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ジャパンビンテージレストア!VOL.1 日本製スクワイヤーストラト編

 2022-03-05
久々のブログ更新になります。

相変わらずレストア作業が多く、忙しくさせて頂いております。
作業をご依頼頂いたお客様の皆様に感謝しております。

さて、今回はジャパンビンテージのストラト2本でブログ更新を考えておりましたが
画像を整理したところ、2本で100枚ぐらいになりましたので(笑)、画像大量長編を
読んで頂くのも疲れるだろうと思いますのでVOL1、2の2本立てにします。

まず前編は日本製スクワイヤーのストラトです。
アラフィフ世代は「あ~~有った有った、懐かしい~」でしょうけど
今やスクワイヤーに日本製が存在した事を知らない世代も多いかと。
要はフェンジャパの廉価版に位置付けされますが多少のパーツグレードダウン程度で
実質生産元もフェンジャパと変わりません。

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ナット交換でご来店頂きましたが…

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フレットの摩耗をご指摘させて頂きました。
今後も弾き続けるとの事で相談の結果、フルレストアをご依頼頂きました。

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ペグはゴトー製のロトマチック、今やラインナップ落ちしてしまったSGシリーズの
廉価版、SGEです。
正直SGシリーズと大きな性能差を感じた事はありません。
ネックグリップのハゲ具合が激シブです。

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ボディー側もピックガードビスが何故かゴールドだったりサビが結構出ていたりで
手を入れる箇所は多そうです。

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まずはフレット抜いて指板修正、フレット打ち。
多少ネジレ傾向のあるネックでしたが木材自体は指板修正で削ってもあまり動かずに
落ち着いていたのでさほど苦労はしませんでした。
フレット打ち終わって一段落。
指板修正~フレット打ちは毎回くどく書いているので割愛です。
逆に今回はいつもはサラッと書き逃げている内容をネチネチと書いてみようかと。
最近常連様のDIY派からご質問頂く内容も散りばめますので電話やメール返信で
ご説明内容が分かり難かった内容も参考にして頂ければ。

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さて、レストア作業には付き物の金属パーツ研磨。
ロトマチックのペグ編です。
各ペグに元弦のマーキングをしているのは元に戻す際に同じ弦に戻す為。
オーナー様なら○弦のツマミにはキズが入っていて○弦は回転トルクが他より軽くて…
みたいな長年馴染んだ使用感があるじゃないですか。それを変えない為のマーキングです。

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まぁ何十年も使っていればサビやギアボックスからの油染みが出ていて当たり前。

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クリーニングや研磨作業でこんな感じに仕上げます。

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で、どうクリーニングしてるかですが、
ギアボックス周辺によく見られる油染みに汚れが付着して固着、油成分自体も酸化して
固まっているので普通に乾拭きではあまり取れません。酷い場合はベタつきも出ています。
ベタつきがあると拭上げるクロス類が引っ掛かります。
かと言ってサビでも無いので不要にキズを入れるワイヤーブラシや研磨素材までは使う必要が無い。

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そんな時はパーツクリーナーやブレーキクリーナーをウエスやペーパーに吹き掛けて、

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軽く拭上げればスッキリと。クリーナーが固着した油分を溶かして柔らかくしてくれるので。
「何だ、それなら丸ごとパーツクリーナーを吹き掛ければ良いのでは?」と思われるかも
しれませんね。
2弦マーキングしたツマミの根元を見て下さい。
白のナイロンワッシャーが見えますね。
この長年生き長らえてきたワッシャーにケミカル類をブッ掛けると突然糸が切れる様に
ワッシャーが破断する事があります。しかもワッシャーのみの単体販売等は無い。
なので必要な箇所のみをクリーニング、磨き上げします。

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一転、ワッシャーや六角ナットのネジ部にサビが出ている場合は、

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容赦なくワイヤーブラシでゴシります。
ただし使用しているワイヤーブラシは毛が柔らかめ、しかもメンテがてら金ヤスリを
磨き倒して毛先がかなりへたった状態の物を敢えて使っています。
新品の柔らかめのブラシ毛でもメッキのかかった金属パーツを磨けばそれなりにキズが
入るので普通なら買い換え推奨ぐらいにへたった毛先のブラシを重宝しています。

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クリーニングと研磨が終われば組み上げて、

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上で「作業前のペグ使用感を変えたくない」とは書いていますが明らかにツマミが
グラグラするほどトルクが弱かったり逆にワッシャーが千切れそうな程に回転トルクが
硬い場合は調整します。
今回も2個ほど調整しました。なるべくは全弦同じ様なトルクでペグが回ればベストですね。
ちなみにGOTOHの新品ロトマチックペグを取付ける際は全弦トルクを緩めています。
GOTOHの出荷状態では回転トルクが硬めなので使用感とワッシャー保護の意味合いで。

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これにてネック側の作業完了。
ナットはボディー側が仕上がった状態=音が出る状態になってから製作します。

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それではボディー側を着工。

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まずは全分解です。

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ピックアップは裏面にフェライトマグネットが貼られたタイプ。
大昔はイシバシ楽器の中古パーツコーナーでよく見掛けたものだ。←遠い目…
このフェライトマグネットが貼られたシングルコイルはポールピースがアルニコで
ポールピース自体がマグネットの一般的なシングルコイルとは違い、ポールピースは
磁力を持たない鉄芯です。
サウンド的にはやや中域がファットな感じで大昔は「高域が丸い」だの「ヌケが悪い」だの
評価はイマイチでしたが近年当店のストラト愛好家の一部ではわざわざこのタイプを入手して
それこそカスタムショップ製に取付けたりしています。
理由は音作り機器の著しい進化で比較的簡単にサウンドキャラクターを高い次元で変える事が
出来る様になったのでピックアップ自体のキャラ依存度が下がりつつある事、
そしてこれこそがこのタイプのピックアップの「強み」なのですがマグネット自体が弦から
遠いので「ピックアップの磁力が弦を引っ張りにくい」のです。
つまりオクターブピッチの調整などで巻き弦の12F付近の実音で「みょわんみょわん」な
音揺れが出にくい。当然サスティーンにも影響します。
ハムバッキングの載ったギターとポールピース自体が磁力を持ったシングルコイル搭載ギターで
オクターブ取ってもらえれば何が言いたいかはすぐお分かり頂けるかと。

ちなみに普通のシングルコイルでオクターブ取る時はポールピースの磁力の強さにもよりますが
ピックアップは実用域よりもかなり下げます。ピックガードすれすれまで下げる事もあります。
結論から言えばポールピースの磁力が強いシングルコイル搭載ギターは実用セッティングの
ピックアップ高では正確なオクターブピッチ調整が出来ません。
その点今回のセットアップ時のオクターブピッチ調整は何ら苦労する事はありませんでした。

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電装系はΦ16ポットにYM-50レバースイッチで当時物フェンジャパのお約束。
CRLを模したオープンタイプのDM-50から始まるレバースイッチ接触不良祭りは
ケーシングタイプのYMに置き換わって一段落した?かの様に見えたがYMも中々に
接触不良が多い。結果確実に改善される国産レバースイッチはVLXのみになるが
近年VLXの3段は廃版?のようである。5段が健在なのは一安心なれど3段は
値上がりしまくりのCRLかOAKしか選択肢が無くなったのはスイッチ代金を
負担するユーザーにとっては大問題…
VLXの3段の復活を強く願う。
ちなみに近年の日本製フェンダーにはもっと残念な大陸製基板タイプスイッチが
使われていますが接触不良具合がDM、YMより少しマシ。でも耐久性が残念…
そうそう、ポット類ももちろんCTSに変えますよ。

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清掃がてらピックアップカバーを外すと…
フレット研磨時に使用した?と思われしスチールウールが大量に付着している。
これは今後サビに発展してコイルにダメージを与える可能性が高いので全て除去する。
爪楊枝の先に粘着力の弱い両面テープを巻き付けてコイルのダメージを与えない様に
慎重に慎重にスチールウールをペタペタ取り除くが、あまりに慎重に作業し過ぎて
画像を撮るのを忘れました。

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カスタムCTSとVLX5段で配線完了。
このストラトのノブ類は軸の入る箇所にローレット=ギザギザの無いインチ・ミリ共用タイプ
だったのでインチ軸のカスタムCTSを使用。
ローレット有り=完全ミリ規格の場合はミリ規格シャフトCTSを使います。

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で、ちょっと古いブログを見て頂いたお客様から
「ピックガードに導通シート貼ってる場合はポット間のアース取らないんですね」と
言われましたが、取ります!絶対取ります!!確実に取ります!!!
ポットが緩んだりすると導通シートとポットの接触が怪しくなりますし。
何でそんな風に解釈されたかと言えばポット間アースをポット側面で繋げているから。
真上からアッセン画像撮るとアース線が見えにくい。

普通にポットの背中同士を結べば良いのだけれどボリュームなんかはピックアップの
アースやブリッジアース、ジャックへの出力アースを落とすので、なるべくは省スペースに
したいし後は見た目(笑) 個人的に勝手にアース線が目に入りにくい方がキレイに見える?
なんて思い込んでるだけ。

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ピックガード周りが仕上がったので次!
トレモロスプリングは経年劣化で伸びているので当然交換します。

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トレモロ一式を外してボディー研磨!

