今年はサスティナー関連のご依頼が多いです。EDWARDS フォレストタイプ・フェルNTG?・フェルARS編
2020-10-31
今年は本当にサスティナー関連の作業依頼が多いです。コロナの影響?なのかは分かりませんが…
まずはエドワーズ版のフォレスト。
お客様がネットでご購入された赤箱サスティナーキットを使用してのインストールです。
赤箱新品で作業するのもさすがに今回が最後かな?

元のコントロールパネルがボディー端超絶ギリギリ…

既にジャックのサイドザグリまでクラック入ってるので…
新規にザグリ拡大、拡大コントロールパネルの製作を断念。

なので純正パネル内に全てを収めるべくパネル際ギリギリのザグリを掘って。

基板からはスイッチ類を外す⇒有線で繋ぐ。

狭いエリアにゴチャゴチャと組み込み。

ちなみに基板はスイッチ類を外しただけではなく実はフロント用プリアンプセクションを基板ごとカット。
純正状態の基板と比較すると上部3分の1ぐらいがカットした部分。
昇圧トランスのみ再利用し、プリアンプ本体はセンターPU用を使用するパターン。

せっかくここまでやったなら純正パネルが反っていて安物チックなのが気に入らないのでパネル作り直し。

ドライバーへ埋め込んだ青色LEDはサスティナーON時のみ点灯。

当初お客様との打ち合わせではサスティーンボリュームは基板上でフルアップ固定、
トーンは不要との事だったのでポット穴1個はダミー化する予定でしたがそれはそれで
面白くないのでキルスイッチを取り付け。
押した状態で音出力がカットされます。
後述のギターにも付けていますが最近はキルポットよりもこちらのスイッチを付ける方が多いかも。

完成!

さて、お次はフェルナンデスのNTG?
おそらく足立祐二モデルだと思われますが赤ってラインナップしてたっけ??

ギター側はボディー、ネック、ペグ、ピックガードぐらいで他のパーツ類はお客様が準備された
物をお持込み頂きました。
サスティナー基板、ドライバーも中古品です。
何度も書いてますが中古サスティナーは組み上げるまで正常に機能するか分からない。
つまり工賃が発生してからでなければ使い物になるかが分からない。
中古流用はそのリスクを承諾して頂いたお客様のみ作業させて頂いております。

リア用のTB-4も中古が故に線が鬼短い…

極性変更で分解したついでに元から線材を引き直す。
これが実はかなり大変(面倒)な作業ではある。

必要十分な長さの線材で組み上げてロウ浸けも完了。

組み込み完了。
だが今回の本当の試練はココから始まる。

ドライバー直下にフロントPUとしてダンカンSHR=ホットレイルを設置。
当然磁力干渉が発生し、サスティナーの動作に影響が出る。
実に5パターンの位相変更、配線パターン変更、その都度の基板改造を経て一番良い結果が
出る組み方を模索する。
言うまでもなくとんでもない時間が掛かる…

一番手前の半固定トリムはSHRの音量調整用に設置。

ミニスイッチはリアPUのダイレクトスイッチ。
リアPUのみ基板を通過せずに出力可能。
フロントのSHRやサスティナーONはダイレクトスイッチを解除しなければなりません。
メリットとしてはプリアンプを通過しない素のリアPUの音色を出力、万が一電池が切れても
基板をバイパスする事で演奏続行が可能になります。

いやー何とかサスティナーも合格点の駆動状態にもってこれましたが
この類は毎回大変です。
最悪の場合はSHR外してダミーPUカバーにしても良しとして頂けるお客様のみ対応可能です。
しかし今年は偉大なギタリストの訃報が続きますね…ご冥福をお祈りいたします。

そしてお次は既に何本も徹底的に作業系サスティナーギターを組ませて頂いている常連様よりご依頼。
フェルのARSにモンスタートーンが付いた本○毅チックな1本。
こちらもサスティナー関連は中古ユニットをお持込みです。

まずは減ったフレットから着手。
お預かり時より薄々気付いてはいましたが…

指板が染められております。
本○毅っぽく=エボニーっぽくと言う事なのでしょうが。

画像で見る以上に指板表面が荒れています。
薄い表皮が剥がれ出している感じと言えば伝わるでしょうか。

更に「ん?」な形状のテンションガイドが付いていましたが外して分かりました。
元のビス、折れてます。

手始め?にアセトンで軽く拭き取ってみたら顔料は取れそうです。

結構綺麗に拭き取れました。指板側面はツヤ消し塗装が施されているので木部の荒れは
無さそうです。

指板修正に取り掛かります。

製造時のプレーナー(自動カンナ機)の刃傷に染料が入り込んでいます。

指板を真っ直ぐにする事は勿論ですが染料も全て除去出来ました。
今回の指板表面の荒れ具合を見て決断致しました。
以前ブログに書いた事もありましたがリペアメニューとして指板染色を今後は受付を止めます。
やはり時間が経つと指板はこうも荒れるのを見てしまうとやるべき作業ではないと思いましたので。

フレット打ちも完了。

やっぱりココが気になる。
許せないと言うか(笑)

ナメたビスの頭に穴を開けて抜き取るエキストラクターを使ってスマートに抜けたらラッキー
とか思ったけど。
やっぱり無理でした。そもそもエキストラクターの用途は違うし。

なので折れたビスに直接ドリルビットで穴を開けてビスを削り切ってしまいます。
激細ビットから徐々に太くしていく工程4回。結構時間が掛かりましたが除去完了。

最後は傷口全体の入るサイズで穴を開けて

埋め木。

簡易タッチアップ。

さて、気付けばこんな所にもトラップが(笑)
2点支持ブリッジが載っていたがスタッドは6穴シンクロのまま。
要らない穴は埋めてしまいますかね。
まぁまずはサスティナー用のザグリ加工です。

秋も深まってきたのでこの手の作業はやりやすくなってきました。
夏場は削った木くずが全て汗ダクの体にひっついてきますから。

不要なスタッド穴を埋めて必要な穴はスタッドサイズに合わせて空け直し。

そして組み込みへ。
ピックアップはダンカンSSL-4です。
今のところラージポールピースでサスティナーと相性の良いシングルコイルはコレぐらいしか
見付かっていないです。モンスタートーンは正直ちょっと厳しいです…

コントロール周りはこんな感じ。
お持ち込まれたサスティナー基板は2H仕様だったので3シングルだとプリアンプが1つ足りません。
なので「いつか使う事があるかもしれない箱」から小型別体プリアンプの不具合品を探してきて
オペアンプから何から交換して復旧させて使用。(画像最下部のウレタンでくるまれた部分)
フロント用昇圧トランスは問題無く流用出来ました。

で、サスティナーも良い感じに組めたんですけどね。
重要な事を忘れておりました。
完成時の画像を撮り忘れ…
無理言ってお客様から画像を頂きました。
(お手数お掛けして申し訳ありませんでした)

コントロールはネック側から
・キルスイッチ
・ローカットフィルター(ハイパスフィルター)コントロール
・マスターボリューム
です。
指板の染色は除去しましたがローカットコントロールで本○毅チックさを表現致しました。
こちらもお客様との打ち合わせ時はダミー化予定でしたが個人的な気まぐれで
組みました(笑)

このお客様はこれまで数本キルポットを組ませて頂きましたがキルポットは確かに
面白いんですけどね。耐久性が…
なので今回はポットとキル機能を別体化しようと。
スイッチ自体もフェルナンデス社が使っていた様なストロークの短い物が見付からずに
まだまだ試行錯誤中ではありますがこのスイッチなら耐久性には問題無さそうです。

そして今も数本サスティナー関連の作業をご依頼頂いております。
本当に今年は何でこんなにサスティナー多いのかね???
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Washburn N4 フルレストアついでに自分好みへモデファイ編
2020-10-10
今回は当ブログでも登場回数の多いN4です。国産アルダーボディーのよく弾き込まれたN4を徹底的に作業させて頂きました。

まぁこの手のギターお約束でフレットの摩耗が激しい。
早速フレットを抜いて打ち換えからスタートです。

これまたお約束?なのですがエボニー指板に浅いクラックが入っています。
指板表面に汚れや埃が付着していると中々気付きにくいのですが。

フレットを抜いた際のチップ修正作業時にエポキシ樹脂を流し込みます。

指板修正中。
さほど酷いクセは無いネックでしたが低めの弦高設定を狙いたいのでネックのストレート出し
はきっちり仕上げます。

フレット打ち完了。
ずっと秋晴れのお天気が続いていたのでココまではスムーズに進行してきましたが
秋雨予報に変わったのでネック周りの作業は中断。
ケースに仕舞って天気の回復待ちにします。

したがってネック側が終わっていませんが先にボディー側を着工。
今回のお客様はヌーノリスペクトではなく弾きやすいギターとしてN4を弾いていらっしゃるので
ピックアップもヌーノルールから離れます。
お客様がチョイスされたのはフロントがダンカンAPH、リアはTBのカスタムカスタムです。
純正フロントの59は今でも十分「アリ」なのですがリアのビルローレンスL500は
正直現代の音作り感覚で言えば扱い難い…

シャーラー製フロイドタイプのトレモロもアームホルダーにクラックが入っているので
ホルダーを交換します。

まずはリアPU。L500は専用エスカッションなので汎用のエスカッションに交換する必要が
あります。

元穴を埋め木して新しいエスカッションに合わせて穴開け。

導電塗料塗って有線でアーシング。

先日DIY派のお客様からアースラグの取り付けが難しい箇所(ザグリ)の結線について
ご質問頂いたのでちょっと書いてみます。

アースラグが取り付け難い場合はその箇所に付けるパーツで工夫します。
今回はミニトグルスイッチを付けるのでその座金ワッシャーにアース線を結線。
純正は一般的なトグルスイッチですが耐久性、操作性ではミニトグルの方がお勧めです。
小指でパシッとPU切り替えするなら断然ミニトグルです。
接点がボックス内封入ですので端子劣化の接触不良もほぼ起きませんし。

で、一段落したのでボディーを眺めながら休憩していると剥き出しのピッチシフトキャビティーが
ムカついてくる(笑)
詳しくは前回アップの長編サスティナーブログを見て下さい。

ウレタンシート貼りました。
もちろんヌーノリスペクトな作業の時は貼りません。本人貼ってないはずなので。

さて、ウレタン貼ってスッキリしたところで(笑)フロイドの作業に入ります。
アームホルダー交換する前に全体のクリーニングをと歯ブラシ(毛は柔らかめ)でゴシゴシ。

ゴシゴシしている内に奥の細かい汚れにイラッときて気付けば全分解(笑)
しかし結果的には全分解して良かった!

何故なら1個のサドルのストリングタイテンブロック底の板が無くなっている事に気付けたから。
この小さくて薄い真鍮板が無くなっていると弦を外す際、ブロックを緩め過ぎるとブロックが
ポロッと奥深くに脱落します。
「あーそうそう!ブロック落ちるわ!」って思ったそこの貴方、底板有るか確認してみて下さい。

更にブロック1個に亀裂が入っている事にも気付けました。
本当に全分解しておいて良かった!

ブロックは交換するとして問題は底板さんです。
この底板だけでパーツ販売しているのは見た事がありません。
よしんば有ったとしてもシャーラー製フロイド系は時期によって微妙に仕上げが変わるので
汎用性は無いでしょう。
なので作っちゃいます。
0.3ミリのアルミ板を適当にカットしてから、

ちまちまヤスリで削って成形していきます。

ドンピシャよりも僅かに大き目のサイズになったら圧入。
純正の真鍮板も圧入されているだけですが(だから簡単に外れる)保険で少しだけ
瞬間接着剤を流し込んでおきます。

アームホルダーも交換してフロイド周りは一件落着!

