Seymour Duncan FV&LP M.シェンカー&R.ローズ 近年マトモなシグネイチャーモデルが無いですね編
2019-03-30
Seymour Duncan 製のギターと言えばストラトをイメージする方も多いのではないでしょうか?
ヴァンザントのストラトと共にコンポ系ミドルクラスで人気でしたからね。
でも今回はアツイ2本を徹底的に作業させて頂きました!
ダンカン製のシェンカーモデルと白LPカスタムです。

シェンカーFVは今は無き優美音響製との事。
レスポールはESPに完全に取り扱いが移ってからの物。
まずはレスポールのフレット。
べっこり減っております。
カスタムなのに指板がローズなのは少し残念だが近年ではお目に掛れないムラが無く
導管の詰まった上質なローズ。

続いてFV。
フレットエッジが浮いており1弦がバインディングとフレットの間にスッポリ挟み込まれます。
別に良いんです。今回も「徹底的シリーズ」なんでこの後抜いてしまうフレットなんで。

続いてコントロール。
レスポールはコントロールザグリ内は導電塗料塗られているがPUザグリ等には塗られていない。
この当時の日本製には割と見られる傾向。

そしてFV。
PUケーブルの纏め方が少し雑な感じだがそんなのどーでも良くなるぐらいに驚いたのが…

白と黒のピックガードの繋ぎ目の完成度!
普通に機械(トリマー)で切削して合わせただけならここまでピッチリ合わない。
すなわち切削後に手作業でストレート出し、微調整を行っているはず。
文章で書くのは簡単だが自分がこの作業を依頼されたらゾッとする(笑)
これを安くはない価格帯だったではあろうが量産モデルでやってのける優美音響恐るべし!

早速まずはフレット抜いて指板修正から取り掛かる。
2本共にハイフレット部の指板を少し落とし気味にしてハイ起き対策が施されている。
これは90年代でも一部のコンポーネントメーカーでしか見掛けなかった。
すなわち見た目だけではなく真面目に作られている。これぞMADE IN JAPANだ。
とは言え経年変化、劣化で多少なりともクセが出ているので指板修正は徹底的に時間を
掛けて行った。

指板修正は削ってはクセ出しで寝かすの繰り返しなのでその間に他の作業に取り掛かる。
まずはレスポールのPU。
言うまでもなくゴールドのPUカバーを付ける。
フロントは59かJAZZ…裏面のシールスタンプが掠れていたので仕様や計測値で推測するには
インダクタンスは59。でも4芯ケーブルなのはJAZZ…共に抵抗値は近似、マグネットはアルニコなので
確実な判断は出来ない。完成後に弾いた感じでは59っぽかったが。
リアはディストーション。

新品のゴールドのカバーを付けるのだが…
ポールピースが普通に銀色。そして少しサビもある。

なのでアジャスタブル側だけだがモントルーから発売されているゴールドのインチサイズへ交換。
これはお客様との作業前打ち合わせ、見積もりにも含まれていない。単なる個人的なコダワリである。


ディストーションは分厚いフェライトマグネットが入っているのでその分全高も高い。

なのでカバーへの入り込む量も違う。

カバー取り付け後にロウ浸けして完成。

そして2本共にフレット周り、導電塗料の作業が終了。
いよいよ組み込みに入る。

レスポールのフロント。
ディープジョイントではないがジョイント接着の作業は丁寧。
ナビゲーターのレスポール見てても感じるけどESPってセットネックのジョイントは
丁寧に仕上げるよね。
いつも通りアースラグ使って各ザグリのアーシングを結ぶ。

トグルスイッチ壁面は万が一トグルスイッチが緩んで端子が壁面に触れてもホットラインが
アースに短絡しない様に危険箇所にメンディングテープを貼る。

カスタムCTS(スムーズポット)でアッセン組み込み完了!

お次はシェンカーだ。

PUは特に手を入れる予定ではなかったが…

何だろうな。レスポールでPUを徹底的に作業したから
「ホンマにこのままでエェんか?症候群」に罹患する(笑)
なのでアジャスタブルポールピースを抜いてサビ取り、外周メンディングテープを巻き直して
ロウ浸け。
フロントは59、リアはカスタムなのでバッチリですね。

いや何回見てもこの合わせ目キレイだわ。
よぉ~く見れば合わせ面は垂直同士ではない。
これも隙間を開けない為の工夫だろう。
ちなみにトラスロッドカバーも同じクオリティー。

レスポールと同じ仕様で組み上げる。

ブリッジ、テールピースはGOTOHの新品、エスカッションも現行国産の新品。
当然ノブもスピードノブのゴールド!