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研磨&ワックス掛け!

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エンドピン(ストラップピン)もかなりキテるので問答無用でワイヤーブラシで
ゴシゴシする。

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そりゃサビは落ちますが、

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ビスの傘裏に残った青サビ。
これが実は結構曲者でして、青サビは何かしらのガスが出る?のか密閉された空間、
つまりケースに入れっぱなしにしてると他の金属パーツに飛び火する事があります。

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ストラップピン本体側の青サビは結構取れたので継続使用、ビスは新品へ交換のうえ
クッション材フエルトを挟み込んで取付け。

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トレモロスプリングを新品へ交換したらスプリングハンガーとビスがくすんでいるのが
許せなくなったのでハンガーとビスも交換。
毎回この類いで頭を過ぎるのが
お客様はここまで望むだろうか?ここまで気にするのか?」って事。
考えている内に「じゃあ自分ならどう思う?」って結論になる。
なので交換する。
作業してる自分が「ここまでやれば納得出来るかな」って所までやりきれば
おそらくお客様も納得してもらえるだろうし。

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ツッコミ対策で載せておきます。
ブリッジアースもきっちり取ってます(笑)
スプリングに干渉せず、トレモロバックパネルを外した状態で弾いても衣服に
引っ掛からない様に。

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ピックガード側と合体。

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ボディー側完成!

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ナット製作!
全体のセットアップ開始!

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オクターブを取ってから弦高調整に入る。
弦高調整用のイモネジはステンレス製へ交換済み。

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トレモロのクリーニング・研磨後の組み付けではとりあえず純正と同じ8~10ミリ長の
イモネジで組むが弦高調整後は不要なイモネジの突き出しが気になる。
特に6弦近辺はブリッジミュート時に手に当たって不快。

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ミリ規格のこのイモネジは長さが2ミリ単位=6・8・10ミリのバリエーションなので
どうしてもサドル上面きっちり面位置は無理。
そんな時は手に当たる不快感のリスクより調整幅のマージンを優先しています。
短いイモネジがサドルにめり込んでまで弦高を上げて、空いたビス穴、つまりサドルの
ビス穴の内部でサビが発生したら発見は遅れるしサビを取るのも大変なので。
大体標準とされている弦高よりは低めに組む事が多いので引き取り時にお客様に試奏
チェックして頂いて最終調整を行っていますが、時間を掛けて弾く事で好みのセッティング
が変わった=もう少し弦高を上げたいとなってもサドル内サビを防ぐべく。

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で、オクターブピッチ調整時にずっと気になっていたサドル固定ビス=オクターブ調整時に
回すビスのサビ。
近所の金物屋さんを覗いたら有りました!M3でL15のステンレススクリュー!
ワイヤーブラシで研磨すればサビは取れるでしょうけど結構なトルクが掛かるビスでもあるので
ここは交換しておいた方が安心。どうせ交換するならサビ耐性の強いステンでしょう!

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完成!

チューニングしたまま=弦テンションを掛けたまま2日ほど置いてからネックの変化を
確認、必要ならロッド調整して再セッティング。
勿論お客様引き取り当日もネックコンディションの変化をチェック。

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日本製とは言えスクワイヤー。
スクワイヤーにここまで手を掛ける必要があるのか?と疑問に感じる方も居るかもしれない。
でも現状の日本製フェンダーの販売価格、ジャパンビンテージカテゴリーのフェンジャパの
相場を見て欲しい。
もはやフェンジャパに限らず「MADE IN JAPAN」のエレキギターは新品中古問わずに
簡単に買える値段ではない。これからも相場は上がっていくだろう。

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長文お付き合い頂き有難う御座いました。

ジャパンビンテージレストアVOL2、2本目編は明日にでもアップ致します。




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YAMAHA HR-1 コレクターズコンディションをフルメンテナンス編

 2022-01-11
大変遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
本年も当店を宜しくお願いします。

さて、新年1本目のブログ更新となりますが年末に作業させて頂いた
YAMAHA HR-1のご紹介。
数年前にHR-1を徹底的に作業させて頂きましたが同じお客様にリピート依頼を頂きました。
こんな貴重なギターをまたお預け頂くとは大変有り難い事です。

今回のHR-1なのですが、驚くほどの美品!目立つダメージが一切無い!!
それもそのはずでオーナー様はコレクターからお譲り頂いたそうで。
現存するHR-1の中では一番キレイなんじゃない?と言っても過言では無いかと思います。

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塗装面にダメージが無い時点で十分素晴らしいのですが、ゴールドパーツの
コンディションもかなり良いです。


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トレモロ周り等は一番手が当たる箇所なので茶サビが発生してメッキごと浮き上がっていたりと
酷い状態のロッキンマジックは良く見るのですが、多少色抜けしているもののサビが無いのは
本当に驚きです。
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フロントPU横のコンプレッサー、ピエゾPU起動スイッチも正常に作動。
ブラスエスカッションの下にスイッチ類と一体型のABS樹脂?っぽい素材が
敷かれていますがその一部が縮んで浮き上がってはいます。
無理に修正してパキッ!っと行ったら大変なので薄い強力両面テープで浮き上がりを
何とか沈めようとしましたが糊代幅が1ミリ程度なので無理でした。
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ボディー側面のチューナーも問題無し。
チューナーの小さなスイッチにはホコリが詰まりやすいのですがココもキレイ。
大変良い状態で保管されていたのでしょう。
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指板サイドのLEDも全点灯。
近年は高輝度LEDが当たり前になり、指板に高輝度LEDが埋め込まれている物も
珍しくはなくなってきましたが高輝度だと抵抗上げて照度を下げても光方が鋭いので
本当に暗い状況下では光がボヤけて正確なポジション確認がしにくいなんて話も聞きました。
サイドポジは高輝度ではないLEDの方が向いているかと思います。
高輝度ではない従来型LEDは電気街でも売っているのをあまり見なくなってきましたが。
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さて、巨大なコントロールパネルを明けてみます。


こちらもホコリやゴミの侵入が少なく、大きなトラブルは無い模様。
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純正の単3x6本の電池ボックスは既に9V角形仕様に変更されています。
バッテリースナップもクリフなのでバッチリなのですが、電池の固定方法が
ちょっと残念。おそらくメラミンスポンジが詰め込まれております。
電池固定方法は手を入れたいかと。
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トレモロのサスティーンブロック角に青白い粉吹きが見られます。
深くまで浸食してなければ良いのですが、これはトレモロ外してクリーニングします。
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トレモロスプリングも伸びているので交換します。
毎度の事ながらブリッジアース線のハンダ付けが気に入らないのでハンガーごと
変えてしまおうかと。確かこの頃は現行GOTOHのハンガーと互換性があったはずなので。
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トレモロ外してみました。
やはりちょっと酸化して粉吹いてますね。

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ピエゾPUの基板を外したら固定ビス穴も少し怪しい。
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まずはサスティーンブロックの問題箇所を柔らかめのワイヤーブラシで研磨。
粉吹きを落とします。メッキも落ちているので対策を施します。
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剥がれ落ちたメッキを部分的に補修するのは無理なので、現状維持、再度の粉吹き防止対策として
粘度の高いリチウム系グリスを薄塗りして金属表面を保護します。

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ピエゾのビス穴周辺も同様に。
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ビス穴自体には爪楊枝でグリスを塗布。
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トレモロ部のメンテナンス完了。

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今度はネック側を着工。
6弦側のローフレット付近が逆反りの少し捻れぎみでhがあるものの、音詰まりが出るほど
酷い訳では無い。お客様に今後の使用頻度を尋ねるとコンディションチェックでたまに弾く
ぐらいとの事なので今回はフレットのすり合わせで様子を見る事に。
ペグ、ロックナット、テンションバーも外して1個づつ清掃。
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さあ問題のバッテリー収納部だ。


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底面にウレタンが貼られているが既に硬化してカッチカチ。

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9V電池用のバッテリーホルダーを使って固定する事にします。

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ホルダーはビス止めでしっかりとした固定が可能。
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ただ…ボディー厚が45ミリ、ウレタン込みでザグリの深さが32ミリ、ウレタン剥がして
36ミリ。45ー36=9ミリ。長いビスは使えない。
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このホルダーを使う時によく使うビスを入れてみると突き出し量は6ミリ。
ちょっと危険なので、
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食い切りで先端を2ミリほどカット。
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ホルダー取付け完了!!

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電池固定もバッチリ!

