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MUSICMAN 近年モノAXISはフレット端が「なで肩」で弦落ちしてしまうのだが…編

 2018-03-31
久々にEVHネタです。

商売柄出来たてホヤホヤの新品に触れる機会は少ないのですが今回は去年の夏に新品購入された
2016年製のAXISです。
当ブログを見てEVH中古やAXISを購入されるお客様も多く、(M.MANや中古屋から何も貰ってませんが…)
改めて自分のブログに責任を持たねばと認識した次第であります。

普段は中古購入された物や弾き込まれた物をメンテナンスした内容ですが今回は一味違います。

ご依頼頂いたお客様によれば当店ブログ過去記事を見て弾き易いと思い、期待して買ったものの
何故か弾き難いとの事。


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早速各部チェック。
ネック順反りを調整しても弦高が高い…1弦12Fで2.0ミリ、6弦で2.3ミリある。
そりゃ弾き難いわ。

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しかも生産時にフレット端をガッツリ斜めに削られているので簡単に弦落ちする。
1弦をチョーキングorビブラートして帰ってきたらチュルッっと弦落ちしてしまう。
同様に6弦は親指をオーバーグリップした際に弦がズレ易い。
よく知る頃のEVH&AXISはここまで「なで肩」ではなく他のギターと比べれば
「いかり肩」ぎみで、ポジションチェンジ時の指当たりを考慮して1本1本フレットエッジを
丸く削って面取り加工が施されている。自分もいつもそんな感じに仕上げているのだが。
おそらくすり合わせで相当削ったのかフレットの頭も平たくなっている。
これも弦高が高くなる原因。

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ミュージックマンに限らず様々なメーカーで時代の流れに伴い製造工程の合理化?や
製造工場の変更は見られるが大体同時にクオリティーが下がる事も多い。
今回はそんな観点でもこの2016年製AXISを見てみようと思う。

デフォルトで装備されているDチューナーがブラックになっている。(これについては後述)


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またアームの仕様が差し込むと奥でロックされるタイプ。
これはEVHのサスティーンブロックから六角ビスを回して脱着するタイプより格段に便利だ!
ちなみに本記事内でのEVHとは現行のEVHギターズではなくM.MANのEVHをあらわす。

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画像では分かりにくいがボディーのエッジが面取りされて角が少し丸くなっている。
エルボーカットの有るギターには敵わないが従来型の角ばったエッジよりは大分マシ。
従来型は長時間座って弾くと腕に直線のボディーエッジ跡が残ったがコレなら
少しは改善されるだろう。
ストラップ付けて立って弾くにはあまり違いは無いかもしれないが。

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さて、分解に取り掛かる。
ネックジョイントのビスは従来と同じく鬼硬い(笑)
必要以上と思える程のビスの硬さ。しかも5点止め。
ネックジョイントの密着度に重きを置くメーカーの思想は変わらず。
ビスを緩めた瞬間に何故かホッと安心した(笑)

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ブリッジを外す。
サスティーンブロックとアームホルダーは一体型。
サスティーンブロックの小さなイモネジでアームバーの回転トルク調整可能。
グイッっとアームダウンする必要はあるが回転トルクを微調整出来るのは有難いかもしれない。
GOTOHのGE-1996T系のトレモロではあるが1996Tの様に気付けばイモネジ紛失!みたいな
事もこれなら心配無いだろう。

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ペグを外す。
ペグ固定ビスは相変わらずのユニクロメッキ。
おそらくペグメーカーからの支給品なのだろうがこれは毎回気に入らないのでステンレス製
のビスへ交換している。
何でかって?ユニクロメッキはすぐに白く腐食してしまうから。

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今は熊さんが居るんですね。
前はカリフォルニア何ちゃらって大きく書いてあるだけでしたが。

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以前はブラス製だったロックナット下のスペーサーはステンレス製に変更されている。
6弦側に0.1ミリ厚が2枚。

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ペグ関係の穴々がきっちり面取りされている。
ここはG社やF社も見習うべきだ。

