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80年代アリア PE-R100を2本同時進行で徹底的に作業編

 2018-12-01
久々の更新になります!

何かとバタバタしているうちに今日から12月…正直「え?もう年末??」って感じです…

今回は80年代初頭のアリアPE-R100を徹底的に作業させて頂きました。
2本作業依頼頂きましたが画像下のチェリーがシリアル的に81年?
メタリックレッドがポジションマークの形状変更から83~84年以降のモデルになります。
いわゆるジャパンヴィンテージになりますが当時はフェンダージャパン以外のメーカーは
さほどシリアル管理が行き届いていたわけではないので正確な製造年の確定は難しい…
このPE-R100も初登場は82年?のはずですがチェリーはシリアルで判断すると81年製。

今回のブログアップではチェリーを「兄」、メタリックレッドを「弟」と表現します(笑)


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お客さんご来店時のチェック作業に伴う分解でいきなりつまずく…
コントロール、トグルスイッチのパネルが中々取れない。
コントロールはジャック外して指を突っ込んで、トグルスイッチはスイッチ本体でパネルを
押し下げて何とか取れた。

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ボディー形状と同じカービング加工木製パネル。
経年変化でパネル自体が膨張・変形しているので中々取れなかった。
後ほど整形研磨して普通に外れる様へ加工しないと。

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兄のPUは裏面に75の表記有り。

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弟はMMKの刻印。

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兄のシリーズ・パラレルスイッチは劣化が激しいので交換。
今回も「いつも通り」電気系はフルにカスタムCTS、S.CRAFTで組み上げます。

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LP汎用が微妙に合わなかったので専用のボディーマスキングシートを作って
いざフレット交換へ!
兄は順反りロッドほぼ締め切り、弟は6弦側順反り傾向強し、1弦側逆反り傾向のネジレぎみ
なので兄弟共に指板修正はかなり重要な作業になります。
この作業期間中は比較的天候が安定してくれて助かった!
普段と比べれば多めに指板を削って修正する必要が有ったのですが変な動きが出なかったのは
木材のグレードが良いし当時しっかりシーズニングされてから製造されていたのかと。

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まずは兄のフレット打ちまでが完了。

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そのまま弟に取り掛かろうかと思ったが一度感覚をリセットすべく
ギブソンLPへ着手。
有る意味気分転換になるか?なんて考えていたがこのLPも徹底的に作業する必要があったので
結局段取りが遅れるだけであった(笑)
でもこのLPはオーナー様の思い入れが詰まった1本だったので
「これ以上の作業は必要ないだろう」と思える程にやりきった。
おかげで気分転換と言うよりはこのPE兄弟への作業意欲が高まった。

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その勢いで弟も仕上げる。
これでようやく兄弟揃ってフレット周りの作業が完了!

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さて、ボディー側である。

コントロール内には既に導通が無いが導電塗料が塗られている…

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が、PUザグリ内は塗られていない。

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なのでコントロール塗り直し、PUザグリ施工、有線で各ザグリを繋げてアーシング。

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カスタムCTS、お客様お持込みのコンデンサーを使って配線作業完了。

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パネル類も整形研磨で普通にはめ込み、取り外しが出来る様になった!

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さぁいよいよナット作って本仕上げに入るぞ!

って気合いが入る中、何故かフェンダーストラトを作業する(笑)

いや~ネック外れるってフレット周り作業する分には本当に嬉しい…

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おっと難敵の存在忘れてた!(実は難敵だけに後回しにしていた…)

オクターブ調整ビスに相当なサビの入った兄のブリッジである。

当店の常連様は私が茶サビの入ったビス類を早め早めに交換する事をご存知だと思う。
場合によっては作業内容、お見積り金額に含まれていなくとも交換する。
それがどう言う事かが今回ご説明出来るかと。

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本当に軽く、かるぅ~くビスを外す方向へ回しただけでポロリと折れた。
茶サビは浸透するにつれ確実にビスの強度を落とす。
今回はビンテージなのでサビてて当たり前だが普段使いのギター・ベースで
ビス類に茶色のサビが出ている場合はなるべく早めの交換をお勧めします。

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サドルに残ったビスを外すのも結構苦労します…

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今回ご依頼頂いたお客様はジャパンビンテージの達人なのでこのサドルビスの交換品も
お持込み頂いておりました。
まずは交換ビス=元ビスと同じピッチのタップで崩れたビス溝とサビの除去。

pe20.jpg


ちなみにブリッジ本体裏には兄弟共に1979の刻印有り。

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ブリッジスタッドとの固定用イモネジも溝が崩れていたので交換。

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お持込みのM2.6のビス、ナットを使ってブリッジ組み上げ完了。
六角ナットもお持込み品ですが本当は袋ナット(車の純正ホイールナットみたいなヤツね)
を使いたかったが小さい袋ナットはM3からしか無かった。
オクターブピッチ調整がスムーズに出来ながら妙な共振が出ない絶妙なトルクが掛った
ところで六角ナットとビス接合面に金属用接着剤を極少量流して共回する様に加工。

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弟のブリッジはさほど劣化していなかったのでクリーニング研磨とスタッド固定ビスを交換。
これで全て準備は整った。
いざナット製作とセットアップ作業へ着手!

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完成!
…結構悩みました。セッティングに。
元々生音の高域が強かったので中々音に膨らみが出ない。
でも弦テンションを僅かに緩くして中域に振ると高域がそれ以上に丸くなる…
まず兄のナットをプレイアビリティー優先で作ってそれが分かったので悩みながら
ナットを作り直し。合計兄のナットは3個作ってようやく高域のヌケと中域の膨らみの
バランスの取り方が見えた。
弟はそれを参考にセットアップ。

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同じモデルであるこの兄弟。
でも兄は典型的なUシェイプのネックに対し弟は後年流行りになる薄めのUシェイプ。
塗装も弟は厚めのメタリックなので当然サウンドキャラクターは違う。
個々の良さを引き出して組むには実は同時進行作業はリスクが高い。
無意識のうちに最初に組んだ方へ2本目を近づけようとしてしまう。
なので兄を完成させてから一度感覚をリセットさせるべく…

PB200446.jpg 

ギブソンFVのフレット交換。
これまたやっかいな1本だったので完全に感覚はリセット出来た。

最近2本同時進行の時は今回の様な感覚リセットの気分転換作業を挟む様にしている。
ちなみに1本だけの作業の時は「完成!」となってもその時点でお客様へ作業完了連絡は
入れない。
短くとも翌日までそのまま置いてから感覚がゼロになったところで改めてセッティングを
チェックする。その時点で「何か違うな…」と感じたらナットの作り直しや大規模なセッティングまで
やり直す事がある。
もの凄くロスが多いが「徹底的にやるシリーズ」は毎回自分が納得出来る所まで追い込む
様にしている。
もちろん徹底的シリーズは工賃も高くはなる。でもお見積もり金額は越えない。
毎回工賃以上の結果を提供はしているつもりではある。


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