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ジャックはモールドタイプでした。まだ使えると言えば使えますが流石にガリが出ていたので
交換。
プラグイン時のスイッチノイズ対策なのかセラミックコンデンサーの103がホットとアース間に
仕込まれています。
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ハイパス用の102なら在庫していますが流石に103は持っていないので流用する事に。
ジャックは安定安心のスイッチクラフト12Bです。
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取付けたらこんな感じ。
プラグを差してもどこにも干渉していないので問題ありません。
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結局と言うか予定通りと言うかトレモロスプリング、ハンガー、ハンガービス全て交換。
ブリッジアースは画像では見えていませんが、いつも通りスプリングに干渉しない様に
ザグリ側面底をはわせております。
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ちなみにロッキンマジック期のヤマハ、トレモロスプリングはポン付け交換では
済みません。
画像上が純正、下がGOTOH。サスティーンブロックに引っ掛ける足を曲げないと
簡単に外れてしまいます。
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ようやく最終調整を残すのみとなりましたが、電池収納部の蓋の固定ビスが気に入らない(笑)
バックパネルのビスを全て新調したから余計に気になる。
画像では銀色に見えますが実際は黒のメッキが剥がれてあまりキレイではない。
コインやマイナスドライバーで脱着可能なのは便利かもしれないがサスティナーでもないので
頻繁に電池交換する事は必要ない。
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なので同じビス径、ほぼ同じ長さののプラスねじ黒を買ってきました。
もちろん純正ビスはお客様へお返しします。



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完成!



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前に作業したHR-1をブログアップした時に
こんな綺麗なHR-1はもう見る事ないだろう的な事を書いた記憶がありますが、上書きです。
今回のHR-1以上のコンディションの物を触る機会は無いでしょう! たぶん(笑)
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冒頭にも書きましたが本年も当店を宜しくお願いします。
またコロナが拡大しつつあるので、もう少しは我慢の日々が続きそうですが
今年の後半ぐらいには元の暮らしに戻れたら良いかな?なんて思ってます。
今年こそ皆様の音楽活動が再開出来る様になれば良いですね。





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【年末年始休業のご案内】

 2021-12-28
遅くなりましたが年末年始の営業・休業は下記になります。

年内営業 本日28日15時頃まで
年始営業 7日(金)より通常営業

本年も当店をご利用頂き有難う御座いました。
コロナ禍の最中、皆様のご来店、通販リペアの作業依頼、心より感謝しております。本当に有難う御座いました。
変異株の感染拡大が気にはなりますが来年も当店を宜しくお願い致します。

皆様良いお年をお迎え下さい。
来年こそ普通の生活が戻る事を願って。


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ピックアップの線材を根元から引き直す編

 2021-12-04
告知などではないブログアップは久し振りになります。

有り難い事に作業は忙しくさせて頂いておりますが、フルレストア作業が多く、それも今まで
ブログに書いた内容と同じ様な作業ばかりで一言で言えばネタ切れでした。

今回はピックアップのワイヤリングを根元から引き直す作業をご紹介。

ヴィンテージのみならず作業をお受けする機会が増えてきたのがオールドダンカンやギブソン系の
ピックアップ。
線材の短い事の多い中古ピックアップですが、単に線材を継ぎ足して延長するとその箇所が
ボディーのワイヤーホールに引っ掛かって通せなかったり他の線材の邪魔になったりと
出来れば新品と同じく配線の引き回しをしたいところ。
また継ぎ足し部のハンダ作業で微弱ながらも電気信号の減衰はあるでしょう。
何よりも精神衛生上、継ぎ足し無しでピックアップ本来の信号を出力したいですよね。

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今回は複数個まとめてご依頼頂きました。

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まずは作業前に抵抗値計測。
ご依頼頂いたお客様は常連様で中古ピックアップにも精通しているので抵抗値チェック済みでは
あろうけど一応念の為。

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早速分解に入ります。
ピックアップ外周のアセテートテープを剥がし、裏面のボビン固定ビス4本を外します。
大体の洋モノPUはこのビスがブラス=真鍮なのでビス素材として柔らかい。
+やーのビス穴にロウ浸けのパラフィンが残っている場合はきっちり除去しないと
ドライバーの掛かりが浅く、無理に緩めようとすると差し穴をナメてしまうので要注意。
パラフィンで差し穴が埋まっている場合は爪楊枝等で綺麗に除去して下さい。
またサイズが合ったドライバーを使用する事も重要です。

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次にアジャスタブルポールピースがシャーシーから完全に抜けるまで緩め、
シャーシーとのアース線を外します。

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ダンカンのトレムバッカーはボビン外周の銅箔テープにもアース線が繋がっているので
作業時は取り扱い注意です。

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ダブルアジャスタブルポールピースのピックアップは全てのポールピースを
緩める必要があります。


ディマジオでは六角穴のダブルアジャスタブルポールピースのモデルが多いですが、
ポールピースを緩める際にはインチサイズのレンチが必要です。

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分解完了。
ボビン固定ビスやボビン下のスペーサーをなくさない様に。

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交換する線材はモントルーが販売している4芯シールド線。
1mの切り売りで便利なのですが、耐熱線材でないのが残念。
とは言えダンカン等も純正の線材は耐熱ではないので仕方ないのかも。
配線作業時はハンダを当てる時間を可能な限り短く済ませる技術が求められる。

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さて、本格的に線材交換に入ります。

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ダンカン純正もモントルーの線材も色は白黒緑赤。
各線材の接続先は様々ですが大体のピックアップメーカーはこの4色なので
ユニバーサル規格の4色と言っても良いかもしれませんね。
ちなみに少し古い国産系ピックアップだと茶黒赤オレンジなど様々です。

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ボビン(コイル)と繋がった線材と出力線の絶縁フイルムを剥がし、新しい線材の同色と
ハンダ付け。そしてΦ1ミリの収縮チューブを使用して絶縁。
先端はプライヤーで平たく潰して完全に密閉します。

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実はこの作業こそが線材入れ替えで一番神経を使いますが、ボビン側=コイル側からの
白/黒の線はコイルに直結しているので強く引っ張る事は出来ません。
元の絶縁フイルムを剥がす際や線材の被膜を剥き直す際は線材をしっかり固定して
コイル側を絶対に引っ張らない様に注意が必要です。
仮にコイルと線材の接合部が断線したとしたら、コイルの巻き終わりなら繋ぎ直せますが
巻き始めだとどうにもなりませんので。



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裸線=アース線をシャーシーの元々のアース接続部へハンダ付け。




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シャーシーのワイヤーホールへ線材を通す。

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ボビン固定ビスを軽く締め込んで仮組み。

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各線材の収納スペース、収納方法を考えながら、

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線材先端部を剥いてから改めて抵抗値チェック。
実は画像はありませんが各作業段階終了ごとに抵抗値チェックしています。

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アジャスタブルポールピースも締め込んで本組み上げ。

元のロウ浸けパラフィンやボビンテープのベタ付きで黒い粘着性の汚れが
ボビントップや手袋にベッタベタに付いていますが、

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ステッカー剥がしで一掃出来ます。

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キッチンペーパーや厚手のティッシュにステッカー剥がしを吹き出して
軽く拭き取ればスッキリ!

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主作業のラストは外周にアセテートテープを巻きます。



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1周ちょっとだけ巻きますが、巻き終わりの部分には粘度の高い瞬間接着剤を
一滴=米粒より少し小さいぐらい垂らします。
これは後のロウ浸け=ポッティング時の熱でアセテートテープが剥がれるのを
防ぐ為です。

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最後にもう一度抵抗値チェック。

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完成。
この線材の長さなら大抵のギターなら問題無いはず。
作業受付時にフロントなのかリアなのか、どんなギターにマウント予定かを
お聞きして完成時の線材の長さを打ち合わせしております。

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ロウ浸け=ポッティング。


エンジニアによって浸ける時間は様々ですが自分はシャーシー裏面のロウが完全に溶けて
鍋の上からシャーシーがクリアーになれば引き上げてます。
時間で言えばタバコ1本をゆっくり吸い終わるぐらいでしょうか。

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鍋から引き上げたらしばらくはシャーシーを上側=ひっくり返した状態で冷ましますが
少し熱いながらも素手で持てる程度に冷ましたら先にアジャスタブルポールピースの
ネジ溝に入り込んだパラフィンを爪楊枝で除去します。
完全に冷えてからだと綺麗に取りにくいので。

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ボビン表面に残ったパラフィンはステッカー剥がしで除去します。
先に書いた時と同様、何かしたらのペーパーに一吹きしてからボビンに擦り傷を入れない様に
優しく拭き取ります。

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完全にパラフィンが固まったら最後の抵抗値チェック。




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全て完成!
さすがに個数が多くなるとそれなりに作業時間が掛かりますな。

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今回の様な作業は1個6000円~7000円でお受けしております。
分解出来るピックアップのみ対応で、アクティブやピックアップカバー内にエポキシ樹脂で
ピックアップ本体が固定されている物は作業不可能です。