そうこうしている内に天候が回復したのでフレットの側面成形、すり合わせ等の
残った作業を終わらせる。

指板のクラックも傷跡は残るがきっちり埋める事が出来ました。

で、パーツ組み付けてる時に新たな問題に気付く。
裏止めのロックナット固定スクリューが表面へ少し飛び出している。

キャップを乗せて確認するとやはり少し干渉している。
これではいくらキャップを締めこんでも弦をきっちりロックする事は出来ない。

原因は経年劣化でスクリュー底面部のメイプルが押し潰されて肉厚が少し薄くなってしまった事。
要はビスの表面突き出し量を少し短くすれば良いのだがビスの頭をグラインダーで削ったりすると
切削面からサビが発生してしまう。
通常(フロイド純正状態)なら画像の座金ワッシャーに加えて平ワッシャーも挟まっているはずなのだが
今回のN4は座金ワッシャーのみ。

なので座金ワッシャーを1枚追加してロックナット表面へのビス突き出し量を減らします。

良い感じ。これならクランプに干渉する事は無い。

ついでに気になっていたテンションバーの固定ビス。
頭のプラス穴が崩れている。

GOTOH製ビスへ交換。
残念ながらフロイドローズは時期によってテンションバーの落とし込みにGOTOHのビスが
入らない事が有るので全てのフロイド純正テンションバーに通用する訳ではないのですが。

電機系の組み込みも完了。
余談ながら国産N4はUSAとピックアップからスイッチ、ポットへの配線経路が違う。
USAはピックアップからトグルスイッチザグリ内でスイッチへ結線、スイッチからポット=
コントロールザグリへは出力線のみ。
国産はピックアップ線をコントロールザグリ内で別ケーブルへ結線、別ケーブルが
トグルスイッチザグリへ繋がっている。
国産パターンの方がノイズが少なく感じるのだが…特にリアがL500のままの場合は。
ポットにピックアップのアースを直接落とす方が良いのかもしれない。

完成!
一見キラーのファシストに見えるのは気のせい気のせい…

いやぁーピックアップ良いですよ!
クセの少ないアルダーボディーって事もあるでしょうがカスタムカスタムはカスタム(SH-5)
の中高域の独特の曇りが少ないしそれでいてカスタムの細かくて心地良い歪みはキープ出来ている。
APHは59よりもツヤが有るのでフロントのロングトーンも気持ち良い。
レスポールに付けた時よりもツヤ感と倍音の拡がりを感じる気がする。

一番拘った全体のセッティングも狙った感じに組み上げられました。
N4の最大の特徴である弾き易さを活かし切れたかと。
気負う事無く疲れる事無く長い時間弾いていられる感じ。
お客様から頂いた「いやー弾いてて楽しいっす!」の感想が嬉しかったです。
それこそが狙っていた着地点だったので。
N4使ってて音作りに苦労されている方、ヌーノみたいに!と歪ませまくったら
グシャグシャの歪みになってしまう方、フロント使うソロはもっとシングルコイルの様な
くぐもった感じの音が欲しい方、
ヌーノリスペクトこそ正義!でなければ一度ピックアップを交換してみる事をお勧めします。
【追記】
偉大なるカリスマが旅立たれてしまいました。
エディーが居なければ今日のHR/HMギタースタイルは確立されていなかったでしょう。
R.I.P Edward Van Halen
安らかに。そして有難う。

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タブーだらけの内容でサスティナーを組み上げる。EDWARDS版ホライズン編
2020-10-03
久し振りにサスティナーの作業ネタでブログアップです。これまで当店ではサスティナー基板からスイッチ類を外して移設したり、ドライバー直下にパッシブピックアップを
配置したりとフェルナンデス社ではタブーとされている内容での作業実例を当ブログで紹介してきました。
それをご覧頂いたお客様やショップ様が「あぁこんな事も出来るんだ」とお考えになったのか
実際に作業し、トラブルが発生したところでご相談頂く事も多い。
なので今回は「こんな事も出来ますよ」ではなく「こんなに大変なんですよ」的に書いてみようかと。
ただしこれまでのブログ同様、具体的な基板改造箇所、内容等は伏せさせて頂きます。

お預り時の状態。エドワーズ版、スルーネックのホライズンタイプ。
お客様がDIY作業を施して頓挫してしまった状態です。
ご希望としては元のコントロールレイアウトを活かし、新たなスイッチ類を追加せずにサスティナーを
搭載したいとの事。
画像には写っていませんがサスティナー基板からは既にスイッチ類が取り外され、
フロント用の昇圧トランスも破損してしまったとの事。

フロントにはフルモード用ドライバーではなく、サスティナーライト用のハムバッカータイプが
載せられています。
リアはダンカンTB4かな。

裏面はこんな感じ。
※ギター雑誌やネットでギター改造の際、キズ防止のマスキング施工を一般的なマスキングテープを
貼りまくっている画像を見ますが基本的にお勧め出来ません。
ラッカーやツヤ消しですと確実にテープ跡が残ります。

まずは全バラシ。
マスキングテープ跡は非常に浅かったのでバフ掛け+ワックスで消す事が出来ました。


一般ユーザーがここまでザグリを掘るのは大変だったろうなぁ…
後ほどお聞きしたのですがザグリ箇所にはニスを塗られたそうです。

まず自分が悩んだのはこの基板収納ザグリとトレモロザグリの近接状態。
これではコントロールパネルの落とし込み部=パネル設置部の確保がかなり難しい。
個人的に変なプライドでココは絶対に貫通させたくない!と心に誓う(笑)
自分が一から作業する場合、おおよその基板ザグリの位置を決めてから蓋=パネルの
位置、形状から着工します。基板ザグリの位置関係はパネル内に収まれば良いわけで。
その面で今回は逆行する難しさも追加と言える。

新規にコントロールパネルを制作するにもポット類が収まるネック側は基本的に新たな加工は必要無いので
純正パネルをお預かりし、前部はそのパネルを元にして新規のパネル形状を検討します。
が、

純正パネルの落とし込み量(深さ)がかなり深く、見た目で気になるレベルだったので…

悩みましたがワンオフのオリジナル形状を制作する事にしました。
まずはちょっとでもラク?する為に既存のザグリ・パネル冶具をあてがってみる。
やはり範囲、形状共に参考に出来そうな物は無い。
いつも通り神様はラクさせてはくれないらしい(笑)

意を決してパネル形状デザインに入る。
ボディーにはエアブラシ塗装等で使われる「マスキングフィルム」を貼ります。
マスキングテープに比べれば粘着力が弱いですがラッカー塗装では跡が残ってしまいます。
したがってラッカー塗装にザグリ加工等でどうしても貼る必要がある場合は作業時のみ、
出来るだけ短時間しか貼らない様にしています。

トレモロザグリとの境界線にはフィルムの上にマスキングテープを貼って
デッドラインを設定。
必要箇所を覆い、形状もなるべく普通に見える様にパネル形状、ザグリ冶具形状を書き出します。

デザインが決まればアクリルクリアー板を両面テープで貼り付けて形状を写します。

ザグリ用冶具を制作、そのうえでパネル元型を制作。
試し掘りしてパネル元型を微調整。
この作業だけでほぼ丸1日掛かってしまいました。

ザグリ冶具を作るのはさほど時間が掛かりませんがパネル元型が大変。
僅かに大き目に削り出し、試し掘りのザグリに合わせて微調整していきます。
あまりにカッチリ嵌る様に作るとパネルの脱着が難しかったり、最悪は壁面の
塗装浮き、剥がれの原因にもなります。
ザグリ箇所の切り立った塗装角も僅かに丸めて面取りしますがパネルのサイズ感も重要。
大体は角のRの部分にワザと隙間を少し作って爪の先端ぐらいがパネルに引っ掛かる様にしています。

パネル落とし込みザグリ加工完了。

これでコントロール部を覆うパネル問題は解決したものの、どうしてもお客様施工の
ザグリが気になる。
形状や壁面底面の凹凸は勿論だが塗られたニスが気になる。
後に塗る導電塗料が食い付く様に粗めのペーパーで剥がすつもりではいたが
その作業の大変さを考えたらゾッとする。
幸いトレモロザグリとのデッドラインにはまだ僅かに余白がある。

なので慎重に位置決めして新たに基板収納ザグリを施工。
少しニスが残ったがこれぐらいならペーパーで落とせるレベル。

バッテリーボックス収納ザグリも掘ってボディー裏面のザグリ加工は終了。

次にボディー表面、フロントのフルモードサスティナードライバー収納スペースを加工。

スルーネック&アーチドトップ。つまりフロント周りのザグリ加工が困難になる条件が全て揃っています(笑)
物凄い嵩上げ&慎重な冶具水平出し、確実な冶具固定が必要。

パネル元型をあてがってビス位置を決め、パネル、ボディー共にビス穴を開ける。

ボディーのビス穴を開けてた時に「やっちまった」事に気付く。
後ろ角のビス位置が見た目に違和感の無い位置だとジャック部に貫通する。
ボール盤のビットを下していて急に軽くなる抵抗感…
夕闇迫る作業場で「あぁ…」と一人天を仰ぐ(疲)

まずはパネルのビス位置変更。
マスキングテープを貼っている箇所がやっちまった穴の位置。

やっちまったビス穴を埋め木するついでに純正パネルのビス穴も埋め木。

新しいビス位置は勿論ジャック穴と干渉しない(笑)

続いて導電塗料を塗る。
ピックアップザグリに塗ってからコントロール部施工前にポット穴をマスキングテープで塞ぐ。

コントロールも塗布完了。
これにてボディー側の木工加工が終了。

と、思いきや、
最初からずっと気になっていた、ピックアップザグリに導電塗料を塗っていて我慢出来なくなった
トレモロのピッチシフトキャビティー。
昭和世代のソロイスト大好きHR/HMオサーンとしては「ソロイストのピッチシフトキャビティーには
何らかの緩衝材を貼るべし」と思い込んでいるのでこの塗装剥き出し水砥ぎバフ無し塗りっぱなし状態が許せない。

なのでウレタンシートを貼る。
弱めの両面テープで貼っているのでもしお客様は気に入らなければ簡単に剥がせる。

さて、前置きが超絶長くなってしまいましたがサスティナーの組み込みに入ります。
実はボディー側を着工する前にお預かりしたサスティナー基板を別のサスティナーギターへ
組み込んで動作チェックを行っておりました。
スイッチや昇圧トランスを外す際に基板のプリントパターンが数か所剥がれていましたが
剥がれの常連箇所を修復してテストしたら正常作動しました。
その確認後、今回の組み込みスペックに合わせて改造。
仮組みでの動作チェックではサスティナーも駆動条件が厳しいながら何とか合格ラインで一安心。
いつもはこの仮組みから困難な作業が始まるのですが。
今回神様はザグリ周りでの苦労を見ててくれたのかな?(笑)
…なんて甘い妄想だったのですが…

で、仮組み時に気になったのがトレモロスプリングハンガービスのズレ。
コントロールパネルとの兼ね合いでお客様に今後トレモロスプリングのバックパネルを付けるか否かを
事前確認したところ、付ける事は無いとの事。
つまりこの歪んだトレモロスプリングが常時見える事になる。

スレの酷い1弦側のビス穴を埋め木。そして空け直し。
おそらく元穴は現行フロイドローズ付属の大陸製の香りが色濃いメッキが施されていない
怪しげなハンガーのビスピッチだと思う。
それでいて付けられたハンガーはビス穴ピッチの合わない国産汎用サイズだったが為に
ビスを斜めに入れて乗り切るつもりだったかと予想。

ハンガーも常用するGOTOH製に比べれば金属の肉厚が薄いのでついでに交換。
(左が純正、右がGOTOH製)

と、ここまでは順調だったのですが…
基板上の通電LEDの高さ=出っ張りを少し低くしようと、そしてフロントPUの音色コンデンサーの
値を変更と普段なら何でも無い作業を行ったら、
サスティナーの悪魔が突如現れた。
どうって事無い作業しただけで突然正常に駆動しなくなってしまった。
はいはい。また基板のプリントパターンが何処か剥がれたのですね?
探して直せば良いんですよね?
なんて思いつつ不具合箇所をテスター当てながら探す事…
数時間…気付けばほぼ半日…
決定的な不具合箇所が見付からない。
とりあえず正常駆動する様にはなったけど基板に指で軽く圧力を掛けるとダメ。

で、現実的に考えた。
このまま終わりの見えない剥がれ探しを続けて、運良く全ての問題個所が見付かって修理出来ても
また別の箇所でトラブルが出る可能性もある。
お客様へ納品してからだと大変だ。
結局無駄な宝探しを何時間も続けるのはヤメて当店在庫のテスト用基板を同スペックで
組み上げる。この方が時間の使い方は有意義だ。
組み上げ完了。まぁそりゃぁ問題無く動きますわな(笑)

つまり基板からスイッチや昇圧トランスを外すタブーを犯す事は
この類の突然現れる症状にも向き合う覚悟が必要だと言う事。
今回は1枚だけ残っていたテスト用基板と言う救世主に救われたが
メーカーは基本的に基板だけ、ドライバーだけと言ったバラでの販売は行っていない。
したがって今や貴重なサスティナーキット自体を無駄にしてしまう可能性も有る。
改造する前にそのリスクをよく考えて欲しい。

トレモロハンガービスもこんな感じ。
歪みが無くなってスッキリした。誰が?⇒俺が。(笑)
これなら常時見えていても気にならないでしょう。

パネル元型より黒のツヤ消し1Pで本番パネルを製作。
この冶具類は後ほどお客様名も記入して保管します。

本番パネル取り付け。
ボディー裏面から面位置少しマイナスの高さで狙い通り。

ようやく完成!

