかね。

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BLADE RUNNERの純正PUはEMG。
しかしながらジャクソンPU(J95)へ交換されている。
しかもザグリの拡大とエスカッションのビス穴はかなり雑な作業が施されていた。

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元々EMG仕様なのでケーラーブリッジを外してもブリッジアースを結線した形跡が無い。
確かUSAメイドのHAMMERもEMG搭載モデルはアース取って無かったな。
EMG社はローノイズ売りなので「ブリッジアースは不要」と今でも取説には書いているが
やはり少ないながらもノイズは出るのでブリッジアースは必要である。

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さて、作業をご依頼頂いたお客様はオリジナルスペック、即ちEMG仕様へ戻して欲しいとの事
でEMG81をお持込み下さったのだが大きな問題がある。
ジャクソンPUはPU本体、そして専用エスカッションが一般的な物より大きいのである。
左がジャクソン、右が一般的なエスカッション。
EMG81は当然一般的なサイズだ。

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普通のエスカッションをボディーに載せてみる。
やはりジャクソンのビス穴と日焼け跡がハミ出てしまう…
今回は仕上がりのルックスにも拘る方向性なのでこれはNG。

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ならばエスカッションはジャクソンのままでEMG81付けるとどうなるか?
ガスガスに隙間が空く…これもダサイ。
PUザグリ内に導電塗料塗ってもこの隙間は目立つだろう。

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よし!じゃぁジャクソンのPUカバー剥がしてEMGに被せちゃうか?
みたいな荒業も考えたが…縦は入っても横が入らなかった…

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そして辿り着いた解決方法はジャクソンエスカッション+汎用エスカッション合体である。
幸いPU取付けビスのピッチは同じだったので削り込んで内側に入れた。
固定は両面テープなので万が一の際はジャクソンPUへ戻す事も可能である。
EMGを付ければビスとスプリングが2枚のエスカッションを貫くので固定は両面テープでも
全く問題は無い。

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これなら違和感はあるが隙間が目立つ事はないだろう。

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なんてエスカッションの解決方法を思い付くまでの間、
ガッツリ指板修正+フレット打ちしてました。
指板は少し波打っていたので指板修正はいつも以上に時間を掛けてじっくり作業。

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フレット打ち終了!
と、書くのは一瞬だが今回のエボニー指板も硬い硬い。。。苦労しましたわ。。。

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ネック周りが一段落したのでボディー側を着工。
PUザグリに導電塗料を塗りブリッジアースも配線。
雑に空けられたジャクソンPUのエスカッションビス穴は埋め木してから位置出しをし直して
新たなビス穴を開ける。

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コントロール周りの配線完了。
ポットはEMG純正の16φ小型ポットではなくCTSのフルサイズ(24Φ)の25kAを
スムーズポット化して取付け。
バッテリーは大型クリップを採用。クリップ自体はザグリ壁面にベルクロテープで固定。
これなら電池交換も手こずらない。

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元々のコントロールパネルはペラペラで薄くプラ板?みたいなのが極小サイズのビスで
止められていた。
今後は電池交換等でパネルを開ける機会も増えるのでここは手を打っておきたいかと。
このまま極小サイズのビスで何度も開け閉めすると木部のビス穴もすぐに拡がってしまうだろうし。

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ところが2枚上の画像、ミニスイッチ横のパネル固定ビス穴を見てほしい。
ビス穴と壁面に全く余裕が無い。
したがってビスのサイズを太くすればビス穴が壁面と貫通してしまう。
止む無しでビスの長さを稼ぐ事にする。
画像右側が一般的によく使うパネル固定用のビス、左側が今回使う本来エスカッション固定用のビス。
ビス穴を深く空け直し穴径も少しだけ拡大してエスカッションビスでパネルを止めて電気系の作業は
完了…

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と、思ってたのだが帰宅する時に車を運転しながら何かあのペラペラのパネルが気に入らない…
ここまで作業して最後にペラペラのパネルを付けるのが気に入らない…
なので結局は翌日少し早めに出勤してツヤ消し黒1Pの素材を削り出してパネル製作。
これで気が済んだ(笑) こんな工賃外の作業をするから商売人として自分はダメなんだと思う(笑)

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でも出来栄えは満足だ(笑)

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ここまで来たらより一層他の部分も気になってくる…
まぁこんな形状のギターなので尖った部分やボディーの角はダメージを負いがちである。
上の画像の様にコントロールパネル横は既に何かしらのタッチアップが施されていた。

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なので目立つ大きなダメージ箇所にタッチアップを施す。
本来この手の発色が明るい塗装はカラーを吹く前に「捨て白」と呼ばれる発色を明るくする為の
白や明るめのグレー等の下地着色を行う。(画像の傷口に見える白っぽい塗装の事)
タッチアップでは捨て白を塗ってからカラー着色は難しいのでカラーをいきなり塗るのだが
ヘッドの先端は褪色が進み、ボディー側はそうでもない…
なので都合2色のカラーを調合した。

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やっと完成!!

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ポジションマーク横の樹脂欠けも良い感じに補修出来ている。

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このBLADE RUNNNERはボディーに大きなカットが有る為に重量バランスが悪く、
ストラップで吊るとヘッド落ちするとの事だったのでネック側のストラップピンの位置を変更。
元穴は埋め木して上記と同じくタッチアップで着色。

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移設先はネックジョイント部。
お客様へ引き渡し時にストラップを掛けてもらってチェックしたがヘッド落ちは改善出来ました!

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毎回ケーラーのロックナットには手を焼くのですが…
元のナットからロックナットへの弦の進入角がキツ過ぎる。。。
ロックナットへ弦を通すのも一苦労である。

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しかも今回はヘッド形状、ペグ位置の問題から普通に弦を張るとロックナット側面に弦が
当たり過ぎる。
現に1弦はセットアップ時にロックナット側面部で切れた。
なので6弦以外を逆巻きにしてロックナット側面への接触を緩和してみた。
この方が弦交換時のチューニンもラクになるだろう。

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EMGとエスカッションの隙間もこれならあまり気にならないかと。

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コントロールは1VOL、1TONE+ダイレクトスイッチ。
ミニスイッチはお預かり時何も配線されていないダミーだったのでお客様と相談して
ボリューム&トーンをバイパス出来るダイレクトスイッチにしました。

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いやぁ~色々苦労したぞぉ~BLADE RUNNNER!

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久々にミッチペリーが見てみたくなったので動画を検索。
クレーン上でPVを撮影していたキレイなオネーチャンがシェンカーのブン投げたFVに当たって落下!
そして爆発するというメチャクチャな内容のPVをどうぞ(笑)
MSGの黒歴史らしいがアメリカンロックとしては悪くないと思うぞ。
個人的にはマッコーリーがスコーピオンズ初期の曲歌っても違和感無いかも…と思う。




今や昔の面影が残っていないぐらいにお歳を召されたミッチペリー。
レスポール使ってるんすね。
しかしながらタッピングは相変わらず超絶!




サムネイルで出てきて気になったのがコレ。
ほほぉ~ジェフスコットソートですか!
しかし何でクレイジートレイン?
ミッチペリーがワザとなのかは分からないがGソロの入口が「エェッ?そっから??」ってな感じ…
でもジェフスコットソートのボーカルが意外にオジーしてるので貼っておく(笑)


ミッチペリーってもっと評価されても良いギタリストだと思うんだけどな。
同系ギタリストでの成功者はレブビーチかな。
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【2016/11/24 19:39】 | # | [edit]












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