1芯モデルをタップ配線等可能な4芯化も工賃追加になりますが作業可能です。

近年はネット通販で並行輸入のダンカン等はかなり安いので基本的にはオールドダンカンや
ビンテージなどにお勧めのメニューになります。





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臨時休業のお知らせ

 2021-11-22
23日(祝)祝日定休。
24日(水)は臨時休業とさせて頂きます。
25日(木)以降は通常営業です。
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インド三部作コンセプトでランダムスターを組み上げる編

 2021-10-09
最近ブログ更新が滞りがちで申し訳ありません。
作業を止めてブログを書く時間が中々取れなくて。
お盆の頃から9月は雨続きだったりと湿度が高くてネック周りの作業が大幅に遅延しております。
作業をご依頼頂いているお客様には今しばらくお時間を頂戴戴ければ幸いです。

さて、今回は王道ギターの作業依頼を頂きました。
ESPロゴは入っておりませんので廉価版?だと思われますがランダムスターのローズ指板仕様です。
ミラーピックガードは別にお預かりしましたが、トレモロ欠品を含めほぼドンガラ状態。
ピックアップはお客様お持ち込みですがペグは新調、トレモロも新たに手配で徹底的に作業します。
お客様がインド三部作期リスペクトなのでアーニー11~48で一音下げでのセットアップです。


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今も続いているフロイドローズ関係の供給不足でトレモロの手配は苦労しました。
物的にフロイドローズを付けたいのですが納期が全く不明…
唯一手配出来たのがシャーラーのロックマイスターでした。
本当に早く元の供給状態に戻って欲しいです。



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まずはフレットから着工。
ネックには問題となるクセが見られなかったので指板修正は天候面以外は順調に進行。
使用フレットはJESCAR #55090。



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雨続きの合間を縫ってフレット周りの作業は予定がかなり遅れるも何とか完了。



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今回のランダムスター然り指板側面のカラー塗装が指板角ギリギリまで来てると
フレット端の処理が大変。いつも通りの手法では塗装が剥げてしまうので。
大雑把に余剰フレットを削ってからは目の細かいヤスリで慎重且つ丁寧に1本1本仕上げる感じ。




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今度はボディー側です。
お客様お持ち込みのピックアップがとレムバッカーなので、



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まずはエスカッション取付け穴の変更から作業します。
ちなみに廉価版?とは言え、きっちり作り込まれているのでビス穴もボディーに対して
垂直に開けられているし各部の精度も高いです。
このエスカッションビス穴を含めミラーピックガードのビス穴も全て一度埋め木して空け直しましたが
埋め木の為のビス穴拡大でボール盤でビットを落とす時に余計な手応えが無い。
普段こんな感覚はあまり味わえません。



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トグルスイッチはオープンタイプから耐久性重視でミニトグルへ変更なのです。




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が、ミニトグルの取付けナット下のワッシャーを落とし込むにはトグルスイッチ穴と
ピックガード穴のセンターずれが問題に。
手作業でピックガード、ボディー側の穴を調整加工して、

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ミニトグル取付け完了。
スイッチの動作方向は純正と同じ。

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お次はノイズ対策です。
導電塗料塗って有線で各ザグリを結ぶ。



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コントロールザグリの落とし込み部はビス穴周辺の一部のみ導電塗料を塗ってパネル裏の
導通シートとの接触を確保します。


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電気系の組み上げ完了。

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ちなみに純正のコントロール、トグルスイッチのパネルは経年のパネル変形の為か落とし込みにパネルが
きっちり収まる方向が決まってしまっていたので、分解時にはパネルのネック側へマーキングしておき、



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パネル裏面の導通シートを貼ってから、

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取付け方向を記しておきました。
頻繁に開ける場所ではありませんが念の為。

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シャーラーロックマイスターを別途手配した木ネジスタッドでマウントして完成!
ペグ、ロックナット、トレモロ、ビス類、全ての金属パーツが新品なので綺麗に仕上がりました。



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こちらは同じお客様からお預かりした初期型プライム。
フレットすり合わせ、スイッチをミニトグル化、ポット、ジャック交換、
エスカッションを白のLP用プラスチック製の物を加工して取付けなど
ディープなフルメンテナンスを作業させて頂きました。
セッティングは勿論一音下げです。



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完成時に並べて記念撮影。


往年の思い出に浸っていると、

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別のお客様より別のプライムの作業をご依頼頂きました(笑) 有り難い事です。
何故か今年は同じギターの作業依頼が続きます。
N4なんかは例年の3倍ぐらいの本数をご依頼頂きました。
作業のご依頼が続くのは本当に有り難く、お客様皆様に感謝しておりますが
コロナはもう続いて欲しくないですね。
どうか第6波は来ずにこのまま終息します様に。

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臨時休業のお知らせ

 2021-10-02
4日(月)は臨時休業になります。
お問い合わせ、ご来店予約はメール・Facebookメッセンジャーでお願いします。

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【連休期間休業のお知らせ】

 2021-09-18
来週はカレンダー通りの営業となります。

明日19日(日)は定休日、20日(月)、23日(木)は休業とさせて頂きます。
ご来店予約、お問い合わせはメール、Facebookメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com

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狭いスペースにオリジナルジャックプレートを取付け 中華製ストランドバーグコピー品編

 2021-09-04
久し振りの更新になります。
リペアが多少混雑していたので中々ブログまで手が回りませんでした。

今回は以前作業したギターを再びお預かりしました。

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5月にブログアップした中華製ストランドバーグのコピーモデルです。


http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-473.html
その時にダイレクトマウントジャックが固定されずに木工用ボンド?ホットグルー?か
何かで軽く接着されているだけだったのですが…

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お客様が使用しているとプラグを抜く際にジャック本体も一緒に抜けてしまったとの事。
まぁ当然の帰結ではあるのですが。
お客様ご自身でスイッチポットを設置したりと愛着を持たれているので何とかしてみます!
とは言ったものの数日は具体策が浮かびませんでした。



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まぁダイレクトマウントジャックは固定の方法、スペースが無いので諦めるしかない。
と、なるとジャックプレートを作ってマウントするしかない…




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この狭いスペースにジャックプレートを…




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イメージとしてはこんな感じか。



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とりあえずスイッチクラフトモノジャックとほぼ同寸の50円玉を置いてみる。




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その外周をえんぴつでなぞる。
…ジャック穴は何とかなるがジャックプレートの固定ビスのビス穴位置が超ギリギリになる予感。
しかもプレート設置予定場所の左側は平面ではなく湾曲している。

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まずはアクリル板でジャックプレートの治具を作ってみた。




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治具にジャックを付けると掘る深さが分かる。こりゃぁ結構大変だ…

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ボディー形状、ジャック箇所からして治具当ててルーターやトリマーで掘るってのは無理。
なので完全手作業汗ダク祭りの開催が決定!
まずは電ドラに少し手伝ってもらいます。



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ボディー外側は肉厚が薄いのでビットを当てる手に緊張が走る。

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プスプス穴を開けまくって下準備完了。




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ここからは地味な作業。

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ひたすら地味な作業。

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ある程度穴を拡大したら太めの丸棒ヤスリにチェンジ。



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丸棒ヤスリより太いモノが必要になり、適任なサイズは13ミリのソケットかと。
ソケット外周にペーパー貼ってゴシゴシと。




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ようやくジャックが入った時は大きな声で独り言つぶやくぐらい嬉しかったです。




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穴堀り作業終了!

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プラグを差して干渉が無いか確認。



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さ、プレート固定ビスのビス穴開けよ。っと思ったら電ドラがボディーに当たって
真っ直ぐ穴を開けられない…




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なのでピンバイスにビット付けて手作業で穴開け。
結構緊張する地味に大変な作業。



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ビットサイズを徐々に太くしていって

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ようやく完了!