これが全体像です。

1VOL、3ミニトグルスイッチのレイアウト。
ボリュームの並びはサスティナーのON/OFF、モード切り替えスイッチ。
ボディー端がサスティナーOFF時のピックアップセレクター。
ボリュームポットはキルポット。

リアPUは元から付いていたダンカンTB。
一度分解して磁極を入れ替えてから組み上げ、ロウ浸け済み。
配線レイアウト=基板への入力経路は4パターン試して一番駆動の良いパターンを採用。

サスティナードライバー下には59Jr。
サスティナーOFF時、フロントPUとして機能するのはこの59Jrです。
このレイアウトでサスティナーをしっかりと駆動させるには基板の信号経路を改造する必要があります。
ただ付けただけ、配線しただけではサスティナーONで発振=高周波ピーピーノイズ祭りです。

ドライバーには桜カラーのLEDを埋め込み。
サスティナーON時のみ点灯。

ロードテストで電池が無くなるまでサスティナー起動で放置、それでも問題が発生しないかの
耐久テストです。
問題無かったので最終セットアップに入ります。
肝心のサスティナー駆動は一番動きが鈍い1弦のハーモニクスモードのローフレット近辺も駆動OK。
電圧の減っていない新品に近い電池なら1弦解放ハーモニクスモードもかろうじてOK。
お客様からお預かりしていた弦に張り替えるのですがこれまた気になっていたテンションバーの
ビス。近年のフロイド付属はコレですがトレモロスプリングハンガー同様、見慣れた類のメッキが施されていない。
ホームセンターで売ってる「ユニクロメッキ」仕上げと同じ物。
なのでGOTOH製ビスへ交換。
実際にリペア作業をさせて頂いた事があるのですがこのビス、柔らかいのか簡単に+のネジ穴が崩れます。
弦交換の際は外す事も多いので耐久性を考えれば要交換です。

仕上げで張った弦はお客様お持込みのダダリオNYXL。
毎度の事ながらNYXLはサスティナーの食い付きが良く、言い方が難しいのですがサスティナーの効きが少し弱い
「節」みたいな箇所が無くなるか症状が軽減されます。

NYXLでオクターブピッチ等をチェックしてようやく最終セットアップが完了。
基板のパターン剥がれと格闘しまくりでしたが良い感じで仕上がったかと思います。

おそらくこのブログを見てでも自分でやってみよう、この仕様で馴染みのリペアショップへ依頼しようと
お考えの方は出るでしょう。
この仕様でサスティナーを正常駆動させるのは決して簡単では有りません。
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Godin MULTIAC STEEL ブリッジアース施工編
2020-09-26
少し前の事なのですが職業ギタリストのGodin MULTIACのブリッジアース加工を作業させて頂きました。お預かり時はブリッジピンをブラス製へ交換され、各弦に導通が出る様へ銅箔テープをブリッジ表面に貼る
等かなり工夫されていました。
職業ギタリストでなくともブリッジアースが取られていないエレアコのノイズの問題は明らかなのに
何でメーカーは手を打たないのか不思議。
確かにダイレクトボックスで信号変換してPAへ送れば気にはならなくなるかもしれませんが
皆がそんな環境で弾いているわけではありませんし。

で、ブリッジ裏側へアースプレートを現物合わせで制作して取り付けなのですが…
普段施工機会の多いアコギにPUが付いた物と違い、ブリッジピン間にピッチが少し狭いんですね。
要は普段使っているプレート制作用の冶具が使えない。
そしてブリッジ直後にLRバッグスのPUが付いているので貼りつけ面積も限られる。
こんな時はアルミテープや銅箔テープの様に形状変更に融通が効く素材で作ればラクなのですが
弦交換を繰り返し、常にボールエンドを押しつけるとテープ素材は簡単に破れてしまいます。
やはり作業するには耐久性を求めたいので多少面倒でしたが0.5ミリのステンレス板で
アースプレートを制作。

取り付け完了の図。
使用したステンレス板は裏面に最初から両面テープ的な物が貼られていましたが粘着力が弱そうだったので
強力両面テープでしっかり固定。
アース配線はすぐお隣のLRバッグスの出力線へ繋ぐ事も考えましたがハンダ付けの際の熱で
LRバッグスのホット線ビニール被膜が溶けて短絡するとマズイ。
ボリュームポットの背中はポットを外して取り出せばハンダ付け可能ですが内部配線材が
配線クリップでガッチリ固定されていたのでポットを外す作業自体を断念。
結局ジャックまで引っ張ってアーシング完了です。

ブログに書く事は少ないですがエレアコのブリッジアース作業はご依頼頂く機会が多いです。
残念ながらナイロン弦(ガット弦)はこの手法は使えませんがアースのノイズでお悩みの場合は
一度ご相談下さい。
まだまだ演奏環境は厳しく、演者やそれに携わる皆様はご苦労されているかと思います。
1日も早く元の環境に戻る事を私も望んでおります。
がんばりましょう!耐えましょう!
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サスティナーキット入荷のお知らせ
2020-09-24
約2年半ぶりにサスティナーキットが2セットのみですが入荷しました!
簡易包装になり基板も半固定トリムの位置が変わっていたりフロント用昇圧トランスの
取り付け面が変更されていますが従来型と大きな仕様変更は無さそうです。
(まだ時間を掛けてチェックはしていませんが)
ただハンダ面の基板プリントパターンはしっかりした感じですし個人的には品質は明らかに
向上していると感じています。

尚、今回よりON /OFF、モード切り替えスイッチが従来の黒からクローム=銀色へ変更となっております。
黒のスイッチは既にメーカー廃版ですのでスイッチの色変更はお受け出来ません。

キット価格は定価35000円に消費税加算で38500円になります。
取り付け工賃はギターや仕様によって異なるのでお問い合わせ下さい。
当店の性格上、取り付け前提での販売とさせて頂きます。
キット購入のみは申し訳ありませんがご遠慮願います。
もちろん次回入荷未定で御座います(笑)
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【臨時休業のご案内】
2020-09-17
下記日程にて遅めの夏季休業とさせて頂きます。9月18日(金)~22日(火)
期間中のお問い合わせ、ご来店予約はメール、Facebookメッセンジャーでお願いします。
tonegarage@nifty.com

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【お盆期間営業のご案内】
2020-08-07
【お盆期間営業のご案内】8日(土) 通常営業
9日・10日 日曜祝日定休
11日・12日 通常営業
13日(木) 定休日
14日・15日 通常営業
16日(日) 定休日
暑い日が続きますが皆様ご自愛下さい。

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かなりレアなFGZ-1200Sをフルレストア!唯一のCD-100Hドライバー搭載機編
2020-07-16
まずは臨時休業のお知らせです。18日(土)は所用により臨時休業とさせて頂きます。
来週は連休ですが
23日、24日は祝日休業、25日(土)は通常営業、26日(日)は定休日です。
さて、今回はその生産数が少ないが故に近年は目にする機会がほとんどない
レアなサスティナーギター、FGZ-1200Sを作業させて頂きました。

お客様は長年使用されており、フレットの摩耗等この度は徹底的にメンテナンスを
お考えとの事でしたのでご期待の応えるべく「気になる所は全て手を入れる」コンセプトで
作業させて頂きました。

自分の記憶ではこのプロパー製品としてはFGZ-1200Sにしか搭載されていない
CD-100Hドライバー!
CD-100のハムバッカールックス版みたいな派生ドライバーです。

まずはネックに着手。
少し波打っていたので徹底的に指板修正します。
ちょうど梅雨時なので湿度との戦いでした…
でも久々にインディアナローズ指板に感激!
まさかFGZで出会えるとは。
指板修正に入ってすぐに「ん?この削り粉の色、質は??…」
防塵マスクを外してダイレクトに匂いを嗅いでみる。
「あーコレコレ!この鼻の奥にズンッと突き刺さる刺激臭!インディアナさんご無沙汰!」
ってな感じで鼻かんだら紫の鼻水出るまで嗅いでやりました。(←変態か)

フレット打ち完了!
純正フレットと同じサイズではなく現代風にアップデートすべくJESCAR#55090をチョイス。

さて、ボディー側へ進みます。

ボリュームとトーンはCTSにするのでポット穴を拡大してから

導電塗料塗って有線でアーシング。

導電塗料終わって次の段取りを考えながら眺めていたら
ピッチシフトキャビティー底面のウレタン劣化がどうにも気に入らなくなってくる。
トレモロ載ったらあまり見えないので気にならない箇所ではあるのですが…
ま、このウレタン張り替えてもお客さんは気付かないかもしれないが徹底的レストアなので
張り替えるか。そんなに時間も掛からないだろうし~~

って思い剥がしだすと…
ウレタンが劣化により粘土化していてかなり苦労する…
だいたい毎回そうなのよね、余計なお世話的作業に入ると何かしらのトラップが潜んでいる(笑)

張り替え完了!
あースッキリした。

で、サスティナー基板もゲインアップやら音色変更、バッテリースナップはCLIFF化等のお約束
フルチューンで組み込み完了。
すると今度は保護ビニールの固着跡が汚いコントロールパネルが許せなくなってくる(笑)
で、削り出しで作りました。

裏面にはアーシング用のテープ貼って。

サスティナー駆動はパワー感、レスポンス共にかなり良い感じで組めました!

