FC2ブログ

Orville LP &Tokai LS80 徹底的にレストア!過去の自分を叱りたい編

 2019-05-11
連休前までバッタバタだったので中々マトモなブログを書く時間がありませんでした。
久々徹底的シリーズですが大体内容は毎回似たり寄ったりなので今回はサラッと(笑)

季節は春先の事、80年代のレスポールを2本同時進行で作業させて頂きました。
別々のオーナー様です。
1本はオービルのレスポールスタンダード。バイギブではありませんがオーナー様の
思い入れの詰まった大切なレスポール。
もう1本はトーカイLS80。今やジャパンヴィンテージのレスポールでは代表格でしょうか。
(画像は完成時)

作業内容はいつもとほぼ同じ。
木部。PU以外は全交換です。
金属パーツもオービルはきっちり作られていた頃のグローバーペグは流用するも
ブリッジ、テールピースは交換。
トーカイはペグも交換。

lp1_20190511141237682.jpg


さぁサラっと書いていきましょうか。

なんて言ってるがオービルの指板修正に入ったところで手が止まった。
何故ならこのオービルの指板は今やほぼ見る機会の無い本当の意味での
ローズ指板。インディアナローズだったから。

lp2_20190511141239190.jpg


今からもう30年近く昔だろうか。
当時はギターエンジニアスクールに通っていた。
その時はローズ指板=インディアナロースでしょ?ってぐらい当たり前の素材だった。
むしろインディアナローズ以外のローズって何?ぐらいの知識だった。
それが今や代替え素材が主流になり、インディアナローズなんてほぼ見る機会はなくなった。

が、

このオービル。ボディートップの木目もフィルムプリントの廉価版ではあるが木目の詰まった
上質なインディアナロースが使われている!
思わず防塵マスクを取ってダイレクトに匂いを嗅ぐ。
そうそう。コレコレ。
当時は防塵マスクなんて付けずに指板を削っていた。
この鼻の奥に突き刺さる様なツーンとした刺激。懐かしい!
削り粉をジップロックで保管したろか?と思うぐらいに久し振りの再会だった。

lp3_20190511141240a5c.jpg


トーカイの方も負けてはいない。
一瞬でペーパーを目詰まりさせる油分が非常に多いココボロだ。(たぶんココボロ…)
酸化して褪色していると一見ではグラナディロと区別は付き難いがコッテリ且つ非常に細かい
粒子が恐ろしいペースでペーパーを消費させる。
でもサウンドはそのイメージと対照的で個人的には意外とブライトな類だと感じる。
2000年代前半のフェンダーCS、タイムマシンシリーズでもよくお目に掛った記憶がある。

lp4_201905111412416f5.jpg


そんなこんなでフレット打ち、導電塗料まで完成。
ここからが本当の勝負の始まりだ。

lp5_20190511141243347.jpg


とか言っておきながらトーカイさんのブリッジスタッド交換、オリジナルのスタッド抜きは
導電塗料塗る直前まで後回しにしていた←逃げてた(笑)

lp6_20190511141244240.jpg


理由はこのスタッド根元の茶サビ。
かなり内部まで進行してそうな茶サビ。
この類は慎重に慎重に慎重に抜いても
「プリッ♪」とした想定を遥かに下回る軽いトルク感と共にサビた根元で折れる。
折れると言うかねじ切れる。
折れたらスタッド周辺を何回も何回も何カ所も何カ所も細いビットで穴を開けまくって
スタッド救出作戦を展開しなくてはならない。←ホンマめっちゃ大変な作業なのよ…

木部に余計な油分は吸わせたくないが根元にシリコンオイルを染み込ませる。
シリコンオイルが十分染み込むまで寝かせるべくしばらく放置←逃げてた(笑)

いざ覚悟を決めて背筋に変な汁が流れる感覚でゆっくりとゆっくりとゆっくりと
力を加えて回す…

「キュキュキュ……クリッ!!」

回った…いや…折れたか?←マジで冷や汗流れた

lp7_201905111412457c2.jpg



…先っぽ木ネジ仕様だった(爆笑)
こりゃ~おっちゃんLoveRockさんに1本取られたわ~

lp8_2019051114124779c.jpg


さてそのトーカイさんのPU。

何と両ボビン共にアジャスタブルポールピース!

