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GIBSON '70s ES-340 TD 潜むトラップにことごとくハマった編

 2020-01-18
ちゃんとしたブログを書くのは久しぶりになります。
ようやく年末年始のバタバタから落ち着きを取り戻しつつあります。

今回はギブソンのES-340 TDです。
1969年から73年までの短い間しか生産されていない中々にマニアックなセミアコです。
シリアルから判定する製造年は70~72年、でもラベルカラーやオリジナルと思われしPUカバー表面に
レリーフ刻印が無いので70年製と思われます。

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335とは違いメイプル尽くし。

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ネックはメイプルーウォルナットの5ピース。

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Fホールから覗くコントロールの配線には何やらマスキングテープらしき物が…
しかも奥に見える線はどう見ても汎用の配線材。
でも良いんです。配線は既に変更されているみたいなので。
本来の340はトグルスイッチでリアPUのフェイズ/パラレルの接続変更、
通常のボリューム・トーンはPUバランサーを装備し、一般的な配線レイアウトではありません。
この340は既にごく普通の配線レイアウトへ改造されています。

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ブラスサドルのABR-1ですがコマ鳴りが発生しています。
これは組み込み時に手を加えようかと。

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さて、分解に入ります。
電気系はチャチャッと全バラシ、毎度の通りまずはネック=フレットから着工です。
で、お預かり時にフレット交換歴アリなのは分かってましたが…
ナットは「適当リペアあるある」でプラ板と薄板の下駄を履かされていました。
そんなにナット作り直すのが面倒なのだろうか?いやどうしてオリジナルのナットを
活かしたかったのか??

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はい。早速第1トラップにハマりました。
フレットは木工用ボンドで止められてました(笑)
そう言えば下駄履きナットも木工用ボンドで付けられてたな…
フレット溝の側面のみならず底面から取りとめなく湧き出してくる木工用ボンドの残骸…
木工用ボンドは硬化してもフニャフニャ柔らかいくせに導管には染み込むので今回の様に
フレット溝の中だと除去は滅茶苦茶大変です。
カッターナイフでひたすらこそぎ出す。

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木工用ボンドの残骸除去に半日近く費やして(チップ修正も含む)ようやく指板修正。

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そこからフレット打ちまでは比較的スムーズだったのだがフレットすり合わせ時に
金属粉を吹き飛ばすべくコンプレッサーでプシュ~っとエアー掛けたら突然思いも寄らぬ
マスキング済みのフロントPU奥からデカいホコリの塊が飛び出してきた!
しかもその断片が目に入った…
水道で目を洗って目薬さして暫し休憩。
指板修正前にFホールやPUホールから念入りにエアー吹いてホコリは取り切ったはずだったのに。

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フレット周りが一段落した頃にはトラップ慣れしてきた(笑)

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さて、電装系や組み込みに入る。

まずは分解時より気になっていたブリッジのスタッド穴。
埋め木が施されているが今空いている穴とどちらが正しいスタッド位置なのか?
日焼けの具合からすれば今の穴位置っぽいがスケールポイントから計測するとどうも
埋め木穴っぽい。
なのでブリッジだけ先に仮組みして弦張ってクリップ式チューナーでオクターブを見てみようかと
考えたんですが…

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スタッドめっちゃ曲がってました(笑)

分解時に指でスルスル回して抜けたので「あぁスタッド穴拡がってんな。組む時埋め木するか」程度で
スタッド本体はちゃんとチェックしてませんでした。
まぁコレはトラップって言うよりも自分のミスチェックなだけですが。
で、交換用のスタッドを発注したら今度は発注元のミスでゴールドのスタッドが届いたと言う(笑)
呪われてんな。今回は(笑)

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正しいスタッドが届くまでに先に作業を進める。
まずはピックアップのロウ浸け。

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で、またトラップ出現。
交換すべく取り寄せたピックアップマウントスクリュー4本入り1パックのうち1本だけが
インチサイズでは無い、ミリサイズでも無い(笑) 何のビスやねん?状態。
こちらも取り寄せし直して何とか組み込み完了。

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そしてリアPUのフェイズ/パラレル用出力線。
お預かり時はマスキングテープで絶縁(したつもり)されていた場所。

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メインケーブルへきっちりハンダ付けしてから…

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収縮チューブで絶縁。
と、文面と画像を見ればすんなり進んだ様に見えるがココにもトラップは潜んでいた…
収縮チューブはめてから抵抗値を測ると明らかにおかしい。
収縮を剥いてチェック。
どうやらメインケーブルへ落とした副線の作業箇所では無いところで短絡(=
ホット出力がアースへ接触している)のを発見。
手直しして再度収縮チューブをはめる。
こいつは不幸中の幸いか?本体へ組み込み後に発覚したらとてつもなく面倒な事になっていたはずだ。

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リアだけ収縮チューブはめるとフロントもはめたくなるよね~。

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さて、今度はポット周りだ。もはやどんなトラップが出ても動じない(笑)
交換されているポット類だがそれなりに劣化していたりハンダの熱も相当加わった跡が
あるので全交換。ただしトーンのキャパシターは流用。

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組み込み時に引っ掛かって邪魔にならない様にトーンからの出力線をキャパシターで
軽く押さえる様に工夫。
使用している出力線は最近お気に入りのモガミ製オーディオ用1芯シールド線。

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この様にポットから真っすぐ線を引き出せます。

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トグルスイッチも配線して下ごしらえ完了。

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コレなのよ。大変なのは。
でも今回はトーンの配線に一工夫したお陰で割と短い時間で組み込めました。

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FホールからはリアPUの線は仕方ないにしても余計な線が見えない様に組めました。

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ブランコテールピースへ繋がるブリッジアース線は元の線材の被膜内部までサビが入っていたので
新調。

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先端を取り付けビスの穴に引っ掛けてスッポ抜け防止策。

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さぁようやくココまで来た。
オクターブピッチ的には埋め木穴が正しいスタッド位置っぽい感じだったがブラスサドルのコマ鳴りを
防ぐべくなるべくサドルをオクターブビスで締め込みたかったので現状の穴を使う。
が、穴サイズがスッポスポだったので埋め木して空け直し。

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ABR-1も分解しtれ清掃。
ブラスサドルを止めるオクターブビスはビスピッチに軽くキズを入れてサドルとのガタを
無くしています⇒コマ鳴り防止策。

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コマ鳴りは止める事が出来ました。
2回目入荷のスタッドはちゃんと銀色でした(笑)

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ここまで色んなトラップにハマって段取りが狂うと逆に徹底的にヤリたくなる。
ネックグリップに有った演奏時微妙に気になる打コンをタッチアップで埋める。

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ようやく完成!

元よりフェイズアウトを盛り込んだ仕様なのでフロントとリアはミックス時にフェイズアウトに
なるがオーナー様は購入からお持込みまで数カ月その状態のまま弾いていたらしいので
フェイズのまま組み上げた。
まぁ使いにくければまた分解してピックアップ内部に手を入れれば良いだけだし。
もはやそれぐらいの手間は何とも思えないほど今回は色んなトラップを堪能した(笑)

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