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YAMAHA RM-PROⅡ ロッキンマジックプロⅡのアームホルダーをフロイド化する編

 2020-07-04
今回はかなりのマニアックネタです。
興味の無い方には申し訳ない。

往年のヤマハのトレモロ、ロッキンマジックプロⅡです。

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作り込みから判断するに今は亡きタケウチ製か某大陸製かと。
時代背景を考えればたぶんタケウチかな?

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ご依頼頂いたのはアームバーのガタ付きを何とかして欲しいとの事。
トレモロ自体の他社載せ換えもお考えでしたがTRS系のタケウチ然り現行フロイドやゴトーへの
載せ換えは容易ではありません。
出来ない訳ではありませんがピッチシフトキャビティーの形状違い等、見た目に問題も出るので
余程の場合で無ければ基本的には現状トレモロのメンテナンス等で乗り切りたいところ。
今回はベースプレートの形状は問題無いもののスタッド周辺の寸法等で問題が有り、
載せ換えはこのトレモロが本当に駄目になった時と言う事になりました。

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まずはアームホルダー部を分解。
ブラスのスリーブ筒への締め付け=押し付けでアームバーの回転トルクを調整する仕組みだが
軽金属のスリーブは経年劣化で開いたり摩耗してしまうとテンションを掛けてもトルクは変動しなくなる。

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アームバー先端は板バネでカチッと固定されるがココは回転トルクには関係ない。

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したがって普段よりこの手のアームバーのトラブル時には現行フロイドローズのバーとホルダーに
載せ換えている。

が、

今回はホルダー部がサスティーンブロックと一体型。
まぁタケウチ製は大体こんな構造なんですが。

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サスティーンブロック自体それほど硬い金属ではないので既にブッタ切り構想で
どこをどう切るか、どう切れば強度にも影響無く加工出来るかを思案中。

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まずは分解。

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このトレモロはファインチューナー作動時、サドルを押し上げる為の板*ばねネプレートが無い構造だが
代わりにブロック直下に小さなスプリングが入っているので分解時は要注意である。
何年か前に常連様よりこのスプリングだけを手配して欲しいと言われ、バネ屋さんをハシゴした
事を思い出す。
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しかしヤマハと良いアイバニーズと言いメーカーオリジナル系トレモロはパーツ点数が多い。

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製造コストもかなりだったでしょうね。

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このプレートを止めているビスの何本かはプラスの溝が崩れている。
普段表には出ない部分なので製造時の組み込み方かと。
組み込み時には別のビスに交換予定。
見えない場所ですが個人的にこういうのは嫌いなので(笑)

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ようやく主役に辿り着く。

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サドルは完全分解せずともこのパーツ点数!

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さて、どこでカットしようか…

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カット位置決定。

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いきなり金ノコ入れると位置ズレするので取っ掛かり位置は目立てヤスリで少し削る。

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さぁ長い旅路の始まり(笑)

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とは言えブラス製らしくあまり苦労はせずにノコギリ作業は進む。

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けど…ある程度ノコ刃が深く入る様になると抵抗が大きくなる。
なので久しぶりの機械油登場。

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綿棒に染み込ませて必要な溝の中だけに流し込む。

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あと少し…あともうちょい…

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小一時間掛かってカット完了!

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サスティーンブロックが一段落したのでベースプレート側へ。
まずは在庫のクロームのアームバー一式をあてがってみる。
ベースプレートの穴に対してフロイドのホルダーの方が少し細い…
しっかり締め付けても空回りしてしまう…

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試しにノルトロックを使ってみるが強い力でバーを回すと滑る…

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色々試した結果、M8の座金ワッシャーが一番良いと判断。

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サスティーンブロックとの位置感も絶妙なクリアランスでクリア!

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が、端lっこだけ僅かに飛び出すので座金ワッシャーを少し削る。

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ホルダーの件が片付いたので本組み込み開始。
M3の平頭ステンレスビスを買ってきた!

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組み込み完了!
既に発注済みのフロイドアームゴールド一式が中々来ない(笑)

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ゴールド一式が来ないとホルダーも完全に新品へ交換したいのでギターへ組めない。

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やっと入荷。
組み込み完了!

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アームの回転トルクのバッチリ!

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ギター本体は5~6年前に徹底的に作業させて頂いたKK-1でした。
今回はフロントPUの換装も含めて作業させて頂きました。
以前作業させて頂いたギターが大切に使われているのを見るとやっぱり嬉しいですね。
指板にオイル入れたり現状のフレットに合わせてオクターブ取ったりしながら考えるのは
また数年後に会いましょう!みたいな。

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これを書いている今日7月4日、今朝方の九州豪雨で甚大な被害が出ない事をお祈りしております。

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