かなりレアなFGZ-1200Sをフルレストア!唯一のCD-100Hドライバー搭載機編
2020-07-16
まずは臨時休業のお知らせです。18日(土)は所用により臨時休業とさせて頂きます。
来週は連休ですが
23日、24日は祝日休業、25日(土)は通常営業、26日(日)は定休日です。
さて、今回はその生産数が少ないが故に近年は目にする機会がほとんどない
レアなサスティナーギター、FGZ-1200Sを作業させて頂きました。

お客様は長年使用されており、フレットの摩耗等この度は徹底的にメンテナンスを
お考えとの事でしたのでご期待の応えるべく「気になる所は全て手を入れる」コンセプトで
作業させて頂きました。

自分の記憶ではこのプロパー製品としてはFGZ-1200Sにしか搭載されていない
CD-100Hドライバー!
CD-100のハムバッカールックス版みたいな派生ドライバーです。

まずはネックに着手。
少し波打っていたので徹底的に指板修正します。
ちょうど梅雨時なので湿度との戦いでした…
でも久々にインディアナローズ指板に感激!
まさかFGZで出会えるとは。
指板修正に入ってすぐに「ん?この削り粉の色、質は??…」
防塵マスクを外してダイレクトに匂いを嗅いでみる。
「あーコレコレ!この鼻の奥にズンッと突き刺さる刺激臭!インディアナさんご無沙汰!」
ってな感じで鼻かんだら紫の鼻水出るまで嗅いでやりました。(←変態か)

フレット打ち完了!
純正フレットと同じサイズではなく現代風にアップデートすべくJESCAR#55090をチョイス。

さて、ボディー側へ進みます。

ボリュームとトーンはCTSにするのでポット穴を拡大してから

導電塗料塗って有線でアーシング。

導電塗料終わって次の段取りを考えながら眺めていたら
ピッチシフトキャビティー底面のウレタン劣化がどうにも気に入らなくなってくる。
トレモロ載ったらあまり見えないので気にならない箇所ではあるのですが…
ま、このウレタン張り替えてもお客さんは気付かないかもしれないが徹底的レストアなので
張り替えるか。そんなに時間も掛からないだろうし~~

って思い剥がしだすと…
ウレタンが劣化により粘土化していてかなり苦労する…
だいたい毎回そうなのよね、余計なお世話的作業に入ると何かしらのトラップが潜んでいる(笑)

張り替え完了!
あースッキリした。

で、サスティナー基板もゲインアップやら音色変更、バッテリースナップはCLIFF化等のお約束
フルチューンで組み込み完了。
すると今度は保護ビニールの固着跡が汚いコントロールパネルが許せなくなってくる(笑)
で、削り出しで作りました。

裏面にはアーシング用のテープ貼って。

サスティナー駆動はパワー感、レスポンス共にかなり良い感じで組めました!

リアPUはダンカンTB-4です。
画像はありませんがPU本体を一度分解して位相反転、組み上げてロウ浸けしています。
当ブログを見てなのかユーザー様自身や他店様がダンカン付けてモード反転、発振止まらず等の
ご相談を頂く機会もありますがやる事やらないとダンカンもディマジオもサスティナーは正常に
作動しません。

で、このCD-100Hですが上にも書きましたが当時のフルモードサスティナー用ドライバー最新版で
あったCD-100をハムバッカーケーシングの真ん中に設置した物になります。
ドライバー自体の基本構造はCD-100と同じです。
サスティナーの駆動条件ではドライバーの中心~リアPUの中心までの距離が重要になりますが
このFGZ-1200Sは100ミリ確保出来ているので問題ありません。
個人的なデータとしては90ミリより短くなると危険水域突入です。
したがって駆動条件面でCD-100Hはミディアムスケールや24Fギターに載らなかったと。
結果的にこのFGZ単発で姿を消してしまいました。
HIDEモデルのMGみたいにダミーPUカバーとの組み合わせよりはスッキリしたルックスなので
残念ですね。

徹底的にこれからも長く弾ける様にフルレストアする。気になった所は全て手を入れる。
なのでトレモロスプリングハンガー&スプリング、劣化していたビス類全てに至るまで交換させて
頂きました。
本音を言えばタケウチ製トレモロも交換したいのですが現状大きな問題を抱えていない事、
タケウチ社が廃業してからかなりの時間が経過しており交換本体、交換パーツが入手不可なのが残念…

大きな問題を抱えていないとは書きましたが3弦サドルは弦ロック機能は果たしていますが
弦ロックブロック裏側は割れていました。
タケウチ製トレモロは某オークションでたまにコンディションの良い物も出品されているので
お使いのギターに搭載されているなら機会が有れば、値段の折り合いがつけば入手される
事をお勧めします。
今回のお客様もお引き渡し時にこの画像を見て頂き状況をご説明させて頂いた後、
将来の交換用として同型トレモロを入手されたとの事です。

久しぶりのサスティナー関係でしたが依然としてサスティナーキットの入荷予定は未定です。
今回の様なレストア作業、ゲインアップ等のモデファイ作業は常時受付しております。
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