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YAMAHA MG-Mゼブラ ディマジオPU移植とVLXレバースイッチ5WAY⇒3WAY化改造編

 2022-07-30
久し振りにヤマハMG-Mでブログ更新です。

密かに人気の高いMG-M。今でも年間数本は作業させて頂いております。
松本孝弘ファンだけではなく長時間弾いてても疲れにくいコンパクトなサイズ感が良いのではないでしょうか。
今回はご依頼頂いたMG-Mゼブラを素材にヤマハの3点止めピックアップの移植交換とVLXレバースイッチの
5WAY⇒3WAY化について書いてみます。

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まずはフレット交換。
やはり古いギターなのでフレット交換が必要な個体は多いです。
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まぁ今回の作業の難題はボディー側に集中しているわけですが。
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取付けるピックアップはお客様お持ち込みのディマジオDP256、257。
ジョンペトモデルのイルミネイターです。
まだ付けた事の無いピックアップなので私も非常に楽しみです。
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で、ヤマハで毎回頭を悩ます3点吊り下げ式ピックアップ。
ピックアップ交換の際は普通の2点止めエスカッションへエスカッションごと載せ替える事が
多いのですが今回はなるべくオリジナルのルックスを維持する方向性なのでディマジオを
3点止め化します。
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フロントはボディー直止めなので元穴を埋め木して、新たに穴を開ければ済むのですが。
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とりあえずフロントのビス穴を作業してから導電塗料塗布。
この段取りなら埋め木跡が隠せるので。
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それではリアに取り掛かります。
ディマジオを3点化するのは難しいので純正ピックアップのシャーシーに
ディマジオを移植します。
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幸いこのイルミネイターは裏面アジャスタブルポールピースの突き出し量が少ないので
Fスペースですが何とかなりそうです。
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しかしながらボビンを固定している4本のビスの穴位置はざっくり並べて見ただけでも
合わないのが分かります。
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まずはディマジオ分解。
サスティナー関係などでディマジオを分解する機会がありますが毎回メンディングテープを
剥がす一番最初の作業が一番緊張します。
画像で分かりますかね?右側フラットポールピースのボビン。テープの際にコイルが
見えています。コイル外周の銅箔テープではなくコイルなのです。
つまり雑にテープを剥がすと簡単に断線します。
ドライヤーで熱を与えながら慎重に剥がしていきます。
VAIがピックアップ横に養生テープ貼ってるのはココに弦が潜り込まない様に防護している
わけです。実際エヴォやブリードは出力が極端に下がった場合はコイル巻き終わり外周、
まさにボビンの上側際で断線している事が多いです。
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純正共に分解完了。
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アジャスタブルポールピース側の入る穴は何とかなりそうですが、やはり
ボビン固定ビスの穴位置の距離がヤマハは狭い。
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棒ヤスリで穴を横方向へ拡げます。
ボール盤を使うと柔らかいブラス製シャーシーなのでビットが持って行かれる可能性が
高いので。ここは手作業が無難。
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穴加工が終わったので仮載せ。
良い感じ!
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と、喜んでいたらディマジオの出力線がシャーシーに通らない(笑)
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ここは遠慮無くボール盤で穴拡大して完了。
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組み上げたらロウ浸け。
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これにてディマジオの移植作業完了です。
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さて、今度はもう一つのお題。
レバースイッチです。
個人的には一番信頼している国産VLXレバースイッチですが、残念ながら3WAYが
廃盤となってしまった様です。5WAYは普通に入手可能なのですが。
薄々廃盤の気配を感じてからは各通販サイトの売れ残りや電気街の店頭在庫を買い漁りましたが
すぐに尽きてしまいました。
以降しばらくはエグい値上がりのCRLを使ったりしていましたが今回はスイッチ操作感も
しっかりとした感じに仕上げたいのでVLX一択です。
よって本腰入れて5WAYのVLXを3WAY化します。
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まずは端子側プレートを外します。
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ケースには5WAYと3WAY両方の溝があるので、
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レバー基部の穴に入っているスプリングとボールベアリングを
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3WAY側へ入れ替えれば簡単に3WAY化出来そうですが…
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3WAY側の穴に対して5WAYのスプリングは細い。
そしてベアリングも小さい。
このまま仮組みしてみましたが使い物にはならない感じ。
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なのでスプリングとベアリングを探しました。
スプリングは割と簡単に見付けられましたがベアリングはホームセンターをはじめ
金物屋を何軒も回りましたが中々見付からない。
結局アマゾンで買いました(笑)
画像上が5WAY用、下が今回用意した3WAY用です。
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スプリング穴をグリスアップして、
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玉載せ。
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ケース側の3WAY溝にもグリス塗って
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合体!!


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端子プレートを嵌め込んで完成!
本来の3WAYよりは少し動作が硬めに感じますが十分使えるレベルです。
これで今後3WAYのVLXが必要になっても大丈夫。
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スプリングは数本しか無いがベアリングはしばらく買わなくていいだろう。
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スイッチ完成したらサクッと配線完了。
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コントロールパネルには銅箔テープが貼られているが面取り部の処理が気に入らなかったので、
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アルミで貼り直し。
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電気系は仕上がったので今度はこれまたヤマハで毎回苦労するロッキンマジックの
メンテナンス。
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何が苦労するって、分解したらこのパーツ点数よ。
本当にヤマハやアイバニーズって凄いメーカーだと思う。
この類いのオリジナルパーツはパーツ点数が増えれば増えるほどコストが跳ね上がるので。
余程の拘りと企業力が無ければ出来ない事だ。
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ロッキンマジックで毎回必ず手を入れるのがファインチューナー用の小さなスプリング。
画像の様にサビが出ている事が多い。
本来ならスプリングを取り外してサビを完全に落としたいがスプリングが細くて挿入量が
深いので外すとスプリングがたわんだり曲がる。←経験済み(汗)
しかも外す際に気を付けなければぴよぉぉ~んと飛んで行けば即終了。
(以前外した時はサドルごとビニール袋の中に入れて作業した)
なので柔らかめの歯ブラシと先を潰した赤ちゃん綿棒で表面上のサビを除去するしか
出来ない。
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組み込み調整も完了!
ピックアップ載せ替えやレバースイッチ改造で苦労しましたが、大きな収穫もありました。
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ディマジオIlluminator、めっちゃ良いです!
トーンゾーンのブーミー?マッシー?なグシャッとした歪みがドライになった感じ。
それでいてパワー感も十分有る。
ジョンペトフォロワー以外でも試してみる価値はあると思います。
ただしディマジオあるあるで同モデルのフロント&リアなのにフロントは何故か
中低域がかなり太い。リアからフロントへスイッチするとドン!と来る。
それを緩和すべくフロントの高さを下げると旨味成分も減少する…
とは言え久し振りにディマジオで汎用性の高いピックアップに出会えた気がする。
難点は流通量が少ない事か。
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猛暑、いや酷暑が続きますしオミクロンも厄介ですが皆様ご自愛されますように。

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