名機!GRECO SPF-70 ミディアムスケールのソロイストを徹底的にメンテナンス編
2022-12-10
GRECO SPF 、この品番を見て「お!スピットファイヤー!」と名称が思い浮かぶ方は80~90年代に少しマニアックなギター小僧だったアラフィフに違いない。
スピットファイヤーだけならずボンバードなんかも思い浮かぶ方はHR/HM好きでもジャパメタ寄り
だったかもしれない。
自分もその1人でイシバシ楽器主催の足立祐二クリニックもワクワクしながら観に行った。
確かSPFの廉価機種、SPF-40だったかな?3シングルだった記憶のモデルは足立祐二が
広告塔だった記憶が有る。いまだに亡くなった事が残念でならない…
今回は名機SPF-70をメンテナンスさせて頂きました。

このヘッド形状がイケてる!

なんと言ってもこのSPF-70、ミディアムスケールなんですよ!
ミディアムスケールでフロイド系トレモロ付き。今の世でも絶対需要有ると思うんですが。

フレットはクモっていますがジャンボフレットなので残量は十分ですが、

数カ所浮きが見られたので今回はフレットのすり合わせを施工。
徹底的フルメンテナンスと言えど毎回フレットを打ち換えるわけではありません。

すり合わせ完了。
やっぱりこのヘッド形状カッコエェ!

お次はボディー側。

ボディーを眺めながら作業段取りを考えているとセンターピックアップのポールピース上の
サビが気になった。

なので取れる分だけサビを取る。
メッキが剥がれてしまった部分は仕方ないが。

さて、ピックガード外して電気系作業に取り掛かる。

まずはガリ・接触不良が出ていたYM-50レバースイッチ。
ポット類は当時モノ=しっかりと作られていた頃の日本製なので問題無かったが
YMレバースイッチは今も昔もダメだ。つーか昔からダメだ。
何で優秀なVLXが生産終了になってYMが生き残る?
日本製フェンダーがまだ使ってるから?
理解出来ない。

VLXの5段がもう手に入らないので信頼性ではCRLをお勧めするしかない。
今回もCRL5段へ交換するのですが…

取付けビスの太さを見て欲しい。
左のYMに比べて右のCRLはインチサイズなので明らかに太い。

したがってピックガードのビス穴に入らない。

なので全てのパーツを外した状態にしてボール盤で穴の拡大加工が必要。
今後国産やアジア圏製ギターのレバースイッチをインチ規格であるCRLやOAKへ交換する
際はこの手間が必要。その分の工賃をお客様へ言うのが心苦しい。VLXが有れば不必要なのに…

電気系作業完了。

次はトレモロ。
珍しくアンダーフロイドパテントの刻印が無い。無くても許される頃の製品だったかな??

サドル下にスペーサーを追加してすり合わせの終わったネックに各弦の弦高を合わせる。
と言ってもお客様がある程度セッティングされていたので3弦にスペーサーを追加した程度。

この当時モノのトレモロお約束、アームホルダーの緩みによるガタ付きがトレモロ周り
メンテナンスの本命。

スリットの入ったナットを外して万力で少しだけスリットを潰す感じで圧縮する。
これによってナット内側のネジ溝が斜めになり緩みにくくする。
元々その為のスリットではあるがこの作業をせずに単に締め込んでもまたすぐに緩む。

スパナで締め付ける。
この際にアームバーを付けてアームバーの突き当たり時の角度が弦とほぼ平行にすれば
使い易くなる。

スリットを潰し、しっかりホルダーを締め込んだがおそらくまた緩むだろう。
なので悪足掻きにネジロックを流し込む。

スリット内に十分染み込ませて

余分なネジロックは綿棒で拭き取り。
これで多少でも緩みにくくなれば御の字なのですが…
やっぱり確実に改善するには現行フロイド&シャーラーのアームホルダー一式に交換
ですわな。アレも最近は精度がアレですが…

ボディー側組み込み作業でジャックをスイッチクラフトへ交換。
お客様と打ち合わせ時は見落としていたがジャックプレートがピックガード素材なので
いずれ割れる事は簡単に想像出来る。
なのでジャックプレートを金属製へ交換。

これで安心。

ボディー側完成。
この後でネック取付けて全体セットアップも完了!

いや~やっぱこのヘッド良くない?
今でも十分通用するデザインやと思うねんけど?
しかもミディアムスケールでトレモロ付きだよ?
リターンギタリストがHR/HM練習するなら最強のギターじゃない?

いよいよ12月ですね。
今年はあまりブログ更新出来ませんでした。来年はもう少し更新頻度を上げたいですね。
ブログネタになりそうなアツいギターのお持ち込みをお待ちしております。
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