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治具を元にしてアルミでジャックプレートを切削。

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取付けるとこんな感じ。
思いっきり深い安堵の溜め息が出た(笑)



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スイッチポットと干渉していないか確認。

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いやいや大変な作業でしたわ。
でもコレでジャックが抜ける事も無いしジャックの交換も普通に出来る。

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最初のメンテナンス時も含めれば結構難題だらけのギターでしたが
たぶんこれでしばらくは新たな問題は出ない(出て欲しくない)かと。
フレット浮きまくってたのが脳裏をかすめるけど…

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【お盆期間の営業に関して】

 2021-08-07
お盆期間の営業は下記になります。

9日(祝) 通常営業
10日~12日 通常営業
13日~15日 休業

暑い毎日ですが皆様ご自愛ください。


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【連休期間の営業・休業ご案内】

 2021-07-20
7月22日~25日、連休期間の営業・休業は下記になります。

22日(木) 祝日定休
23日(金) 祝日定休
24日(土) 通常営業 ※ワクチン接種の為、16時頃には閉店致します。
25日(日) 定休日

画像は最近お持ち込みが増えたダダリオの新コーティング弦「XT」。
現在も品薄ぎみなエリクサーの代打的に試されている方が増えているのかも。
しかしながらNYXLと同様にNYスチールを使用したプレミアム弦なのでコーティング弦でありながら音の立ち上がりや高域の
出方は鋭く感じました。普段オプティウェブをお使いの方は試してみても良いかもしれません。

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【臨時休業するかもしれない?お知らせ】

 2021-06-25
本日閉店後、1回目のワクチン接種を受けます。
副反応の状況次第では明日26日(土)を臨時休業とするかもしれません。
もちろん接種箇所が少し痛いぐらいでは通常営業の予定ではありますが、
念の為お知らせ致します。

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FERNANDES MV-95HT アクティブPUの位相違いはフェイズ合わせ出来ないんです編

 2021-06-12
久し振りに布袋モデルのネタで更新です。

当店はサスティナー関係の流れから布袋モデルの作業をお受けする事が多く、
ゆえに近年の中古品はコンディションの良い物の流通が少なくなってきた事を
実感しております。

今回はTE-95HTとMV-95HTをお預かり、メインの作業はMVです。
画像は完成時ですが、こうやって2本並べると見応えがありますね。

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MVは目立つ大きな打コン等のダメージが無い美品です。
元々生産期間が短く、生産本数もTEに比べると恐ろしく少ない。したがって中古の
流通在庫本数も少ないのでコンディションの良い物に出会うには運頼みでしかないかも
しれません。



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さて、時はお預かり時に戻ります。
お預かり時、ピックアップはフェルナンデス純正のアクティブピックアップ、
FGIテクノロジーが載ってはいましたが、フロントはロゴカラーが白、
リアは金文字でした。
白文字はFGIの最初期モデルになります。MV純正は金文字のはずなので
フロントは何かしらの理由で交換されているかと思われます。



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ところがこの白文字。金文字の組み合わせでは大きな問題があります。
白文字と金文字では同一メーカーの製品にもかかわらず、位相が異なります。
パッシブPUでは位相の異なる2個をミックスで鳴らした時、出力は下がりますが
音は出ます。←フェイズアウトの状態。
そしてどちらか一方のホットとアースを入れ替えて位相を合わせれば解決しますが、
アクティブの場合はコイルの後ろにプリアンプが有るので位相を変更する事が出来ません。
そしてミックスでは音が出なくなります。
したがって今回は白文字か金文字に統一する必要がありますがFGIは中古でしか入手出来ません。
なので今後安心して使用出来る様にEMGへ載せ替える事になりました。
ちなみに金文字以降の青文字、銀文字、サスティナー対応のFGIは金文字と同じ位相なので
同居可能です。




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まずは低いフレットを打ち換えです。
ネックには軽度ですが捻れの症状が見られたので指板修正をきっちり行います。

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時節柄指板修正時もトラスロッドを頻繁に調整するのですが、お預かり時より
ロッド調整ナットの動きが硬いのが気になっていました。
慎重にレンチを回してもクッ…クッ…クッ…ククゥ~~とある時点で突然大きく動くので
微調整が難しかったのです。



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なので先に手を打ちます。
調整用の六角ナットを外し、



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ロッドのネジ切り部に粘度の高いシリコングリスを塗ります。

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塗るのはネジ切りの上部だけ。
下面や六角ナット底面にはナットを締め込めば馴染むので。
ちなみにサビや汚れが酷い場合は除去してからグリスを塗ります。



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六角ナットを締め込みます。



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ウソみたいに軽く動く様になりました!
実は普段からネック調整の際に必要であればロッドのナットが外せる構造の場合は
この作業を行っています。




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ようやく指板修正も完了間近になって記録的に早い梅雨入り。
一週間雨続きになったのでケースに仕舞い、布団圧縮袋に入れて湿度をシャットアウトして
天候(湿度)回復待ちになりました…



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ネックが外れない=ボディー側のみの作業を進める事が出来ないので
先に取付けるスムーズポットを製作します。取付けるEMGのピックアップは新品なので
ポットが付属してきますがスムーズな回転トルクを得るべくCTSを改造します。
MVで使用するのは2個ですが同時にお預かりしているTEも交換するので4個です。



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ようやく雨続きが治まったので指板修正の仕上げを行いフレット打ち。
フレットはJESCAR#55090。

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すり合わせやフレット端の面取りも終わり指板にオイル入れて一段落一安心。

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ボディー側の作業に取り掛かります。
まずはCTS用にポット穴を拡大。



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ピックアップザグリ2箇所、コントロールザグリに導電塗料を塗布。
各ザグリを優先で結線。

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配線作業完了。
電池はスペースが十分に有るのでバッテリークリップを取付けてしっかり固定。




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パネル裏にもアルミテープを貼って完成。



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TEのポット交換も完了。
TE純正のふにゃふにゃバッテリースナップをEMG付属のしっかりした物へ交換。
こちらは電池クリップを付けるスペースが無いので後ほどウレタンシートを敷いて
電池と配線部を絶縁。
ついでにジャックもEMG付属のノイトリック製へ交換。



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EMGはフロントが85、リア81の2ハムでは定番の組み合わせ。
これにてボディー側の作業完了。

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ナットの製作に取り掛かります。
今回使用するのは本カーボンナット。
近年のTEJデラックスに付いていますね。
純正のジュラコン製よりも硬度が高いので高域のヌケが良くなります。
そして何より格好いいです。高級感出ます。



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ナット上面は積層面になります。
上面がカーボン格子柄なら更にカッチョイィのに。

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ナット完成!

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弾く姿勢で構えた時に格子柄見えたらちょっとテンション上がりませんか?



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時間掛けてセッティング出しも終了。
しっかり鳴りの出るギターに仕上がりました!

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そう言えばこの頃のフェルナンデスはフェル社オリジナルのロックピンが採用されている
モデルが多く、このMVは埋め込み式になっています。
同ロックピンはベースでもよく採用されていたと記憶しています。



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中古ではストラップ側が欠品している事が多いのですが、
今回のMVはしっかり付属していました。
ちなみに欠品の場合はジムダンロップのロックピン、ストラップ側がとりあえずは代用可能です。
とりあえずと書いたのは製品誤差でロックの掛かりが甘い組み合わせも見た事があるので。
ダンロップがしっかりロック出来ていない場合はロックピン一式の交換をお勧めします。

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相変わらず人気の高い布袋モデル。
そして布袋、HIDE、SUGIZO、TAK松本…
跡継ぎとなるカリスマ性を持った=爆発的にシグネイチャーモデルの売れる様な
ギターヒーローは未だ現れず。

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FLOYD ROSE 知らぬ間に劣化しているアームハウジングの交換編

 2021-05-29
今回はフロイドローズのアームハウジング=アームバー差し込み口の交換編です。

以前にもハウジング交換でブログを書いた事がある様な記憶がありますが、
ちょうどこのブログを書く数日前にも
「フロイドのアームがサムナットを締め込んでもスカスカに動くので何か詰め物した方が良いですか?」
みたいなお問い合わせを頂いたので改めてアームハウジングの交換で更新します。

尚、現在フロイド純正はプッシュインタイプやアーム差し込み部先端が六角レンチになったターボアームが
販売されていますが、オーソドックスな差し込み&サムナット締め込み式でのブログアップです。
ターボは同じ構造ではありますが。

作業するのは数年前にフレット交換させて頂いたN4です。
少しフレットが減ってきたのでフレットのすり合わせ作業をご依頼頂きました。
すり合わせ作業の分解時には「ん?アーム締め込みのサムナットが妙に硬い=動きが渋いな…」
ぐらいの違和感でした。

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が、無事にすり合わせも完了し、お客様引き取り前に最終セットアップしてると
ハウジング=アーム差し込み口にクラックが発生しているのを確認。
少し工具でこじればクラックは簡単に傷口を開きました。↓画像。
ハウジング自体も薄らサビているので相応に劣化していたのでしょう。
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こうなれば残念ながらハウジングを交換するしかありません。
お客様へご報告のうえハウジング交換を作業します。
ちなみにクラックが発生していなくとも、アームバー根元のサムナットをしっかり締め付けても
アームバーがスカスカ動く場合もハウジングの劣化、摩耗が原因なので、対応策としては
ハウジングの交換になります。何かしらの詰め物等では改善出来ません。
下記の作業でハウジングが簡単に外れる状況ならギター本体からフロイドの脱着は必須ではありませんが
このN4はトレモロスプリングキャビティーからハウジング裏面にアクセス出来ないので外しております。
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まずはハウジング頭の六角ビスを取り外し。
ロックナットやストリングロック時に使用する3ミリ六角レンチで緩めます。
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スクリューとワッシャーが外れます。
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次にワッシャー下の筒状のパーツ、スリーブを抜き取ります。
ここまでは劣化やサビの酷い物でなければスムーズに作業出来るはずです。
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ハウジング本体をトレモロのベースプレートから押し出して外しますが、フロイドの時期、
ライセンス生産品等によってはハウジングが簡単に抜けない場合があります。
その場合はトレモロ表面側のハウジング上下に当て木等を当てて、トレモロ裏面側、
ハウジングの底面をプラハンマーで軽く叩いて押し出します。
稀にトレモロベースプレートとハウジングの接合部にミシン油を流し込まなければならないほど
硬く固着していてハウジング抜き出しに苦労する場合もあります。
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新しいハウジングを取付ける前に清掃。
入り組んだ形状箇所の多いフロイドの掃除には赤ちゃん綿棒がオススメです。
綿の部分の硬さと柔軟性、芯棒の硬さ、ダイソーのベビー用綿棒が個人的にはベスト。
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ご存じの方も多いかとは思いますが、フロイドの純正アームバーを購入すると
ハウジングも付属してきます。
何かしらの事情で新品アームバーを使用する場合はハウジングも交換してね?的な
メーカーメッセージでしょうか。
それだけ定期的?に交換が推奨されているのかもしれません。