コレっすわ。コレ。
今回手配に一番苦労したの(笑)
現状では刻印無しのシャーラー製しか選択肢は無いのですが需要が無い為か
正規代理店も在庫ナシ。取引のあるパーツ業者も手持ちナシ。
でもココは絶対ブラスゴールドやないとダメっしょ?
何とかシャーラーの売れ残りを発見しました(笑)

いつもの事だがだんだん完成に近付いて作業ペースも自分のテンションも上がってきた所で
トラップに出くわす(笑)
現行エスカッションだとピックガードがハマらない。

削る。

そして国産ピックガードブラケットの付属パーツが気に入らない。
タップビスと六角ナットだけでピックガードを止めろと?
即緩み⇒六角ナット紛失⇒気付けばビスも無くなってた確定でしょ。

なのでM3ステンレスワッシャーとバネ座金を追加。

バネ座金が効いて緩みにくくなります。

ペグは共にゴトーのMG-T。

ようやく完成!
思えばギブソンでもほとんどドンズバモデルは無かったはずだし今は大人の事情もあって
どこもシグネイチャーモデル出してないからヘッドロゴがSDだけど貴重な1本に
なったかもしれない。

こっちも現行ではDEANから出てるけど往年からのシェンカーファンはあのヘッド形状
許せるのか?って話。
やっぱりベンツの窓叩き割るにはオニギリヘッドやないとね。
と言うか優美の作り込みもあるのだろうけどしっかりした芯のある音のFVに組み上がりました。
この音はDEANと言うか近年の木材で作ったFVでは出ないと思う。

2本共にこれからも長く弾ける様に見えない所、今回書いてない所にも色々と工夫を凝らしました。
同時にこの手の作業やってると妥協出来なくなる自分が更に嫌いになりました(笑)
ヘッドロゴがSDなのだから拘っても無意味と言われても仕方ないのですが
「もしコレが自分のギターならオマエはどこまで拘って組み上げるのだ?」って
もう一人の自分に問いかけられるんですよ。

ヴァンザントのストラトと共にコンポ系ミドルクラスで人気でしたからね。
でも今回はアツイ2本を徹底的に作業させて頂きました!
ダンカン製のシェンカーモデルと白LPカスタムです。

シェンカーFVは今は無き優美音響製との事。
レスポールはESPに完全に取り扱いが移ってからの物。
まずはレスポールのフレット。
べっこり減っております。
カスタムなのに指板がローズなのは少し残念だが近年ではお目に掛れないムラが無く
導管の詰まった上質なローズ。

続いてFV。
フレットエッジが浮いており1弦がバインディングとフレットの間にスッポリ挟み込まれます。
別に良いんです。今回も「徹底的シリーズ」なんでこの後抜いてしまうフレットなんで。

続いてコントロール。
レスポールはコントロールザグリ内は導電塗料塗られているがPUザグリ等には塗られていない。
この当時の日本製には割と見られる傾向。

そしてFV。
PUケーブルの纏め方が少し雑な感じだがそんなのどーでも良くなるぐらいに驚いたのが…

白と黒のピックガードの繋ぎ目の完成度!
普通に機械(トリマー)で切削して合わせただけならここまでピッチリ合わない。
すなわち切削後に手作業でストレート出し、微調整を行っているはず。
文章で書くのは簡単だが自分がこの作業を依頼されたらゾッとする(笑)
これを安くはない価格帯だったではあろうが量産モデルでやってのける優美音響恐るべし!