リアPUはダンカンTB-4です。
画像はありませんがPU本体を一度分解して位相反転、組み上げてロウ浸けしています。
当ブログを見てなのかユーザー様自身や他店様がダンカン付けてモード反転、発振止まらず等の
ご相談を頂く機会もありますがやる事やらないとダンカンもディマジオもサスティナーは正常に
作動しません。

で、このCD-100Hですが上にも書きましたが当時のフルモードサスティナー用ドライバー最新版で
あったCD-100をハムバッカーケーシングの真ん中に設置した物になります。
ドライバー自体の基本構造はCD-100と同じです。
サスティナーの駆動条件ではドライバーの中心~リアPUの中心までの距離が重要になりますが
このFGZ-1200Sは100ミリ確保出来ているので問題ありません。
個人的なデータとしては90ミリより短くなると危険水域突入です。
したがって駆動条件面でCD-100Hはミディアムスケールや24Fギターに載らなかったと。
結果的にこのFGZ単発で姿を消してしまいました。
HIDEモデルのMGみたいにダミーPUカバーとの組み合わせよりはスッキリしたルックスなので
残念ですね。

徹底的にこれからも長く弾ける様にフルレストアする。気になった所は全て手を入れる。
なのでトレモロスプリングハンガー&スプリング、劣化していたビス類全てに至るまで交換させて
頂きました。
本音を言えばタケウチ製トレモロも交換したいのですが現状大きな問題を抱えていない事、
タケウチ社が廃業してからかなりの時間が経過しており交換本体、交換パーツが入手不可なのが残念…

大きな問題を抱えていないとは書きましたが3弦サドルは弦ロック機能は果たしていますが
弦ロックブロック裏側は割れていました。
タケウチ製トレモロは某オークションでたまにコンディションの良い物も出品されているので
お使いのギターに搭載されているなら機会が有れば、値段の折り合いがつけば入手される
事をお勧めします。
今回のお客様もお引き渡し時にこの画像を見て頂き状況をご説明させて頂いた後、
将来の交換用として同型トレモロを入手されたとの事です。

久しぶりのサスティナー関係でしたが依然としてサスティナーキットの入荷予定は未定です。
今回の様なレストア作業、ゲインアップ等のモデファイ作業は常時受付しております。
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YAMAHA RM-PROⅡ ロッキンマジックプロⅡのアームホルダーをフロイド化する編
2020-07-04
今回はかなりのマニアックネタです。興味の無い方には申し訳ない。
往年のヤマハのトレモロ、ロッキンマジックプロⅡです。

作り込みから判断するに今は亡きタケウチ製か某大陸製かと。
時代背景を考えればたぶんタケウチかな?

ご依頼頂いたのはアームバーのガタ付きを何とかして欲しいとの事。
トレモロ自体の他社載せ換えもお考えでしたがTRS系のタケウチ然り現行フロイドやゴトーへの
載せ換えは容易ではありません。
出来ない訳ではありませんがピッチシフトキャビティーの形状違い等、見た目に問題も出るので
余程の場合で無ければ基本的には現状トレモロのメンテナンス等で乗り切りたいところ。
今回はベースプレートの形状は問題無いもののスタッド周辺の寸法等で問題が有り、
載せ換えはこのトレモロが本当に駄目になった時と言う事になりました。

まずはアームホルダー部を分解。
ブラスのスリーブ筒への締め付け=押し付けでアームバーの回転トルクを調整する仕組みだが
軽金属のスリーブは経年劣化で開いたり摩耗してしまうとテンションを掛けてもトルクは変動しなくなる。

アームバー先端は板バネでカチッと固定されるがココは回転トルクには関係ない。

したがって普段よりこの手のアームバーのトラブル時には現行フロイドローズのバーとホルダーに
載せ換えている。
が、
今回はホルダー部がサスティーンブロックと一体型。
まぁタケウチ製は大体こんな構造なんですが。

サスティーンブロック自体それほど硬い金属ではないので既にブッタ切り構想で
どこをどう切るか、どう切れば強度にも影響無く加工出来るかを思案中。

まずは分解。

このトレモロはファインチューナー作動時、サドルを押し上げる為の板*ばねネプレートが無い構造だが
代わりにブロック直下に小さなスプリングが入っているので分解時は要注意である。
何年か前に常連様よりこのスプリングだけを手配して欲しいと言われ、バネ屋さんをハシゴした
事を思い出す。

しかしヤマハと良いアイバニーズと言いメーカーオリジナル系トレモロはパーツ点数が多い。

製造コストもかなりだったでしょうね。

このプレートを止めているビスの何本かはプラスの溝が崩れている。
普段表には出ない部分なので製造時の組み込み方かと。
組み込み時には別のビスに交換予定。
見えない場所ですが個人的にこういうのは嫌いなので(笑)

ようやく主役に辿り着く。

サドルは完全分解せずともこのパーツ点数!

さて、どこでカットしようか…

カット位置決定。

いきなり金ノコ入れると位置ズレするので取っ掛かり位置は目立てヤスリで少し削る。

さぁ長い旅路の始まり(笑)

とは言えブラス製らしくあまり苦労はせずにノコギリ作業は進む。

けど…ある程度ノコ刃が深く入る様になると抵抗が大きくなる。
なので久しぶりの機械油登場。

綿棒に染み込ませて必要な溝の中だけに流し込む。

あと少し…あともうちょい…

小一時間掛かってカット完了!

サスティーンブロックが一段落したのでベースプレート側へ。
まずは在庫のクロームのアームバー一式をあてがってみる。
ベースプレートの穴に対してフロイドのホルダーの方が少し細い…
しっかり締め付けても空回りしてしまう…

試しにノルトロックを使ってみるが強い力でバーを回すと滑る…

色々試した結果、M8の座金ワッシャーが一番良いと判断。

サスティーンブロックとの位置感も絶妙なクリアランスでクリア!

が、端lっこだけ僅かに飛び出すので座金ワッシャーを少し削る。

ホルダーの件が片付いたので本組み込み開始。
M3の平頭ステンレスビスを買ってきた!

組み込み完了!
既に発注済みのフロイドアームゴールド一式が中々来ない(笑)

ゴールド一式が来ないとホルダーも完全に新品へ交換したいのでギターへ組めない。

やっと入荷。
組み込み完了!

アームの回転トルクのバッチリ!

ギター本体は5~6年前に徹底的に作業させて頂いたKK-1でした。
今回はフロントPUの換装も含めて作業させて頂きました。
以前作業させて頂いたギターが大切に使われているのを見るとやっぱり嬉しいですね。
指板にオイル入れたり現状のフレットに合わせてオクターブ取ったりしながら考えるのは
また数年後に会いましょう!みたいな。

これを書いている今日7月4日、今朝方の九州豪雨で甚大な被害が出ない事をお祈りしております。
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FENDER JAPAN ST72-R.Blackmore こだわりと個性の詰め込まれたストラトを徹底的に作業した編
2020-06-13
自粛ムードが少し和らいだ?と思った瞬間に梅雨入りしましたね…梅雨入り前ギリギリに何とか近年モノ数本のフレット交換を終えて一安心なトーンガレージです。
このブログを書き終え、来週からは梅雨の湿度なんざ関係ナシのヴィンテージ物を作業します。
近年モノは指板修正時に湿度や乾燥で木が動く物が多いですがヴィンテージは個体差はあれど
削ってる最中に雨が降り出そうが雪が降るほど冷え込もうがほぼ動きませんので。
さて今回はセンターレス2シングルのストラト…
クオーターパウンドではなくレースセンサー…

ローズ指板にスキャロップ、

イングヴェイと違い掘り込みが不均等なスキャロップ、

そしてストラトなのにセットネック!

そう。ブラックモア御大モデルを徹底的に作業させて頂きました!!
いやぁ~中々に難儀しましたよ(笑)

まずはフレット周りから着工。
セットネックなのでレスポール等と同じくクリアファイル改でマスキング。
実はここに至るまでに一苦労ありまして。
トラスロッドが締め切りいっぱい、それでいて少し順反りだったのでビュレット抜いて専用スペーサーを
削り出しで製作、スペーサー挿入で何とか締め方向に少しだけ余裕を持たせる事が出来ました。
故に本格的な作業着工が可能になったワケです。
ロッド締め切りで何ともならないネックならどんなリペアも施す意味は無いので。

で、指板修正。
当たり前だが指板修正で指板を削ればスキャロップの形状が崩れるわけでして。

指板のストレートを確保したらスキャロップ形状を整えます。
丸棒にサンドペーパー貼って深さとフレット根元の形状修正。
6弦側から1弦側へ向かうにつれ深く、ヘッド側からボディー側へ向けて深く…
イングヴェイと違ってかなり難しい作業です。

スキャロップ形状修正が終われば研磨キズを消すべくスポンジ研磨剤で研磨。
研磨しているうちに自分が入れた研磨キズと生産時のキズが入り乱れて
終わりの無い戦いが始まる。
結局は全てのキズを消すよりはスキャロップの形状を崩さない事を重点に仕上げるのですが。

ようやく指板修正終了。
普段の数倍時間が掛かりましたが(笑)

フレット打ち完了!

すり合わせを終えて指板にオイルを入れたらネック周りは終了。
…なのですがオイル入れたらスキャロップの研磨キズが数カ所どうしても気になったので
結局再研磨しちゃうと言う…

何とか特徴的なスキャロップ形状は維持したまま仕上げる事が出来ました。

さて、ここからはボディー側へ着手します。
まずは導電塗料塗布。

ブリッジは酷いサビ等は出ていませんでしたがそこそこ劣化しているので全分解して
クリーニング。

サドルの弦高調整イモネジ、6本のスタッド全て交換。
サドルのイモネジは最終調整が終わらなければ適正な長さが見えないので暫定で
純正同長のビスを取り付け。
スタッド1本が極端にサビていたのでその箇所のみサビ除去の意味合いでスタッド穴拡大⇒
埋め木⇒空け直し作業を行う。

お次は電気系。
お客様お持込みのレースセンサーへの換装、ポット類は全てCTS=スムーズポットへ交換。
レバースイッチは信頼のVLX。

作業前の状態。

組み込み完了。
ここだけの話、VLXレバースイッチをボォーっと生きていた自分はうっかり5段を手配していた(笑)
なので発注やり直しの都合、上の画像からココに至るまで2日を要した(笑)

ピックガード付けて音が出る様になってからナット製作。
純正同様のデルリン素材では高域が丸いのでお客様と打ち合わせのうえ無漂白牛骨で。

ちなみにペグは元からロック式。

この埋め込み式ストラップピンやロック式ペグ、不均等スキャロップ、セットネック…
本当にリッチーのこだわりが詰め込まれたストラトですね。

セットアップで弾いてみて改めて感じるけどスキャロップはイングヴェイモデルよりこちらの方が
弾き易い…と言うか違和感が少ないと言うか…

こっちの方が理にかなってるんでしょうね。たぶん。
加工はかなり大変ですけど。

弦高が決まったらサドルのイモネジの長さを最適化。
一般的なプレスサドルより70年代ブロックサドルの方がイモネジの突き出しが気になり易いので
余計な突き出しを無くならせるだけで快適にミュート出来ます。

やはり出音も普通のストラトと違う。
音の拡がりが抑えられつつも立ち上がりの速さ、普通のストラトには無いソリッドな高域。
以前フェンダーカスタムショップ製のスルーだったかセットネックだったかのストラトを作業したが
レスポールチックにボディーがメイプルトップのマホバックだったのでサウンド的にはストラトから
遠ざかっていた。
それだけにアルダーでセットネックのこのストラトは新鮮且つストラトの範疇を越えていない。
個人的にはリッチー云々抜きにしてアリだとは思っている。

このブログを書くにあたってBlackmoreのつづりが黒に「人を~憎むぅ~弱さを~みた~」のモアで
スペルが合っているかを確かめるべく「リッチー…」でヤフー検索したら変換候補が
リッチーブラックモア、リッチーサンボラ、リッチーコッツェンの順だった(笑)
リッチーから始まる名前の著名人はギタリスト以外に居ないのか?
はたまた自分のヤフー検索だからこの変換候補なのか??
つーか全員使用ギターが個性的なリッチーさん達ですやん。全員フェンダー使いやし(笑)

鉄キャップアームなれど長さが普通。
ロングアームってまだ入手出来るのだろうか??
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Rickenbacker325 リッケンバッカーのPU高さ調整スペーサーを削り出しで製作する編
2020-05-23
久々のブログ更新になります。緊急事態宣言は解除されましたが当面の間は接客時マスク着用、窓全開を維持するつもりです。
今回はリッケンの325の12弦を作業させて頂きました。
フルメンテナンスでのご依頼でしたがペグの修理や曇ってしまった塗装面など結果的には割と大掛かりな
作業となってしまいました。
そんな中でもセッティングで重要なPUの高さ調整に関わる純正クッションスポンジを何とかしてみよう!の
ご紹介。