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もちろんハウジングのみの購入も可能です。
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分解時とは逆の手順で組み付け。
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ボディーにマウントしてセットアップ。
Dチューナーはお客様がDIYで取付けられています。
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アームバーは元からの物ですが、今回の様にハウジングのみ交換でも
アームバーは任意の位置で止まる様になります。
もちろんサムナットを緩めればプランプランの状態にも出来ます。n13_20210529113136ff8.jpg


今回はハウジングのクラックに気付くのが遅れ、お客様にはご迷惑をお掛けしてしまいました。
今後、そこそこ使い込まれたフロイドを扱う際にはハウジングのコンディションチェックを欠かさない様にしようかと。




さて、緊急事態宣言も再延長と同じぐらいに当店的に参ったのが記録的に早い梅雨入りです。
フレット交換(指板修正)など湿度の影響を受けたくない作業は雨続きの1週間は中断とし、
作業段取りも組み直しになりました。
と、同時にネック反り=ロッド調整のご依頼、お問い合わせが急激に増えてきております。
本格的な梅雨、湿度上昇はまだ先でしょうが何もセッティングを変えていないのに弦高が変化したなら
ネック反りのサインです。今一度愛機のネックコンディションのご確認を。







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AIRCRAFT HSHレイアウトの配線変更で汎用性を拡げる編

 2021-05-11
今回は久々にAIRCRAFTネタで更新です。

最近はリイシュー版のエアクラも出ている様ですが、当店で作業をご依頼頂くのは
ほぼ全て往年のエアクラです。

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画像は作業完了時の物になります。
と言うのも元々のご依頼は他店で作業された電気系の手直し的な内容でしたが、
アース線の種類?に拘ったとされる配線はハンダ付けが甘く、お客様と打ち合わせ中に
軽く指で引っ張ったらプチッとハンダごと取れてしまいました。
おそらく当ブログ内の画像を見ても作業された他店の方は自分の作業だと気付くはずなので
敢えて作業前画像は載せません。

ピックアップがフロント・リア共にリア用=FスペースのDIMARZIOトーンゾーンが
載っていたりと意味不明なスペックでしたのでお客様のプレイスタイル、
演奏ジャンル(=少し古めのフュージョン系)をお聞きし、他店で既に高額?な工賃を出費されているので
なるべく費用を抑えつつ実用性、汎用性の高いピックアップ選択としました。
フロントはダンカン59=SH-1の4芯仕様、センターは無難にSSL-1、リアはド定番TB-4です。
ボディーは既にリフィニッシュされている様です。




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費用を抑えつつとは言えピックアップ3個まで交換するのでしっかり組み上げたい。
なのでトーン兼用のスイッチポット以外の電装系は全て交換しました。

お客様のご希望は5WAYレバースイッチでピックアップセレクト、スイッチポットで
フロントとリアのコイルタップとシンプルな内容でしたが、フュージョン系なら
歪ませるだけではなくクリーントーンでのカッティングサウンドも重要なので
一策を講じさせて頂きました。(まぁ今までも何件かやってる配線なんですけど)

基本はハーフトーン時にフロント・リアが自動的にコイルタップになるVAI配線です。
それにスイッチポットでフロント・リアが単体時でもタップになる仕様です。
DIY派の常連様への説明として(笑)、レバースイッチの1回路はハム出力、センター出力を制御、
そしてマスター端子をボリュームポットへ。←1回路目はごく普通の配線。
2回路目はフロント・リアのタップ結線を各端子へ、センター端子をアースへ短絡。
2回路目のマスター出力をスイッチポットのスイッチマスターへ、スイッチポット
ノブをアップ時導通端子をアースへ短絡です。
つまり2回路目のマスター端子はフロント・リア個別選択時に各タップ線へ繋がっているので
スイッチポットへマスター線を1本送るだけでタップ制御が可能になります。

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これでVAI配線では出来ないフロントタップ、センター、リアタップの擬似3シングル
としても機能します。フュージョン系ならクリーントーンでのストラトライクな
尖った高域も使うと思うので汎用性は上がるかと。
結果としては狙い通りのサウンドバリエーションになりました。

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お客様お持ち込みのオレンジドロップはボディー座繰りと干渉するので少しアクロバティックな
取付けになりました。スイッチポットのハンダ付けは他店作業のハンダを補強して流用です。
少し見難いですがオレンジドロップの足は収縮チューブで他部との接触を絶縁しています。

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ところで話は逸れるのですが、最近のインチ・ミリ共用レバースイッチノブが少し
使い難いのです…

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インチサイズの溝は問題無くCRLに合うのですがミリ側がVLXにはかなりキツめ。
スイッチ壊れんちゃう?ってぐらいグリグリ押し込まないと入りません。
ひょっとしてVLXのシャフトが太く=厚くなった??なんて思ったので
少し古いIbanez純正採用(現在は廃版との事)のVLX91に刺してみましたがやはりキツい。
更に在庫していたノブに問題有り?なんて思ったので最近作業したEMG付属版の
インチ・ミリ共用ノブで試すも結果は同じ。←そりゃそうだ。たぶん同じ物なんだし。
なんだかねぇ…しばらくVLXにはミリ専用ノブを付ける事にしようかと。

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と、まぁ文章多めのブログになってしまいましたが配線レイアウトを工夫する事で
HSH1本で色んなジャンルへ対応出来る便利アイテムにもなりますよ!ってな話でした。



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大阪は緊急事態宣言が延長となりました。(5月末解除も無理じゃね?と思ってる)
当店は通常営業(そもそもご来店は予約制ですし)しております。
ご来店の際はマスク着用でお願いします。(←もはや当たり前なので書くのもバカらしい。)

コロナ禍において当店を含め楽器業界もかなり苦しい状況が続いています。
当店も常連様、リピーター様に助けて頂いております。
今回のお客様は最初に作業依頼した他店へはもう行かないでしょう。
コロナ禍云々は関係無しに我々技術系の仕事は結果が全てです。
スキルが無いなら仕方ないですが、(いや、アカンやろ。)
いい加減な仕事してると命取りになるかと思うのですが…


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ヘッドレスが流行ってる?のは当店だけ?? HOHNER G2T ストランドバーグ…のコピー商品編

 2021-05-01
いよいよGW突入ですね。去年と同じくつまんねぇGWですが…

先に申し上げておきます。今回のブログは長いです。
GWの暇つぶしにでもお読み頂ければ幸いです。

去年の秋頃から何故かヘッドレス系の作業依頼が増えております。
ヘッドレスのメリットと言えば一番は持ち運びに便利なコンパクトさでしょうか。
この状況下で持ち運びのメリットが活かされるのかは謎なのですが…
数人にお聞きしたところでは自粛ストレス⇒ネットショッピングで今までとは違う
ジャンルのギターをポチッてしまったとか。←それなら理解出来ますね!

そんな中で比較的最近作業した2本をご紹介。

まずはHOHNER G2T。
懐かしいです!自身も過去に所有した事が有ったので。

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ご依頼頂いたのはジャンボフレット(JESCAR #57110)への交換、トレモロの完全固定です。
まずは指板修正。

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今回の様にナット代わりの0フレットが有る場合、0Fは1F以降より一回り太い=山が高い
フレットを打ちます。(モズライト、オールドのグレッチ等の同サイズフレットがお約束の場合は除く)
0FにはJESCAR#58118を打ちました。

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フレット周りの作業完了。

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0Fが少し太くて高いのがお分かり頂けますでしょうか?

