今年はサスティナー関連のご依頼が多いです。EDWARDS フォレストタイプ・フェルNTG?・フェルARS編
2020-10-31
今年は本当にサスティナー関連の作業依頼が多いです。コロナの影響?なのかは分かりませんが…
まずはエドワーズ版のフォレスト。
お客様がネットでご購入された赤箱サスティナーキットを使用してのインストールです。
赤箱新品で作業するのもさすがに今回が最後かな?

元のコントロールパネルがボディー端超絶ギリギリ…

既にジャックのサイドザグリまでクラック入ってるので…
新規にザグリ拡大、拡大コントロールパネルの製作を断念。

なので純正パネル内に全てを収めるべくパネル際ギリギリのザグリを掘って。

基板からはスイッチ類を外す⇒有線で繋ぐ。

狭いエリアにゴチャゴチャと組み込み。

ちなみに基板はスイッチ類を外しただけではなく実はフロント用プリアンプセクションを基板ごとカット。
純正状態の基板と比較すると上部3分の1ぐらいがカットした部分。
昇圧トランスのみ再利用し、プリアンプ本体はセンターPU用を使用するパターン。

せっかくここまでやったなら純正パネルが反っていて安物チックなのが気に入らないのでパネル作り直し。

ドライバーへ埋め込んだ青色LEDはサスティナーON時のみ点灯。

当初お客様との打ち合わせではサスティーンボリュームは基板上でフルアップ固定、
トーンは不要との事だったのでポット穴1個はダミー化する予定でしたがそれはそれで
面白くないのでキルスイッチを取り付け。
押した状態で音出力がカットされます。
後述のギターにも付けていますが最近はキルポットよりもこちらのスイッチを付ける方が多いかも。

完成!

さて、お次はフェルナンデスのNTG?
おそらく足立祐二モデルだと思われますが赤ってラインナップしてたっけ??

ギター側はボディー、ネック、ペグ、ピックガードぐらいで他のパーツ類はお客様が準備された
物をお持込み頂きました。
サスティナー基板、ドライバーも中古品です。
何度も書いてますが中古サスティナーは組み上げるまで正常に機能するか分からない。
つまり工賃が発生してからでなければ使い物になるかが分からない。
中古流用はそのリスクを承諾して頂いたお客様のみ作業させて頂いております。

リア用のTB-4も中古が故に線が鬼短い…

極性変更で分解したついでに元から線材を引き直す。
これが実はかなり大変(面倒)な作業ではある。

必要十分な長さの線材で組み上げてロウ浸けも完了。

組み込み完了。
だが今回の本当の試練はココから始まる。

ドライバー直下にフロントPUとしてダンカンSHR=ホットレイルを設置。
当然磁力干渉が発生し、サスティナーの動作に影響が出る。
実に5パターンの位相変更、配線パターン変更、その都度の基板改造を経て一番良い結果が
出る組み方を模索する。
言うまでもなくとんでもない時間が掛かる…

一番手前の半固定トリムはSHRの音量調整用に設置。

ミニスイッチはリアPUのダイレクトスイッチ。
リアPUのみ基板を通過せずに出力可能。
フロントのSHRやサスティナーONはダイレクトスイッチを解除しなければなりません。
メリットとしてはプリアンプを通過しない素のリアPUの音色を出力、万が一電池が切れても
基板をバイパスする事で演奏続行が可能になります。

いやー何とかサスティナーも合格点の駆動状態にもってこれましたが
この類は毎回大変です。
最悪の場合はSHR外してダミーPUカバーにしても良しとして頂けるお客様のみ対応可能です。
しかし今年は偉大なギタリストの訃報が続きますね…ご冥福をお祈りいたします。

そしてお次は既に何本も徹底的に作業系サスティナーギターを組ませて頂いている常連様よりご依頼。
フェルのARSにモンスタートーンが付いた本○毅チックな1本。
こちらもサスティナー関連は中古ユニットをお持込みです。