ピックアップ下にはクッションスポンジが挟まれてはいます。
PU固定ビスの締め込み量によってこのスポンジが潰れ、PUの高さを調整(調整ってほど調整幅は無い)
する構造ですが…

ウレタン系?スポンジなので当然へしゃげてきてしまいます。

とりあえずボディーがら剥がす。
塗装と固着している部分もあるのでかなり慎重に剥がしました。

こんな感じでピックアップの圧力でへしゃげた部分がお分かり頂けるかと。

当然同じ様な素材のスポンジへ交換するつもりはありません。
まずはピックアップのシャーシーを外します。

シャーシーと同形状の治具をアクリルで削り出し。

治具を元に黒1P=厚み2ミリのピックガード材で大量削り出し(笑)
こんだけ有れば足りるやろ?的な。
このスペーサーの枚数調整でPUの高さを決めます。

ピックアップのシャーシーと接する1枚は固定ビスがラッピングスクリューなので同サイズで
タップ切りします。

組み込み前。

アースラグをシャーシーと六角ナットに挟み込む形でアースが取られていましたが
六角ナット代わりのスペーサーとシャーシーの間に1ヶ所だけ隙間が空くのは美しくないので
銅箔テープを使ってシャーシー取り付け前にアースを確保。

ピックアップの組み込み完了。

ピックガー材なのでへしゃげる事は無いし塗装へダメージを与える事も無い。

数パターン試してフロント1枚、リア2枚は一番音量バランスが良かったです。
元々12弦なのでピックアップを上げてパワーを稼ぐジャンルのギターでもないですし。

そしてリッケンお約束の上下2段のピックガード。
毎回コレの固定には悩まされます。
ストラップピン用のクッションが挟まれている事もあればゴムチューブをカットした物を
ビスに巻いている事もある。
今回はストラップピン用クッションでしたがそのままだと白のピックガードから透けて見えるので
1クッション追加します。ナイロンワッシャーです。
そのままだとツルツル滑って3箇所の取り付けが大変なので薄い両面テープで位置止め。

これにストラップクッションで透けて見える事は防げたかと。

実は塗装のクリーニングにかなり苦労しました…
長年ハードケースの中で眠っていた為か塗装表面はザラつきさえ感じる程の劣化具合。
バフ掛けでは塗装の焼き付きのリスクが有ったのでチネチ手作業で仕上げました。
ギター磨き過ぎて筋肉痛になるとは思いもしなかった(笑)

そうそう。
最近のブログでジャックの六角ナット締め付けを書きましたがリッケンはジャックプレートが
落とし込み仕様なので普通の#13六角ソケットは使えません。
なので当店はリッケン用に改造した六角ソケットを常備しています…って言うてもリッケンほとんど来ないけど(笑)

リッケン325の12弦は弦張りが大変です。
1~3弦側は副弦から張るのがコツと言えばコツなのかも。

緊急事態宣言解除翌日の昨日から突然車の量が増えましたね。
いよいよ経済活動再開の兆し?なのでしょうか。
通勤退勤の両方でコンビニに寄りますが朝も夕方もマスク無しでお買いものされている方が…
自分は宣言解除になったからと言っていきなりノンマスクお買い物までの根性無いわ(笑)
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連休期間休業のご案内
2020-05-02
遅くなりましたが連休期間休業のご案内です。明日3日(日)~6日(水)まで休業とさせて頂きます。
7日(木)より通常営業です。
ご来店予約、お問い合わせお待ちしております。
休業期間中はメールにてご連絡願います。
tonegarage@nifty.com

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シャーラーストラップロック現行品、「S-LOCKS」のストラップ側取り付けに一工夫してみた編
2020-04-18
遂に緊急事態宣言も全国規模になってしまいましたね…新規のお問い合わせもめっきり減ってしまいした。
今のところ5月の連休以降はド暇になりそうな予感…
ま、ずっと出来なかった木工作業場の掃除や整理でもするか?
なんてお気楽な事を考えてはおりますが我々みたいな極小個人事業主はどうしたらエェんですかね?
「明けない夜は無い。だから今は耐えよ。」みたいな事も言われてますが
このままでは夜中のうちに死んじゃう事業主も多いぞ?きっと。
ま、愚痴っても仕方ないんですけどね。
さて、今回はストラップロックの定番、シャーラーのSロックについて書いてみます。
数本のストラップ側取り付けのご依頼頂きました。


S-LOCKSなる新型にモデルチェンジして有る程度時間が経ち、ようやく最近新型も目にする
機会が増えてはきました。
画像左が従来型、右がS-LOCKS。
ストラップ表側の締め付けパーツが異なります。
新型はワッシャー無しで締め付けパーツが大型化、厚みも増しています。
個人的には旧型の六角ナットでの締め付けの方が確実性が高いとは思うのですが…

また本体の高さも異なっています。
左従来型、右Sロック。
高さ=飛び出し量がある分だけギターに付けたままの状態だと型抜きハードケースに入らない、
ギグバックの底に穴が空いた…等等の事情から未だに従来型の方が人気が高いのも事実では
ありますが、大前提としてはケースに仕舞う時はストラップは外しましょう。面倒だけど。

さて、ギター本体側はギターによってはビス穴のサイズ変更等が必要になる事もあり、
普段より取り付け作業をお受けする機会が多いのですが
お問い合わせ時に「ストラップ側もお持ち頂ければ加工しますよ」とは説明させて頂いております。
ん?加工?と思われる方もいらっしゃるでしょうしご自分で作業してストラップ側の取り付けに
苦労された方ならご理解し易いかと。
ストラップの元穴だと従来型、新型問わずにロック本体はきっちり入りません。
ねじ込んで入れても捲れ上がった部分が邪魔をしてしっかりロック本体を確実に締め付けられません。
そして締め付けが緩いとギターに付けての使用時に簡単に緩んできます。コレはかなり危険!
旧型で気が付けば締め付け六角ナットが外れて抜けちゃったなんて経験された方もいらっしゃるはず。
一番多いのはロック本体とストラップの角度が変わってたりですかね。本体とストラップの「滑り」が原因ですが。
なのでまずは革用ポンチでストラップ穴を拡大します。

ポンチをあてがって金槌でガンガン、刃先の当たる角度を微妙に変えつつガンガン叩きます。
「あぁ何だ、コレだけか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
そんな方はホームセンターで#12の革ポンチを買ってきて試してみて下さい。
騒音苦情が来るか「ん?どっかリフォームか工事してる?」ぐらいの打撃音出ますので(笑)
ちなみに薄い合成皮革や人口皮革ならさほど苦労しませんが厚みが有ったり本革だと
1穴開けるだけで一苦労です。2穴で金槌握る握力が失われて手がプルプルしてきます(笑)

左が加工前。右が加工後。

で、穴開けが終われば取り付けなんですけどね。
(ココからは分かり易い様に明るい色のストラップで)
ストラップ裏側はロック本体の面積でしか締め付けの圧力を受ける事が出来ません。
締め付けトルクにもよりますがこの狭い面積も使用時の緩みに繋がります。
本体側にも小さな突起は有るのですがオマケみたいな物で滑り止め効果はほぼ期待出来ません。

で、今回も普通に締め付けしてたんですけど…
ふと目に入ったのが机の上に転がっていたCTSポットサイズの座金ワッシャー!
コイツのギザギザならストラップにしっかり食い付いてロック本体との滑りを止められるかも?
なんて思った訳ですよ。
ロック本体の小さな突起も座金ワッシャーとの滑り止めになら役に立つかな?と。

ロック本体に入れてみたらジャストサイズ!!
机の上が散らかってたからこそ降臨したナイスアイデア(笑)

左が座金ワッシャー有り、右は普通の締め付け。

今後ストラップ側取り付け時には座金ワッシャーはマストアイテムにしようかと。

こんな工夫はしてみたもののS-LOCKSは締め付けトルクに自信が持てません…
一応緩み止めに小さなマイナス頭ビスが締め付け垂直方向へ入れられてはいますが
そのビスの締め付けがメガネの緩みに使う様な精密ドライバーなのでしっかり力を掛けて
締め付け出来ないので…
ココはやっぱり旧型の六角ナットの方が確実かな。
楽しみにしていた5月連休の温泉三昧計画も全て白紙。
STAY HOME SAVE MONEY…何して時間使お…
いっそ仕事しよかな…
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自宅でメンテ!指板オイル、フレット研磨、塗装面クリーニング、六角ナット類の締め直し、ネットでポチるとヤバい物が出回っている編
2020-04-07
いよいよ緊急事態宣言ですか…本当に困った事になりましたね。
音楽、楽器を取り巻く環境もかなり厳しい状況ですが…何とか、本当に何とか乗り切るしかありません。
当店は通常営業しておりますが皆様ご存知の通り、ご来店は予約制ですし私とお客様のみの対面となりますので
俗に言われる3密では密接な距離での会話以外は該当しないかと。
お客様ご来店時は窓を開けて空気が流れる様にしておりますので肌寒い日は少し厚着でのご来店をお願いします。
本来でしたら接客時はマスク着用、店内にはアルコール消毒剤の設置等を行いたいのですが何分入手困難なので
何卒ご容赦願います。
私自身は自家用車通勤で不要不急な外出もしていないので感染のリスクは少ないとは思いますがこれだけは何も確約出来ませんしね…
そんな状況もあり普段ご来店頂いているお客様でも通販リペアでの作業依頼のお問い合わせを頂く事が増えてきました。
かなり前に書いたブログですがお送り頂く際は下記をご参照のうえ可能な限りの厳重梱包をお願いします。
http://tonegarage.blog52.fc2.com/blog-entry-328.html
ブログ通りにガッチガチに梱包しろとは言いません。ソフトケースやギグバックの場合はプチプチ=エアキャップを
グルグル巻きにして下さい。
多少の高さから落としても内部に衝撃が伝わらないぐらいに親の仇の如く超絶グルグル巻きでお願いします。
さて、今回は弦交換の際にでも行える簡易メンテナンスをご紹介します。
こんな状況なので自宅でギターに触れる機会が増えた為か使用するケミカル類や
施工方法等をお問い合わせ頂く様になってきましたので。
以前にも指板オイルの件ではブログを書いてはいますが今一度読んで頂ければ幸いです。

まずは指板(ローズ・エボニー等。メイプルは除く)のオイル塗布。
当店で使用しているのは特に高級なオイルではありません。
ただし「レモンオイル」と称する万能系?オイルよりは指板用に振った商品が良いと思います。
これをキッチンペーパーやウエスに適量垂らします。
決して指板へダイレクトにドボドボをと垂らさない様に。
キッチンペーパー使用時はなるべく柔らかい物をお勧めします。

塗る時は
弦と同じ方向=フレットと垂直方向に塗ります。
指板の導管にオイルを染み込ませるイメージです。

塗り終わったら5分~15分程度放置。長くても30分程度でしょうか。
すると染み込んだ箇所と表面に残った余剰オイルとでムラが出来るかと思います。
僅か2~3分でほとんどのオイルが染み込んだ場合は追い塗りしても良いでしょう。

今度はふき取りです。
ふき取り時は塗った時とは別のキッチンペーパーやクロスで
フレットと平行方向に力を入れずにふき取って下さい。
導管と垂直方向にふき取る事で導管内部にオイルを残すイメージです。
指板オイル塗布はそれ程頻繁に行う必要はありませんが1~2ヶ月には一度ぐらい、
長くとも季節の変わり目ぐらいには施工して下さい。
これは楽器の保管環境でも指板の乾燥程度は変わりますのであくまで参考程度でお考え下さい。