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ヘッド表面ペグ穴、テンションバービス穴も同じく。

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さて、フレットを削っての「なで肩」である以上、現状ではどうしようもない。
なのでフレット打ち換えます。
ボディーのピックスクラッチもほぼ無く全体的に使用感が非常に少ないギターなのに
指板は指が当たった跡で汚れている。
弾き方の個人差もあるがフレットが低い証拠でもある。
まずはフレット際に軽く刃物を入れて塗膜を分離。
ほとんど木地に近いぐらいに塗装の薄いネックなのでF社のメイプル指板に比べれば
めっちゃラク。

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抜き終わり。西日が差してきた。
近年老眼で夕方以降暗くなると細かい作業がツラくなってきたので今日はここまでかな。

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翌日朝からフレット打ち⇒すり合わせ。
肝心のフレットエッジ面取りを行う。
すり合わせ後に施工する工場、工房もあるが自分はすり合わせ工程の途中で施工する。
それなら面取りのヤスリ傷も研磨で消せるので。
分かり難いがヤスリ横が面取り済み。ヤスリ右上以降が未加工。

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フレット周り完成!

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このエッジ処理なら1弦、6弦の乗りしろも十分だろう。

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ステンレスのビスでペグ固定。

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とりあえず弦が張れる所まで組み上げた。
ここからが重要で長い作業なんだな…(笑)

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1弦端。

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6弦端。
これなら簡単に弦落ちはしないだろう。

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まずはロックナットの高さ調整。
数パターン試して6弦側は0.3ミリ、1弦側は0.2ミリのスペーサーに決定。
組んで弾いて分解…組んで弾いて分解…そりゃ弦も金属疲労でペグ根元で切れるわな(笑)
既に皆さまお気づきかもしれないがロックナットの固定方式が従来のネック裏から太いボルトから
表面からのビス止めに変更されている。これは強度的には明らかに改善策だと思う。

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ロックナットより手間なのがブリッジ。
今回は3&4弦下に0.2ミのスペーサーで着地。
2&5弦=0.2ミリ、3&4弦=0.3ミリのセッティングとかなり悩んだ。
毎度の事ではあるのだがここまで大掛かりな作業の時はどんなギターでも
一通りセッティングが決まったら一晩置いて翌日に再チェックする。
作業を繰り返しているうちに何がベストだったのか分からなくなってしまうから(笑)
翌日だとリセットされた感覚でチェック出来るので。

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作業前にも前日のセッティング時にもフロントPUのニュアンスが弱い=低域の広がりが薄く感じた
ので高さを上げる。
ボディーにしっかりPUが固定されているのもこの類のギターの特徴なのでウレタンやスプリングを
入れるのではなく0.5ミリの金属ワッシャーをスペーサーとして数枚挟んで嵩上げする。
3枚挿入1.5ミリUPにした。4枚=2.0ミリだとリアPUとの出力差が少し気になったので。
PUも少しスペック変更されている?のかもしれないが従来型に比べ高域が強くなっている様に
感じる。今の流行りに味付けを変えたのかもしれない。
したがってリアは十分に高域が出ているので高さを上げる事は不要。したがってフロントの
嵩上げ上限値も自ずと決まる。

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よ~~~やく完成!!
最終組み上げた感じは「あ~コレコレ!」なよく知るEVH、AXISのプレイアビリティーになりました。
弦高は1弦12Fで1.2ミリ、6弦12Fで1.6ミリになりました。十分弾き易い設定かと。

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いや、Dチューナーなんですけどね。
最終調整で触ったのですが従来型よりも動きがスムーズになってると思うんですよ。
D⇒Eの差し込み、Eのファインチューニング共に以前はゴリゴリ感が気になって分解+
グリスアップして組んでましたが今回の黒いDチューナーはそこがスムーズなんですね。
製造元変わったのかな?
最近Dチューナーの取り付け依頼が減ったので現行新品市販パーツがどうなのかは
分かりませんが。

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お客様への引き渡し時、「弾き易くなってる!」のお言葉を頂き一安心です。

結論から言えば近年のAXISは従来型とは細かい所で変わっていますが
なで肩フレット以外は問題ナシだと思います。
見てはいませんがこれ以降、2017~2018年モデルでなで肩が改善されてたらエェなぁ…



さぁお次はPEAVEY WOLFGANGだ…
コレもやるよぉ~徹底的にやるよぉ~

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