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さて、ここからが難題です。

トレモロの動作不安定のためトレモロの完全固定。
自分も所有していたのでよく分かるのですがトレモロがそれほど硬い金属で出来てはいないので
使用による摩耗や経年劣化で色んな所にガタが出て来ます。
まずはトレモロスプリングを締め付けるテンション調整ビス。
ビス自体も摩耗でネジ山が削れ、本体側の受けネジもかなりネジ山が崩れています。
ビスはステンレス製のM4で近い長さの物をグラインダーで削って交換、
本体受側はとりあえずM4のタップでネジ山を整えてはみましたが…

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やはりスプリングテンションに負けてテンションビスがきっちり止まりせん。
滑って抜けてきてしまいます。

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なので奥の手です。

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スピードナットを挟み込んで受けネジの補強!
これでテンションビスもきっちり機能する様になりました。

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次にトレモロ完全固定ですが…
当初は元から付いているトレモロのロック機構を何とか補強してみるつもりでしたが
やはり摩耗と劣化できっちり機能しません。

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で、よくやるパターン、ありがちアイデアでアルミの角材を挟み込んでみるも…

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アームアップ方向への動きは止められますがアームダウン方向にはスプリングテンション不足で
固定が効きません。
画像はありませんがトレモロ本体側のスプリング受け部にクラックが入っているのでスプリングの
テンションを上げるわけにはいきません。

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しばし新たな解決策を考えましたが
やはり物理的に強制固定するしか無いと結論。
トレモロ裏面のビスを利用してL字のABS樹脂を固定。

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何故ABS樹脂を使うかと言えばトレモロ面=ボディー表面と後側面が直角ではない
ので固定具をある程度その角度に馴染ませる必要があるので。
本当は金属のL字アングルが確実でしょうけど角度が微調整出来て強度も確保出来る
のはABSしか思いつきませんでした。

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ガッツリ固定完了!
まぁ見た目は少しアレですけどチューニングキープの機能性重視で。

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こうして最大の難点はクリアーしましたが他にも気になるところが。
これはホーナーだけではなく本家スタインバーガーの古い物でもたまに見られる症状ですが
ダブルボールエンドではなく通常弦を使用可能にするストリングアダプターの固定ピン折れ。

今回は片側が折れていたので元ピン位置にボール盤で穴を開けて真鍮棒を埋め込みました。

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受け側のピン穴も整えて完了。

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このG2T、電気系は以前作業させて頂いたのでこれにてコンプリートです。

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さて、お次は難題山積みスペシャル(笑)です。
ストランドバーグ、の 中華製コピーモデル。
日本国内ではあまり見掛けませんが海外通販サイトではメジャーみたいですね。
今回のお客様も海外通販で購入されたそうです。
聞くところによればDIY組み立て用のキットでも販売されているそうで。

作業コンセプトは「とりあえず普通に弾けるように」。
購入されてから「ダメだ…こりゃ…」状態でほぼ使用していない状態でお預かり。

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このブリッジに驚き、そして悩まされる…詳細は後ほど。

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サドルのイモネジで各弦の弦高調整可能。
そしてサドルの回転による弦乗り位置のズレも防止する構造。
中々理にかなった構造だと思う。

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ストランドバーグ同様にかなり細いインチサイズのレンチが付属。
が、レンチも弦高調整イモネジも精度はイマイチだ(笑)

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6弦のイモネジ1個に至ってはレンチ穴さえちゃんと空いていない…
他にも1個レンチ穴が崩れてきっちりレンチが入らない物も有る。

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続いてトレモロスプリングキャビティー。
落とし込みのザグリが雑。
そして右下のネジ穴は土台が無いのでネジが効いていない状態。

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ヘッド先の弦ロック機構。基本的にはストランドバーグと同じシステム。

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ストランドバーグはステンレスの薄い板だったがこちらは厚みのあるアルミ製。
弦とロックスクリューとの関係も異なる。←後述。

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まずはネックから着工。
フレット浮き多数。音詰まりアリ。
そして12F上で2ミリ以上の鬼高弦高も何とかしなければ。

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フレットタング横のスロットが埋め切れていない。

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フレットの側面も浮きが有り、エッジが立っているので手当たりが痛い。

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そして意味不明の打コン(笑)

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けちょんけちょんに書いてはいますが何とか使える様に出来る限り作業します!
まずはフレット下の問題点を全て樹脂で埋めてからすり合わせ作業。

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すり合わせ作業の途中でエッジは1本1本丸めます。

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かなり大変でしたが(いっそ打ち換えた方がラク?)何とかフレット周りの作業完了。

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続いて電気系。
クロスワイヤー使ったりと中々に気遣っている様に見えてアース線は剥き出し。

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タップ線の絶縁はまさかのビニールテープ!
ま、いいや。後で作業しよ…と、思いつつ

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先にトレモロパネルのビス穴に取り掛かる。

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とりあえず埋め木。

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新たな壁になる丸棒を貼り付けて整形、ビス穴を開ける。

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と、なると全て斜めに空いている他のビス穴も気になってくる。
気付けば全て埋め木していた…

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パネルに合わせて正確なビス穴の位置出し。

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ここまでしてると同じくビスが斜めに入っているコントロール部も許せなくなってくる。

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どーせ電気系もやり直すんだろ?
えーい全部外してしまえ!と真っ裸にする。(当初ここまでやるつもりは無かった)

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唯一の救いはジャックの配線が手で引っ張っただけでポロッと外れた事だろうか…
(何の救いでもない)
と言うかこのダイレクトマウントジャック、どうやって止まってんの??

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接着されてました!(驚)
ジャック壊れたらどうしよう…

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せっかくのクロスワイヤーですが…

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ハンダ付けが「天ぷら」になっているのでやり直し。
どうやら芯線が素材的に脆い様で簡単に折れ切れしたので線材も変えちゃいます。

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電気周り完了。
ジャックへのハンダ付けは
「あー…歯医者さんってこんな角度で作業してたよね…」みたいなアクロバティックな
ハンダ付けでした。

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トーンのコンデンサーがアクティブ用の104なのはここだけの話し。
(ちゃんとお客様にご報告しました)
ポットは500kΩだったのはぎりぎりセーフか?←いや、アウトだろ…

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ピックアップの足が曲がっていたのもここだけの話し。
(ちゃんと直してから付けました)

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12F上で2ミリの鬼弦高を解決すべくネックジョイントにシムを挟み込んで
ネック角を変更します。

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さて、ようやく弦が張れるところまできましたがココでストランドバーグと大きな違いが。

本家ストランドバーグはブロックをネックに固定しているビスの頭が弦で押し潰されない様に
円盤が入り、つまりネック側からではビスー円盤ー弦ーロックスクリューの順でしたが
これはビスー弦ー円盤ーロックスクリューの順の様です。
円盤にロックスクリューが当たった跡がありますので。
と、言うかブロック自体がその順で無ければ弦が通せない寸法になっております(笑)

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ようやく弦高のセッティングが完了。
六角穴が空いてなくて調整出来ないイモネジやレンチ穴の形状不良で同じく調整出来ない
イモネジはサドル高がブリッジにベタ付けで構わない1弦へ移植。
汎用サイズのイモネジが適合するなら本音は全部交換したいのだが。

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弦高が決まったところでサドルのイモネジを軽く固定する。

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もちろん直塗りではなく3弦の切れ端を使って慎重に少しだけ。

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で、ようやくこのブリッジの凄いところを紹介出来る!
お預かりして最初にチューニングキーを回した時に「軽っ!」と驚いた。
これまで触った事のある全てのヘッドレスギターのチューニングキーの中で間違いなく一番軽い!
何でだろ?とは思っていたがこの段階で分解して感心した。

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よく見るチューニングキー根元にはナイロン、テフロン系ワッシャーが数枚
挟まれているだけだが何とベアリング付きワッシャーが挟まれていた!!
スゲェよ。他のメーカーも真似しようよ。



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いよいよ本格的なセットアップに入る。
何故か09-42のゲージ、レギュラーチューニング、新品のGOTOHトレモロスプリング、
しかもハの字掛けでスプリングハンガーが壁面に当たるぐらい締め付ける必要がある。

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仕方ないのでパワースプリングを発注。

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パワースプリングだと普通の位置に収まった。

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トレモロパネルに空いた不要な弦通しスリットごときではもはや驚かない。


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コレはオーナー様へのアドバイス的に書きます。
弦交換の際、弦を抜いたら円盤プレートが非常に取りにくい。
なので2.5ミリの六角レンチに両面テープをクリクリ貼って引っ付けて円盤を取り出す。
両面テープを巻いてで丁度良いサイズが2.5ミリだった。

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ところが弦をロックする六角レンチも2.5ミリなので思わず「あっ…」って声が出た(笑)

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ようやく完成!
驚きの連続なギターだった。
極めつけは3弦サドルが一番後端でもオクターブが合わない。
でも今更驚くだけのメンタルは残っていなかった。

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でもベアリングリングの入った構造、他の部分の精度は色々難アリなのにアーミング時
スムーズに動くスタッドとブリッジの兼ね合い精度が異常に高い事。
そして弦を通してから締め付ける弦ロックとサドル内から弦通しスリーブ抜け防止の
2役をこなすイモネジ、本当にアイデアは素晴らしいと思う。
この構造でそれなりの精度を出すメーカーが製造したら最強のヘッドレス用ブリッジだろう。