次にフレットの研磨です。
分かり易く言えば鈍く曇ったフレットをピッカピカにしようと言う事です。
用意するのは銀磨きクロスと当て木。
銀磨きクロスは値段もピンキリですが頻繁に磨かないのであればダイソーで売ってる様な物でもOKです。
当て木は木でなくとも構いません。銀磨きクロスを巻きつけてある程度力を入れて磨く事が出来そうな物なら
何でも構いません。

研磨する時は弦と同じ方向=ヘッド⇔ボディー方向です。
画像はバインディング有りのレスポールですが汚れた銀磨きクロスで深追いすると
バインディングの指板面が黒く汚れてしまいます。
残念ながらこの作業で磨く事が出来るのはフレットの頭面だけです。
側面までは完全に磨く事が出来ません。
なのでしつこく研磨しても側面にはあまり効果がありません。
そして今更なのですが指板オイル塗布の前の施工がお勧めです。
銀磨きクロスの汚れが指板に付いた場合はオイルでふき取れるので。
またメイプル指板の場合は指板面をマスキングして施工して下さい。
マスキングテープやフィンガーボードガード、字消し板等でマスキングします。
ただしフェンダーのアメスタ等でよく見られますが指板表面の塗装が白濁して塗装が浮いている
症状が有る場合はマスキングテープの使用は厳禁です、剥がす際に塗装も剥がれてしまいますので。

そして塗装面のお手入れです。
よくケミカルは何を使っているか聞かれるのですが手垢程度や軽い汚れの場合は
リンレイの家具用ケミカルを使っています。
これはラッカー、ポリを問わずに使える便利な一品です!
※わざわざ書きますがベタ付きが出た劣化しているラッカーやツヤ消し塗装には使えません。
そしてメーカーの注意書きのままですが必ず目立たない所で塗装に悪影響が無いか試してから
ご使用下さい。また金属パーツはゴールドを除き影響ありませんが樹脂パーツによっては注意が必要です。
更にわざわざ書きますが当ブログを見て何かしらのトラブルに見舞われても一切責任は負いません。

このリンレイさんは泡状なので使いやすいです。

これも指板オイル同様にキッチンペーパーや柔らかいクロス、ウエスに出してから使用して下さい。
キッチンペーパーをご使用の場合、コストコで売ってる様な頑丈な物は塗装にキズが付きますので
ご注意を。
クリーニング時、ふき取り時はあまり力を入れない様に。
コレで取れない汚れはコンパウンド系やワックス系の出番になります。
その話はまたいずれ。

ふき取り時のクロスはここ数年はフリーダムさんのクロスを使っています。
大判なのでふき取り易いですし性能面も満足です。
ただし新しいうちは毛クズが出やすいので自分は一度水道で軽くすすぎ洗いしてから使っています。

さて、実はここからが一番書きたかった内容だったりします。
皆さんあまり気付かれていませんが六角ナット類が知らぬ間に緩んでいます。
もちろん工場での生産時や当店メンテナンス時にはしっかり締め付けてしますが
塗装や木部の「痩せ」が原因だったり、ジャックやポット等の使用負荷の掛かる箇所
は使用頻度によって緩みます。
なのでギタリスト、ベーシストならソケットレンチのレンチセットを持っていた方がいいでしょう。
ロトマチックのペグなら10番です。(スパーゼルは11番)
緩んでいたら軽く締め付けて下さい。
締め過ぎるとヘッドの塗装が割れますのでご注意を。

ここもよく緩むジャック部。
スイッチクラフトなら13番、国産や大陸製のミリ規格ジャックなら大体が12番です。

面倒ですがジャックプレートを外し、ジャック本体をしっかりと押さえ、空回りしない様に締めつけて
下さい。
ジャックプレートを外さずに締め付け⇒ジャックが内部で空転⇒配線が捻じれて断線⇒
配線修理でご来店⇒毎度有難う御座います!…となりますので(笑)

ポット類はCTSならスイッチクラフトと同じく13番です。
国産小型ポットやEMG純正なら11番、国産大型は12番です。
画像はありませんが(撮り忘れた)言うまでも無くジャック同様、コントロールパネルを開ける、もしくは
ピックガードを外してポット本体をしっかり押さえてから締め付けて下さい。

こんな感じで外出制限下にギターを弾きまくるだけではなく弦交換のついでにでもメンテナンスして
みてはいかがでしょうか?
最後になりましたが常連様をはじめ自宅に長くいるとついネットショッピングでポチりとやりがちな皆様へ
注意喚起です。
昨年秋、年末頃から一部では話題になり、正規代理店も対策に乗り出してはいましたが
いまだにエリクサーのニセモノが出回っております。
主に密林ですが以前は出品者が中国人と非常に分かり易かったのですが最近はソレっぽい
ショップ名で販売されている様です。
3パックセットで他よりも明らかに安いエリクサーは絶対にポチらないで下さい!!
そしてつい最近ご来店頂いたお客様から頂いた情報ですがコルグのクリップ式チューナーも
要注意です。
たまたま自分も同じ物をマンドリンやウクレレ作業用に持っていたのですが…

これは液晶下にコルグの刻印がありますがニセモノには刻印が無いそうです。
しかも商品ページには刻印有りのホンモノ画像が使用されているのに届いたら刻印無しで
取説はオール中国語…
まぁネット通販アルアルではありますが他より明らかに値段が安い物にはご注意を。
一刻も早いコロナ終息を心より願っております。
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CTSロングシャフト500kΩのキャップ開き防止策。アーチドトップLPにしっかり取り付けるにはこれしかない編
2020-03-21
COVID-19のお陰で大変な事になってますね…当店は御存じの通り来店予約制ですし多人数が集まる事も無いので特に営業縮小、自粛等はせず、
至って通常営業しております。
もし来店予約を頂いているお客様で当日の体調に問題がありましたら予約変更、キャンセル等は
遠慮なくお申し付け下さい。
一刻も早い終息を願っております。
さて、今回はマニアックでありながら意外と重大なトラブルシューティングについて書いてみます。
レスポールを始めとするアーチドトップギターで多用するCTSロングシャフトポット。
以前はレギュラーラインのCTSだけでしたが現在はカスタムCTS製もラインナップされています。
当店ではノーマルシャフト同様にカスタムCTSしか使用しませんが従来型、カスタムCTS問わずに
最近はやっかいな症状が発生しています。

少し前から見受けられる様になった症状なのですがアーチドトップのギターに
「しっかりと六角ナットを締め付けて取り付るとポットのキャップが緩んで外れてくる」症状です。
場合によってはフラットトップへの取り付けでも起こってしまう事を確認しております。
ロングシャフトと言えどポット本体部の作りはノーマルシャフトと同じでポットのキャップは
4点のツメを折り曲げて組み込まれています。

このツメがポット取り付け時の六角ナット締め付けトルクによって開いてきてしまいます。
お手持ちのギターで同ポットが付いている場合、アースが結線されているポット背面を
指でつまんで軽く揺すってキャップが動く様でしたら既にツメは開いてきています。
ノーマルシャフトでは見ない症状なのですが何故か近年のロングシャフトでは多発しています。
最近までは「自分の締め付けトルクが強過ぎるのか?」などと思っていましたが
他店作業品でこのツメの部分に瞬間接着剤を流し込んでいる物を見掛けたので本質的な問題で
あると確信しました。
今回は普段行っている対策、防止策について書いてみます。

ちょうどロングシャフトのスムーズポットをご注文頂いたので改造作業と合わせて対策作業も
行います。

ちなみに問題が出るのは上記のキャップのツメだけではなく、このシャフト外筒の根元、
何故六角形状なのか不明な外筒根元も難有りです。

ココも締め付け時に六角裏面の圧着部が抜けてガタつきが出ます。

なのでまずはこの真鍮製外筒とプレートをハンダ付けで止めます。
六角ナット形状の表側だと作業しにくいので内側でポットの機能に差し障りの無い箇所を
選んでいます。
グリスが付いている場合はしっかり脱脂しないとハンダは乗りません。

根元の加工とスムーズポット化作業が終われば一先ず組み込みます。
ツメの部分はしっかりと圧着済みです。
当店はスムーズポット化加工を行うので気付いていますがツメの部分、と言うかキャップ自体の
金属はノーマルシャフトよりも柔らかいです。

組み込み後、ツメの部分を念入りに脱脂。

プレート部とハンダで止めます。

もちろん4箇所全て行います。

完成!
これでギター本体へしっかり締め付けてもポットがガタつく事はありません。

数年前までは全く起きなかった症状ですが近年は素材の金属が更に柔らかくなった為か
これまでと同じトルクで締め付けても発症します。
ただでさえアーチドトップだと締め付け時にポットへは斜めに締め付けトルクが伝わるので
シャフト曲がりや変形などのトラブルが出易いのは仕方ないのですが。
謎?なのはポット本体の底面がボディーに当たっていて締め付け時にシャフト部を引っ張る
力が加わればテコの原理でキャップのツメが開くのは予想出来ますが
大抵ポットの緩み防止で座金ワッシャーを挟み込んでいます。
そして座金ワッシャーはシャフト根元にしか当たっていない。
つまりポット本体はギター壁面から浮いた状態なのでテコの原理も作用するはずがない…
なのに何故にキャップが開くのか…
現在スムーズポット化の有無を問わず、当店でロングシャフトを使用する場合は必ず上記加工を
施しております。
季節の変わり目はオッサンの体に堪えます。花粉症なので尚更です。
そんな折にやっかいな新型ウイルス到来です…
皆様もご自愛下さい。
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YAMAHA SG-1000XY PHOENIX を徹底的にレストア。 甦れ!フェニックス編
2020-02-29
今回はレアなギターを作業させて頂きました。ヤマハのSG-1000XYです。
頭がVではなくBOWWOW世代としては崇高な存在のモデルなのですが…
お預かりした時の状況はかなり厳しいものでした。
電気系は全て入れ替わっているしトレモロもタケウチ製に素人作業で載せ換えられています。

トレモロバックパネルは途中でカットされて何やらよく分からない回路用のバッテリースナップが…
そしておそらくストラップピンを移設したと思われる様な痕跡が。

内臓回路用にミニスイッチが増設されています。
本来マスターボリュームの位置にトグルスイッチが…

PUのエスカッションもかなり太いビスで止められています。

ネックのコンディションも良くなかったので大変な作業になる旨をお客様へ説明させて頂きました。
それでも当時憧れていたギターゆえにせめて普通に弾ける様にまではとの事でした。
なので当時憧れていらっしゃった状態=デフォルトの状態へ如何に近付けるのか?が今回の
コンセプトです。
もちろん入手出来ない純正パーツ、元には戻せない改造跡だらけと問題は多いですが
現在入手出来るパーツ類でやれるだけやってみます。
BOWWOW世代のリペアマンとしては最高に誇らしい作業依頼ですしね。

まずは全てを分解。

ネックは重症では無いもののネジレ&波打ちのフルコース…
トラスロッドが機能していたのは不幸中の幸いか。
指板修正はかなり時間を掛けて徹底的に行いました。
途中で一度弦を張れる状態にして問題の改善具合を確認しながらなので中々に大変でした。

フレット打ち完了!
使用したフレットはJESCARの#51108。純正フレットに横幅は近く、高さは現代基準。
日本規格のワイド&ローのフレットも入手は可能ですがこの先長く弾いていける様にと。

リアPUの耳部分が雑に掘られています。
おそらくお客様はここまで見ていないだろうしピックアップ付けてしまえば見えない場所でも
あります。
でもこの状況のまま作業を進めるのは個人的に許せません。

普段はめったに使わないウッドパテで埋めます。

トレモロの要加工部と一緒にルーティング。

導電塗料塗ったらこの通り!
トレモロ部はラッカーで着色しました。

ちなみに新たに載せるトレモロはGOTOHのGE1996TなのですがGOTOH純正スタッドアンカーだと
アンカー穴を拡げる必要があります。
が、上の画像を見て頂いても分かる通りリアPUやトレモロザグリまでの距離が近く、
既にアンカーからリアPU側へは塗装のクラックも見られるので現状のアンカーサイズに近く、
ボディーへの負担が増えずに精度は欲しかったのでフロイドローズ純正スタッド&アンカーを
採用しました。
画像左より純正アンカー&タケウチのスタッド、GOTOH純正、フロイド純正です。

さて、お預かり時よりずっと施工方法を悩んでいた増設ミニスイッチの穴。

埋め木+タッチアップ塗装も考えましたが肉厚も薄い箇所なので経年変化や仕上げの難しさの
問題があります。
なので以前別のリペアで使ったアイデア、家具用のキャップを使うつもりでしたが…
サイズはミニスイッチ穴に対して大きいしツヤ消しなのが引っ掛かってました。

施工方法を決めきれないある日、全く別の用件で金物屋へ行った時に使えそうなアイテムを発見!
家具用キャップよりもサイズは小さいし黒のツヤ有りなのでこちらの方が良さげです!

