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MG-340X EMG SA&81 サスティナー基板の電解コンデンサーを全交換する編

 2022-06-09
本当に久し振りにサスティナーカテゴリーでのブログ更新になります。

まず最初に改めての告知になりますが、最近何故かサスティニアックステルス、ステルスプロの取り付けや
モデファイのお問い合わせが増えております。
当店で作業をお受けしているのはフェルナンデスのフルモードサスティナーのみになります。
サスティニアックはお取り扱いしておりませんのでご了承下さい。
また、フェルナンデスサスティナーキットは在庫切れ、次回入荷未定につき現在新規の取り付けは
お受け出来ない状況です。

さて、今回はMG-340Xの作業をご依頼頂きました。
340X表記ですしサスティナー基板の仕様からしても間違いなくホンジュラスマホガニー期のMGです。
お客様からよくお聞きするのですが最近フェルの国産モッキンの中古相場の値上がりが凄いですね…
某オクでもTEJとモッキンは販売時の定価超えが珍しくはないとか。

今回の340Xはプレイヤーズコンディションではありますがトップのメイプルもしっかり杢目が出ているので
今や貴重な1本なのかもしれませんね。
とりあえず電池を入れ替えてサスティナーをチェックしてみるも駆動ゲインがガクッと突然下がる時がある
ものの、とりあえずは動いています。

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まぁ基板の設定でも見てみるか…と、コントロールパネルを開けてみると…
えっ??
思わず声出ちゃいました。
基板にサビが発生しています。

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今まで様々な劣化したサスティナー基板を見てきましたが正直ここまでサビが出ている基板は
初めて見たかもしれない。
と言うかこれでよく動いたなってのが本音。
不安定な駆動ゲインもおそらくこのサビが原因でしょう。


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半固定抵抗もこの通り。
どのみち交換するんですけどね。
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サスティナー基板だけではなくトグルスイッチやサスティーンボリュームも泥?みたいな
付着物が凄い。特にボディーエンド側に症状が集中している。
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ひょっとして水没したMGなのか?とも思いましたが今まで実際に水没したギターは
見てきております。
水没すると水分を含んだ木部が膨張して塗装が完全にクラッキングや剥がれてしまいます。
したがってこのMGは水没ではないのだろうとは思いますが、仮にバフ掛け時のワックスの
粘度が低く、コントロール内に侵入したとしてもサビは発生しないはずなのですが…
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基板パーツ面。
エグいです…
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普段出番は少ないものの効果は折り紙付きの工業用洗浄スプレーをぶっ掛けて
柔らかめの歯ブラシでやさしく擦ってみる。
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気持ちマシにはなった程度…
この先の困難を覚悟したところでサスティナーは後回し。
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まずは減ったフレットの交換です。
今まで見てきたスルーネックのMGにしてはクセは少ないですが、ロッドを締めると
やはり波打つのでしっかり指板修正します。
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フレット打ち完了。
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仕上げ完了。
使用フレットはJESCAR#55090です。
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組み込みに入る前に全域をワックス掛け。
コントロールだけではなく表面のPUザグリにも例の汚れが…
でもこれは1弦側のみなのでバフ掛けの際のメンツェルナワックスかもしれない。
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クリーニング完了。
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今回はフロントのドライバー下ダミーPUカバーをEMG SAへ、リアは81で組みます。
つまりサスティナーOFF時のフロント出力はドライバーではなくSAになります。
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いよいよこの時が来た。来てしまった。基板と向き合う時が。
まぁ初っ端はデカイの外すかとスイッチ2個外したら底面は…予想通り…
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とりあえずスイッチと半固定抵抗、見た目にヤバそうな電解コンデンサーを交換してみる。
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もちろんEMG仕様なのでアクティブ化の改造、駆動ゲインアップ化も行う。

で、本体に仮組みしてサスティナーの駆動チェック。
やっぱりねぇ…駆動ゲインが不安定。
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心臓部のハイブリッドICはブラックボックス化の為にコーティングされているので
おそらく大丈夫だろう。そもそも心臓死んでたら動くわけないし。
と、なると原因は電解コンデンサーとプリとパワーのオペアンプか。
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1個1個交換してはテストってのも面倒なので一気に全交換!
ただし今後使用しないフロントドライバーPU出力化のプリアンプ部は手を付けず。
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何とか仕上がりました!
サスティナーが正常に作動する状況まで組んでからフロントのSA用の出力調整トリムを
追加。画像では100kΩを付けていますが最終的には50kΩで完成。
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バッテリーボックス裏面までも…
クリーニングすれば問題無いパーツですが何となく気分的にモヤるので新品へ交換。
これは私のモヤが理由ですのでパーツ代金は当店負担です。つーか在庫有ったので。

結局コレは泥だったのか?コンパウンドの類だったのか?
最後まで結論は出ず。
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ナットを無漂白牛骨で作ってセットアップして完成!
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サスティナーはSA設置の影響でスタンダードモードの巻き弦で少し倍音被りぎみ、
何故かミックスモード立ち上がりが少し遅い。
そして更に何故か普段は駆動に苦労するハーモニクスモードがギンギンに動くと言う(笑)

このレイアウトは今まで何本も組んでますが思い起こせば全てロングスケールだったかも。
やはりミディアムスケールで同じ事をしてもロングスケールの様な結果にはならないですね。


毎回実際に組まないとどんな症状が出るか分からないのですが。
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冒頭に書きましたがサスティナーキットは次回入荷未定です。
それゆえにサスティニアックのお問い合わせが増えているのでしょうけど。



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