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レバースイッチのお話し編

 2019-04-06
レバースイッチと言えばストラト・テレに限らず代表的なPUセレクタースイッチだ。
トグルスイッチと合わせて1950年代から基本構造は何一つ変わっていない。

今回はそんなレバースイッチの代表的機種とその特徴について等のつまんないお話しだ(笑)

まずは王道のCRLレバースイッチ。(画像は某大手通販サイトから拝借)

近年値上がりが激しいものの1950年代より現代までを生き抜いてきたレバースイッチの代表格。
商品の中にはクライオ処理が施された音質・耐久性向上品もあるが基本的にレギュラー品で十分耐久性は高い。
ただしスイッチング時のクリック感は柔らかく、レバー本体も左右にアソビが結構あるので
カチッ!とした切り替え感が好きな人には少し心許無いかもしれない。
とは言え1950~60年モノのヴィンテージギターでは当時のオリジナルスイッチが未だ正常に機能して
いる場合も多く、その耐久性たるや驚くしかない。
操作感に違和感が無ければ信頼性は一番高いスイッチである。









CRL


そしてそのCRLの日本製コピー品の代表格がこのDMシリーズ。
見た目にはCRLと似ているが基本性能・耐久性は残念ながら足下にも及ばない。
今から30年近く昔だろうか、ギターメーカー勤務時にこのDMを搭載した製品(もちろん新品)で
接触不良が多発。倉庫の在庫200本以上のスイッチを全て交換する
「レバースイッチ交換祭り」は未だ記憶から消える事が無い(笑)
思えばそのメーカーでは何度か同種の「地獄祭り」が開催された…
近年の国産ギターではDMより後述のYMの方が目にする機会は多いが両者共に
トラブルの問い合わせを頂く度に心の中で「ですよね。DM・YMですしね。」ぐらいの感覚だ。
特にDMは接点不良以外にスイッチ基部のプラスチックパーツの破損も多い。
切り替え感はCRLに比べてアソビが少ないので感触は悪くないがそのスムーズさ故に
強度不足なのかもしれない。


DM-50

では「なぜレバースイッチの接触不良等のトラブルは起きるのか?」
とりあえずまずはここに触れておこう。
当店でも「レバースイッチの接触不良・ガリ」のリペア依頼は四六時中である。
レバースイッチのトラブルを経験された方も少なくはないのでは?
上記のCRL、DM共に中身丸見えである。
すなわち切り替え接点が外気に直接触れている。
外気に直接触れると言う事は湿度の影響も直接受ける。
これにより接点は酸化、劣化。分かり易く言えばサビるって事だ。(目に見えて明らかにサビるわけではない)
1950年代ならまだしも、現代でこんな風に接点が剥き出しのスイッチが他の業界にあるだろうか?
「古き良き」を重んじ過ぎる楽器業界独特の風習でもある。

しかしながらCRLでもトラブルが起きる人も居るしDMを長年使っていてもノントラブルな人も居る。
両者は何が違うのか?
それは「レバースイッチの切り替えを頻繁に行うか」だ。
切り替えを行う事で酸化した接点同士が擦れ合わさるのでクリーニングされる。
そう。レバースイッチの接触不良が起き易いギタリストは
「オレはストラト使ってるがバッキング主体だからリアしか使わないゼ~」な人や
「ジャズしか弾きませんのよ。だからフロントしか使わないのですのよ。」な人、
そして「ギターと言えばソロでしょ!24時間スイープやるゼ!」等々。
要はそんなギタリストでもギター抱えてテレビでも観てる時に何気にガチャガチャとスイッチを切り替えて欲しい。
これはトグルスイッチでも同じである。

それだけでスイッチの寿命は変わる。
もちろんヤリ過ぎると接点が摩耗して劣化するが。


なら接点が外気に触れてないスイッチはどうなのか?