仮止めして付けてみた。
うん。こっちで行こう!

で、本当に大変なのはこっちですわ。
トグルスイッチサイズに拡大されてしまっているマスターボリューム穴。
このままでもCTSポットは付けられると言えば付けられますが自分的にこのままなのは
ナシです。

用意したるはCTSのシャフトにジャストサイズの肉薄アルミパイプ。

穴の形状を整えてからパイプを入れてみたら狙い通りジャストで入る。

ボディートップのアーチ形状をマーキング。

金属ノコでカット。

ここからは慎重に加工。

最後は完全に手作業で攻めていきます。

ちなみにアーチ形状と合わせながらの加工ですが位置は元から空いているポット用のピン穴の
直下部にマーキング入れてるのでいつでも同じ位置に差し込んで形状チェックが出来ます。

ポット用スペーサー完成!
正直言うと加工中に力を入れ過ぎてパイプがたわんだりサンダーで削っている時に
吹っ飛んでどっか行っちゃったりで都合3個目で完成(笑)

これにてコントロール周りの問題は解決とします。

ようやくボディー側の作業が完了しました。

次なる問題はピックアップです。
純正はヤマハ独特の3点止めエスカッションにフロントは黒のPUカバー、
リアはフェニックスの柄に合わせてエスカッション&PU共にゴールド。
ピックアップはフロントはダンカン59、リアはJBの絶対的定番セットにします。
リアはゴールドカバー付きがあるので何の問題も無いですがフロントがね…
今時黒のメッキの施されたPUカバーは無いんですよ…
なので妥協はするのですが用意したのは黒ツヤ消しABS製の穴無しPUカバー。
コイツにダンカンピッチでポールピースの穴を開けてみようかと。

薄いABS製なので加工中に「ペキッ」っと割れてしまうかもしれない。
でもカバー2個あるから一度の失敗は許される(笑)

まずは59のカバーを外す。
さすがダンカンさん。カバーとPU本体はしっかりロウ浸けされてました。⇒外すの大変(笑)
配線時にコイルタップを設けるので59は4コンダクター仕様です。

ダンカンのカバーをABSカバーに載せて位置決め。

ボール盤の回転速度を少し下げてから少し小さめの穴を開ける。
更に回転速度を下げてリアルサイズ一歩手前のビットで開ける。
そこからはヤスリ手作業で進めます。

1個目で無事成功!

早速59に着せてみる。
ツヤ消しの黒ではあるけども中々良い感じだ!

ちなみにエスカッションは底面を削って高さを現物に合わせました。

組み込み完了!
画像は有りませんが大きめの打コンは全てタッチアップで埋めてます。
1本のギターで施工したタッチアップ箇所としては過去最高?ぐらいで何カ所作業したか
思い出せないぐらいです。

サラッっと書いてますがリアPUも一苦労ありました。
純正と同じブラス(真鍮)製エスカッションは既に入手出来ないので妥協してプラスチックに
ゴールドメッキのエスカッションなのですが…
コイツにTB=トレムバッカー用のPUカバーが入りませんでした。
なのでエスカッションの内径横幅を拡げようとヤスリを入れた瞬間、メッキがペロッと剥がれました。
諦めきれずにエスカッションを再注文して挑むも結果は同じ。
仕方なくリアはトレモロ付きなれどTB-4ではなくSH-4にしました。
言い訳としてはフェニックス発売当時の1985年にダンカンTBシリーズはまだ販売されていなかった
と言う事で。
したがってTB-4のゴールドカバー付きを在庫しております。どなたか買って頂けませんか?(笑)

コントロールは純正とは少し違います。
純正はマスターボリューム、フロント専用ボリューム、フロントトーンらしいのですが
それでは汎用として使い難いのでマスターボリューム、マスタートーン、
フロント&リアのコイルタップ切り替えスイッチポットとしました。

トグルスイッチとコントロールのパネルは作り直し。
トレモロバックパネルはザグリが全て隠れるサイズで製作。

パネル裏にはアーシング用のアルミテープを貼ってます。

ようやくここまで来た…
ここ数年では一番試行錯誤を繰り返した作業かもしれない。

リフレクター付きノブの並びは純正と同じボリューム・ボリューム・トーン。

ペグはメッキの劣化が酷かったのでGOTOH製新品へ交換しています。

でもロックナットは替えがきかないので流用。レンチが4ミリなのも不便だが流用。
このタイプはジャクソン/シャーベルのケイラー同様にロックを締め込むとチューニングは
かなりシャープします。
ですので締めてからファインチューナーで調整、その調整幅分をロックナットを緩めて
再チューニング、の繰り返しが必要になります。

最後の調整を終えた時、疲れよりも満足感、達成感の方が遥かに大きかったです。
かなり手は掛かりましたがお客様のフェニックスへの想い、自分の拘りとプライドを
注ぎ込めたと思います。

近年メディア(ネット)で露出があったフェニックスはリアがゴールドバーポールピースの
オープンタイプPU、トレモロはロッキンマジックⅡの様でした。
近年仕様へ変更とか言われたらどないしよ…(笑)

1985年に150本限定で販売されたこのSG-1000XY、言うまでも無くかなり貴重です。
自分も長くこの業界に居ますが今回のフェニックスで見た、触れたのは3本目です。
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STEINBERGER SPIRIT 硬いチューニングのツマミを使い易くする編
2020-02-08
今回はヘッドレスの定番、スタインバーガーのスピリットです。この廉価モデル、ホーナーの頃からすれば既に30年以上も続く超ロングセラーモデルですね。

EMGへの換装と硬いチューニングツマミ(=以降チューニングキーと表現)の改善をお受けさせて頂きました。
今までブログアップこそしていませんでしたがチューニングキー周りは割とご依頼の多い作業です。

まずはトレモロのフローティングストッパーをしっかり掛けてからスプリングテンション調節ノブを
抜き取ります。

トレモロ後端=チューニングキー側を少し持ち上げてユニット自体とトレモロスプリングを外します。

チューニングキーの作業だけならココは不要ですがブリッジアースの取れ具合が少し怪しかったので
トレモロ基部も外します。

先にEMG関連の作業を。

純正の配線コネクターなんざ使ってたらこの小さなコントロールザグリ内に全ては収まらないです。

EMG取り付け完了!

本題へ戻ります。

まずはトレモロ裏面のビス5本を外す。

トレモロを裏返したまま慎重にサドル側と分離させる。

サドル分解。

サドル側のチューニングキー差し込みビス穴には高粘度のリチウムグリスをチョイ付け。

ここからが本番。
チューニングキー根元には黒い小さなワッシャーが2枚入っています。

スピリット使いの間ではメジャーなナイロンワッシャーをお客様よりお持込み頂きましたので
交換するわけですが、デルリンやテフロンならまだしもナイロンだと柔らかく、圧縮力が相当に
加わった際の潰れ防止で純正ワッシャー1枚、ナイロンワッシャー1枚の2枚立てで組み上げます。

ところがですね、この純正ワッシャーがですね、よぉ~~く見て下さい。
センター穴がズレちゃってます…
まぁそれでも機能的には問題無いでしょうけど使用するのはなるべくセンターのズレの少ない物を
選びます。

用意したるはペースト状のシリコングリス。

塗布する際は細手の筆を使います。そしてオロナイン軟膏の如く薄塗りです。
薄塗りで十分効果を発揮しますのではみ出る程は塗らない様に。

チューニングキー底面⇒グリス⇒ナイロンワッシャー⇒グリス⇒純正ワッシャー⇒グリス

サドルスプリングがきっちり引っ掛かる様に組み込み。

トレモロ側を被せる感じで組み上げ。

これにてグリスアップ作業完了!
ちなみにナイロン、テフロン、デルリンワッシャーに交換しなくともグリスアップだけでも
実感出来る程の効果はあります。

ちなみに弦のボールエンドを引っ掛けるサドルはチューニングキーのビスが
「かろうじてサドルへ食い付く」ぐらいで出来るだけ引き出しておきます。
これはナット側にストリングアダプターを付けている方は非常に重要な段取りです。
ダブルボールエンド弦では関係ありませんがアダプター使用時は
「なるべくチューニングキーを締め付ける量を少なくする」事がチューニングキーへの負担を減らす
=硬くなるまでにチューニングを合わせる事に繋がります。
つまりサドルがチューニングキーにかろうじて掛かるぐらいでボールエンドを入れ、
ヘッド側=ストリングアダプター側から引き出した弦を可能な限り引っ張った状態でアダプターを
ロックします。弦に緩みがあるとチューニングキーを最後まで締め込んでもチューニングが低かったり
しますのでアダプター側からの弦を親の仇の如く強くしっかりと引っ張りながらアダプターをロックして下さい。
と、
ここまで書いておきながら今回はアダプター無し、ダブルボールエンド弦使用なので
具体的な説明画像はありません(笑)

さて、本体への組み込みです。
まずはこのメッキが剥がされて地金が出た部分に

ブリッジアース線がきっちり当たる様に調整します。
分解前にアース線が当たっていたボディー側は木部が凹んでいるので別の箇所へ移動、
アース線の先端にハンダを載せて少し厚みを持たせておきます。
これならボディー側が多少凹んでもアースはブリッジへ当たり続けるかと。

トレモロの組み込みに入ります。

まずはトレモロスプリングをトレモロ側のスプリングが当たる箇所に差し込みます。
スプリングを時計回りに回しながら差し込めばきっちり収まるはずです。

トレモロフローティングストッパーを起こしておきます。

分解時とは逆にスタッドの位置を確認しつつ、トレモロを滑り込ませる感じで 取り付け。
この時点ではトレモロスプリングにさほどテンションは掛かっていないのでストッパーを
外してトレモロがスムーズに動くか=きっちりスタッドに咬んで組めているかを確認します。

再度ストッパーをかましてからスプリングテンション調整ノブを締め付け。
締め付けトルクは言うまでもなく弦を張ってチューニングしてからフローティング具合を
確認しながら本調整です。

完成!
チューニングキーの回転トルクもかなり軽くなった様に感じます。

ちなみにこれも長き伝統?なのですがメーカー出荷状態でのサドルの位置では
オクターブピッチが全く合っていません(笑)
未調整のオーナー様は弦交換のついでにでも調整する事をお勧めします。

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バイギブのオービルLPスタンダードを徹底的に作業!フロントPU断線や全ポジマーク浮きのフルコース編
2020-01-18
それにしても今年の冬は雪が少ないどころか暖かいですねぇ…。さて、今回はバイギブのLPスタンダードです。
お持込み頂いたお客様は気付いていらっしゃいませんでしたがバイギブは黒カスやSG、エクスプローラーや
FV等はよく見掛けますが実は一番売れ筋と思われしスタンダードの流通本数は多くありません。
現在ではジャパンヴィンテージとして確固たる地位を築いているのでプレミア価格で取引されている事も
珍しくはありません。

眠っていた系なのでホコリの蓄積がスゴいですが本当にバイギブのスタンダードを見るのは久しぶりです。

まずフロントPUの音が出ないとの事でしたのでチェックしたところ、異常な抵抗値でした。
なのでまずはフロントを何とか復活させる事が出来るのかに挑みます。

純正でギブソン製PUです。

アセテートテープを剥がして分解、各ボビンの抵抗値を計測したところ、
問題があるのはフラットポールピース側のボビンと判明。

当該ボビンを分離。

コイル巻き終わりの白線を外して外周テープを慎重に剥がしつつ鬼集中してコイルを
激慎重にほどいていきます。

断線箇所発見!!