まずは減ったフレットから着手。
お預かり時より薄々気付いてはいましたが…

指板が染められております。
本○毅っぽく=エボニーっぽくと言う事なのでしょうが。

画像で見る以上に指板表面が荒れています。
薄い表皮が剥がれ出している感じと言えば伝わるでしょうか。

更に「ん?」な形状のテンションガイドが付いていましたが外して分かりました。
元のビス、折れてます。

手始め?にアセトンで軽く拭き取ってみたら顔料は取れそうです。

結構綺麗に拭き取れました。指板側面はツヤ消し塗装が施されているので木部の荒れは
無さそうです。

指板修正に取り掛かります。

製造時のプレーナー(自動カンナ機)の刃傷に染料が入り込んでいます。

指板を真っ直ぐにする事は勿論ですが染料も全て除去出来ました。
今回の指板表面の荒れ具合を見て決断致しました。
以前ブログに書いた事もありましたがリペアメニューとして指板染色を今後は受付を止めます。
やはり時間が経つと指板はこうも荒れるのを見てしまうとやるべき作業ではないと思いましたので。

フレット打ちも完了。

やっぱりココが気になる。
許せないと言うか(笑)

ナメたビスの頭に穴を開けて抜き取るエキストラクターを使ってスマートに抜けたらラッキー
とか思ったけど。
やっぱり無理でした。そもそもエキストラクターの用途は違うし。

なので折れたビスに直接ドリルビットで穴を開けてビスを削り切ってしまいます。
激細ビットから徐々に太くしていく工程4回。結構時間が掛かりましたが除去完了。

最後は傷口全体の入るサイズで穴を開けて

埋め木。

簡易タッチアップ。

さて、気付けばこんな所にもトラップが(笑)
2点支持ブリッジが載っていたがスタッドは6穴シンクロのまま。
要らない穴は埋めてしまいますかね。
まぁまずはサスティナー用のザグリ加工です。

秋も深まってきたのでこの手の作業はやりやすくなってきました。
夏場は削った木くずが全て汗ダクの体にひっついてきますから。

不要なスタッド穴を埋めて必要な穴はスタッドサイズに合わせて空け直し。

そして組み込みへ。
ピックアップはダンカンSSL-4です。
今のところラージポールピースでサスティナーと相性の良いシングルコイルはコレぐらいしか
見付かっていないです。モンスタートーンは正直ちょっと厳しいです…

コントロール周りはこんな感じ。
お持ち込まれたサスティナー基板は2H仕様だったので3シングルだとプリアンプが1つ足りません。
なので「いつか使う事があるかもしれない箱」から小型別体プリアンプの不具合品を探してきて
オペアンプから何から交換して復旧させて使用。(画像最下部のウレタンでくるまれた部分)
フロント用昇圧トランスは問題無く流用出来ました。

で、サスティナーも良い感じに組めたんですけどね。
重要な事を忘れておりました。
完成時の画像を撮り忘れ…
無理言ってお客様から画像を頂きました。
(お手数お掛けして申し訳ありませんでした)

コントロールはネック側から
・キルスイッチ
・ローカットフィルター(ハイパスフィルター)コントロール
・マスターボリューム
です。
指板の染色は除去しましたがローカットコントロールで本○毅チックさを表現致しました。
こちらもお客様との打ち合わせ時はダミー化予定でしたが個人的な気まぐれで
組みました(笑)

このお客様はこれまで数本キルポットを組ませて頂きましたがキルポットは確かに
面白いんですけどね。耐久性が…
なので今回はポットとキル機能を別体化しようと。
スイッチ自体もフェルナンデス社が使っていた様なストロークの短い物が見付からずに
まだまだ試行錯誤中ではありますがこのスイッチなら耐久性には問題無さそうです。

そして今も数本サスティナー関連の作業をご依頼頂いております。
本当に今年は何でこんなにサスティナー多いのかね???
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