PRS McCarty & GIBSON LP 転ばぬ先の電装系メンテナンス編
2019-08-13
いやぁ~暑いですね…皆様お盆休みはいかがお過ごしでしょうか?
当店は本日13日より通常営業しております!
毎年の事ながら…お盆期間はヒマです(笑)
なので溜まっていたネタでブログを書きまくります!ヒマなうちに。
まずは常連様よりお預かりしたPRSマッカーティー2本。
マホガニーと今やレアなコリーナです。
2本共に現場で使いまくるらしいので電装系を中心にフルメンテナンスをご依頼頂きました。

マホガニーのPUは現行モデルと同じPUカバー無しで角がスクエアな形状のタイプ。
エスカッションもPUマウントビスの頭が落とし込みになる仕様です。

コリーナの方は元々PUカバー付き、エスカッションもレスポールと同じタイプでしたが
PUカバー取り外し、アセテートテープ巻き直し、ロウ浸け、エスカッションを現行タイプへ
交換、それに伴うエスカッションビス穴位置を微妙に変更。
と、諸々作業完了時の画像でスミマセヌ。
2本共にマッカーティー純正PUですがサウンドキャラクターは少し異なりました。
マホの方がドライな感じでコリーナの方は中域がしっかりしている感じ。

さて、本題の電装系です。
いつもながらPRSは木部の作り込みは良いのに配線関係は少しガッカリです…
今回はベッチャリとハンダの流れているボリュームポットとジャックは交換しますが
スイッチクラフト製のトグルスイッチとトーンの日本製スイッチポットは問題無いので流用です。
現場対応の為の作業なので全ザグリに導電塗料も塗ります。

マホの仕上がり状態。
パネル取り付けビス部のみ導電塗料を塗っているのはパネル裏面のアーシングテープと
導通を確保する為です。

コリーナも同様の仕上げ。

ボリュームポットはカスタムCTS(スムーズポット)へ交換したのですがお客様の要望で
ハイパスコンデンサーを付けました。
と、言うかデフォでマホの方はハイパスコンデンサーが付いていましたがコリーナは無しでしたので
共通スペックにする意味合いもありまして。
で、最近お気に入り(笑)のハイパスコンデンサーと取り付け方法。
普通に端子にコンデンサーを割り込ませると配線時に結構邪魔になるんですよ…
線材をハンダ付けしようとするとポロリと取れる事もあるし。
なので最近は端子裏面の「かしめ」の隙間にコンデンサーを差し込んでハンダで止めてます。

コレなら配線時に全く邪魔にならない。
もちろんザグリ内に導電塗料を塗った際、ポット底面とクリアランスが無い場合は絶縁加工しますけど。
まぁ普通に座金ワッシャー挟み込むならアーチ形状のコントロールザグリでなければ特に問題はありません。

これもPRS特有の症状かな?
コントロールパネルが硬質のプラスチック?製なのでビス穴周辺にクラックが入り易い。
しかも今回はこのパネルとザグリ落とし込み部の兼ね合いが悪く、パネルを軽く叩けば
共振してしまうと言う困ったちゃんです。
今回の作業時まではザグリ落とし込みの一部にアセテートテープを貼って共振を誤魔化して
いましたが今回はパネル自体を作り直します。

新たに製作したパネルはピックガードと同じ塩ビの黒ツヤ消し1P。
この素材はパッキパキの純正とは違い適度にしなるので共振の問題が無い。

裏面にはアーシングでアルミテープを貼る。
接合部で導通が出る様にきっちり貼るのは非常に難しい…
何度も何度も貼り直した(笑)

全体のセッティングも煮詰めて完成!
とりあえずギター本体の電気系が現場で不意なトラブルを起こすリスクは駆逐出来たはず。

さて、お次は当ブログでも悪役(笑)のギブソン純正アッセンブリー。

毎度毎度同じ事を書くが今回も書いてみる。
この基板、SGなんかのザグリ底面が平面のフラットトップに使うにはたぶん問題無いのだろう。
が、アーチドになると基板に掛かる圧力が部分部分によって変わる。

それによって基板が「たわみ」、配線経路の「どこか」で接触不良が起きる。
厄介なのは常時症状が出てくれれば問題点が発見し易いのだが「たま~に」とか
何故かトラブって欲しくないスタジオやライブ時に起きたりとか。
要は基板に掛かる圧力が微妙に、超微妙に変化したりすると症状が出る事が多い。
もう何本作業したかは分からないが季節=気温や湿度でも症状が出易くなる事が有るっぽい。

基板が「たわむ」「曲がる」とお客様に説明しても分かってはもらい難い。
↓ の画像をよぉぉぉ~く見れば分かりますか?反ってるのが。

あえて一番反りが分かりやすい角度で撮ってみる。
でもカメラレンズの特性で「歪曲収差」ってのもあるので更に分かりやすく…

アルミの板を置いて後ろから光を透かしてみる。
これなら分かるでしょ?
もちろんポットのキャップも完全に平面の出ている物では無いのだけれども。

なので毎回全アッセン組み直し。
これで安心!!

ちなみに今回のレスポールは2016年製。
PUはフロントが57、リアが57+。
基板入力端子に入っている線材の色が異なる。
フロントは赤ホット黒アース、グリーン+白がタップ。
リアは白ホットにグリーンがアース、赤+黒がタップ。
もしDIY作業をされる方がいらっしゃるなら事前にPUの配線はメモしておく事をお勧めします。
自分も毎回メモってから分解してますが年式やモデルによって線材色の役割が変わる事も
あるのでこのブログは単なる1つのパターンとして捉えて下さい。

今回は転ばぬ先の電装系メンテナンスでしたがギター本体と同じくシールドのプラグとの
結束部、エフェクターやアンプの入力ジャック等は気付かぬうちに劣化が進んだりコストダウンの
影響が如実に出たりします。日頃からのチェックが重要です。
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