早速まずはフレット抜いて指板修正から取り掛かる。
2本共にハイフレット部の指板を少し落とし気味にしてハイ起き対策が施されている。
これは90年代でも一部のコンポーネントメーカーでしか見掛けなかった。
すなわち見た目だけではなく真面目に作られている。これぞMADE IN JAPANだ。
とは言え経年変化、劣化で多少なりともクセが出ているので指板修正は徹底的に時間を
掛けて行った。

指板修正は削ってはクセ出しで寝かすの繰り返しなのでその間に他の作業に取り掛かる。
まずはレスポールのPU。
言うまでもなくゴールドのPUカバーを付ける。
フロントは59かJAZZ…裏面のシールスタンプが掠れていたので仕様や計測値で推測するには
インダクタンスは59。でも4芯ケーブルなのはJAZZ…共に抵抗値は近似、マグネットはアルニコなので
確実な判断は出来ない。完成後に弾いた感じでは59っぽかったが。
リアはディストーション。

新品のゴールドのカバーを付けるのだが…
ポールピースが普通に銀色。そして少しサビもある。

なのでアジャスタブル側だけだがモントルーから発売されているゴールドのインチサイズへ交換。
これはお客様との作業前打ち合わせ、見積もりにも含まれていない。単なる個人的なコダワリである。


ディストーションは分厚いフェライトマグネットが入っているのでその分全高も高い。

なのでカバーへの入り込む量も違う。

カバー取り付け後にロウ浸けして完成。

そして2本共にフレット周り、導電塗料の作業が終了。
いよいよ組み込みに入る。

レスポールのフロント。
ディープジョイントではないがジョイント接着の作業は丁寧。
ナビゲーターのレスポール見てても感じるけどESPってセットネックのジョイントは
丁寧に仕上げるよね。
いつも通りアースラグ使って各ザグリのアーシングを結ぶ。

トグルスイッチ壁面は万が一トグルスイッチが緩んで端子が壁面に触れてもホットラインが
アースに短絡しない様に危険箇所にメンディングテープを貼る。

カスタムCTS(スムーズポット)でアッセン組み込み完了!

お次はシェンカーだ。

PUは特に手を入れる予定ではなかったが…

何だろうな。レスポールでPUを徹底的に作業したから
「ホンマにこのままでエェんか?症候群」に罹患する(笑)
なのでアジャスタブルポールピースを抜いてサビ取り、外周メンディングテープを巻き直して
ロウ浸け。
フロントは59、リアはカスタムなのでバッチリですね。

いや何回見てもこの合わせ目キレイだわ。
よぉ~く見れば合わせ面は垂直同士ではない。
これも隙間を開けない為の工夫だろう。
ちなみにトラスロッドカバーも同じクオリティー。

レスポールと同じ仕様で組み上げる。

ブリッジ、テールピースはGOTOHの新品、エスカッションも現行国産の新品。
当然ノブもスピードノブのゴールド!

コレっすわ。コレ。
今回手配に一番苦労したの(笑)
現状では刻印無しのシャーラー製しか選択肢は無いのですが需要が無い為か
正規代理店も在庫ナシ。取引のあるパーツ業者も手持ちナシ。
でもココは絶対ブラスゴールドやないとダメっしょ?
何とかシャーラーの売れ残りを発見しました(笑)

いつもの事だがだんだん完成に近付いて作業ペースも自分のテンションも上がってきた所で
トラップに出くわす(笑)
現行エスカッションだとピックガードがハマらない。

削る。

そして国産ピックガードブラケットの付属パーツが気に入らない。
タップビスと六角ナットだけでピックガードを止めろと?
即緩み⇒六角ナット紛失⇒気付けばビスも無くなってた確定でしょ。

なのでM3ステンレスワッシャーとバネ座金を追加。

バネ座金が効いて緩みにくくなります。

ペグは共にゴトーのMG-T。

ようやく完成!
思えばギブソンでもほとんどドンズバモデルは無かったはずだし今は大人の事情もあって
どこもシグネイチャーモデル出してないからヘッドロゴがSDだけど貴重な1本に
なったかもしれない。

こっちも現行ではDEANから出てるけど往年からのシェンカーファンはあのヘッド形状
許せるのか?って話。
やっぱりベンツの窓叩き割るにはオニギリヘッドやないとね。
と言うか優美の作り込みもあるのだろうけどしっかりした芯のある音のFVに組み上がりました。
この音はDEANと言うか近年の木材で作ったFVでは出ないと思う。

2本共にこれからも長く弾ける様に見えない所、今回書いてない所にも色々と工夫を凝らしました。
同時にこの手の作業やってると妥協出来なくなる自分が更に嫌いになりました(笑)
ヘッドロゴがSDなのだから拘っても無意味と言われても仕方ないのですが
「もしコレが自分のギターならオマエはどこまで拘って組み上げるのだ?」って
もう一人の自分に問いかけられるんですよ。

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