ここからはクローズドタイプ=密閉型のお話し。

国産ギターで一番よく目にするクローズドタイプはこのYMシリーズだ。
少し古いフェンダージャパンなんかでお馴染み。
確かに切り替え接点が外見では見えないクローズドタイプなのだが…
DMの欄でも書いたが実にトラブルが多い。
軽い接点不良時に試しにレバー根元のスリットから接点復活剤を吹き込んでやれば症状が改善したりする。
と、言う事は接点は完全に密閉されてはいないのだ。
ハンダ付けする端子部からも少し接点基板が見えたりする。
DMの様なオープンタイプに黒いカバー付けました!程度と考えても良いかもしれない。

正直近年DMは目にする機会が少なくなったがこのYMは未だ現役である。
ギターメーカー側としてはおそらくは新品保証期間内のクレームも多いはずだろうが何故使い続けるのだろうか…
たぶん原価が安いのだろう。
切り替え感は「カタカタカタ」と軽いクリックがあり使用感は悪くはない。









YM-50




そして個人的には一番信用しているレバースイッチがコレだ!
OTAX製のVLXシリーズ。
先述のレバースイッチ交換祭りにおいてDMから一斉に交換したのはこのVLX。
もう何十年も変わらず高いクオリティーを維持している。
今までの長いリペアマン人生においてもコイツの接点不良に出会ったのは僅かに数件だ。
切り替え感は「コココココ…」とスイッチが今どの位置に有るかが少し分かり難い。
CRLからこのVLXに変えたら違和感を感じるだろう。

VLX1.jpg


端子部は完全に密閉されている。

VLX2.jpg


レバー基部の隙間から覗きこんでも中身は見えない。

VLX3.jpg


まぁそんなこんなで
お客様から指定が無い限りはCRLとVLXしか使う気がない。

が、

初めて見たのは今から数年前。
そして先日も訪れたコイツ。

お客様「レバースイッチがおかしくて…切り替えても音が出る時と出ない時があるんです」
とお持込み頂いた国産新品購入ギター。
ワシ「ハイハイよくある症状ですね。メーカー保証でスイッチ交換されては?」
お客様「そうなんですけど急いでいるのでスイッチ交換お願いします。」

中を開けて驚いた!
パッと見はVLXらしきスイッチが付いていたのだ。
でもね…何か変…レバーの太さとメッキの質感が違う。

VLX4.jpg


本物VLXと並べたら分かるのだが微妙に厚みや角の立ち方が違う。

VLX5.jpg



そう。なぁ~~んでもコピーする某大陸某国製。

あのなぁ…もうコピーするななんて言う気はせんわ。
ワシも密林で安いコピー物(ギター関連ではない)買って喜んでたりする事あるし(笑)
見た目は許す。でももうちょい中身のクオリティーを上げてくれんかね?

つーかMade In JAPANのギターにこんな怪しいスイッチ使うなよ。
今は新品ギターが売れずに国産各メーカーが苦労しているのは重々承知しているが
こんなスイッチ付けてるといずれもっと苦労するぞ?
そして出来ればYMも使わないでくれ。

ちなみに最近の大陸製ギター廉価物にはオープンタイプの得体の知れないレバースイッチが付いているが
端からお話しにならないクオリティーなので今回は割愛する。

VLX6.jpg


もはやコントロール内を一見でVLXの様な白いスイッチが見えても安心出来ない。
側面のシールの有無を確認しないと安心出来ない世の中になってしまった。


ちなみにVLXには回路数の多い別モデルもある。
アイバニーズがVAI配線によく使っている4回路タイプ。

VLX7.jpg


こちらも重要な切り替え接点部はきっちり密閉されているので安心出来る。

VLX8.jpg



今回はつまんないDM・YMスイッチ叩きのブログにお付き合い頂き申し訳なかったが結論を言います。

レバースイッチがトラブったら

交換するのは

CRLかVLXにしましょう!

CRLは販売先表記、もしくはパッケージに5way、3wayの表記が絶対あります。
VLXは53が5段、54が3段切り替えです。


あ、スイッチ・ポット・ジャックの軽い接触不良等で接点復活剤を使われる方も多いですよね?
その際は「鉱物油・鉱物性」の物は使わないで下さい。
身近に有るメジャー物で言えばKURE 5-56、CRCは厳禁です。
鉱物性オイルはYMやVLX4回路に見える黒い部分、普通のプラスチックを溶かします。
必ず信用出来る楽器メーカーの販売する接点復活剤やオーディオ用の物を使用して下さい。
電気部品への使用禁止が書かれていないシリコン系グリスで粘度の低い物がオススメです。


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