全ポールピースを抜いて研磨。(右側が研磨完了組み込み前)

lp9_20190511141249099.jpg


何とPAFだぜPAF!!
ゴトーのだけど。

この後でオービルに積むPUカバー付きのバーストバッカーと共にロウ浸け。

lp10_20190511141250550.jpg


オービルさんはオービルさんでハードケース(ギブソン物)の持ち手が破損している。

lp11_20190511141252477.jpg



内張りを少しめくってM3ビスや緩み止め座金ワッシャー等挟んで持ち手金具を固定。

lp12_20190511141253c62.jpg


修理完了!
この頃(つっても画像は無いから分かり難いだろうが)のボブレン製でしっかりしてた頃の
ギブ箱は結構持ち手のトラブルが多い。
以後の年式は持ち手自体が千切れる軟弱仕様へ、中古屋泣かせ仕様へと進化する(笑)

lp13_201905111412553e3.jpg


2本共に完成!

作業前の試奏から感じてはいたし組み込み時からは確信に変わったのだが、

「鳴る」

2本とも近年の本家のクソ高いレスポールよりも「鳴る」そして音の芯が太い。

もはや当時の定価、実勢価格なんざどうでも良い。

結局肝心なのは木部である。木さえしっかりした物を使っていればヤル事やれば
出音で応えてくれる。

lp14_20190511141256ba2.jpg


トーカイLS-80に至っては現在の中古価格は完全にヴィンテージギター枠の値付けになっている。
ただ単に古いから人気があるから値段が高い?
中古屋店頭に置いてある吊るしの状態を試奏すればそう思うかもしれない。
真価は本当の鳴りを引き出してこそ分かる。
オービルもこのLSも近年のレスポールしか弾いた事の無いギタリストが弾いたら何て感想を言うのだろうか…


lp15_20190511141258239.jpg

さて、何で過去の自分を叱りたいのか。

トーンガレージ前は今は無き中古・ヴィンテージショップで仕事をしていた。
その頃売れ筋は当然ギブソンフェンダーヒスコレタイムマシーン。
何故か4キロより軽いヒスコレLPがもてはやされるサウンド面からしたら謎な時代だった。
確かに2000年代前半のヒスコレは軽いし作り込みも良い。
しゃら~んとしたヌケ重視の鳴りが好きなレスポーラーにはお勧めである。
しかし音録りしたら分かる。
重たく感じる80年代近辺の日本製レスポールの方が音作りに汎用性が高い。
つまりは太くて芯がありつつ倍音が広がるのだ。(もちろん徹底的に手を入れたギター前提でね)
と言う事はPUの選択は重要になるが演奏ジャンルが幅広く対応出来る。
ブルース、メタル、歌モノ、何でも来いだ。

話は当時の自分に戻る。

お客さん「レスポールの買い取りお願いします。」

自分「はい。いいですよ!(ヨッシャ!←心の中の声)」

自分「メーカーはどちらでしょうか?」

お客さん「オービルなんですけど押入れの中に眠ってて」

自分「…もちろん大丈夫ですよ~(ガッカリ↓←心の中の声)」

決してギブソンじゃないからとメンテナンスに手を抜いたりする事は無かったが
想定販売価格からしてそれほど入念に手を入れるわけにもいかなかった。
ジャパンヴィンテージ物が人気な時代ではあったけれどそれは本家に比べて
遥かに安価な販売価格ありきだったと思う。

購入されたお客さんも販売していた自分も、買い取り時にガッカリしていた自分も

本当の価値には気付いていなかった。

思い出せばあの頃にもアタリ個体は結構有ったのよね。
無意識なれどメンテナンス完了時に必要以上に長い時間弾いてた個体。
販売価格だけで物事考えて「何故無意識に長い時間弾いてしまうのか?」
の原因を追及しなかったバカな自分。

冒頭ではサラッと書くとか言いながら
インディアナローズの匂いを思い出しながらダラダラ書いてみた。




スポンサーサイト



タグ :
コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:

http://tonegarage.blog52.fc2.com/tb.php/423-e11d5e00

≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