人は何故時間が無い時に限って余計な事をしてしまうのか?Fender C/S '61ST NOS編
2023-05-13
人は何故時間が無い時に限って余計な事をしてしまうのか?そんなん俺だけ?
みたいなお話でブログ更新です。
普段よりGW、お盆、年末年始など、大型連休前には出来るだけ多くのリペア品を仕上げ、
連休期間前にお客様へお渡しする事を心がけております。
時は4月後半、まさにGW前に如何に多くのリペアを仕上げるか。毎日作業段取りを
組み直しながら時間との戦いが続いておりました。
そんな中、常連様よりご依頼頂いたカスタムショップのストラトのフレット打ち換えを作業。
おそらくこのストラトが連休前仕上げ品のラストになるかな?なんて考えながら。

指板修正も大詰め、指板のクセを取り終えたら仕上げ作業の前に指板の角を少し
丸める作業を行います。
これは指板修正で指板表面を削ると、指板角が立ち、このまま仕上げると
グリップした時に指板の角の当たりが痛く感じる為です。
その作業に入る手前で既に30分ほど手を止めて悩んでおりました。

と言うのも、↓ の画像の通り1弦側8F横に巨大な打コンが有るからです。
お預かり時、常連様からこの打コンの件は何もお聞きしておりません。
言い方が悪いかもしれませんが、今回の常連様は細かい事はあまり気にされない方なので、
後日お引き取りの時にこの打コンの件をお話ししても、「あぁ…そう言えば凹んでましたねぇ~」
ぐらいのニュアンス。

でもね、自分は気になって仕方ないんですよ。
人差し指の爪ぐらいの幅が有って深さも結構な凹み。
これがグリップした時、ポジションチェンジの際に気にならないわけがない。

指板の真上から見ても凹みが分かるぐらいです。

結局悶々としてるうちに日が落ちてしまい、この日の木工作業場での作業は終了。
(基本的に指板修正やフレット打ちなどは日光の差す時間にしか行いません)
作業机の上のネックを眺めながら角丸め作業に入るべきかまだ悩んでいる(笑)

やはり打コンとしては大きい。
熱と水分を使って凹みを膨らませるにも凹みが大き過ぎる。
やるなら埋めるしかない。
しかしアクリル樹脂やウレタンで埋めるには凹みが大きく深い…

気が付けば凹み周辺を研磨していた。
凹み部分の汚れを出来るだけ除去して樹脂が導管に入り込みやすくする為に。
あーやるさ、やりますよ。悶々としたまま次の工程に進むのは納得出来ないので。

凹み周辺をマスキングしてからエポキシ樹脂を充填。
エポキシを選択した時点で24時間の硬化時間をどう使うか段取り組み直し。

翌日の夕方、しっかり硬化したので研磨開始!

NOSのストラトなのにレリック?と思える状態なので打コン周辺の塗装への
ダメージはあまり気にせず研磨を進めます。

研磨完了!
指でなぞっても凹みは分からなくなりました。

翌朝、心置きなく指板角の丸め作業に入ります。

フレット打ちも完了。

当たり前ですが指板上部から見ても凹みは分からなくなりました。
このアングルなら指板の角を丸めたのがお分かり頂けるのではないでしょうか?
ほんの少し丸めるだけですが、プレイ時には効果をお分かり頂けるはずです。
ちなみにこの作業はバインディングの入ったネックでも行っています。

5月1日、無事完成。
結局常連様へのお渡しは連休明けになってしまいましたが。

もちろん今回の打コン修復は完全に自分の自己満足の為に勝手に施工したので工賃は請求しません。
つまり連休前の時間が無い時に自己満足の為だけに時間を浪費したというお話でした(笑)
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