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素のテレキャスターに新たなサウンドバリエーションを追加してみた編

 2021-04-03
今回は所謂王道のテレキャスター、FENDERヴィンテージシリーズ⇒ビンテレを作業させて頂きました。

いつも通りフレット交換から電気系までの徹底的シリーズです。

いつもと違うのはお客様からの発案で色々と工夫を加えております。

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フレット交換はいつも通りの作業なので割愛。

ピックアップは純正のリアが断線していたのでお客様お持ち込みの’51NoCaster フロント&リアへ
載せ替え。
この’51NoCasterセット、中々に面白いピックアップです。
普通のフロント&リアセットではセオリー通り、フロントよりもリアが出力高めで
テレの場合はフロントが小型のシングルコイルなのでリアに比べて音圧がガクッと
下がるのですが、この’51は逆。フロントの方がリアよりも直流抵抗値が少し高い。
つまりフロント時の音圧が下がりません。抵抗値の設定が絶妙なのかフロント⇔リアの
切り替えで出力的な違和感がほとんど無い。
音質的にはヴィンテージ路線ですが高域も味付けが抑え気味で嫌味が無くて良い感じです。


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更にお客様お持ち込みでカラハムのピッチ補正ブラスサドルを搭載。
ピッチの補正はほぼ完璧でした。フレットが打ちたてで摩耗していないってのもありますが。

テレのピッチ補正サドルとしてはGOTOHのIn-Tuneサドルが人気ですが、同じブラス素材として
音質を比較したならカラハムの方がブラスっぽいと言うか…「音のツヤ感」と芯の太さが
ゴトーよりも強く感じました。カラハムの方がゴトーよりも少し重い=カットされた部分が少ない
=質量が大きい、のでブラス色が強いサウンドキャラクターになるのかもしれませんね。
もちろん音質は好みの問題でもあるのでカラハム、ゴトーのどちらが良い悪いって話では
ないのですが。

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画像はありませんがサドル底面にE&A、D&G、B&Eと表示があるので説明書等は
付属していませんが取り付けは簡単です。

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さて、今回はお客様の発案で、トーンポットをスイッチポット化、
フロントPU&リアPUのシリーズ配線スイッチを取り付けました。
(配線考えるの結構大変でした…)
スイッチポットがダウン=通常の状態ではパラレル(並列)=ノーマルテレキャスター。

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アップの状態でフロント&リアがシリーズ=直列配線になります。
シリパラスイッチと言えばハムバッカーPU単体内でコイルの接続をシリパラ切り替えが
一般的なのかもしれませんがフロントとリアほどの距離が開いたシングルコイル同士を、
しかもテレでシリーズ配線したのは個人的に初めてです。
ハムバッカーのシリーズ配線は正直あんまり実用的と感じた事が有りませんでしたが
今回のテレはかなり面白い音色に思います。
表現が難しいのですがノーマル時のハーフトーンとは違い、リアの音色にフロントの
拡がりある低域が足された感じ。フロント&リアではなくフロント+リアな感じ。
「こう言う音作りでこんなプレイ向け」と明確な答えはありませんがテレキャスターの
新たな一面と言えるサウンドが出ます。

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テレキャスターはシングルコイル2個とかなりシンプルな構造ゆえにサウンドバリエーションは
限られていますがルックスを変えずに新たな表情を与えるとなれば今回のシリパラスイッチは
一つのアイデアとしてアリなのかもしれない。
ただしシリパラスイッチが機能するのはレバースイッチがフロントかリアの時で
ハーフトーン時は配線経路が強制的にパラレルになりますのでシリーズスイッチを入れても
アースまで回路が成立しているリアのみの出力となります。
4回路のレバースイッチを使って知恵熱が出るまで回路考えたら解決出来るのかな?(笑)

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