コイルの被膜を剥がして元の白線へ接続。

何とか復活出来ました。
しかしながら経年劣化による様々な原因で断線したと思われるので
今後また別の箇所で断線する可能性は残ります。
その時はPU交換か完全リワインドがお勧めになります。

フロントPUの問題が片付いたのでフレット周りに着工するのですが…

今回はほぼ全てのポジションマークが浮いております…
指で軽く押すとパカパカ動くぐらい浮いている物もあれば端だけが軽く浮いている箇所と
症状は様々。

まずはフレットを抜きます。

続いて全ポジションマークを外します。

よぉ~く見て下さい。
ポジションマークが反っているのが分かりますか?
つまりポジションマークの接着に問題が有った訳ではなくポジションマーク自身の「縮みによる反り」が
今回のポジションマーク浮きの原因です。

再固定に入りますがまずは余分な接着剤の跡を削ぎ落とします。
ここで重要なのは必要最小限=ポジマークが深く沈み込まない様に、底面のフラットを崩さない様に
削る事です。

こんな感じ。

ポジマークの仮合わせを繰り返して削ります。

全箇所底面修正完了。

接着に入ります。
ポジマークの裏面=接着面に#150程度の粗めのペーパーで傷を付けます。
これは接着剤の食いつきを良くする為です。

接着剤はゼリー状のアロンアルファを使用。
四隅と中央に少量。

接着完了。
僅かに接着剤がはみ出てますがこの後研磨するので問題ありません。
むしろ少しはみ出すぐらいの方がきっちり接着剤が行きわたっている証なので安心です。

全箇所接着完了!

一晩置いて完全に接着剤を硬化させてから指板修正に入ります。

段差等も無く綺麗に仕上がりました!

フレット打って指板周りの作業は完了。

お次はヘッド表面をキレイにします。
通常はペグブッシュも抜いてバフ掛けしちゃうのですが…
1弦ブッシュの横に塗装浮きっぽいのが見えます。

なのでブッシュを抜かずに手作業で研磨しました。

やはり塗装が内部で浮いている様です。
無理にブッシュを抜くとペリッ!っと塗装が剥がれてしまってもおかしくはないので
ブッシュを抜かずに作業で正解でした。

ようやく木部は一段落したので次は金属パーツをメンテナンスします。
パーツクリーナーを使用しますがペグはそのままクリーナーをブッ掛けると内部の必要なグリスも
流れ出てしまうのでウエスにクリーナーを吹き付けて手作業で掃除します。

左の2弦用が施工後、右の4弦用が施工前。
ちなみにブリッジやテープピースは遠慮なくブッ掛けてクリーニングします。

そろそろ電気系も組み込む段階なのですが…

フロントは冒頭の作業で組み込み時に外周アセテートテープを巻き直してますが
リアは劣化したままなのが気になる。

なのでリアも貼り直して、

フロントと一緒にロウ浸け。

これでPUの準備完了です。

ボディーはいつも通りザグリ内に導電塗料塗って有線でアーシング接続。

コントロール部もいつも通り。

配線完了!

完成です。
やっぱり良い鳴りしてます。
これからは再び眠りにつくのではなくガンガン弾いて欲しいですね。

多少の打コン等のダメージはありますがここまでコンディションの良いバイギブスタンダードは
もう今後見る事は無いのかもしれません。
後世に伝えるべく「THE 日本製レスポール」かな。

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GIBSON '70s ES-340 TD 潜むトラップにことごとくハマった編
2020-01-18
ちゃんとしたブログを書くのは久しぶりになります。ようやく年末年始のバタバタから落ち着きを取り戻しつつあります。
今回はギブソンのES-340 TDです。
1969年から73年までの短い間しか生産されていない中々にマニアックなセミアコです。
シリアルから判定する製造年は70~72年、でもラベルカラーやオリジナルと思われしPUカバー表面に
レリーフ刻印が無いので70年製と思われます。

335とは違いメイプル尽くし。

ネックはメイプルーウォルナットの5ピース。

Fホールから覗くコントロールの配線には何やらマスキングテープらしき物が…
しかも奥に見える線はどう見ても汎用の配線材。
でも良いんです。配線は既に変更されているみたいなので。
本来の340はトグルスイッチでリアPUのフェイズ/パラレルの接続変更、
通常のボリューム・トーンはPUバランサーを装備し、一般的な配線レイアウトではありません。
この340は既にごく普通の配線レイアウトへ改造されています。

ブラスサドルのABR-1ですがコマ鳴りが発生しています。
これは組み込み時に手を加えようかと。

さて、分解に入ります。
電気系はチャチャッと全バラシ、毎度の通りまずはネック=フレットから着工です。
で、お預かり時にフレット交換歴アリなのは分かってましたが…
ナットは「適当リペアあるある」でプラ板と薄板の下駄を履かされていました。
そんなにナット作り直すのが面倒なのだろうか?いやどうしてオリジナルのナットを
活かしたかったのか??

はい。早速第1トラップにハマりました。
フレットは木工用ボンドで止められてました(笑)
そう言えば下駄履きナットも木工用ボンドで付けられてたな…
フレット溝の側面のみならず底面から取りとめなく湧き出してくる木工用ボンドの残骸…
木工用ボンドは硬化してもフニャフニャ柔らかいくせに導管には染み込むので今回の様に
フレット溝の中だと除去は滅茶苦茶大変です。
カッターナイフでひたすらこそぎ出す。

木工用ボンドの残骸除去に半日近く費やして(チップ修正も含む)ようやく指板修正。

そこからフレット打ちまでは比較的スムーズだったのだがフレットすり合わせ時に
金属粉を吹き飛ばすべくコンプレッサーでプシュ~っとエアー掛けたら突然思いも寄らぬ
マスキング済みのフロントPU奥からデカいホコリの塊が飛び出してきた!
しかもその断片が目に入った…
水道で目を洗って目薬さして暫し休憩。
指板修正前にFホールやPUホールから念入りにエアー吹いてホコリは取り切ったはずだったのに。

フレット周りが一段落した頃にはトラップ慣れしてきた(笑)

さて、電装系や組み込みに入る。
まずは分解時より気になっていたブリッジのスタッド穴。
埋め木が施されているが今空いている穴とどちらが正しいスタッド位置なのか?
日焼けの具合からすれば今の穴位置っぽいがスケールポイントから計測するとどうも
埋め木穴っぽい。
なのでブリッジだけ先に仮組みして弦張ってクリップ式チューナーでオクターブを見てみようかと
考えたんですが…

スタッドめっちゃ曲がってました(笑)
分解時に指でスルスル回して抜けたので「あぁスタッド穴拡がってんな。組む時埋め木するか」程度で
スタッド本体はちゃんとチェックしてませんでした。
まぁコレはトラップって言うよりも自分のミスチェックなだけですが。
で、交換用のスタッドを発注したら今度は発注元のミスでゴールドのスタッドが届いたと言う(笑)
呪われてんな。今回は(笑)

正しいスタッドが届くまでに先に作業を進める。
まずはピックアップのロウ浸け。

で、またトラップ出現。
交換すべく取り寄せたピックアップマウントスクリュー4本入り1パックのうち1本だけが
インチサイズでは無い、ミリサイズでも無い(笑) 何のビスやねん?状態。
こちらも取り寄せし直して何とか組み込み完了。

そしてリアPUのフェイズ/パラレル用出力線。
お預かり時はマスキングテープで絶縁(したつもり)されていた場所。

メインケーブルへきっちりハンダ付けしてから…

収縮チューブで絶縁。
と、文面と画像を見ればすんなり進んだ様に見えるがココにもトラップは潜んでいた…
収縮チューブはめてから抵抗値を測ると明らかにおかしい。
収縮を剥いてチェック。
どうやらメインケーブルへ落とした副線の作業箇所では無いところで短絡(=
ホット出力がアースへ接触している)のを発見。
手直しして再度収縮チューブをはめる。
こいつは不幸中の幸いか?本体へ組み込み後に発覚したらとてつもなく面倒な事になっていたはずだ。

リアだけ収縮チューブはめるとフロントもはめたくなるよね~。

さて、今度はポット周りだ。もはやどんなトラップが出ても動じない(笑)
交換されているポット類だがそれなりに劣化していたりハンダの熱も相当加わった跡が
あるので全交換。ただしトーンのキャパシターは流用。

組み込み時に引っ掛かって邪魔にならない様にトーンからの出力線をキャパシターで
軽く押さえる様に工夫。
使用している出力線は最近お気に入りのモガミ製オーディオ用1芯シールド線。

この様にポットから真っすぐ線を引き出せます。

トグルスイッチも配線して下ごしらえ完了。

コレなのよ。大変なのは。
でも今回はトーンの配線に一工夫したお陰で割と短い時間で組み込めました。

FホールからはリアPUの線は仕方ないにしても余計な線が見えない様に組めました。

ブランコテールピースへ繋がるブリッジアース線は元の線材の被膜内部までサビが入っていたので
新調。

先端を取り付けビスの穴に引っ掛けてスッポ抜け防止策。

さぁようやくココまで来た。
オクターブピッチ的には埋め木穴が正しいスタッド位置っぽい感じだったがブラスサドルのコマ鳴りを
防ぐべくなるべくサドルをオクターブビスで締め込みたかったので現状の穴を使う。
が、穴サイズがスッポスポだったので埋め木して空け直し。

ABR-1も分解しtれ清掃。
ブラスサドルを止めるオクターブビスはビスピッチに軽くキズを入れてサドルとのガタを
無くしています⇒コマ鳴り防止策。

コマ鳴りは止める事が出来ました。
2回目入荷のスタッドはちゃんと銀色でした(笑)

ここまで色んなトラップにハマって段取りが狂うと逆に徹底的にヤリたくなる。
ネックグリップに有った演奏時微妙に気になる打コンをタッチアップで埋める。

ようやく完成!
元よりフェイズアウトを盛り込んだ仕様なのでフロントとリアはミックス時にフェイズアウトに
なるがオーナー様は購入からお持込みまで数カ月その状態のまま弾いていたらしいので
フェイズのまま組み上げた。
まぁ使いにくければまた分解してピックアップ内部に手を入れれば良いだけだし。
もはやそれぐらいの手間は何とも思えないほど今回は色んなトラップを堪能した(笑)

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臨時休業と新春キャンペーンのお知らせ
2020-01-07
遅ればせながらあけましておめでとうございます。昨日より本年の営業を開始しておりますが
まずは臨時休業のお知らせです。
11日(土)は所用により臨時休業、12日(日)13日(祝)は定休日です。
ご迷惑をお掛けしますが何卒ご了承願います。
新春キャンペーンとして1月31日(金)までお一人様1本限り
トラスロッド調整無料キャンペーンを行います!
エレキ、ベース、アコギ何でもOK!!弦交換が必要な場合は弦お持込みか弦代が必要になります。
当ブログ、フェイスブックページをご覧の皆様はお分かり頂いているかとは思いますが
ご来店は予約制となっております。
キャンペーン作業もお手数お掛けしますが事前に来店予約をお願いします。
本年も当店を宜しくお願いします。

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