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いいですか、皆さん。
GWヒマなのは分かります。
何気にネット見ててポチリたくなるのも分かります。
マルチスケールに本家ほどの金額を投資するリスクを悩むのも分かります。
でもこの類いをポチるならそれ相当の覚悟が必要です(笑)
値段相応と割り切れる寛容な心を持ってポチりましょう。


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【GW期間中の営業について】

 2021-04-28
カレンダー通りの営業です。

29日(木) 祝日休業
30日(金) 通常営業
1日(土) 通常営業
2日(日)~5日(水) 祝日休業
6日(木) 通常営業

期間中、休業日にお問い合わせ、ご来店予約はメール、FBページメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com
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素のテレキャスターに新たなサウンドバリエーションを追加してみた編

 2021-04-03
今回は所謂王道のテレキャスター、FENDERヴィンテージシリーズ⇒ビンテレを作業させて頂きました。

いつも通りフレット交換から電気系までの徹底的シリーズです。

いつもと違うのはお客様からの発案で色々と工夫を加えております。

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フレット交換はいつも通りの作業なので割愛。

ピックアップは純正のリアが断線していたのでお客様お持ち込みの’51NoCaster フロント&リアへ
載せ替え。
この’51NoCasterセット、中々に面白いピックアップです。
普通のフロント&リアセットではセオリー通り、フロントよりもリアが出力高めで
テレの場合はフロントが小型のシングルコイルなのでリアに比べて音圧がガクッと
下がるのですが、この’51は逆。フロントの方がリアよりも直流抵抗値が少し高い。
つまりフロント時の音圧が下がりません。抵抗値の設定が絶妙なのかフロント⇔リアの
切り替えで出力的な違和感がほとんど無い。
音質的にはヴィンテージ路線ですが高域も味付けが抑え気味で嫌味が無くて良い感じです。


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更にお客様お持ち込みでカラハムのピッチ補正ブラスサドルを搭載。
ピッチの補正はほぼ完璧でした。フレットが打ちたてで摩耗していないってのもありますが。

テレのピッチ補正サドルとしてはGOTOHのIn-Tuneサドルが人気ですが、同じブラス素材として
音質を比較したならカラハムの方がブラスっぽいと言うか…「音のツヤ感」と芯の太さが
ゴトーよりも強く感じました。カラハムの方がゴトーよりも少し重い=カットされた部分が少ない
=質量が大きい、のでブラス色が強いサウンドキャラクターになるのかもしれませんね。
もちろん音質は好みの問題でもあるのでカラハム、ゴトーのどちらが良い悪いって話では
ないのですが。

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画像はありませんがサドル底面にE&A、D&G、B&Eと表示があるので説明書等は
付属していませんが取り付けは簡単です。

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さて、今回はお客様の発案で、トーンポットをスイッチポット化、
フロントPU&リアPUのシリーズ配線スイッチを取り付けました。
(配線考えるの結構大変でした…)
スイッチポットがダウン=通常の状態ではパラレル(並列)=ノーマルテレキャスター。

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アップの状態でフロント&リアがシリーズ=直列配線になります。
シリパラスイッチと言えばハムバッカーPU単体内でコイルの接続をシリパラ切り替えが
一般的なのかもしれませんがフロントとリアほどの距離が開いたシングルコイル同士を、
しかもテレでシリーズ配線したのは個人的に初めてです。
ハムバッカーのシリーズ配線は正直あんまり実用的と感じた事が有りませんでしたが
今回のテレはかなり面白い音色に思います。
表現が難しいのですがノーマル時のハーフトーンとは違い、リアの音色にフロントの
拡がりある低域が足された感じ。フロント&リアではなくフロント+リアな感じ。
「こう言う音作りでこんなプレイ向け」と明確な答えはありませんがテレキャスターの
新たな一面と言えるサウンドが出ます。

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テレキャスターはシングルコイル2個とかなりシンプルな構造ゆえにサウンドバリエーションは
限られていますがルックスを変えずに新たな表情を与えるとなれば今回のシリパラスイッチは
一つのアイデアとしてアリなのかもしれない。
ただしシリパラスイッチが機能するのはレバースイッチがフロントかリアの時で
ハーフトーン時は配線経路が強制的にパラレルになりますのでシリーズスイッチを入れても
アースまで回路が成立しているリアのみの出力となります。
4回路のレバースイッチを使って知恵熱が出るまで回路考えたら解決出来るのかな?(笑)

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ロック式トレモロの指板R追従性向上作業 FENDER JAPAN 春畑道哉モデル編

 2021-03-20

重ね重ねでのお知らせですが、来週土曜日27日は臨時休業とさせて頂きます。

さて、先日シャーラー製トレモロ、ロックマイスターのマイナーチェンジ版についてブログを
書きましたが今回もトレモロネタです。

お預かりしたのはFENDER JAPAN SERIES の春畑道哉モデル。

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メインの作業はペグの交換。
弦交換の手間を軽減すべくGOTOH MG-Tペグへの交換です。
元のFキーペグのビス穴は勿論埋め木。

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ペグ交換が終わり組み込み。
トラスロッド調整も行い演奏性を狙ったセッティング作業に入ります。

ところがトレモロの高さ=弦高設定で問題発生。

ギターの指板のRは250Rですが搭載されているGOTOH GE1996Tトレモロの
サドルのR設定は350R。
つまり指板とトレモロのRが合わず、1弦&6弦をベストな高さに設定すると
2~5弦が低すぎる。言うまでも無く2~5弦を適正な高さにすると1弦6弦が高すぎる。
ソロイスト系ギターとしてはココは非常に重要なのですが。

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なのでフロイドローズ用サドルスペーサーを使ってトレモロのRを指板のRへ近付けます。
ゴトーの純正スペーサーも販売されていますが、厚みが0.2ミリ1種類なのと
ブラス製なので色が金色なので。
使う機会の多いフロイド用は0.3ミリ、0.2ミリを常時在庫しております。

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この通りフロイド用でも使用可能です。
ちなみにサドルとスペーサーは極薄両面テープを一部だけに貼ってで固定しています。
オクターブ調整の度にズレると面倒なので。

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分かり難いけど組み込んだ状態。
今回は2弦&5弦に0.2ミリ、3弦&4弦に0.3ミリを入れました。
2弦は0.2か0.3か悩んだのでスペーサーを付け替えながら何度もテスト。
12フレット上での弦高計測数値なら0.3ミリなのだが弾くと微妙な高さを感じた。
数値よりも演奏性が重要なので0.2ミリで決着。
上記のスペーサー厚はフレットの摩耗具合等で変わりますので絶対数値ではありません。

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トレモロのサドルRほどセッティングへの影響は出ませんがロックナットも何とかしたいところ。
搭載されているGOTOH FGR-1のRは360R。
フロイドローズ(シャーラー含む)のR2なら設定Rは254Rなのでベストマッチかと。

ちなみにカスタムショップ製春畑モデルはフロイドローズが搭載されているので
今回の様な作業は基本的に不要です。指板Rは9.5インチ=240R の様ですが。
何故ならフロイドローズ(シャーラー)の設定Rは305Rなので今回ほどの違和感は出ないかと。
ロックナットも上記のR2が搭載されている様ですし。

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ちなみに普段春畑モデルで一番多いリペア内容はスイッチポットの交換です。
フロントPUを強制ONにする機能がプッシュ/プッシュ=プッシュロックの
スイッチポットで搭載されていますがプッシュ/プッシュは故障が多いので。
今回もプッシュロックが効かない症状が出ていたので交換です。
お客様はフロント強制ONを使わないとの事でしたのでCTS使って普通のトーンにしました。
そう言えば真ん中のセンター専用ボリュームも
「これ何ですかね?フロントトーンでは無さそうなのですが…」と聞かれた事も有ったな。

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やはりソロイスト系ギターは演奏性有りきでセットアップすべきだと思う。
本家カスタムショップの廉価版な位置付け故にGOTOH GE1996Tを選択するのは
納得出来るがそれならそれに見合ったセットアップをして欲しい。面倒だけど(笑)
でもフェンジャパと言っても安くないギターなんですよ。これ。

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今回の春畑モデルはほんの一例で、ゴトー、フロイド問わずにトレモロのサドル高調整依頼は
結構多いです。
先にも書きましたがフロイド純正スペーサーは常備しておりますので何かしらの違和感を感じられている
方はご相談下さい。
尚、地味に時間の掛かる作業ですのでクイックリペアでの作業はご勘弁願います。




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【臨時営業・臨時休業のお知らせ】

 2021-03-16
【臨時営業・臨時休業のお知らせ】

下記日程にて臨時営業、臨時休業と致します。

20日(祝日土曜)臨時営業
27日(土) 臨時休業

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